前回のおさらい

前回の記事はこちらから

前回は、4Kでの編集環境を整えるために、12Gソリューションが理想的なことを話しました。

正確には、DCI 4K, 24fps, 10bit, 4:4:4でのリアルタイム編集は、11.14Gbps (1400MB/s)の12Gソリューションを必要とすること。そのためにはThunderbolt2もしくはThunderbolt3でのSSDを使ったRAID5(またはRAID0)が一番良いことも話しました。

(備考) Atmosなどを使った外部収録撮影の場合はLog撮影が基本です。その場合はDCI 4K 10bitでProres4444(1100MB/s)もしくはProres 422HQ(734MB/s)のデータとなるため、Thunderbolt2を使ったPromise Technology P2M4などを使うことで、完全なリアルタイムプレイバックが可能です。(注) 予算によってはさらに早いソリューションも可能です。

モニターの検討要素

モニターを選ぶ条件はそれだけで十分分かりにくいですよね?マジでややこしいですね。調べていると次から次に知らないことが出てきて、何日もかかった記憶があります。

スタート地点として、今回は10bitのサポートがあるモニターでAdobeRGBのサポートが高いものに限って考えます。Rec.709とsRGBはHDTV仕様で、最近はほぼ100%対応しているものが多いです。そのために更に色域が広い(Wide Gamut)AdobeRGBを100%近くカバー出来ているモニターに標準を定めます。Rec.2020は一応UHDの標準な色域ですが、まだ十分な対応がとれるモニターが無いので検討から外しました。DCI-P3は、モニターの色空間以外にも、視聴環境を実際の劇場の環境に近づけるのは難しいので、とりあえず考慮から外して良いかなということで保留にしてます。

ちなみに、という話ですが、Rec.709(HDTV)とsRGB(Web標準)はガンマ値以外は全く同じです。

4K, QHD, Full HD

まずモニターを買う時に、一番大事なのはコスパだと思います。そしてコスパを考えた時、全て理想的なスペックのモニターを手に入れることは無理なので、何を優先して選ぶかが大事だと思いました。自分の中での優先順位は以下の通りです。

  1. 色の正確さ(AdobeRGB 99%以上, sRGBとRec.709 100%)
  2. 色の多さ (10 bit 色深度、14bit 3DLUT)
  3. コントラスト比(高いほど白と黒のダイナミックレンジが大きい / 標準的なモニターは1000:1、高品質になると1500:1以上)
  4. 解像度(DCI 4K, UHD, QHD, FHD)
  5. リスポンスタイム (一桁ms)
  6. サイズ(QHDは27インチが標準, UHDは31.5インチが標準のようです)

カラコレも自分でするので、出来るだけ正確にモニター出来るものを探した結果こうなりました。予算にもよりますが、1-3を満足に満たすUHDやDCI 4Kのモニターは数が限られます。Macの方は5K Retinaを並べてください(高いけど)。PCの場合は4Kでは無くQHDが予算的に今回は良いかなという気がしました。サイズも27インチなので、一人で作業するには十分だと思います。

つまり、12Gソリューションは必要ありません。10 bit QHDで30fpsのデータレートになると、凡そ4Gbpsです。


参照:Kramer Bandwidth Calculator

これならもっと標準的な6G SDIでも対応出来ます。

HDMI1.4(10Gbps)でも対応出来ますが、HDMI2.0以外は10bitの対応をしていません。それと違い、DP (Display Port)1.2は5.4Gbpsですが、10bitの対応をしています。このことはDisplay Portのサイトにも記載があります。


(訳)参照:VESA DisplayPort.org - Display Portについての国際的な非営利団体
質問:Display Portが対応するデータ形式でもユニークなことはなんですか?
答え:DPがもつ高いデータレートによって、DP1.2aでは4K 60Hzをフル解像度(30-bit 4:4:4)で対応しています。(…その後、回答が続く…)

その他、Display Portの進化がわかりやすい図(英語ですが、多分大丈夫でしょう)があったのでシェアします。


参照:DisplayPort

QHDで99%以上のAdobeRGBをサポート、かつ10bit対応をしているモニターを調べてみました。

(補足)ちなみにスタジオレベルのモニターでは、SONY OLEGモニターとFSIモニターがダントツだと思います。値段はなんと100万から300万円くらいです。

10bitの種類

また10bitでのモニター出力は2種類あるらしく、8bitを10bitに擬似的に見せるタイプ(8bit+FRC)と、実際に10bitカラーでの入力(True 10bit)があります。

FRCの技術はEIZOさんのサイトで詳しく説明があるように、「FRC(Frame Rate Control)とは、画面のフレーム書き換え/フレームレート、及び人間の目の残像効果を利用して、見かけ上の発色数を増やす仕組み」ということです。(参照:第4回 同じ色数でも画質が違うヒミツ――液晶ディスプレイの「最大表示色/LUT」に迫る

これはモニターが8bit+FRCで10bitの発色域を達成しているということなので、正確には10bitではありません。なので10bitのモニターよりも正確さには欠けると思いますが、ほぼ見分けがつかないそうです。判断の基準は色の色差をはかるDelta Eという数値。以下、参考までに。


参照:Color Solution

モニターの検索

B&Hで「AdobeRGB」と検索すると…

一番最初に出てくるのがこの二つ。

  • BenQ SW2700PTは、QHDで99% AdrobeRGB
  • LG 31MU97-Bは、DCI 4Kで99.5% AdobeRGB


参照:B&H

ちなみにBenQ SW2700PTはDelta Eが2以下と出ています。つまり、一般的に見て8bit+FRCで作った10bitは判断不可能ということの様です。

またBenQ SW1700PTは、14bit 3DLUTでの8bit+FRC画像処理プロセスなので、パソコンからの入力が8bitか10bitでは画質に変化があると思います。つまりDP1.2もしくはHDMI2.0接続で、10bit処理可能なGPUがあれば、ベストな色でディスプレイで見ることが出来るということなはずです。


参照:BenQ Japan

詳しい情報はこちらから見ることが出来ます。

BenQ SW2700PT
Amazon Japan
Display Specification

LG 31MU97
Amazon Japan
Display Specification

もちろん値段の違いはQHDか4Kかもありますが、SW2700PTは8bit+FRCの10bit、31MU97はTrue 10bitです。ちなみにSW2700PTは、HDMI2.0かDP1.2からの10bit入力での8bit+FRCプロセス、31MU97は、DP1.2からの10bit入力10bitプロセスです。

両方とも良いと思ったんですが、QHDでTrue 10bitの99% Adobe RGBで探したところ出てきたのは、DellのUltra Sharp UP2516Dというモデルでした。

Dell Ultra Sharp UP2516D
Amazon Japan
Display Specification


参照:Amazon Japan

  • AdobeRGB 100%
  • sRGB 100
  • DCI P3 98%
  • QHD 10 bit 4:4:4対応(12bit 3DLUT)
  • DP1.2 / HDMI2.0対応

値段とスペックを考えると一番コスパの良いモニターだと思います。BenQ SW2700PTの方が14bit 3DLUTなので、Dellはそこが劣りますが、True 10bitです。ちなみにDell UP2516DのパネルはLGパネルと同じの様です。

他にコスパの良いモニターあれば教えてください。

コスパの先

ここから上の値段になると10万円代では、ムラ補正が効いたり、画面を見る角度によって変化する輝度や色彩がマシになったり、マット加工がさらに良かったり、DCI 4K 10bitがあったりします。

20万後半から30万円後半になると、モニター設定が変わりPCモニターからプロのポスプロモニターだったり、現場モニターになります。SDIのI/Oがついたり、ルミナンスが高めだったり、標準設定のコントラストが高かったり(1500:1 ~ 2000:1)、内蔵画像処理が22bit 3DLUTになったり、OLEDという高級なディスプレイ方式になったり、その他もろもろがハイエンドです。いつかそういうモニターのあるスタジオで編集やカラコレに関われるような仕事がしたいですね!


参照:B&H

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