「映像で残す、日常の楽しさ。~YouTubeチャンネルの始め方~」 shimi×山下 舞弓【CP+ レポート】

2021.05.21 (最終更新日: 2021.08.04)

CP+2021概要

LUMIXで撮影された映像作品からクリエイターにインタビューをする“LUMIX User Voice”。

今回は、2月26日から28日まで開催したCP+2021 ONLINE CREATORS LIVE! WITH LUMIX DAY2「動画を、はじめよう。」の中から、shimiさんと山下舞弓さんのセッション「映像で残す、日常の楽しさ。~YouTubeチャンネルの始め方~」のイベントレポートをお届けいたします。

近年、スマートフォンの普及、デジタル一眼カメラの小型化、高性能化、そして求めやすい価格になったことで、動画制作を始める人が増えてきています。その中でも、個人でYouTubeに動画コンテンツを投稿するYouTuberの存在は、多くの人から注目を浴びています。

人気YouTuberとして活躍するお二人から、YouTubeを始めたきっかけ、動画制作においてどのようなプロセスを踏んでいるのか、LUMIX「DC-G100」を引き合いに作品例と共にお伺いしました。

登壇者プロフィール

shimi氏
映像クリエイター。ゼロから映像制作を始め半年で軌道に。YouTubeチャンネル「しみさん夫婦」では、夫婦の日常をシネマティックに切り取っている。ストーリー性のある映像や、SNS向けの企画を考えることが好きで、企画段階から任される仕事が多い。

「しみさん夫婦」チャンネル

山下 舞弓
モデル/登山系YouTuber。雑誌、CM、TVなどで活動するモデル。2020年よりYouTubeで「オトナ女子の山登り」チャンネルをスタート。企画・撮影・編集、全て自身で行う。実際の山登りの様子をVlog形式で紹介。「自分が感動した風景をリアルに伝えたい」をコンセプトに映像を配信している。山ごはんの作り方や山グッズなどの紹介も人気がある。
「オトナ女子の山登り」チャンネル

映像で残す、日常の楽しさ。~YouTubeチャンネルの始め方~

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動画を投稿することは怖くない、暖かいコメントに溢れるYouTube

今や、小学生の「将来、なりたい職業アンケート」で、上位にランクインする職業YouTuber。誰もが注目するYouTuberになるためには、たくさんのプロセスを踏んでいます。

今回登壇してくださった、映像クリエイターのshimiさんは動画経験ゼロでしたが、半年で仕事にできたと言います。さらに、自身が運営するYouTubeチャンネル「しみさん夫婦」「ぱんだ兄弟」「インスタントシネマ」の3チャンネルの運営をおこなっています。

そして、山下さんもモデルでありながら登山系YouTuberとして活動。仕事の合間に企画・撮影・編集、全て自身で行うなど、積極的な活動をしています。

動画投稿に抵抗はなかったのか?

夫婦のチャンネルを運営するshimiさんは

「初めは、えりちゃんも恥ずかしがっていました。自分で顔を隠すほどだったのですが、ある日僕が仕掛けたえりちゃんのドッキリ動画にTwitterで16万いいね!もついて。その時に優しいコメントがいっぱい届いたんですよ。そこから動画で顔を出して表に出ても、批判されるようなコメントはこないんだというのが分かって、自信を持てたみたいです。」と言います。

確かに、表現する立場であるとバッシングが怖いという方は多いかと思います。ですが、意外にも多くの人の目に触れてもバッシングなどはこなくて、楽しいと思えるコンテンツだと、あたたかなコメントが多く寄せられるというのです。

SNSを積極的に活用している山下さんも

山を登っている時に視聴者の方から声を掛けられることが増えました。 それがすごく嬉しいですね。一度、テントポールを忘れたっていう事件があって、その動画を見た後に会った視聴者の方に『今日はテントポール忘れてない?』『今日はちゃんとテント立てられる?』なんて言われたりして(笑)。

『いつも見ているよ!』『応援しているよ!』って言って下さる方が多くて、次も頑張ろうと心の励みになりますね。」と、あたたかいコメントに励まされていると言います。

二人はなぜ動画を始めようと思ったのか?

お二人がYouTubeで動画投稿を始めようとした、きっかけはあるのでしょうか?

山下さんが動画を始めたきっかけは、長野県松本市を拠点に山の風景を撮影している映像作家の井上卓郎さんの作品を観たことだと言います。

井上さんの映像は自分が本当にその山に登ったような気持ちにさせてくれるものだというのです。「この山に行ってみたい!」と共感させてくれる映像を観たことで、山下さんも登山の映像に挑戦しようと思ったのだと言います。

そこから、動画にチャレンジした山下さん。Vlogのように説明を入れながら動画を発信できれば、共感を得られるのではと思いカメラを購入したと話します。

一方、shimiさんは、なんとなくYouTubeを始めてみたいという気持ちがあり、分からないことだらけの中でしたが、まずはやってみようとスタートさせたと言います。

動画を始めるにも、機材の購入は安くはありません。スマートフォンにも性能の良いカメラが搭載されており、スマートフォンから始める方も少なくはありません。ではなぜ、お二人はカメラを購入してから動画を始められたのでしょうか?

山下さんは「当時使っていたスマートフォンがあまり性能が高いものではありませんでした。自分が出したい色味が出なかったことと、ズームした時のぼかしはカメラではないと表現できなかったので動画用にミラーレス一眼を購入しました。

今はすごくスマートフォンのカメラの性能が上がっているので、十分に使えるかと思います。ですが、背景までピントが合ってしまうのが違うなと感じてしまいます。」と、ミラーレス一眼の持つ独特な表現を求めてカメラを購入したと語ります。

好きな人と始める、YouTubeを長く続けるコツ

動画はカメラを購入すればすぐに撮影することができます。ですが、実際にYouTubeに投稿する際、多くの場合『編集』というプロセスを踏みます。この 『編集』は簡単ではなく、多くの方が躓くプロセス ではないでしょうか。

この『編集』という作業をお二人はどのようにクリアできたのでしょうか?

shimiさんは「ひたすらYouTubeで、編集のチュートリアル動画を見ながらクリアしていきましたね。ひとつずつ、カットをどうやるのか。テロップはどうやって入れるのか。

本当に初歩からのスタートで、トライアンドエラーを繰り返しましたね。」と、編集作業に最初はとても苦労されたと話します 。


そして山下さんも「私もYouTubeで動画の編集を学びました。それこそチュートリアルを見ても、なにがなんだか分からないぐらい初心者だったのですが、YouTubeの先生のおかげで今の動画ぐらいまで編集できるようになりましたね。」

と、お二人とも、分からないことを自身で調べ、何回もトライアンドエラーを繰り返したと言います。

山下さんは「まだまだ勉強中です。もっともっとって思うんですけど、やっぱり難しいですね(笑) でも、色々挑戦することが大事だと思います。」と、『動画編集』の大変さと共に、『挑戦し続ける姿勢』が大事だと語ります。

しかし、挑戦というのはとてもエネルギーの必要なことです。ある種、続けるためのモチベーションが必要なのではないでしょうか。それについて、3つのチャンネルを運営するshimiは答えています。

自分の回りの人とやっているから、モチベーションを保っていられるのだと思います。チャンネルを始めるとなると、長期的にやっていく前提で始めるので、それこそ本当に好きな人とじゃないとダメだってなります。

なので、近くにいる妻や弟からスタートして、そこから本当に好きな友人とも始めました。やっぱり好きな人とじゃないと、生き生きとした自分も出てこないですし。」。

チャンネルを始めるには、身近で気軽に一緒にできる人がいると良いというshimiさん。これがチャンネルを長期的に運営していくコツなのかもしれません。

3つのチャンネルの動画の編集は、基本的に全てshimiさんが行っていると言います。しかし、先に言ったように動画編集はとても大変なプロセスです。shimiさんは、この大変な作業をある程度効率良くできるようにしていると言います。

「僕自身、テロップがすごく苦手なんです。テロップ入れは自分ではできないなって思う時が多かったので、妻や弟に編集の方法を教えてテロップや効果音をお願いして入れてもらっています

カットやサムネイルは僕が担当して、ある程度分担でやっていますね。」と、自身だけではなく、周りの人にも協力してもらっているようです。

それに対して山下さんは「私も、結構テロップは出しているのですが、全て喋っているところを文章にしている訳ではありませんね。ちょっと捉えづらい部分や、分かりづらいなと思った部分にテロップを入れたりしています。

私もあんまりテロップ入れが好きじゃないんですよね。なので、なるべく映像だけで表現できるように心がけてやっています。」と言います。

納得いくものを届ける、動画作りのこだわりは「音楽選び」

これまで数多くの動画を投稿してきたお二人は、『編集』にどんなこだわりがあるのでしょうか? 『編集』に時間をかけるお二人に聞いてみました。

山下さんは「私は音楽選びにこだわりがありますね。すごく時間をかけています。1本の動画を仕上げるのに2日かかる時もありますね。音楽は山に登ってから決めるんですよ。

その時の自分の感情に近い音楽がいいなと思ってるので、事前に決められないんですよね。」と音楽選びにこだわりがあると語ります。

山下さんが音楽選びの際に利用しているサービスが「Artlist」と「Epidemic Sound」。どちらも月額で利用できるサービスです。

「Artlist」
https://artlist.io/jp/

「Epidemic Sound」
https://epidemicsound.jp/

どちらも著作権フリーの音楽が膨大にあり、選ぶのに困らないと言います。しかし、たくさんの曲の中から1曲を選ぶのに時間がかかってしまうということもあるようです。

山下さんは「本業はモデルのお仕事をしているので、その兼ね合いもあり、なかなか時間が取れない時もあります。視聴者の方にはお待たせしてしまっているところもありますが、やっぱり自分の納得したものを届けたいと思っています。

その気持ちが、私の中にあるのでたくさん時間をかけて納得した動画を作っています。」と動画一本に掛ける熱量が伺えます。

そして、shimiさんのこだわりは、『動画の鮮度』 だと言います。shimiさんは「4KではなくフルHDで素材が2、30分程度。それをカットして10分くらいにします。妻に寝起きドッキリとかもやるのですが、朝に撮影して、その日の夜にアップします。」

と、編集は数時間程度と、山下さんとは打って変わりとても短い時間での編集だそうです。

続けてshimiさんは「動画をボツにしたことは、ほぼないです。撮った動画は思い出として残したいっていう側面もあるのでボツにせず、出すっていう感じでやっています。」と、shimiさんにとっての動画のあり方を語ります。

お二人の動画制作に対するスタンスが垣間見えた瞬間でもありました。

撮りやすさ抜群!LUMIX「DC-G100」のポイントとは?

今回、お二人にはLUMIX「DC-G100」を使っていただき動画を撮影していただきました。

DC-G100
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/g100.html

山下さんの動画は、色が綺麗な紅葉などを撮影されています。

撮影の際、レンズを交換できるのがG100の強みだと山下さんは言います。実際に使われたレンズはズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ ASPH. / POWER O.I.S.」とマクロレンズ「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」、

そして撮影によって「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」のどちらかを使用すると言います。

ズームレンズは肉眼では見えづらい山の稜線などを、綺麗に映し出してくれます。より詳細な山の様子が映し出せるということで、重宝している。」と山下さんは言います。

料理シーンなどは、G100のバリアングル液晶が便利で、録画中は赤枠表示になり押し忘れを防いでくれるというのです。

この録画ボタンの押し忘れは、動画撮影をする人にとって、よくあるミスで、録画がはっきりと認識できるこの機能は、押し忘れをしてしまう人にとってとてもありがたい機能だと山下さんは言います。

そして、G100にマクロレンズをつけた際の描写力が良いと言います。

肉眼ではなかなか見ることができない、きのこの線がセッション内で流された映像に綺麗に映し出されています。これらの描写力はスマホでは再現が難しく、ミラーレス一眼ならではの楽しみ方です。

次にshimiさんの制作した動画です。

こちらは、いつもの夫婦で撮影するようなVlog動画になっています。

声の収録に際し、G100の内蔵マイクがとても優秀だったとshimiさんは言います。カメラ、レンズがコンパクトで持ち運びが便利なのに対して、専用の外付けマイクを持ち運ぼうとすると荷物が増え嵩張ってしまう。

G100の内蔵マイクがVlogに特化したモードを備えているため、そのまま撮影できるのが強みで、そのため荷物も最小限で済むのだと言います。

そして、外で撮影している際、大きいカメラを持っていると、周りからの視線を感じるため、コンパクトなボディでさりげなく撮影できるのもG100の強みなのだそうです。

お二人の動画で、撮影するシーンに広く対応できているのがG100だということが伺えました。

視聴者Q&A

セッションの最後にはお二人に向けてコメントや質問が多数寄せられました。ここで一部を紹介していきます。

Q:編集ソフトは何を使われていますか ?

A:山下「私はAdobe Premiere Proを使っています。Adobe IllustratorとAdobe Photoshopを使っていたので、連動させられるのが便利です。あとYouTubeに解説動画も多いのが良いですね。」

shimi「ぼくはYouTubeの動画編集はFinal Cut Proでやっています。仕事の制作とかはAdobe Premiere ProとDaVinci Resolveを使っています。YouTubeはスピードを重視なのでFinal Cut Proの方が早く編集しやすいというのが、個人的に感じることです。」

Q:他に編集の時間を短くするためにしている工夫はありますか?

A:shimi「工夫していることでいうとショートカットキーの設定はしています。ここを押すとカットの切れ目が入るというものを、ワンボタンで設定するとめちゃくちゃカットが早くなります。」

山下「私は一回の撮影で120GB分の素材があるので、撮影してきた素材を一回全部チェックして、そこからいらないものはどんどん削除しています。さらにAdobe Premiere Proに取り込んで、そこでも要るもの要らないものがあるので、inとoutのマーカーをつけ、必要なものだけを取り出しています

Q:G100のボディの山の寒さに耐えられる耐久度やバッテリーの持ちはどうでしょうか?

A:山下「寒さすごいです!マイナス20度に耐えました!他のカメラは落ちましたけどG100は耐えました。これには感動しましたね!それとバッテリーは、4つくらい持って行っていきますが、1つ2時間くらい持ちます。」
(※メーカー公式の使用可能温度は0℃~40℃です。)

Q:作風がはっきり決まっていて チャンネルのトーン&マナーなどはどう決められていましたか?

A:shimi「色味の固定やBGMなど、チャンネルを運用していく内にだんだん決まってきたようなイメージですね。ただなんとなく雰囲気は 『しみさん夫婦』はほっこりとか、ちょっとおしゃれとかそういったテイストでやっています

専用のLUTを作っていたりもします。見る人が見やすいトーン&マナーみたいなのは、なんとなくあるのですが、そんながっちり決めてはやっていませんね。」

山下「私もそんなに決めているわけではないですね。ですが、その見ている人が『えっ!?』と思わないように、まず山に入るところから編集しています。いきなり山頂に着いてとか時系列がバラバラにならないようにはしています。」

編集部から

以上がshimiさんと山下舞弓さんのセッション「映像で残す、日常の楽しさ。~YouTubeチャンネルの始め方~」のイベントレポートでした。

セッションを通して、G100はこれから動画を始める人に向いているカメラなのだと感じました。取り扱いやすさやレンズ交換の魅力、YouTubeでVlogを投稿する人に最適なカメラなのではないでしょうか。

そして、今や誰でも簡単に動画を始められる時代となり、YouTubeではさまざまな企画の動画が投稿されています。発信したいことがある方、そして好きな人と一緒に動画を残したい方、まずはお二人のように動画を始めてみてはいかがでしょうか。

【機材紹介】

DC-G100
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/g100.html

ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6Ⅱ ASPH. / POWER O.I.S.」
https://panasonic.jp/dc/products/g_series_lens/lumix_g_vario_14-140_ii.html

マクロレンズ「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.」
https://panasonic.jp/dc/products/g_series_lens/lumix_g_macro_30.html

単焦点レンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.」
https://panasonic.jp/dc/products/g_series_lens/leica_dg_summilux_15.html

単焦点レンズ「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」
https://panasonic.jp/dc/products/g_series_lens/lumix_g_25.html

【その他CP+レポート】 

「LIVE配信中に、配信機材をお見せします! 安定するLIVE配信の機材選び」森田良紀
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