【Z6II レビュー】動画もNikonじゃダメなのか。

2021.09.05 (最終更新日: 2021.09.05)

何気なく、でも自分なりに熱を入れて応募したキャンペーンだった。
【Nikon Z6II 1ヶ月モニターキャンペーン】

当選の連絡をいただいたときは、いつ以来かわからないほど、心が踊った。
「あこがれのZを使える...」

今回お借りしたZ6II & 24-70mm f/2.8 ※撮影はD5500

手持ちのAPS-C機で動画を撮り始めたのが、去年の9月。
夫婦のvlogを中心にYoutubeにアップし、継続的に発信こそしているものの、実力的には正直まだまだな域だと思う。

10月末に予定している結婚式が終わったら(それまでは散財できない..)、必ずフルサイズミラーレスに乗り換えようと心に決めて、もう半年以上。

夢にみるほど、各メーカーの最新機レビュー動画を見たり、レンズ構成を考えたり。
そんな日が続いているなかでの当選だった。

Nikonと私

冒頭で今回お借りしたZ6IIの紹介を...と思ったが、すでに本機のスペック的な紹介は細かい部分含めて本業カメラマン、本業クリエイターの方がすでにされているので本レビューでは割愛させていただきたい。

ちなみに今回Z6IIとセットでお借りしたレンズは**大三元標準域のNIKKOR Z 28-70mm f/2.8 S**だ。

大三元標準域レンズ 805gの重さはネックだが、この写りを知ったら引き返せない。※撮影はD5500

vookを見ている方にはおそらくいないと思うが「Nikon Z6II」を知らない方のために超端的にまとめると、
**【Nikonで動画やるならコレ】**
という認識で良いかと思う。

さて、私の自己紹介もかねて、Nikonと私について少し話したいと思う。

私は現在フリーのマーケターとして働いており、クリエイターとしてはまだまだこれから。ただ、企業や個人のマーケティング活動を支援していく上で、クリエイティブの作成、特に動画制作は今後切り離すことができないものだと考えている。

現在は本業の他に夫婦でYoutube、instagram、ブログなどの発信活動をしており、動画制作スキルもそこを中心に磨いている。

今回モニターキャンペーン中に2本のvlogを撮影してアップした。1:13~のオープニング映像以外はZ6II 使用。

普段の愛機はNikon D5500。2015年発売のAPS-C機だ。

購入したのは2016年末。当時はもちろん動画なんて撮る気はなかった。
近くに一眼レフを持っている人が多く、撮影できる絵というよりも、あのゴツいマシンをパシャパシャするかっこよさに憧れて買ったように思う。

なぜNikonを選んだのか。

それは周りにNikonユーザーがいなかったこと。撮れる絵がとても”自然”だったこと。

この2点だと思う。当時私の周りにはCanonユーザーが多かった。
性格的に同じものを持ちたくないというのもあったが、少し鮮やかで綺麗に見えるCanonの絵作りよりも、正直で、自分の目でみた景色と同じ絵を作り上げてくれるNikonを気に入った。

Z6II & 24-70mm f/2.8 (25.5mm f.3.5 1/8000s)

それから5年。

毎日のようにバックに入れて持ち歩いている時期もあれば、気づけばあまり触らなくなっている時期もあった。

そして昨年の9月。個人的にさまざまな要因が重なって、動画を撮り始めた。
思えばこの1年が一番カメラを酷使しているかもしれない。何十時間も費やしてYoutubeやこのvookで勉強を続けている。

ただ、こだわり始めるとやっぱり6年前のAPS-C機では物足りなくなってきてしまった。他のYoutuberの方の綺麗な動画を見て、近づけようとしても、限界を感じていた。

「結婚式が終わったら絶対にフルサイズミラーレスに乗り換える。」

そう誓ってきたが、その時問題となるのがNikon愛を貫けるかどうかだ。

今や動画となればSONYの時代である。

AF性能抜群、サードパーティ含めてレンズバリエーションが豊富、何より使っているYoutuberさんが多い!

Nikonさんが関わっているキャンペーンだからいうわけじゃないが、私はNikonが大好きだ。

見たまんまが切りとれる絵作り、ハードに使っても全く故障しない堅牢性(超望遠コンデジ、一眼ともに修理に出したことは一度もない)、持っていてワクワクする操作性。

でも。それでも。

やっぱりSONYなんじゃないかと思った。

悔しいけれど、ここしばらくのNikonはあまり良いニュースがなかったように思う(最近のzfcまでは)し、今後数十年と動画をとっていきたい、写真をとっていきたい、そのマウントにZを選ぶのはどうなんだ?と迷ってしまっていた。

だから今回のキャンペーンに応募した。

AF性能がダメならSONYにしよう...。高いだけのレンズならSONYにしよう...。

そのぐらいの勢いだった。

プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。

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私の結論

前置きが長くなったが、細かいレビューをする前に、私の結論を話しておきたい。

10月の結婚式後、残った焼け野原のような中から軍資金をかき集めて購入し、今後数十年とお付き合いしていきたいのは、

そう、**Nikon Zマウント**だ。

これしか考えられない。
この1ヶ月間、Z6IIを使用させてもらい、他メーカーの選択肢は吹き飛んだ。

Z6II & 24-70mm f/2.8 (63mm f.2.8 1/2500s)

なによりも印象的だったのは、その描写力だ。やはりNikonのレンズが映し出す絵は、色味がとても自然で、光の入り方が柔らかく、**自分が見たままの景色を見た時の感情のまま**、作品に落とし込めるような気がした。

動画初心者だとか、他メーカーがどうとかはもはや関係ない。

「このZを持つか、持たないか」で人生が変わる、そんな気すらした。

問題のAF性能はどうか。

ここからは、今回のモニターキャンペーン以前に私が不安視していた部分や疑問に思っていた部分を中心に細かくレビューしていきたい。

私と同じように、今後フルサイズミラーレス機に乗り換えを考えている方、動画やるならやっぱりSONYなんじゃないかと思っている方にはぜひ見ていただきたい。

まず1つ目に不安だったのは**AF性能**だ。

結局はここじゃないかと思う。
やっぱりSONYのAF性能は段違いに素晴らしいし、これから動画を撮っていきたいとカメラを探している人に対して、大きなアドバンテージを持っているのは間違いない。

対して、NikonのAF性能はどこをみても酷評されがちだ。
果たしてそうなのか。

たしかにこの1ヶ月、使用する中で100点満点のAF性能ではなかったように思う。近づく被写体に対しての追従、逆光時の瞳AF、被写体とシチュエーションによっては捉えきれない部分があったように感じた。AFの速度もよくSONYで言われる"爆速"のように速いかというとそうではない気もする。

しかしだ。

使い物にならないかというと、全くそんなことはない
むしろ、ここまで捉えてくれるのかと驚きすら感じた。

日頃配信しているYoutubeでは、カメラをこちらに向けて夫婦2人で映るシーンや、物をカメラ前に出してアップで映したいシーンなどが主にAF性能を必要とするシーンだが、もちろん何の問題もなくピシッと合わせてくれる。

制作した2本のvlogから物にフォーカスさせるシーンを抜粋してみた。

次に家の猫でも実験してみたが、これが驚き。
おもちゃで激しく遊ぶ猫の瞳にも全然迷いなく食いついてくれる。

後半一部をスローモーションにしてみたが、こちらに向いているときはすぐにピントが合う。

つまり、Nikon Z6IIは既に**動画制作に十分なAF性能を持っている**といっても過言ではないと思う。

もし、一瞬でもピントに迷いがあったら仕事をクビになるようなカメラマンだったら(保険の意味も込めて)AF性能を理由にSONY機を選ぶかもしれないが、ほとんどの人はそうではないはずだ。

これだけ改善されているのであればAF性能を理由にNikon Zを選ばないというのはあまりにももったいない話だと思う。

ちなみにAF速度は10段階、AF追従感度は7段階で変更できる。デフォルトだとどちらも中央の普通になっているので一部のレビューではここをいじっていないものもあるのではないかと思う。

速度は高速、感度は敏感にするとかなり食いつきがよく思えた。

メニューの動画設定項目から変更可能。

こちらはAF速度違いの検証。低速と高速で一番手前のサーフボードと一番奥のサーフボードに交互に合わせている。(1往復目の手前にピントが合いきらないのは操作ミス)

サードパーティ含めてレンズが少ない。

これもNikon Zシリーズにはよく言われることだと思う。
ミラーレスに注力してきたSONYに対して、Zマウントは2018年からのスタート。サードパーティ製のものを含めてレンズがまだ揃ってきていないというのは仕方がない部分はある。

ここで考えたいのは、光学メーカーのカメラを選んでおきながら、サードパーティ製のレンズを選ぶ必要はあるのだろうか、ということだ。

もちろんサードパーティ製のレンズだってとても綺麗な写りをするものもあるし、価格的に手に入れやすい部分はある。マウント選びをする初心者にとっては比較的安価に多くのレンズを揃えられるのが大きなメリットになることも理解している。

しかし、今回お借りした大三元の標準域24-70mm/f2.8を使ってみて、やはり**Nikon Zの強みはこのレンズにある**と強く感じた。

Z6II & 24-70mm f/2.8 (37mm f.5.6 1/400s)

逆光に強く、細部まで驚くほど綺麗に解像、とても柔らかく嫌味がない自然なボケ。

これほどまでの圧倒的な描写力を持つレンズを差し置いて、サードパーティ製のレンズを使う意味はないように思えた。

もちろん価格は安価ではないが、私個人としては大三元の広角や望遠も気になるし、軽量が命のvloggerとしてはf4通しの小三元も有力候補だ。

Z6II & 24-70mm f/2.8 (51mm f.2.8 1/320s)

単焦点も20mm/f1.8、35mm/f1.8、50mm/f1.2と手に入れたいレンズがすでに山ほどある。

つまりすでにリリースされている純正レンズだけでも十分にラインナップは揃っているし、レンズの少なさがZを選ぶデメリットになる段階は終わったと言える。

今回Z6IIを使用してその描写力に驚いたと先ほどお話ししたが、その描写力を担うのが自慢のレンズ群であることは間違いないし、この写りを見てしまうと自ずと純正レンズに手が伸びてしまうだろう。

ちなみに今回お借りした24-70mm/f2.8さえあれば、良い感じのvlogは撮れてしまうと思う。開放でのボケ感はさすが大三元だけあって気持ちが良いほどボケるし、標準域があれば撮りたい映像はだいたい撮れる。

内部収録は8bitまで。

正直この点が気がかりなのは今回のモニター後も変わらない。

あのSONY α7sIIIは内部収録で10bitの撮影が可能だし、初心者とはいえ今後動画クリエイターとして腕を磨いていきたいと思うのであれば、「撮って出しが綺麗だから」で済む話ではないと思う。

しっかりとカラーグレーディングもやっていきたいし、かといっていつもリグを組んでRAW撮影、というわけにはなかなかいかないというのが現実だろう。

私もカラーグレーディングについては日々勉強し、試行錯誤をしてきた。もちろん今愛用しているAPS-C機ではできる範囲が限られているし、今見返すと恥ずかしいぐらいのクオリティのものも沢山ある。

ではZ6Ⅱの内部収録映像はどこまで色味をいじれるのか。

試しに今回は最も色味の薄いピクチャープロファイルflatを選択して、カラーグレーディングを行ってみた。

さらにデフォルトのflatだと色味がイマイチ抜けきらないような印象だったので、後半の撮影では彩度を-3、コントラスト,輪郭強調,明瞭度を-2と微調整を加えている。

2本制作したvlogから一部抜粋。前半は調整なしのflat撮影。後半は微調整を加えたflat撮影。

いかがだろうか。

かなり綺麗に色が入ったような気がする。特に微調整後のflat撮影は元素材の色がかなり抜けているのでlog撮影に近い形を求めるのであれば、調整を入れたほうが良いかもしれない。

実は以前、ピクチャープロファイルflatをD5500で使用したことがあり、その時は大部分の撮影でひどいノイズが乗ってしまったのだが、ここはフルサイズ機ということもあってか全く気にせず使用することができた。

現時点で内部収録が8bitまでというのは正直目を瞑るしかない部分ではある。しかし、ピクチャープロファイルをいじることで、思った色味を作ることは十分にできるし、なんならセットを組めばRAWまで撮れてしまうのだから、この点もZ6IIを選ばない理由にはならなそうだ。

今後Nikonもこのクラスのカメラで10bit内部収録を実現してくれる可能性は十分あるだろうし、今からZマウントを選択しておくことは賢い選択だと私は思う。

使ってみたらこうだった

ここからは実際に使ってみてから気づいた点をまとめておきたい。

まず、**動画/静止画切り替えスイッチ**があることは想像以上に使いやすかった。

切り替えは右手で一瞬だ。※撮影はD5500

現在私は夫婦でYoutubeをやっているほか、instagramやblogも運営している。

となると、常に動画だけを撮影するわけではない。静止画も必要なのだ。

今回のモニター期間中に海にサンセットを撮りに行った。日が沈む瞬間なんて一瞬である。

一瞬しかないその時間の中で「綺麗だなぁ」と思ったシーンを動画でも写真でも収めておきたいと感じた。

そんな時にとても役に立ったのがこの切り替えスイッチだ。他メーカーにも同様の機能はあるようだが、わかりやすい物理スイッチを切り替えることで全ての設定を変更できることは速写性の観点から大きなアドバンテージになると思う。

速写性の話でいえば、グリップ部分のカスタムキーやレンズについているコントロールリングは背面とは違う位置にある分、操作慣れしやすく、好みのカスタマイズを見つければとても便利になるように感じた。

ファンクションボタンが2つこの位置にある。背面以外にもあるのは嬉しい。※撮影はD5500

親指の位置にあるコントロールリングにも好みの機能を割り当て可能。※撮影はD5500

一方の使ってみて微妙だった点。

まずはバリアングルでないこと。チルト液晶のメリットも理解はしているが、やはりvlog撮影で自撮りをする立場としてはバリアングルであったほうがよかったなと思う。

もし高画素機のZ7シリーズと差別化してZ6シリーズを動画機として位置付けるのであれば、バリアングルの方が需要が高いのではないだろうか。

試しにミニ三脚を取り付けて自撮り撮影。

この映像は開放付近で撮ってしまったので、フォーカスが片方にしか合っていないが、そう大きく外れることはないので、画角さえ気をつければ手持ちで自撮り撮影するのも不可能ではない。

次に手ぶれ補正。

ボディ内手ぶれ補正はかなり優秀で、ジンバルなしの歩きながらの撮影でも十分使えるなと感じた。(ちなみに上記の自撮り撮影はボディ内手ぶれ補正スポーツ、電子手ブレ補正オフの状態。)

一方で、電子手ブレ補正はというと、このモニター期間では使い道を見つけられなかった。歩きながらなどではなく、手持ちの固定撮影で使うのかもしれないが、映像がかなり歪むように感じた。

こちらが電子手ぶれ補正オンで撮影した映像。

これを使うのであれば、編集ソフト内で手ぶれ補正をかけたほうが綺麗に修正できるのではないかと思う。

Nikon Zを選ばない理由がない。

以上が今回1ヶ月のモニター期間を通して、私がZ6IIに感じた内容だ。

冒頭でも結論はお話ししたが、私にとってはもうNikon Zを選ばない理由がない。

たしかにバリアングルではなかったり、log撮影非対応など、自分の用途に対して完璧なカメラかというとそうではないのかもしれない。動画機としてもまだライバルメーカーに追いつききれていないのかもしれない。

しかし、一度Nikon Zを使うと、そのカメラから出てくる絵が忘れられなくなっているのだ。

Z6II & 24-70mm f/2.8 (24mm f.9 1/80s)

とても自然でいて、柔らかい光の印象。見入るほどの解像度。綺麗な肌色の再現度。

これを見てしまうと、多少目を瞑らなくてはいけない部分があってもZを手に入れたくなってしまう。

カメラを選ぶ時、私たちはどうしてもスペック表を並べて比較しがちだ。

ここはこっちが優れてる、こっちの方が性能が劣る。

でもきっとそれはもう正しくない。

少し前と比べたら各メーカーの性能差は格段に縮まってきているし、今後さらに優劣がつけづらくなってくると思う。

大事にすべきなのは数値で見えるカメラの性能じゃなくて、どんな絵が作れるかだ。自分はどんなシーンを切り取りたくて、どんな作品に仕上げていきたいのか。

そして、そのカメラを持った時に、写真を撮りたいと思えるのか、動画を撮りたいとワクワクできるのか。

そういう観点で考えれば、**人気のカメラ=自分の必要とするカメラ、ではないかもしれない。**

家電量販店の店員さんや人気Youtuberがおすすめするカメラ=自分が作りたい作品を作れるカメラではないのかもしれない。

Nikon Z6IIはそんなことを思わせてくれるカメラだった。


きっと秋の結婚式が終わってZ6IIを手に入れるまで毎晩夢に見ることだと思う。こんなに物から離れる寂しさを感じたのは久しぶりだ。

もう一度言うが、なんといっても**Zレンズを使えるというのがNikonを選ぶ最大の強み**だ。もう今後いくらZレンズに投資してしまうかわからない。

Z6IIのモニターキャンペーンとしながらも、それほど依存性の高い大三元レンズを合わせてきたのは運営者の方もある意味罪深い...。

冗談はさておき、今後も私はNikonで映像を撮っていきたい。そして、Nikon Zの魅力がもっと多くの人に伝わり、道でみかけるカメラマンの手元にもう少しNikonの文字が戻ってくるように発信活動を続けていきたい。

最後になりましたが、キャンペーンを企画してくださったvook様、Nikon様、貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

2本目のvlog本編はこちらから。もう少しZ6IIで撮影した素材のストックがあるので随時vlogとしてアップ予定。

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Hayato Ohsawa@

フリーのマーケターとして、企業のマーケティング支援をする傍ら、クリエイターを目指して、夫婦メディア「SAWALOG」を中心に発信活動を行っています。 マーケターとしての経験を活かして、“本当に良いモノ”が「いいな」と思える人の手に届くように、本質で繋ぐ仕事が...

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