Aeって処理が重いものだからしょうがない?
今までずっとAeは処理が重いものという気持ちで生きてきました。それはAeがコマ毎の描画を優先するように設計されている為です。
そのためレイヤー数、アニメーション、エフェクトなどの要件が増えると処理時間が増加していきますよね。この待ち時間の間にコーヒーを淹れにリビングに戻ったり(家族の会話大事!)、何かリファレンスを見たりと時間を有効に使う努力を皆さんも行っているのではないですか?笑
マシンパワーで世界は変わる
本題です。普段の作業はMBP16inch(2019)を使っています。購入時にはストレージ以外は全てモリモリの仕様にして後悔がないようにしていたのを覚えています。レンダリングの待ち時間を考えるとスペック部分はどうしても妥協できないポイントでした。特盛スペックにすることで「これ以上のスペックはないんだからこの遅さはしょうがない」と言い聞かせるためでもありました。
規格外のモンスターが現れる|Endeavor Pro9100
そんな中、今回はエプソンダイレクト株式会社さんからEndeavor Pro9100をお借りする機会をいただきました。スペックの詳細は別途確認いただくとして簡単にいうとモンスターです。ハイエンドチップセットのx299に128GBのRAMやRTX3090を搭載し、CPUのコアは18コアの36スレッド。全ての夢が詰まった玉手箱です。
こんな機会は滅多にないので自分が実際使っているMBP16と比較しながらなぜマシンパワーが必要なのかをお話ししていきたいと思います。
**▼Endeavor Pro9100のスペック**
(1) 基本構成価格 306,900円(税込)~
(2) レビューに用いた機器の構成価格 875,600円(税込)
▼レビューに用いた機器のスペック
・CPU:インテル® Core™ i9-10980XE プロセッサー エクストリーム・エディション
・OS:Windows 10 Pro
・メモリ(RAM):128GB
・GPU(VRAM):24GB
・グラフィックボード:GeForce RTX™ 3090
・電源:1000W電源
・ストレージ:RAID1キット(ソフトウェア) 1TB (1TB HDD x 2基)
➤製品ページ:https://shop.epson.jp/pc/desktop/pro9100/
今回使用したaep
* 1920x1080 24fps
* 12s
全体で12秒くらいの構成。3カットで構成されていて基本素材はIllustratorで作成。一部3Dレイヤーにして処理している。質感を上げるためにテクスチャを重ねて仕上げている。処理はコーヒータイムを考えられるくらい標準に重い。
レンダリング
まずはプレビューレンダリングから。実際にコンポジションの再生準備が終了する時間を計測。12秒のコンポジションに対してレンダリングが生成される時間を計測しました。実際の作業効率に直結する場所なので気になるところです。
圧倒的なEndeavor Pro9100の勝利
実際に計測して感じたのは現在のバージョン18.4.1でもコアとスレッドは特定のコアだけを使うということはなく、それぞれ処理に使用されていました。Macは8コアなので単純にコア数の差が出た感じはしますね。でも、正直同じコンポジションでここまで変わると思っていませんでした。恐るべしEndeavor Pro9100。
マルチフレームレンダリングやばい
そして驚いたのはBetaの結果。Betaには近い将来のAeに搭載される機能のマルチフレームレンダリングが利用できます。検証してみるとそれぞれのコアとスレッドをほぼ100%使っていました。かかった時間は33秒という数値を叩き出しています。
メモリは40GB程度
メモリは40GB前後の使用だったので128GB全て使うことはないですがAiなど他のソフトを同時に立ち上げて作業する場合にはあって越したことはないですよね。コア1つに4GBほど使用すると言われているので18コアだと62GB程度の計算になります。また、素材の再生はRAMを使うという記述もあるので4Kなどの動画と合成しながら作業される方はメモリはあって困るものではないです。はい。
エクスポート
次は書き出し時間の計測。ここは指定のコーデックに変換するという作業も担うので先程のプレビューレンダリングよりも時間がかかる予想していた部分です。また、プリレンダリングやプロキシ作成にも関わるので興味深い部分でした。今回はアニメーションコーデックでの比較を行ったのでIBPフレームなどの圧縮もまた検証してみたいところです。
CPU差が速度の差に
プレビューレンダリング同様に圧倒的にEndeavor Pro9100が高速な結果に。やはりコア数、スレッド数ともに高速なので順当ですね。
CPUの冷却差
MBPはノート型のためCPUなどがコンパクトに収納されてます。CPUは重い処理を行うほど熱を発生させるため熱対策が肝になるのですがノート型だと限界があります。Endeavor Pro9100のようなデスクトップタイプは冷却ファンも大きく、効率よくCPUを冷やし性能を最大限発揮できるのではないかと感じます。
検証して今の気持ち
正直わかってましたが、Endeavor Pro9100は”良い”の一言。RAMも最大256GBまで積むことも可能(※)で拡張性もありますし。
映像を生業とするプロのクリエイターさんはぜひ一度この良さを感じてほしいです。
※メモリースロットを8基搭載しており、最大256GBの大容量メモリーを搭載可能。CG作成など多数のソフトウェアを起動する業務で発生するメモリー不足の解消が期待できます。
GPU対応ソフトとの連携も
今回はGPUには触れませんでしたがDaVinci ResolveやCinema 4DのGPUレンダラなどGPUの性能も必要なソフトや機能を合わせて業務することも可能だなと。ストレージの換装もフロントから行えて便利(※)ですしカッコいい。クリエイターの気持ちを考えている設計だなと。ここまでくると悪い部分がないのでどうしようかなと思えてくるほどです。笑
※ツールフリー機構を搭載。ストレージ、ドライブベイ、拡張ボードをドライバーやネジを使うことなく、短時間で容易に着脱ができます。
ストレージが最大6基搭載できる
高速な転送速度を発揮するPCI Express x4対応のM.2 SSDを2基搭載できます。
そのため、OSやソフトウェアの起動はもちろんのこと、バックグラウンドで動くプログラムも高速化され、システム全体のパフォーマンスが見込めます。最近はM.2(※)も安価になってきたので選択肢の幅が広がりますね。
また、3.5型HDDまたは2.5型SSDの4基にプラスし、M.2 SSDを2基追加することで、最大6基のストレージを搭載可能になります。RAIDなんかも対応してます。まさに時間を短縮して、更に作業効率が図れるモンスターですね。
ストレージのカスタムができるのはBTOならではですね。
▼ストレージ組み合わせ一覧はこちらから
https://shop.epson.jp/js/jqPopupwin/?pf=/pc/desktop/pro9100/etc/storage_pop
ご参考までに。
※コンピュータの内蔵拡張カードのフォームファクタと接続端子について定めた規格のこと
気になる外観とインターフェース
ここからは外観についても簡単に紹介します。
<前面>
<背面>
<横置きもできます>
最後に。
今回お借りしたEndeavor Pro9100はプロのために考えぬかれた、まさに最強BTOでした。
マルチフレームレンダリングはよ
そしてAeはマルチフレームレンダリングが搭載された時にまた次のステージが見えそう。Aeは重いというイメージを払拭してくれることを期待します!
あーこのまま家に置いておきたい。ぜひ一度皆さんも触る機会があれば体験してください!
ヤマダイ @ymrun_jp@yamadai
映像講師。 2017年11月よりAdobe Community Evangelist。 Premeire Pro/After Effectsなどを触る生活。 日々モーションを考えるサイトを運営 https://everydayskillshare.jp...
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