※この記事を準備しているうちにM1 Maxが出て、17.4も出ましたので、記事をアップした瞬間にすでにこの記事は賞味期限切れということになってしまいました。残念ですが、まあ、そんなこともあります。一昔前の記事としてお楽しみください。
近年のMac製品で、M1 Macほど評判のいいコンピュータもありません。特にDaVinci Resolve 17.3がリリースされてからは、そのM1 Macのパフォーマンスは拍車がかかりました。しかしそれと同時に、そのパフォーマンスについて意見が分かれているのも事実です。「M1 Macは予想以上のパフォーマンスが発揮できる」「こんな高いパフォーマンスが、こんな安い価格で手に入っていいのか」という意見から、「安価にしては悪くない」「期待したほどではなかった」という意見まで、いろんな立場の人がいろんな見解を述べているようです。
そこで今回はM1 Macのパフォーマンスを、ほかのMacやWindows PCと比較してみようと思います。同じDaVinci Resolve Studioを入れて、同じ素材を使って、同じことをして、どのようにパフォーマンスが変わるか見てみます。再生はかくつくのか。再生できるフレームレートは下がるのか、下がるとしたらどれくらい下がるのか。書き出しのスピードはどれくらいなのか。
これまでいろんなマシンのパフォーマンス比較はどちらかというと「禁断の領域」で、あえてそこに足を踏み入れることはしていませんでした。しかしM1 Macという強力なマシンが世に出て久しい今、改めてそのM1 Macのパフォーマンスの真の実力を客観的に測定し、これから新しくDaVinci Resolveのためにマシンを買う人の目安を作ることは、それなりに意義のある作業なのではないかと思います。
データが揃う前に理論を見つけようとするのは賢いいやり方ではありません。そうすると理論に合うように事実を曲げてしまうからです。だからまずはデータを揃えることにしましょう。
出場者紹介
今回の比較の対象になったのは、4つのコンピュータです。3つがMac、1つがWindowsです。特に選んだ基準というのはありません。ただ単純にそのへんに転がっていたマシンを拾って集めてみただけです。結果的に見れば、逆にこの方が変なバイアスが入らなくて良かったかもしれません(自己正当化)。
1. M1 MacBook Air
M1チップ(Apple Silicon)を搭載した最新のMacBook Airです。今回の主役です。価格は10万円ほど。ここではMacBook Airを使っていますが、M1 Macはモデルの間であまり大きな差がないため、M1 MacBook Pro、M1 iMacでもだいたい結果は同じになるはずです。
2. Intel MacBook Pro(Intel GPU)
M1対応ではない、Intel CPUを搭載したMacBook Proです。1.5GBのIntel GPU、4コアのCPUが乗っています。当時の価格は20万円ほど。
3. Intel MacBook Pro(AMD GPU)
M1対応ではない、Intel CPUを搭載したMacBook Proです。4GBのAMD GPU、6コアのCPUが載っています。当時の価格は30万円ほど。
4. Windows PC
何世代も前のNVIDIA GPUが搭載された5年ほど前のWindows PCです。8GBのGPU(NVIDIA GeForce GTX 1080)、8コアのCPUが乗っています。メモリは24GB。GPUもCPUも古い自作PCですが、当時の価格は20万円ほど。
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検証内容
DaVinci Resolveのバージョンは、DaVinci Resolve Studio 17.3.2を使用しました。
素材は公式ガイドブックの素材をDaVinci Resolveでエンコードしたものを使用しました。どのケースでも、フレームレートは59.94fpsです。すべての人が59.94fpsを使用するわけではなく、23.976/24fpsや29.97/30fpsを使う方も多いでしょうから、このテストはかなり負荷が高いと言えます。コーデックはH.264、ProRes 422、Blackmagic RAW 12:1を用意しました。このうちBlackmagic RAWは、DaVinci Resolveでエンコードして作成するわけにはいかなかったので、実際にPocket Cinema Camera 4Kで撮影したものを使用しました。
検証項目は全部で10あります。それぞれの検証項目についてどういうことなのか紹介しておきます。
1. カットページ、エディットページでの再生
単純にタイムラインに素材を載せて、タイムラインビューワーで映像を滑らかに再生できるか、再生フレームレートは59.94と表示されているかを確認しました。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
タイムラインのクリップを滑らかに再生できたとしても、タイムラインの中で素早く移動した際に滑らかに映像がついてきてくれないと、快適な編集は実現できません。そこでタイムラインに載せた素材を、JKLキーを使用して2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍で早送り・巻き戻ししてみました。これが滑らかにいければ、キーボードを使用してタイムラインを素早く移動したり、Speed Editorを使ってジョグやシャトルでタイムラインを移動しても、映像にかくつきが生じることはありません。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
エディットページでFusionタイトルの「Text Box Swipe In」を載せました。普通の「テキスト+」や「テキスト」だと難なく再生できてしまうため、ここはあえてヘビーなFusionタイトルを使いました。普段の作業では、デフォルトでこれらのエフェクトはレンダーキャッシュが取られるようになっているので、ちょっと待てばどんなマシンでも滑らかに再生できるのですが、今回はわざとそのレンダーキャッシュを外して、CPUとGPUのパワーだけで再生してもらいました。再生はカラーページの方が正確なので(それについては後述)、カラーページで実施しました。
ちなみにこのFusionタイトルをFusionページで見ると、ノードもそれなりに接続されていますし、キーフレームもたくさん打たれています。つまりこれはFusionページの検証でもあるわけです。
4. カラーページでの再生
エディットページと同じように再生速度を確認します。なぜエディットページでやったことを、カラーページでもやるのか? それはエディットページとカラーページの再生の挙動が異なるからです。それぞれのページでのプライオリティが異なるからです。カットページとエディットページでは、多少かくついたとしてもリアルタイムで再生しようとします。編集時にはとにかくリアルタイム再生が重要だからです。59.94fpsのタイムラインなら59.94fpsで再生してくれないと編集にならないわけですね。それに対して、カラーページでは、再生速度が落ちたとしても、一枚一枚正確に映像を再生しようとします。グレーディングの結果を確認するには、リアルタイム再生よりも確実な再生が重要だからです。
そのためカラーページでも再生速度を測定するというのは意味のある作業です。二度手間というわけではありません。エディットページよりもリアルタイム再生へのハードルが高いため、カラーページでリアルタイム再生できてこそ、本当にリアルタイム再生ができるパフォーマンスが発揮できていると言えます。
カラーホイールやカラーカーブについては、別項目として再生パフォーマンスを測定してもよかったのですが、予想にたがわず、カラーホイールやカラーカーブなどを使ったからといってパフォーマンスが悪くなるというケースは確認できませんでした。これはカラーホイールやカラーカーブの作業が、非常に軽く動くように設計されていることに起因しています。だからそういうカラーエフェクトを適用してもしなくてもパフォーマンスは変化がないわけです。検証結果が同じなら項目を改めて試験をする価値がないと判断したため、今回はカラーエフェクトに関する項目は省きました。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
カラーエフェクトほど軽くないけど、ノイズリダクションほど重くないエフェクトとして、Resolve FXの「グロー」を試してみました。Resolve FXはカットページやエディットページでも適用できますが、前述のとおり、カラーページでの再生がいちばん難しいため、カラーページでエフェクトを適用して、カラーページで再生しました。パラメーターはデフォルトのままです。「グロー」はみんながみんな使うわけではないと思いますが、中くらいの負荷がかかるエフェクトを使うとどのくらいパフォーマンスが維持できるのか、どのくらい下がるのか、という指標にしてもらえるのではないでしょうか。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
Resolve FXの「グロー」が中くらいの負荷がかかるエフェクトだとすると、ノイズリダクションは高い負担がかかるエフェクトです。さまざまな設定が考えられますが、時間的ノイズリダクションの項目で、速度優先、2フレーム、しきい値100を選択した状態でテストしました。これも前述のFusionタイトルと同じく、普通はレンダーキャッシュをかけてやればスイスイ再生できるのですが、今回は心を鬼にして(でもないか)レンダーキャッシュを使わずにノイズリダクションを適用しています。
7. H.264 HDへの書き出し
ここからは書き出しです。何もエフェクトを加えない状態で、デリバーページで書き出しをしました。H.264のプリセット通りで書き出しています。
エンコーダー設定はMacの場合には「可能な場合にはハードウェアアクセラレート」、Windowsの場合にはNVIDAを選択しています。
8. H.264 4Kへの書き出し
素材が4Kの場合には、H.264 4Kへの書き出しも試しています。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
べつのコーデックとして、ProResへの書き出しもテストに加えました。ProResのフレーバーは422 HQ、422 Proxyなどいろいろありいますが、中くらいのランクのProRes 422を選択しました。
ProResからProResへの書き出しの場合、この「再エンコードをバイパス」機能を使うと、素材をコピーするだけなので1000fpsくらいの超速で書き出しができるのですが、これは必ず使えるわけではないので今回はあえて心を鬼にして(しつこいな)、無効にしています。
10. ProRes 422 4Kへの書き出し
素材が4Kの場合には、ProRes 422 4Kへの書き出しも試しています。
検証結果
結果はこちらの表をご覧ください。
わかりやすくするために表に色をつけようとも思ったのですが、バイアスがかかってしまうので色はつけずに掲載します。ここから導き出せることはいくつもあり、見る人によってその内容は異なってくると思います。読者の方はこちらの表を見てご自身で判断してもらえるとありがたいです。
正直な話、この表を見せて、「M1 Macはすごい」とも「M1 Macは大したことない」ともどちらでも言えます。そしてどちらもある面では正しいはずです。とはいえ検証には何かしらの考察が得られないことには意味がありません。ここから導ける結論については、この記事の最後の項目をご覧ください。
結果の詳細については以下に文章で記載しておきます。全部書いていると大きなスペースを取ってしまいますが、正確な内容があった方がいいと思いますので、とりあえず載せておきます。そんなに面白い内容でもないので、大半の読者の方はこちらは飛ばして最後の考察のセクションに移動してもらって大丈夫です。
H.264 HDの素材
H.264のHDファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは1920x1080p59.94、拡張子はMP4です。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は1920x1080です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
Intel GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 8倍速まで滑らかに再生できます。
Intel GPU Mac → 8倍速まで滑らかに再生できます。
AMD GPU Mac → 16倍速まで滑らかに再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 8倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 34fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
Intel GPU Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 47fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 32fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 6fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 27fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → およそ175fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → およそ150fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → およそ200fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 350〜420fpsで再生されます。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 160〜220fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 120〜150fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 190〜230fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
H.264 4Kの素材
H.264の4K(UHD)ファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは3840x2160p59.94、拡張子はMP4です。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は3840x2160です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
Intel GPU Mac → 59.94fpsで再生できますが、若干かくつきがあります。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 8倍速まで滑らかに再生できます。
Intel GPU Mac → 倍速では滑らかに再生できません。
AMD GPU Mac → 16倍速まで滑らかに再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 8倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 35fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 10fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 15fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
Intel GPU Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 17fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 30fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 9fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 1fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 9fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 29fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → 100fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 20〜30fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 70〜100fpsで書き出せます。
Windows → 175〜190fpsで書き出せます。
8. H.264 4Kへの書き出し
M1 Mac → およそ50fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → およそ40fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → およそ60fpsで書き出せます。
Windows → 80〜105fpsで書き出せます。無償版の場合にはNVIDIAエンコーダー・デコーダーが使えないので20fpsくらいです。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 100fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 20〜30fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 80〜90fpsで書き出せます。
Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
10. ProRes 422 4Kへの書き出し
M1 Mac → 80〜100fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 25〜40fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 55〜65fpsで書き出せます。
Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
ProRes 422 HDの素材
ProRes 422のHDファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは1920x1080p59.94、拡張子はMOVです。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は1920x1080です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
Intel GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
Intel GPU Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
AMD GPU Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 64倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 25fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 40fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
Intel GPU Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 47〜59.94fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 30fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 6fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 20fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → 180fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 130〜145fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 175〜185fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 330〜350fpsで再生されます。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 160〜200fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 110〜160fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 190〜230fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
ProRes 422 4Kの素材
ProRes 422の4Kファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは3840x2160p59.94、拡張子はMOVです。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は3840x2160です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
Intel GPU Mac → 59.94fpsで再生できますが、かなりかくつきがあります。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
Intel GPU Mac → 倍速では滑らかに再生できません。
AMD GPU Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 64倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 30fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 10fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 15fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 30fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 54fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 15〜20fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 41〜43fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 9fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 1fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 6fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 27fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → 60〜90fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 10fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 100〜115psで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 150〜160fpsで再生されます。
8. H.264 4Kへの書き出し
M1 Mac → 50fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 10〜15fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 50〜60fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 75〜90fpsで書き出せます。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 50〜80fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 10〜15fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 45〜70fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
10. ProRes 422 4Kへの書き出し
M1 Mac → 40〜60fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 15fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 35〜60fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
Blackmagic RAW HDの素材
Blackmagic RAWのHDファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは1920x1080p59.94、拡張子はBRAWです。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は1920x1080です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
Intel GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
Intel GPU Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
AMD GPU Mac → 64倍速まで滑らかに再生できます。
NVIDIA GPU Windows → 64倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 28fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
Intel GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
AMD GPU Mac → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 35〜50fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 30fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 6fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 17fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → 175fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 85fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 175〜200fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 280fpsで再生されます。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 220fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 50〜70fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 100〜160fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
Blackmagic RAW 4Kの素材
Blackmagic RAWの4Kファイルで評価してみました。素材のビデオフォーマットは4096x2160p59.94、拡張子はBRAWです。DaVinci Resolveのタイムライン解像度は3840x2160です。
1. カットページ、エディットページでの再生
M1 Mac → 59.94fpsで再生できますが、若干かくつきがあります。
Intel GPU Mac → 59.94fpsで再生できず、かなりかくつきがあります。
AMD GPU Mac → 59.94fpsで再生できますが、かなりかくつきがあります。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。
2. カットページ、エディットページでの早送りや巻き戻し
M1 Mac → 倍速では滑らかに再生できません。
Intel GPU Mac → 倍速では滑らかに再生できません。
AMD GPU Mac → 倍速では滑らかに再生できません。
NVIDIA GPU Windows → 64倍速まで滑らかに再生できます。
3. Fusionタイトル「Text Box Swipe In」をオーバーレイ
M1 Mac → 30fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 5fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 12fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 50〜59.94fpsで再生されます。
4. カラーページでの再生
M1 Mac → 58〜59.94fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 12fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 18fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 滑らかに59.94fpsで再生できます。カラーホイールやカラーカーブを使っても変わらず滑らかです。
5. カラーページで「グロー」のResolve FXを適用
M1 Mac → 35fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 10fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 14fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 59.94fpsで再生されます。
6. カラーページでノイズリダクション(時間的、速度優先、2フレーム、しきい値100)を適用
M1 Mac → 9fpsで再生されます。
Intel GPU Mac → 1fpsで再生されます。
AMD GPU Mac → 5fpsで再生されます。
NVIDIA GPU Windows → 24fpsで再生されます。
7. H.264 HDへの書き出し
M1 Mac → 25fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 5fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 20psで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 80fpsで再生されます。
8. H.264 4Kへの書き出し
M1 Mac → 25fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 5fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 20fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → 55fpsで書き出せます。
9. ProRes 422 HDへの書き出し
M1 Mac → 25fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 5fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 20fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
10. ProRes 422 4Kへの書き出し
M1 Mac → 25fpsで書き出せます。
Intel GPU Mac → 5fpsで書き出せます。
AMD GPU Mac → 20fpsで書き出せます。
NVIDIA GPU Windows → Windows版ではProResへの書き出しはできません。
考察
以上の結果からわかることはなんでしょうか? 思いつくままにまとめるとこんなことが言えると思います。
M1 Macについての考察
- M1 Macはすごい。MacBook Airでこのパフォーマンスはこれまで考えられなかった。 ほとんどの項目でAMD GPUつきのMacBook Proにも勝っている。
- M1 Macのノイズリダクションは大健闘。
- M1 MacのBlackmagic RAWへの最適化も顕著。ほとんどの人が24fpsや30fpsでBlackmagic RAWを使うことを考えると、4K以上のRAWも問題なく使えそう。
- 忘れてはならないのは、今回の条件が59.94fpsであること。もっと低いフレームレートであれば、M1 Macでももっと快適に編集ができる。書き出し速度もフレームレートを考慮に入れて計算するのが大事。たとえばH.264 HDをH.264 HDに書き出す際には、59.94fpsの場合には175fps(3倍速)という結果だったが、30fpsであればフレームレートが半分になるので実時間の6倍速で書き出せるという計算になる。
その他の考察
- やっぱりGPUのグラフィックメモリ(VRAM)は重要。
- NVIDIA GPUは強い。やっぱり8GBのGPUがあれば、数世代前のGPUでもバリバリで使える。
- NVIDIA GPUのH.264エンコーダー・デコーダーも強い。NVDIA GPUを持っていて、H.264を扱うのなら、DaVinci Resolve Studio(有償版)を使わない手はない。DaVinci Resolve(無償版)を使うとH.264のエンコーダー・デコーダーが使えないので。
- ただWindowsではProResは書き出せない。これは痛い。
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