はじめてのFusion(5)/ディスプレイビューとタイムルーラー

今回もインターフェースを詳しく見ていきましょう。前回はFusionのフローエディターについてご案内しました。今回はそれと並んで重要であり頻繁に使用する2つのセクション、ディスプレイビューとタイムルーラーをご紹介します。

ディスプレイビュー

ディスプレイビューなしでは、コンポジションに何が起きているのか確かめることはできません。Fusion のディスプレイビューは、2D 環境だけでなく 3D 環境でコンポジションを可視化することができるのが大きな特徴です。

ディスプレイビューはウェーブフォーム、ヒストグラム、ベクタースコープなど、画像を分析する能力も兼ね備えています。

デフォルトでは Fusion の GUI には 2 つのディスプレイビューが並置されています。ディスプレイビューは追加することもできます。表示される映像は DeckLink や UltraStudio など、ブラックマジックデザインの I/O デバイスを使用することで外部モニターにビデオ信号として出力することもできます。

ディスプレイビューは OpenGL で処理されており、その挙動は OpenGL の性能に依存します。

表示の種類

ディスプレイビューには幾つかの種類があります。

  • 通常 → Fusion の基礎となるディスプレイは画面上部、左右に配置されています。
  • フローティング → 上記のビューワーに加えて、フローティングウィンドウのビューワーを無制限に追加できます。この機能はデュアルモニターの使用時にも便利です。新たなフローティングウィンドウを表示するには、Window > New Image View と選択します。
  • ビデオ出力 → DeckLink や UltraStudio などのブラックマジックデザインの I/O デバイスを使用すれば、SD、HD、Ultra HD、DCI 4K などのビデオフォーマットで信号を出力できます。オンスクリーンコントロールや 3D 環境は出力することができないものの、正確な色合いや細かなディテールを確認する場合に便利です。

表示方法

ツールの出力をディスプレイビューに表示するには幾つかの方法があります。以下のいずれの方法でもツールの出力をディスプレイビューに表示できます。

  • ドラッグ&ドロップ → ツールをディスプレイビューにドラッグ&ドロップします。OS のブラウザからのドラッグ&ドロップにも対応しています。
  • ステータスマーク → ツールタイルの左下には丸いステータスマークがあり、ここが白くなっているとそのツールが表示されていることになります。左端のマルは左のディスプレイビュー、2 つ目のマルは右のディスプレイビューを表します。フローティングウィンドウやビデオ出力があれば、3 つ目以降も表示されます。

  • コンテクストメニュー → ツールを右クリックしてコンテクストメニューを表示し、View On から任意のディスプレイビューを選択します。コントロールパネルのヘッダーを右クリックしても同じことができます。

  • キーボード → すべてのディスプレイビューは 1-9 の数字に対応しています。1 を押すと左、2 を押すと右のディスプレイビューにツールを表示します。

レイアウト

ビューワーのレイアウトや設定は、デスクトップやモニターの大きさに応じて、自由にカスタマイズできます。ビューワーのレイアウトはコンポジションを保存する際に一緒に保存されます。

移動

ビューワーの中を移動するには次の方法があります。

  • マウス → 中ボタンを押しながら移動。
  • タッチパッド → 2 本指で移動。

拡大と縮小

ビューワーで拡大や縮小をするには次の方法があります。

  • マウス → 中ボタンと左ボタンを押しながら左右に動かします。
  • タッチパッド → Control を押しながら 2 本指で左右に動かします。
  • キーボード → +もしくは-で拡大と縮小。Command (Ctrl) + 1 で100%の縮尺になり、 Command (Control) + F でイメージがビューワーにフィットします。
  • コンテクストメニュー → ビューワーを右クリックして、コンテクストメニューの Scale から縮尺を選択できます。
  • ツールバー → ビューワー下のツールバーにスケーリングメニューがあります。ここで自由に縮尺を選べます。

タイムルーラー

この項ではタイムルーラーについて解説します。

ルーラー

タイムルーラーはタイムラインに似ています。タイムルーラーの右側に、現在表示されているフレームの番号が表示されます。タイムルーラーの上のマーカーはどの位置に現在のフレームがあるか表示しています。キーフレームが打たれた場合には、それは緑の縦線で表示されます。

ショートカットとしては次のようなものがあります。

  • [] → 1 フレーム前へ、もしくは 1 フレーム後に移動します。
  • Shift + [] → 一般範囲の開始点、もしくは一般範囲の終着点に移動します。
  • Alt + [] → キーフレーム単位で移動します。

範囲

タイムルーラーの下部には、ルーラーの範囲を規定するための設定とトランスポートコントロールが置かれています。それぞれの内容は次の通りです。

  • 一般範囲 → 編集ソフトにおけるタイムラインの長さに類するものです。左端のボックスの数字はルーラーの開始点を示し、左から 4 つ目のボックスの数字はルーラーの終着点を示しています。
  • レンダー範囲 → 再生、ディスクキャッシュ、プレビュー、最終レンダリングで取り扱われることになるフレームの範囲を設定します。ルーラーにはグレーのハイライトでレンダー範囲が表示されます。このレンダー範囲の外側にあるフレームはレンダリングされることも、再生されることもありません。フローエディターからツールを&ドロップすることで、レンダー範囲をそのツールで規定されている範囲に同期させることができます。
  • 範囲スライダー → 中央にあるスライダーでは、タイムルーラーの縮尺を変えることができます。細かいキーフレームを打ちたいときやタイムルーラーの特定の箇所に焦点を絞って作業をしたいときなどに便利です。

レンダー

  • レンダー → レンダーボタンを押すと、レンダー設定のダイアログが現れます。ダイアログではレンダリングの設定を確認し、レンダリングを開始することができます。Shift を押しながらレンダーボタンを押すと、ダイアログが省かれ、デフォルトの設定(フル解像度、高品質、モーションブラー有効)でレンダリングが開始されます。

プレイバック

  • プレイバック → プレイバックボタンは、通常の編集ソフトと同じようなトランスポートを可能にします。左から、一般範囲の開始点に移動、1 フレーム戻る、逆再生、再生、1 フレーム進む、一般範囲の終着点に移動、という内容です。
  • ループ再生 → 矢印のループ再生ボタンはループ再生を有効化、無効化する際に使用されます。
  • ミュート → オーディオの再生を有効にするか無効にするか選択できます。

クオリティー設定

  • HiQ(ハイクオリティ)→ 再生の際のレンダリング品質を規定します。例えばアンチエイリアス、エリアサンプリングなど、高い処理能力を必要とする作業をしている場合には、ここを無効にすることで再生速度を向上させることができます。HiQ ボタンが有効になっている場合には、最終的なレンダリングの品質と同じ品質でプレビュー再生されます。
  • MB(モーションブラー)→ 無効になっていると、ツールのコントロールパネルでモーションブラーが有効になっていたとしてもそれを無視して再生します。モーションブラーが必要とするサブフレーム処理が省かれる結果としてプレビュー再生が早くなります。
  • APrx(オートプロキシ)→ 有効の場合には、コントロールパネルに変更が加えられるときにのみ、解像度を落として再生します。設定変更が終了するとフル解像度に戻ります。
  • アップデート設定 → レンダリングの際、設定変更などのアップデートを反映させるかを決定できます。3 種類の設定が存在します。
  1. Some → レンダリングにおいて、結果に影響のあるツールのみをレンダリングします。コンポジションの中で無関係なものはレンダリングされません。これはデフォルトの設定です。
  2. None → フローのどのツールもレンダリングされません。再生が難しいコンポジションで細かな設定を加える際に便利です。ここを有効にするとディスプレイやコントロールパネルに赤い枠が現れ、設定変更がレンダリングに反映されないことを示します。
  3. All → すべてのツールがレンダリングされます。

次はコントロールパネルとアニメーションについてです。

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