Blender Debut! ステップ4 モディファイアーを活用しよう

2021.11.25 (最終更新日: 2022.06.07)

Mdesignさんありがとうございましたー!編集モードでの基本的なモデリング手法を把握したところで、今回の記事ではBlenderの「モディファイアー」について解説していきます。

Step3:モデリング基礎編~カンタンな形状を作成してみよう

Blender Debut! ステップ3:モデリング基礎編~カンタンな形状を作成してみよう

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モディファイアーとは

モデリングにおけるモディファイアーはAdobeソフトで言うところのエフェクト、『ドラえもん』で言うところのひみつ道具、能力者バトルにおける能力に近いもので、オブジェクトに追加することにより様々な効果を与えることができる機能です。その最大の特色は「非破壊編集」であること、つまり元となるメッシュデータには変更を加えず、いくらでも調整や取り消しができるという点。この性質が、モデリングやアニメーションの自由度を大幅に広げてくれるのです!

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さっそく追加だ!

メッシュオブジェクトを選択し、プロパティパネルの「モディファイアープロパティ」タブを開きましょう。「モディファイアーを追加」のドロップダウンをクリックすると、怯むほど大量のモディファイアーが出現しますこんなにいっぱい!?この中で任意のものをクリックすることで、モディファイアーが追加されます。

イメージを形にするための8つのモディファイアー

ご心配なく!はじめから全てを覚える必要はありません。ここからは特にモデリングでよく使う8つのモディファイアーを紹介していきます!

サブディビジョンサーフェス(Subdivision Surface)

最もよく使われるモディファイアーの一つで、面を分割してメッシュに丸みをつけることができます。「カトマルクラーク」ではなく「シンプル」を選択すると、丸みはつけずに面だけが増えます。
レベル数(分割の細かさ)にはビューポート(作業画面)とレンダー(最終的な描き出し結果)の2つの設定値があり、この数値が大きければ大きいほど面が滑らかになりますが、同時に処理にかかる負担も大きくなるので注意が必要です。

よくあるトラブル3パターン
なぜかエラーが出てしまうというときには、以下の原因を疑いましょう。
頂点の重複
何かのはずみで同じ場所に頂点が2つ以上できてしまい、モディファイアを追加したタイミングで衝撃発覚することがあります。編集モードで「メッシュクリーンアップ距離でマージ」を実行すると、距離の近い点を自動的に統合してくれます。

ノーマル
実は面には「向き」の概念があり、それを「ノーマル」と呼びます。あとから面を追加した場合などに一部この向きが裏返ることがあり、初期設定では裏表が判別できないため、激しく動揺して絶望の迷宮ラビリンス)に迷い込んでしまいます。対処法は簡単!編集モードで全選択し「Shift+N」を押すと大抵解決します。

トポロジーの問題
サブディビジョンサーフェスには不向きなメッシュの構造(トポロジー)があり、期待通りに丸くならず地獄を見る場合があります。ここでは多く触れませんが、メッシュを四角形の面で統一することで問題を回避しやすくなります。

ミラー(Mirror)

鏡のようにメッシュを反転して複製するモディファイアーで、キャラクターや建物など、線対称のモデルを作るときに重宝します。
「クリッピング」で、頂点を移動しても反転する軸を越えないよう制限できます。「マージ」をオンにしていると、設定距離よりも近い点を統合できるので、頂点の重複を避けることができます。
※メッシュを回転している場合は、エラーを回避するためにCtrl+A>回転で回転を適用しておきましょう。

配列(Array)

オブジェクトのメッシュを**何個も増やして並べたいときには配列モディファイアー**を使いましょう。
「適合する種類」で基準を選びつつ個数を調整し、並べ方を3種類の「オフセット」から選びます(複数併用可)。オフセット(OBJ)で他のオブジェクト(エンプティなど)をリンクすると、回転やスケールといった情報を加えて配列できます。

エンプティとは?
エンプティオブジェクトとは、**位置・角度・スケールの情報だけを持ったデータ**です。レンダリング結果には現れないので、さまざまな設定の基準として使うことができます。

ベベル(Bevel)

ベベルモディファイアーは編集モードのベベルツールと同じように、辺や点の間に面を作り出し角を削ることができる機能です。「量」で面の大きさを、「セグメント」で分割数を設定します。編集モードのベベルツールと比べると、やはりメッシュの形状を変えても対応できる非破壊の良さがありますが、特定の辺だけにベベルをかけたい場合には融通が利かないという側面もあり、うまく使い分けたいところです。

シンプル変形(Simple Deform)

その名の通りメッシュを変形させることができるモディファイアーで、いろいろと面白い歪め方をすることができます。変形方法は「ツイスト」「曲げ」「テーパー」「ストレッチ」の4種類!これも「原点」にエンプティをリンクすることで、さらに変形の仕方やその度合を調節することが可能です。

ソリッド化(Solidify)モディファイアー

面に厚みをもたせることのできるモディファイアーです。「幅」で厚みを設定し、表と裏の厚みのバランスを「オフセット」で調節します。面が曲がっていると折り目を中心に厚みが変わることがあるため、それを避けたい場合には「均一な厚さ」にチェックを入れましょう。

ディスプレイス(Displace)モディファイアー

ディスプレイスモディファイアーは、平面の画像データを元にメッシュを歪めてくれるモディファイアーです。外部の画像を読み込んでテクスチャにすることもできますが、Blender内で生成・設定できるテクスチャを使うだけでも多くのパターンを生み出すことができます。

カーブ(Curve)モディファイアー

カーブオブジェクトに沿ってメッシュを変形することができるモディファイアーです。カーブならではの滑らかな曲線を調整しながら、メッシュの形を変えることが可能です。

これだけ覚えていれば、モデリングをする上でも「こういうときはアレを使おう!」という引き出しが揃ってくるはずです。
他にも面白くて便利なモディファイアーがまだまだありますが、残りはその時々の用途や必要に応じて習得していきましょう。

オン/オフを切り替える

全てのモディファイアーの設定用パネルの上には、リアルタイムプレビューとレンダー結果に影響を与えるかどうかを切り替えるスイッチがあります。モディファイアの影響を確認しなくても良いときには、リアルタイムプレビューを切っておくと処理速度が速くなります。(特にサブディビジョンサーフェスは情報量を大幅に増やすため、影響が出やすい。)逆に、レンダリング結果にモディファイアーが反映されていないときには、カメラのアイコンがオフになっていないかを確認しましょう。

頂点グループを活用してみよう

多くのモディファイアーには「頂点グループ」を指定できるオプションがあります。「頂点グループ」を用いることで、特定の頂点にのみ効果を与えることができます。ただしこれはあくまで「点」が基準になっているため、「辺」単位で制御したくても難しいケースがあります。






組み合わせでさらに広がる可能性

モディファイアーは組み合わせたり、重ねたりすることができます。**組み合わせのアイデア次第では複雑な形状や動きを簡単に作り出すことが可能に**!


ただしモディファイアーは上から順番にメッシュに反映され、どのような過程で処理するのか、その順番によっても結果が変わるため、複数のモディファイアーを使用する場合にはくれぐれもご注意下さい。順番を入れ替えるには、モディファイアー設定パネルの右上にあるぷつぷつをドラッグするか、ドロップダウンリストから「最初(or最後)に移動」を選択します。

スタジオぽぷりさんがBOOTHで販売されている技術書『モディファイア芸でいろいろな効果を作ってみよう -Blenderでのモディファイアのコンボの話』には、モディファイアーの面白い組み合わせが多数掲載されています!

心して適用しよう

もうこれ以上変更や調整をすることはないな!」と潔い気持ちになったときには、モディファイアーを適用しましょう。モディファイアーのメニューから「適用」を選択するか、モディファイアーにカーソルを重ねてショートカットキー「Ctrl+A」を押します。
ただし一度適用してしまうと後戻りができないため、くれぐれも慎重に。また、前述の通りモディファイアーは設定されている順番によっても結果が異なるので、一部だけ適用すると意図しない影響が出ることもあります。気をつけましょう!

まとめ

編集モードで行なうと手間のかかる処理も、モディファイアを活用することで瞬時に実現できるということが多々あります。
「こういうことがしたいけど地道にやっていくと大変そうだな」と思ったときにも、多くの場合は打開策が存在します。「調べればきっと何か手っ取り早い方法があるはず」という漠然とした希望を持って乗り切りましょう!

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senpookyaku

星子 旋風脚@senpookyaku

米国生まれのアニメーション監督・モーションデザイナー。Merry Men Inc.代表。『Dr.プッツンコのたのしいCGラボ』やテレビアニメ『SNSポリス』など。BlenderやAEをはじめとした各種ツールを武器に、楽しくアニメーションを作ります。

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