2021.12.07 (最終更新日: 2022.06.07)

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百名選

Blenderで作るセルルックアニメーションやエフェクトの表現

初めましてカナザワと申します。
普段は映像やグラフィックデザインのお仕事をしています。

今回はBlenderを使ったセルルックアニメーションや、映像作りにも使える**エフェクト表現**について書いていこうと思います。これから始めようと思ってる方にも興味を持って頂けたら嬉しいです。

Blenderは触り始めて5年くらいでしょうか。もともとは本格的に3Dを始めようとしていた訳ではなく、「デザインや映像に使える3D材料を作れるようになりたいな」程度に始めました。
初めは「すごく使いづらくて微妙だな…」と感じていましたが、今では本当に使いやすく、痒い所にも手が届くツールとして重宝しています。

3Dセルルックな表現

もともとアニメや映画の破壊・爆発など、いわゆるエフェクトに興味があり、Blenderでこういうのできないかな?と思って作り始めたのが、アニメのワンシーンをイメージしたセルルックGIFアニメーションでした。細かいディテールなどは手書きのものに及ばないかもしれませんが、これはこれで3Dを使う良さもたくさんあると思います。

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Blender/3Dを使うメリット

3Dを使うと構図を自由に動かせるので、手間をかけず短時間でいろいろなシーンを再現できるためコストパフォーマンスがよく、今では3DCGと作画を融合させるような使い方も多いのではないでしょうか。実際、わたしもそういった工程で映画などのお仕事に携わらせて頂いたこともありました。

3Dだけでアニメを作るのは、クオリティ的にもいろいろな難しさがあると実感してますが、補助的な役割としても映像制作に無くてはならない存在となってきました。

オープンソース無料ソフト
Blenderは、やっぱり無料で使えるということが最大のメリットだと思います。ソフト購入に悩んでいる方はBlenderから始めてみるのもよいかもしれませんね。

セルルック表現のポイント

一番のポイントとしては、「3Dの気配を消す」ということが肝心なのかなと思ってます。(作品によるかもしれませんが)
セルアニメの雰囲気が好きで、なるべく寄せて作りたいという想いもあり、3Dっぽさが出ると違和感が出てしまうので気をつけるようにしています。

ただ、3Dソフトを使いつつ3D感を消すというのは、なかなか一筋縄ではいかなかったりします。何が正しいかなんて言えたものではないのですが、自分でも色々試してきて、わたしが作品を作っていく中でこうすれば3D感を払拭できると思ったポイントを説明してみます。

グラデーションに気をつける

普通3Dレンダリングは光源に反応した陰影を落としますが、アニメなどの場合、基本的に色の移り変わりのコントラストが強く、そして必ずしも光源通りに陰影がつく必要はありません。本来そこは作画のセンスが出るところであったり、作品として大事なところなのかもしれません。

3Dを使うと、どうしても光源に頼った陰影になってしまいます。いくらアニメ調に寄せた作り方をしても3Dっぽさが抜けないのは、そこが原因なのかなとも感じています。

線を加える

わかりやすいように少し大げさに線を入れてますが、線があるとないとでは結構イメージも変わってきます。セルルック表現には大事な要素だと思います。(線のつけ方は下の制作フローでも触れていますのでご覧ください。)

他にはFPSやコマ落としで良い感じになるまで調整したり、左右対称にしないように気をつけたり、後補正に力を入れてみたり色々と試行錯誤しています。とはいえまずは上の2つを取り入れればセルルックな表現に近づくと思いますのでやってみてください。

簡単な制作フロー

手頃なのがあったのでBlenderをどのように作っているか簡単に解説してみようと思います。

  1. モデルと背景を用意する
  2. シェーダーでアニメ調にする
  3. アニメーションをつける
  4. 線を加える
  5. レンダリング
  6. コンポジット&補正

さきほども触れたように、言うなればシェーダーと線を加えたぐらいで、Blenderだけでいう特別なことはありません。

【1】モデルと背景を用意する

モデルはパーツを組み合わせたキットバッシングで簡単に作成しました。背景は、特にカメラを動かす予定はなかったので写真を加工して作ります。ぐるぐるカメラを動かす場合は背景モデルを用意したほうが良いかもしれません。

【2】シェーダーでアニメ調にする

今回は単純に色数を3階調にし、光源に反応した陰影を落とすようにしています。テクスチャを使っても上手くいきます。

【3】アニメーションをつける

お好みで動きをつけます。

【4】線を加える

Blenderで線画を抽出する方法はいくつかありますが、最近実装されたラインアートモディファイアという機能を使って線を抽出しています。

ラインアートモディファイア

カメラをもとにグリースペンシルという2D描写機能で線画を抽出してくれる優れものです。線画のスタイルも色々調整できて奥深いです。
便利ですがアニメーションさせると結構重たいです。

【5】レンダリング

まとめてレンダリングせずに、あとで補正しやすいようにモデル、線、背景、地面の影、エフェクトなど、自分が後で手を加えたいものを別々にレンダリングするようにしています。

【6】コンポジット&補正

レンダリングしたものを補正しながら合成していきます。Blenderにも合成機能はありますが、わたしは使い慣れたAffterEffectsを利用しています。この辺りは使いやすいものを利用するのがよいと思います。

Blenderで作るエフェクトの表現

3Dソフトと言えば、キャラクターをモデリングしてから…の印象が強いかもしれませんが、Blenderでは「ノード」や「モディファイア」だけでも色々な視覚効果を作ることができます。主にはモデルの表面を着飾るためにあったりしますが、単なる平面や球体から変幻自在なエフェクトを生み出すこともできます。
これは、BlenderとAffterEffectsを使って、イメージビデオにエフェクトを付与させています。物理演算やパーティクルも使ってますが、それもノード次第でいろいろな表現にできるのでかなり楽しいです。
初めて人が作ったノードを見た時は、パッと見で具合が悪くなってましたが、ひとつひとつ覚えていくと、意外とシンプルなので、慣れるとこれ以上のものはあるのかというくらい使い勝手がよいです。

上記 「紡ギ箱」本編はコチラ 気になる方はご覧になってください。

モディファイア

モディファイアも組み合わせ次第で色々な表現ができます。わたしがよく使っていて、覚えておくと便利だなと思ったモディファイアを紹介します。

ディスプレイスメントモディファイア
オブジェクトをランダムに変形させる機能で、これはBlenderを使っていくと色々なところで使うことになるかと思います。

頂点ウェイト編集モディファイア
オブジェクトにウェイト割り当てができるモディファイア。他にも頂点ウェイト合成モディファイアなどがあり、組み合わせて使うと自由度の高いウェイト操作ができます。一見難しそうな機能ですが、覚えると表現の自由度が一気に増します。画像は頂点ウェイト編集モディファイアでノイズのウェイトを割り当て、マスクモディファイアでマスクしてます

これからBlenderや3Dに挑戦する方へ

参考になるかわかりませんが、わたしはこうやって勉強したよというのを簡単にご紹介します。

  • チュートリアル動画 コレだ!と思う基礎チュートリアルをひとつ見つけて、全て理解できるまで何回もやってみました。
  • 覚えたことを応用した作品づくり チュートリアルを2つ3つやったら、それらを応用した作品を作るようにしていました。作品の良し悪しは気にしないで、とにかく完成させるのが大事だと思います。
  • 調べものは英語で検索 日本語に絞ると情報が少ないので、やりたいことを英語に翻訳して調べるようにしました。言語は、翻訳と絵面でだいたい理解できると思います。あと、解らないことは何でもすぐ調べるように意識してました。

はじめはたくさんの動画をただ眺めて覚えた気になっていたのですが、いざ何か作ろうとしても今まで見た内容が全く頭に入ってないことがわかって、とにかく実践するようにしました。手を動かすのは本当に大事なことだと実感しました。

Blenderは多種多様な使い方ができるので、全てを使いこなそうとするより自分のやりたいこと、必要なことだけに特化した使い方を目指すのもよいかもしれません。

最後に

これからは長編アニメーションなんかを作っていきたいなと考えてます。ボーっと眺めているだけで楽しめるものを目指してます。
Twitterでも経過をあげて行くので興味がある方は、たまに覗いてくれると嬉しいです。
ありがとうございました。


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Kanazawa Hiroshi@8x642

制作会社グラフィックデザイナーを経て、映像制作、3DCGアニメーションやグラフィックデザイン、WEBデザインなどをフリーランスで手広く活動中。3DCGソフトBlenderを使ったエフェクト、アニメ風の2D表現などを活かし、プロモーションビデオ、映画、番組オープ...

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