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キャラクターアニメーションをつくろう!DAY2 アニメーション入門編 - Blender Debut Festival!-
質疑応答 事前にいただいた質問にお答えしますので、イベント申し込みフォームの備考欄に質問をご...
3DCGの技術が開かれたものになりつつある今、思い描いた世界を動かすことは夢ではありません。イラストレーターやデザイナーの皆さん、自分のキャラクターを動かしてみたいと思ったことはありませんか?3DCGにつまずいたクリエイターの皆さん、もう一度その楽しさを思い出してみませんか?
そんなクリエイターの皆さんのためのイベント『Blender Debut Festival』連動ウェビナーDAY2の内容がまとめ記事になりました!DAY2では、キーフレームアニメーションとリギングについて学んでいきます。
アニメーションをつける前工程となるモデリングについては、Blender Debut!シリーズのステップ記事やチュートリアルをぜひご覧ください!
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ゼロから始めるBlender -モデリングの基本-
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このウェビナーの冒頭で扱った『キーフレームアニメーション』の基本は、Blender Debut! シリーズ ステップ7の記事と同内容になりますので、本記事ではその基本を踏まえた応用・発展から解説していきます。
Blender Debut! ステップ7 アニメーションはじめの一歩~仕組みを知ろう!
はじめに どうも和牛先生です。北海道の専門学校で非常勤講師をしつつ、技術書を書いたり、売ったりしています。YouTubeもちょっぴり。今回はBlenderでのアニメーション作りを体験してもらおう...
<覚えておきたい!キーフレームアニメーションの基本>
- 「キーフレーム」とは、プロパティと時間を紐付けたアニメーションの基点となる情報のこと。最初は「この時にここにいてね」を定めた約束、と考えると良いでしょう。
- 時間軸を定める「タイムライン」上にショートカットキー「I」でキーフレームを打っていくことで、キーフレーム間が繋がりアニメーションが生まれます。
- オブジェクトの位置・角度・回転といったものをはじめとして、さまざまなプロパティにキーフレームを設定してアニメーションを作ることができます。
アニメーションを調整する「補間モード」と「グラフエディター」
補間モード
キーフレーム間で自動的に作られる動きを設定する機能として「補間モード」があります。「補間モード」の中でも複数の設定がありますが、基本は「リニア」か「ベジェ」となります。
リニア … 常に同じ速度で動く等速直線運動
ベジェ … グラフの曲線で加速・減速などの調整が可能
自然界で「リニア」のように等速直線運動をするものは多くはありません。例えば石が斜面を転がる場合も、最初はゆっくりから徐々に加速し、最後は減速していきます。「ベジェ」を選択することで、グラフを調整しながらそのような動きを設定できます。
補間モードの設定をするには、タイムラインエディターでキーフレームを選択し、「T」キーで補間モード選択のメニューを表示させましょう。または、ストップウォッチのマークをクリックして「ドープシート」に切り替えることで、「キー」メニューから「補間モード」を選択できるようになります。
グラフエディター
動きに関するプロパティ情報をより視覚化して表示・編集ができるのが「グラフエディター」です。情報量が増える分、細かな動きのタイミングや振れ幅、複数の動きのタイミングを合わせたい時などに活躍します。
設定するには、画面左上の「3Dビューポート」から切り替えを行います。(ウィンドウを分割して3Dビューポートを確認しながら行なうと良いでしょう。)
グラフエディターでは、各フレームでオブジェクトがどこに位置しているかがグラフ上に示されており、例えばY軸に向かって動く設定をしている場合、「リニア」では左のような直線を、「ベジェ」では右のような曲線を描きます。この線を直接調整していくことで、さまざまな動きをつくることが可能です。
グラフエディターの設定で使うショートカットキーの例
「G」キー … キーフレームを移動する
「S」キー … キーフレームの間隔を拡大・縮小する
「S」キー、「X」キー、(数字) … 動きの速度を調整する(例:「0.5」で2倍速)
ペアレントで親子関係をつくる
親子関係とは、片方のオブジェクトがもう片方のオブジェクトの影響を受けるよう設定することです。Shiftキーを押しながら複数選択が可能な状態で子⇒親の順番で選択したあと、ショートカットキー「Ctrl+P」を押し、選択肢の中から「オブジェクト」を選びます。
オブジェクトの間に点線が引かれたら、親子関係の設定が完了です。これにより、複数のオブジェクトに同じ動きを設定することが可能になります。
子⇒親の順に選択しましたが、基本的に最後に選択したものが親になります。親は子についていかないため、子を動かしても親は動きません。親と子の割り振りを間違えてしまった場合など親子関係を解消したいときには、、ショートカットキー「Alt+P」で「親子関係をクリア」を選択しましょう。
リギングの基本
リギングとは、動かすための設定・仕組みづくりです。キャラクターのリギングでは、その大部分で「アーマチュア」と呼ばれるオブジェクトを用いて行います。実際の手順を見ていきましょう。
アーマチュア … 骨格全体
ボーン … アーマチュアを構成する骨の一本一本
アーマチュアの作成とメッシュとの紐づけ
STEP
1. メッシュがボーンを包み込むようなかたちになるよう配置しつつ、ショートカットキー「Shift+A」 > 「アーマチュア」 > 「単一ボーン」 でボーンを作成する
1. 「編集モード」に切り替え、ボーンの先端を選択してショートカットキー「E」で押し出し、ボーンを追加していく
1. メッシュ→アーマチュアの順番で選択し、メッシュを子、アーマチュアを親として「Ctrl+P」で親子関連付けを行う
親子関係が設定できたら、ショートカットキー「Ctrl+P」>「自動のウェイトで」を選択し、オブジェクトモードからアーマチュア専用の「ポーズモード」へ切り替えます。ボーンを選択し、ショートカットキー「R」で曲げてみると、ボーンにあわせてメッシュが動くのがわかるでしょう。
こうして動かしたところでキーフレームを打っていくことで、アニメーションをつくることが可能です。キャラクターの動きも、基本的にはこれらの応用で作ります。
ちなみに、ボーンがメッシュに埋もれて見えずわかりづらい方は下記の設定がおすすめです。
- 「ワイヤーフレームモード」でボーンを選択
- 画面右の「アーマチュアプロパティ」>「ビューポートの表示」>「最前面」を選択。アーマチュアが前に浮き出るのを確認する
ボーンは太いほうが影響を与える側、細いほうが影響を受ける側になります。この点を意識して、まずはアーマチュアを作ってみましょう。
各ボーンがメッシュに与える影響を設定する「ウェイトペイント」
「ウェイトペイントモード」では、各ボーンがメッシュに与える影響を設定することができます。「ウェイト」とは、一つ一つのボーンがどの面にどの程度の影響を与えるのかを示したものです。
選択しているボーンにより色が変わり、そのボーンによる影響範囲と影響度合いを色で確認することができます。確認したいボーンの上にカーソルを置いてShift+右クリックでボーンの名称を見たり切り替えたりすることができます。最大値(よりボーンの影響を受ける)はウェイト「1」で赤く、最小値はウェイト「0」で青くなっています。
「自動のウェイトで」を選択すれば、基本的にはいい塩梅にウェイトを割り振ってくれます。ただし予期せぬ影響を受けてしまう場合もあり、その場合は手動で修正していくことになります。ブラシで塗ることで修正が可能です。
覚えておきたいのは「ペイントマスク」。ONにすることで、編集モードで選択している面だけを塗りの対象とすることができるため、余計な部分を塗ってしまうことを防げます。またショートカットキー「Shift+K」で、ブラシ設定の「ウェイト」で設定している数字に応じて対象範囲の塗りつぶしも可能です。
面が多いものは塗り分けも大変ですので、できるだけシンプルなものからまずは練習してみましょう。
人型のアーマチュアの作成
ここまでで学んだ基本を応用して、人型のアーマチュアを作成してみましょう。
POINT1:キャラクターの腰から始め、背骨、頭、手足の順に作っていく
アーマチュアを作っていく順序は腰⇒背骨⇒頭⇒手足の順がおすすめです。足をつくる際は、腰の一番下のボーンから伸ばすのではなく、一つ先のボーンから伸ばしていくと良いでしょう。不要な骨は削除してOK。間のボーンを削除しても、離れたボーン同士の親子関係は残ります。
POINT2:ボーンにはひとつずつ名前をつける
「オブジェクトモード」でボーンを選択した状態で「ポーズモード」に切り替え、「プロパティパネル」の「ボーンプロパティ」から該当するボーンを選択してひとつずつ名前をつけていきます。こうすることで、アニメーションをつけたりウェイトペイントをする際に、混乱を防ぐことができます。
なお、左腕や右足などは「Forearm.L」「Foot.R」と、左右を「.L/.R」で明示しておきましょう。こうしておくことで、このあと「対称化」で残り半身分のボーンを作った際に、自動的に名称が割り振られます(元のボーンが「.L」であれば、対象化でつくられたボーンには自動的に「.R」が割り振られます)。そのため、ボーンの名前づけは対称化の前に行っておくことがおすすめです。
“裏技”をためしてみよう
Rigify
アーマチュアの作成に困ったら、自動的にアーマチュアのベースを作ってくれるアドオン「Rigify」をためしてみましょう。プリファレンス画面の「アドオン」から検索して有効にすると、「Shift+A」でアーマチュアを追加するときに、すでに組み上がったかたちのアーマチュアを選択することができるようになります。人型や動物型などさまざまなパターンが用意されていますので、ご自身のキャラクターに適したものを選択、編集モードで調整しましょう。
Mixamo
メッシュをアップロードすることで自動的に動きをつけてくれるオンラインサービス。Adobeのアカウントを持っていれば無料で試すことができます。自分のキャラクターが動いたらどうなるのか?を体験するのにおすすめです。
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以上『Blender Debut Festival』ウェビナーDAY2の学びをぎゅっとまとめました。ここまで出来たら、手を振る動きやジャンプといったアニメーションの作り方と、動きをさらに魅力的に見せるための原則について学べるウェビナーDAY3のまとめ記事も是非チェックしてみてください!
【ウェビナーまとめ記事】キャラクターアニメーションをつくろう!DAY3 アニメーション完成編 - アニメーション12原則とアニメーション実践 -
本記事の元となるウェビナーは、動画アーカイブがございます(Premiumメンバー限定) https://vook.vc/events/vookevent211218/archive 3DCGの技...
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