フォルスカラーのOFXプラグイン

Timeinpixelsという会社がNLEやカラコレソフト用にフォルスカラーのOFXプラグインを販売しています。その名も「False Color」。現在(2017年現在)の最新ファームウェアはバージョン2.3です。

価格はOFXかAdobeのエフェクトどちらかで1300円、バンドルだと2200円です。
自宅でカラコレなどされる方にとっては、めちゃくちゃ安い買い物だと思います。


参照:Timeinpixels

このプラグインを使うとNLE上のエフェクトとしてフォルスカラーを適応することが出来ます。そしてもちろんDaVinci Resolve 14にも対応しています。詳しくは記事の後半にて書きます。


参照:Timeinpixels

フォルスカラーとは

フォルスカラー(False Color)は露出をビジュアル的に見て分かりやすく表示する方法の一種です。波形モニター(ハケモ二)やヒストグラムを使うと、映像のどの部分が明るいのか、スキントーンはどの部分なのかなど把握するのが難しいです。それに比べてフォルスカラーは、画面上での露出が一目瞭然なので、非常に良いツールです。


参照:Premium Beat

大抵プロダクション用モニターに搭載されている機能なので、現場モニターやポスプロハウスなどには大抵常設されている機能だと思いますが、普通に自宅オフィスなどで編集する際には高級なモニターを持っていないためにフォルスカラーをカラコレで使える機会は少ないはずです。

撮影現場だとよく見かけるけど

カメラだとREDカメラやARRIには機能として搭載されていますし、現場モニターではATOMOSのショーグンやConvergent Design CD-Odyssey7Qなど、ポスプロモニターだとFlandersなどの高級なQC(クオリティコントロール)モニターには必ず搭載されています。


参照:Blackmagic Design

ただポスプロのQCモニターとしてフォルスカラーを使いたくても安い価格のモニターには大抵搭載されていません。

IREとは?

フォルスカラーの単位はIREを使います。IREはInstitute of Radio Engineerの略語です。この数値は一昔前のコンポジット映像信号(HDより前の話)において、完全な白を100%とした場合、アナログ伝送方式のブランキング期間(左から右に走るインターレースの走査線が左に電子ビームを戻すために設けられた時間)の電圧値(基準レベル)を0 IREとした値です。考え方として、0 IRE(アメリカでは7.25IRE)が黒で100 IREが白になります。


参照:ayato@web アメリカと日本の黒のIRE値の違い

パッと見たときに100に近いほど白く、0に近いほど黒いので感覚的に使える数値でとても便利だそうです。なおIREは0から100まででは無く、0以下の‐40IREを含む計140 IREになります。この0以下のIREは映像信号では無くパルス同期というものです。細かくは以下のリンクを読んでみてください。

ビデオ信号の基礎知識
アナログビデオ101(英語)-日本語にGoogle翻訳出来ます。
A Quick Look at the Composite Video and IRE

(以下、7月28日に追記しました)
これがビデオレンジとフルレンジの違いにもつながっています。RGB各チャンネル8Bit出力で考えた場合、IRE100(白)がRGB235(ビデオレンジの上限)、IRE0 がRGB16(ビデオレンジの下限)になっています。



参照:ayato@web テレビデザインの基礎知識 19

つまり露出について考える際には、0から100までのIREとRGBの関係性についても理解することが大事、ということです。(追記はここまで)

IREを見る時のコツ

各メーカーによってフォルスカラーのデザインは微妙(時にはかなり)違います。ただフォルスカラーがカラコレで最も求められるのはスキントーンの露出を確認する際です。ハイライトやシャドウは波形モニター(ウェーブフォーム)を見た方が使いやすかったりします。


参照:Atomos Support

上記のIREリファレンスはATOMOSのフォルスカラーです。スキントーンは大体40~65IREの間に存在します。つまり上の表で見たときの緑の部分からピンクの部分です。

実際にプラグインをDaVinci Resolve 14で使ってみた

まずはOFXをDaVinci Resolve 14にインストールしてみました。今回のテストでは自分が好きな「007 カジノ・ロワイヤル」のスクショを使わせてもらいました。ちなみにこのスクショの元データが何なのかは分からないので、どれほど正しいデータであるかは保証出来ませんが、あくまでプラグインを使う際の参考までと思ってご確認ください。


参照:Movie Screencaps

まずはOFXプラグインの「False Color」をノードにドラッグアンドドロップします。

するとビュアー上で、スクリーンショットがフォルスカラーで表示されました。なお左側にはIREリファレンスが追加されているのが分かります。このリファレンスはOFXの設定で非表示にすることも可能です。


参照:Movie Screencaps

ジェームズボンドのスキントーンはおおよそ40~50 IREの間です。ハイライトの部分は80 IREとキックがありますが、輪郭を浮き立たせるバックライトとしての露出なのでこのようになっているようです。

ちなみに普段制作でフォルスカラーを使い慣れている方のために、違うメーカーのフォルスカラーを設定で選べるようになっています。現在使用可能なフォルスカラーのプリセットは以下の通りです。

  • Flanders
  • SmallHD
  • ARRI
  • Blackmagic Design VA

その他にもスキントーンエリアだけを表示するSkintone Separationや、ハイライトのみフォルスカラーを適応するHighlights、同じくシャドウのみに適応するShadowsがあります。

このツールを使ってカラコレで正しい肌の露出をとることが出来るだけで無く、自分が好みの映画やコマーシャルの露出がどういう風になっているのか勉強することも可能です。今回007でいくつか試してみましたが、野外の夜のシーンでもスキントーンは最低でもIREが30ありました。



参照:Movie Screencaps

自前のカメラでテスト

このIREは露出を確認する上で非常に役にたつことが分かりました。またスキントーンを見る上でも非常に良いリファレンスを作ってくれることが分かりました。最後に一点大事なことは、カメラによってベストなスキントーンが出るIREが違うということです。40~65 IREの近辺に良いスキントーンは存在しますが、カメラそれぞれの個性があるためそれぞれベストなスキントーンが出るためのIREが変わってくるそうです。

例えばスキントーンをLOG撮影のフラットなイメージにフォルスカラーをかけて35IREで撮影した素材を、グレーディングで55IREにまで引き上げた場合と、全体的に明るめにフラットな状態で55IREのスキントーンで撮影し、55IREでグレーディングしたものだともちろん最終的なルックは変わりますが、どちらが良いかについてはカメラの特性をよく知り、テストをした上で判断するのが良いみたいです。

そのためにもAtomosのSHOGUNなどのフォルスカラーを使って撮影した素材をNLEに取り込み、TimeinpixelsのFolse Color OFXプラグインを使用して、いろいろなパターンを試してみることで自分が思う最適なスキントーンを見つけてください。

ちなみにCANONのCシリーズのIREテストをした動画が以下のリンクにのっています。こちらはNEED FOR SPEEDやACT OF VALORの撮影監督を務めたASCのシェーン・ハールバット氏が彼といつも仕事をするクルーメンバーとともに撮影のノウハウを教えるプラットフォームです。撮影監督を目指す方は是非のぞいてみてはいかがでしょうか?

THE DIGITAL CAMERA SENSOR EOS CINEMA CAMERA


参照:Shane’s Inner Circle

そして最後に上記のシェーン・ハールバットさんが説明するFlandersのフォルスカラーチュートリアルと、YouTubeのDaVinci Resolveチュートリアルで有名なAram Kさんの同プラグインについてのチュートリアルをシェアしたので是非お手すきの際にご覧ください。


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