カラーホイールの追加情報

前回VOOKに載っていたカラーホイールの使い方ですが、ちょっと追加で情報を書いておこうかと思ったので以下にまとめてみました。書いた内容は探せば他のサイト(Media For You!ビデオサロンさんなど)にも載っていますが、そこでカバーされていない情報がもしかしたらあるかもしれないので、興味本位程度に読んでみてください。

カラーホイールには全部で3つのページがあります。

  • プライマリーホイール
  • プライマリーバー
  • Log

そしてそれぞれのカラーホイールのページの下には、様々な設定項目が存在します。Logページの時にだけ、ローレンジとハイレンジという設定が追加されます。これはプライマリーホイールとバーの時には存在しない設定です。理由はLogページが作られた意図に起因します。(後述)

プライマリー ホイール

まずプライマリーホイールのリフト・ガンマ・ゲインについて説明します。どれもYRGB全てのレベルに影響を与えます。

リフトはブラックポイント(黒であるべき部分)のYRGB値を同時に上下させることが出来ます。
ゲインはホワイトポイント(白であるべき部分)のYRGB値を同時に上下させることが出来ます。
ガンマは中間値(ミッドトーン)のYRGB値を同時に上下させます。この際にトーンカーブをなめらかに作ります。

オフセットはリフト・ガンマ・ゲインのコントラストを完全に維持したままで、YRGB値を同時に上下させることが出来ます。コントラストを変えずにブラックポイントの黒のレベルまで下げる時や、カラーバランスを整える際などに使います。

ブラックポイントはリフト左上のポインターを使って、自分の素材の黒であるべき部分の色を選択することで自動的に黒レベルを設定することも可能です。

ホワイトポイントはリフト左上のポインターを使って、自分の素材の黒であるべき部分の色を選択することで自動的に黒レベルを設定することも可能です。

プライマリー バー

次にプライマリーバーのリフト・ガンマ・ゲインについて説明します。これもプライマリーホイールと似ていますが、ホイールの代わりにフェーダーの様な上下するバーによって構成されています。

ホイールと違うのはRGBとY(輝度‐ルミノシティのみ)を分けて作業することが出来ることです。デフォルトではホイールと同じで、YRGBのレベル全てに影響します。カラーホイールビュアーの右下の部分にある「輝度ミックス」を0にすることで、R,G,Bがそれぞれを切り離して作業することが出来ます。そのため輝度ミックスが0の間は、Yのバーは機能しません。

もしくは「プロジェクト設定>カラー>一般環境設定」から「輝度ミキサーのディフォルト値を0に設定」にチェックを入れることで最初から輝度ミックスを0にしておくことも出来ます。

Log

LogページはもともとLogモードで収録された素材のプライマリーをメインで行うために搭載されたモードです。 これは通常のプライマリーと違い、シャドウとハイライトを調整してフラットな映像からコントラストがある映像を作り直す作業を必要としているために、シャドウ部分のみ、またはハイライト部分のみに限った限定的な作業をより多く必要としています。

カラーホイールビュアーのLogページではリフト・ガンマ・ゲインでは無く、シャドウ・ミッドトーン・ハイライトのホイールとオフセットのホイールが搭載されています。オフセットモードは、プライマリーホイールのオフセットと同じものです。

シャドウ・ハイライトの作業をリフト・ゲインよりも限定的なものにするために設けられた値がローレンジとハイレンジ設定です。シャドウとミッドトーンのしきい値を決定するのがローレンジ、ミッドトーンとハイライトのしきい値を決定するのがハイレンジです。

この二つのしきい値を設定することで、シャドウとハイライトのホイールによって影響を受ける明るさの範囲を限定します。

シャドウは暗い部分だけを更に暗くすることが出来るため、全体的に映像を少し引き締めたいときには非常に便利です。カーブでも同じことが出来ますが、キー点をいくつか打たないといけないので少し手間です。

その他のツール

コントラスト&ピボット

コントラストは0‐2までの数値の中で調整することが出来ます。ディフォルトが1になっているために、0に近づくにつれコントラストが低くなり、2に近づくにつれてコントラストが高くなります。

以下のテストはDaVinci Resolve 14 有料版に入っているグレイスケール(上記)を使って波形の変化について確認しています。



コントラストの数値を全く変えていない状態でのグレイスケール



コントラストを1.0から1.5にした場合、S字のコントラストカーブを描いた。

コントラストの値を高くすると、Sカーブを描くように滑らかにコントラストが高くなっていきます。


「プロジェクト設定>カラー>一般設定>コントラストでSカーブを使用」のチェックを外すと、Sカーブの無いコントラストが出るようになります。

ピボットはコントラストとコンボで使用します。これはカーブを使ってSカーブと呼ばれるコントラストをカーブを使わずに早く作るために使えます。コントラストは先ほど説明したように、ミッドトーンを中心にSシェイプのコントラストカーブを作ります。ピボットはその中心点をシャドウもしくはハイライトへと動かすことが出来ます。

たとえばコントラストを出したいショットがある場合、あまり黒は潰したくない場合はピボットを0に近い数値へ動かしコントラストをかけると、全体的に明るいコントラストがかかり、黒潰れを防ぐことが出来たりします。


ピボットを使って、コントラストの中心点をシャドウもしくはハイライトの方へと移動させた場合の例

カラーホイールには他にも必須ツールがいくつかあります。色温度、Tint、ミッドディテール、カラーブースト、彩度、色相などですが、これはまた違う機会に書きます。

ニュアンスを覚える

これらの全てのツールはカラコレをする際に、意図した部分だけに影響を与えることが出来るように搭載されたものです。どのツールも使っていればなんとなく良い感じになりますが、本当に監督や撮影監督が意図したものを映像化するには一つ一つのツールが搭載されている理由を考えることで、小さなニュアンスさえカラリストとしてコントロール出来るようになると思います。このニュアンスを体感として覚えるまでが、一番大変なんだろうなぁと思いながら今回の制作ノートを終わります。

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