プロの映像クリエイターのインタビューをもとに、そのナレッジやノウハウを紹介していく「Cutters Point」。
今回はYouTubeやTikTokで活躍中の映像クリエイターの3名に、具体的な制作フローやインスピレーションの元などについて、座談会形式で詳しく伺いました。
それぞれの個性が映し出される、三者三様の取り組み方にご注目ください。
ゲスト:だいげん
1985年生まれ。北海道出身、大阪在住。5歳と3歳の2児の父。趣味は漫画、料理、映像制作。
家族に人生を楽しんでいる姿を見せたくて、9年間務めた製薬会社を退社し動画制作の道へ。日本一映像を楽しむビデオグラファーとして映像製作の楽しさを発信しています。
YouTube:https://www.youtube.com/c/TVDAIGEN
Twitter:https://twitter.com/daigen_bbw
ゲスト:Aciton Planet
1994年生まれ。大分県出身、宮崎市在住。
独学で編集や撮影を学び、YouTubeでチュートリアルを公開している。
宮崎県のご当地ヒーロー「天尊降臨ヒムカイザー」の映画の監督、撮影、編集を担当。
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCSmgxWssl8L45O6JCYb5NQA
Twitter:https://twitter.com/actionplannet
ゲスト:吉川啓太
1999年、神奈川県出身。武蔵野美術大学映像学科に在学中。
『TikTok TOHO Film Festival 2021※』にて初代グランプリを受賞。
Instagram:https://www.instagram.com/keita_sesa_55/
Twitter:https://twitter.com/imysk329kta※ TikTokと東宝株式会社が新たなクリエーターを発掘し、映像・映画を共創する事で映画業界を盛り上げる事を目的とした新しい映画祭。
Vook:今回は映像の世界で活躍されながら、YouTubeやTikTokといった場でも発信力のあるみなさんにお集まりいただきました。早速ですが、自己紹介をお願いします。
だいげん:初級から中級のビデオグラファー向けのYouTubeチャンネルをやっています、だいげんです。いろんなメーカーの機材を使ったレビューを中心に作っていて、動画の中に必ず作例として30秒ほどの作品を入れるようにしています。
Action Planet:僕はネットを見ながら動画を作っていたら、なぜかYouTubeチャンネルの登録者が増えたという運が良い人間です(笑)。
最初の頃はウェディングムービーを作ったり、個人アプリのCMを作っていたんですが、いただいた依頼を受け続けた結果、今年は映画監督をすることになりました。
吉川:自主制作で映画やドラマを作っています、吉川啓太です。今は大学院に通っていて、映像学科の中で映像を中心に撮っています。
Vook:吉川さんは 『TikTok TOHO Film Festival 2021』でグランプリを取られましたよね。浜辺美波さん主演のドラマも撮影されているそうですが、大学院生だったとはびっくりです(笑)。
【TikTok TOHO Film Festival 2021】ファイナリスト動画⑥『トラベルノート』 代表者:吉川啓太
テレビ、SNS、妄想。インスピレーションは、あらゆるものから。
Vook:みなさんそれぞれ違った形で活動されているようですが、映像を作る時にどういったものからインスピレーションを得ているのか、教えてください。
だいげん:僕の場合は基本的にレビューしたいものがあって作るという感じで進めていますが、寝起きやお昼ごはんの時間にInstagramのリールは見たりします。例えばハイパーラプスを使った作品を見て、「1回やってみよう!」と思って作ったこともありますね。
Action Planet:僕は昔から妄想が得意で、小さい頃は手からビームが出て学校を壊してみたり、高速道路を車で進んでいる時にガードレールの上に忍者を走らせたりしてたんですが、それが大人になってもやまず(笑)。
例えばバルセロナに行ったら「ツインタワーが音に合わせて弾むと楽しいだろうな」と考えたり、横断歩道がピアノに見えて、「音に合わせて光ったら楽しそうだな」とか、そういう自分の妄想からインスピレーションを得ています。
Vook:それは、小さい頃にいろんな映像を見たからでしょうか?
Action Planet:それもあるかもしれないですね。昔見ていたクレヨンしんちゃんの ”ケツだけ歩き” を、さっきだいげんさんのお話にあったハイパーラプスを使って撮ったら楽しそうだなとか(笑)。
だいげん:そういう妄想力、Action PlanetさんのYouTubeのコンテンツに投影されてる気がしますね。話を聞いてすごく納得しました(笑)。
Action Planet:あとは 「やりたいことリスト」を作って、思いついたらとりあえず書いておくということもしています。
吉川:僕はテレビドラマを見ることが多いです。「このセリフいいな」と思って参考にしたり。1クールに10本くらい見るようにしていて、今やっているものだと『ミステリと言う勿れ』とか『DCU』、『ファイトソング』も面白いと思います。
移動時間やお昼ごはんの時間に見て、勉強させてもらってます。
画像出典:https://www.fujitv.co.jp/mystery/introduction/index.html
Vook:それは将来ご自身でもテレビドラマを撮りたいという気持ちがあるからでしょうか?
吉川:いつか撮ってみたいというのはありますね。
リファレンスは、自分が惹かれるものからコツコツ積み上げる。
Vook:次にリファレンスについて、いつもどこから集められているのか教えてください。
だいげん:僕が見ている時間が一番多いのはYouTubeですね。VimeoやPinterest、時間があったら映画もという感じで、いろんなところから幅広く探しています。
Vook:YouTubeではどのように検索されていますか?
だいげん:ピーター先生(さんくーる)とか、決まったYouTuberを見ることが多いですね。他のクリエイターがレコメンドで上がってくる時もあるので、サムネイルが自分の好みなら見るようにしています。
あとはLIKIさんやbird and insectさんのような制作会社もブックマークしていて、最新作が出ているかチェックしたりもします。
Vook:なるほど。やはり制作会社さんのワークの内容は参考にしやすいですか?
だいげん:そうですね。しっかり練って作られているので、どういう色味が流行っているのかとか、この表現はこうやって使うのかとか、答え合わせのためにも見たりしています。
Action Planet:僕の場合はNetflixから得ることが多いです。アウトプットはしないですけど、個人的な勉強のために分析的な目線で見るんですよね。
じっくり見ていると「こんなところにこんなシーンを差し込んでたんだ!」みたいな気付きがあったりします。
Action Planet:以前、ヨルシカさんのミュージックビデオで、たったワンフレームだけ絵が入っているのを発見して、隠しメッセージみたいな表現で面白かったですね。
あとはNetflixで作品の最後にクレジットに出ている人を検索したり、Netflix Film ClubというYouTubeチャンネルがあって、制作の舞台裏をたっぷり説明しているので、そういうものも参考にしています。
吉川:僕は探そうと思って探すことはあまりないんですが、考える段階で参考にするのは、映画や本が多いですね。
好きなドラマのシナリオブックを読んで、実際のドラマと見比べると、役者さんのアドリブの箇所も分かったりするので、「こういうやり方もあるんだ」というのを参考にしています。
Vook:演出の参考ですね。吉川さんはストーリーを重視されているんでしょうか?
吉川:はい、ストーリーが一番大事だと思っています。まず最初に考えて、どこに面白い部分を持ってくるか、構成はしっかり考えながら作っています。
表現に行き詰まった時には本を読んでいます。
Vook:映像ではなく本なんですね。シナリオブック以外に、どんな本を参考にしますか?
吉川:本屋に行って、何かについて書かれた本というよりは、日記みたいなものを手にとっています。日記って、その人の日常の話だから、「知らないよ」みたいな内容も多いんですけど、「こういうことを脚本に取り入れたら現実味が加わって面白そうだな」という気付きもあったりします。
「何を一番大切にするか」で、制作フローは決まっていく
Vook:みなさんリファレンスの探し方もそれぞれ違いますが、映像制作のフローについてはいかがでしょう?作っていく上で順番や優先順位を決めていることはありますか?
だいげん:何を作るかによってだいぶ違うんですけど、一番大事にしているのは準備です。9割が準備で、当日の撮影は身体に染みこんだものを発揮するだけ。編集も重要ですよね。
Vook:これは絶対に準備しておくというものはありますか?
だいげん:僕の場合はYouTubeでのレビュー動画なので、当然レビューする機材を使いこなして詳しくなっておくというのと、世間の評価も全て調べておきます。
例えば価格.comを見て、みんなはどこを評価して、どこが残念だと思っているのか。その点を自分なりに検証して、僕自身がどう思ったかという言葉にまで落とし込めるようにしておくということです。
Vook:確かにレビュー動画は、準備していないと、うまく撮れないですよね。Action Planetさんは、決めている手順などありますか?
Action Planet:映像によって違うんですけど、YouTubeで配信するチュートリアル動画の場合、まず1度自分で作ってから、2回目に画面収録をします。
僕はアドリブができないので、予め台本も書いて、それを読み上げる形で撮っています。
モーショングラフィックスのような場合は、表現したいテーマに沿って絵コンテを作ることもありますね。細かい部分は編集で調整しながら仕上げます。
Vook:画面収録は何回もやると疲れてしまいますよね。すごいなと思います。吉川さんはいかがでしょうか?
吉川:僕はまず脚本を書きます。最初に入れたいセリフから書いて、それを中心に、言わせるためにどうしていくかを考えていきますね。
だいげん:吉川さんの『トラベルノート』を拝見したんですけど、めっちゃすごいなと思いました。あの設定も、セリフより後に決められたんですか?
吉川:あれは設定を最初に決めました。縦画面で撮ることと、「トラベルノートを手掛かりに旅をする」というのを決めて、主人公がいろんな場所を巡って最後に親友と会うというように話を進めていきました。
だいげん:ありがとうございます。これはTikTok大賞も取るわ!と思いましたよ。本当にすごかったです。
整音まで頼れるPremiere Pro。ヘビーユーズ機能の本音とは
Vook:次に、Premiere Proのことについて伺いたいと思います。
「最近気に入って使っているプラグイン」みたいなのがあれば教えていただけますか?
だいげん:僕はこれといったものは使ってないですけど、縦動画で作る時に、テンプレートを使ったりはします。
枠が装飾されていて、「ぶわんぶわん」「ドカーン!」みたいな動きが派手なものですね。僕はAction Planetさんみたいに全てAfter Effectsで作る手間を惜しんでしまうので(笑)、時短のためにたまに使っています。
【Premiere Pro】動画のクオリティが上がる!すぐに使えるテクニック5選
こんにちは!だいげんです。家族に人生を楽しむ姿を見せたくて9年勤めた会社を退社後、映像制作会社を設立し、2018年10月からYouTubeを開始しました。現在はチャンネル登録者3万人を突破し、ウ...
Vook:テンプレートを知っていれば、そこまで凝って作らなくてもいいところが魅力ですね。Action Planetさんはどうですか?
Action Planet:Red GiantというAfter Effectsのプラグインを提供している会社があるんですけど、そこの RGVFX(Red Giant VFX)というのが、After EffectsでもPremiereでも両方使えるんです。
RGVFXの中でもRG Primatte Keyerというのがグリーンバックでキーイングができたり、RG Knoll Lightでアナモルフィックライトを作ったりできるんですが、使うならPremier ProよりAfter Effectsの方が楽な気もします。
だいげんさんのようにテキストをイチから作るのが面倒な時は、Envato Elementsのテンプレートを使うこともたまにあります。
Vook:なるほど。Premiere Proはプラグインというより、テンプレートを使った方が楽なんでしょうか?
Action Planet:画面収録の時に自動的に画面をズームしてくれたり、音楽のビートに合わせてマーカーを打ってくれるプラグインは気になります。
ただ、前まで画面キャプチャをズームする動きを作っていたんですけど、最近はジャンプカットしても切り替える方法を採用しているので、あまり使わなくなりました。
拡大すると工程が1〜2つ増えるので、プラグインを買うことで逆に作業量が増えるということが起きてしまいます。
もう1つ気になっているのが、Cinema GradeというDaVinci Resolveのようにシネマチックな色補正ができるプラグインです。
Vook:色の調整やグレーディングの時は、みなさんPremiere ProとDaVinci、どちらを使われることが多いですか?
だいげん:僕はこの1年ぐらいでDaVinci Resolveになりました。DaVinciで作って、書き出しまで終えたあと、Premiere Proでトーク部分のカットなどの処理をします。
Action Planet:僕はPremiere Proでカラーグレーディングまでやってしまいます。
Vook:吉川さんはドラマも作られるので、カラーグレーディングにもこだわりがありそうですが、いかがですか?
吉川:だいげんさんと同じで、DaVinciで作ってからPremiere Proに戻して、最後に音と合わせています。編集はこれ、色調整はこれ、音はこれというふうに、全部使い分けています。
プラグインはほぼ使ったことがないですね。Blackmagic(カメラ)で撮ってるので、そのRAWデータを読み込むためのプラグインぐらいです。
短い動画なら、Premiere Proのオーディオエフェクトでイコライザーを使って音をきれいにできるので特別なプラグインやツールは使わないですね。
Vook:なるほど。Premiere Proのオーディオエフェクトで気に入っている使い方はありますか?
吉川:音量メーターが右に出るので、それを見ながらオーディオゲインで合わせて、段差が生まれたらクロスフェードをかけています。
それだけでも十分綺麗にはなるんですけど、遠くの声が近くに聞こえてしまっていたりする場合は、イコライザーで低音を下げたりクロマノイズ除去で調整しています。
『トラベルノート』もPremiere Proで作りましたし、あれだけでもきれいに完成できると思います。
Vook:他に、Premiere Proで多用しているものはありますか?
だいげん:地味なんですけど、一番使ってるのはキーフレームとネストかもしれないです。
Action Planet:ショートカットキーは最初のうちに色々覚えていくと、トータルで作業時間は減りますよね。たまに、「これショートカットできるんだ!」みたいなのが発見できたり(笑)。
だいげん:僕の場合は、自分で「@」と「*」キーを1デシベルずつ音量調整できるショートカットキーに設定しています。
だいげん:Premiere Proのショートカットキーボード一覧があるので、そこで自分で設定することができるんです。サウンドエフェクトの音量の微調整に、いちいちカーソルで下げるよりだいぶ便利なのでおすすめです。
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未知の分野でも、挑戦し続けること
Vook:最後に、今作られている映像のことや、今後作りたい作品についてお聞かせください。
だいげん:来週、「CP+2022」出展のための作品撮りを予定しています。フリースタイルバスケットボーラーの動画にしようと思っていて、リファレンスはNIKEから雰囲気を参考にします。ただ、初めて使うカメラで撮るので、ちょっと心配ですが(笑)。
Vook:色々使いこなしながら作品を撮っていくという感じなんですね。「CP+2022」、楽しみにしています。Action Planetさんは、映画が決まってますよね。
Action Planet:そうですね。宮崎のご当地ヒーロー、ヒムカイザーを主人公にした特撮を撮る予定です。脚本は別の方が書いて、それを僕が撮影するんですが、アニメ表現をたくさん盛り込んで、楽しみながら作りたいなと思っています。
Vook:特撮楽しそうですね!では最後に吉川さんお願いします。
吉川:僕は映画とドラマを撮っていきたいと思ってるんですが、次の4月(2022年)で大学院の2年になるので、まずは修了制作という、卒業制作の大学院バージョンを作らなくてはならないんです。
60分ぐらいの映画を作ろうかなと思っていて、それを目標にしつつ、他にできることもやっていきたいなと。縦動画の世界にもすごく興味があるので、ドラマみたいなものを作れたらいいなと思っています。
クリエイター同士が聞きたかった、”あのこと”
Vook:最後にみなさん、お互いに質問があればどうぞ。
Q.影響を受けた作品ってある?
Action Planet:思春期に見た作品って、その人の思想にまで深く影響している気がするんですけど、みなさん何を見てきたのか知りたいです。ちなみに僕は『少林サッカー』と『カンフーハッスル』に感化されました。
だいげん:僕も映画で、『グリーンマイル』か『ショーシャンクの空に』。感動する作品が僕は好きですね。
Action Planet:なるほど。だから人を撮影する時に、ヒューマンドラマというか、そういうところを意識されてるところがあるんですかね?
だいげん:そうかもしれないですね。自分が感動させる側に回りたいみたいなところもちょっとあるかもしれないです。
吉川:僕は全然覚えていないんですけど、多分昔からずっとテレビを見て育ってきて、いまだにテレビもドラマも好きですね。
小さい頃は就寝が早いので、バラエティやクイズ番組のようなゴールデンタイムの番組も見ていたと思います。
ドラマをたくさん見はじめたのはわりと最近で、大学3年生ぐらいからです。
Vook:何がきっかけで、自分も映像を撮りたいと思われたんですか?
吉川:大学に入るまでは映像を作ろうとは思っていませんでした。大学は映像学科だったんですけど、武蔵野美術大学の試験を受けたいと思った時に、そこから勉強して間に合う学科が映像学科だけだったんです。
それで入ってみたら、実写を撮るか、アニメを描くか、CGを作るか、みたいな感じで。その中で自分ができそうだったのと、実際にやってみて楽しかったのが映像だったんです。
だいげん:『トラベルノート』の掴みの、目玉焼きのくだりはどうやって思いついたんですか?
吉川:あれは僕自身が目玉焼きの白身が嫌いだったんです(笑)。結構、自分自身や友達の面白かったことをセリフにして書いています。
だいげん:すごいなぁ。ありそうでなさそうな絶妙なラインで、僕は引き込まれました。多分、あそこで共感する人もたくさんいるんだろうなと思って。
吉川:そういう、「ありそうで聞いたことがない」みたいなことを大事にしているので、それを言っていただけるのはすごく嬉しいです。
Q.YouTubeのネタ枯渇しないの?ショート動画のことどう思う?
だいげん:Action Planetさんに聞きたいです。僕がチャンネルを始める前に、Action Planetさんのチャンネルをすごく見てたんですよね。それから3〜4年くらい動画をたくさん出し続けられてますけど、チュートリアルのネタは枯渇しないんですか?
Action Planet:まだチュートリアルになっていないものを作ることもありますけど、既にあるものを参考に、要素を入れ替えて作ることもありますから(笑)。
YouTubeやPinterest、Instagramで気になるものをセーブしておいて、それをさっき言った方法でフレームごとに分析して、「これはこうやって作っているな」というのをチュートリアル化したりしています。
吉川:みなさんどのぐらいのペースでYouTubeの動画を作ってますか?
だいげん:昨年YouTubeにアップしたのが130本ぐらいです。僕にとっては勝負の年だと思っていたので、3日に1回ぐらいですかね。
今年はショートの割合を増やそうかなと思っていて、InstagramやTikTokに50~60本くらい上げられたらいいかなと思っています。
Action Planet:ショート動画というのは、再生回数が回って、結果的にYouTubeを見る人が増えるからという狙いもありますか?
だいげん:そうですね。ちょうど先日、Peter McKinnonが動画で言ってたんですけど、去年1年間で出した動画の約29%がショートで、視聴回数の約69%を占めていたそうです。
スピーディーに見られるので再生回数が増えて、露出も増えることで認知されやすくなる。結果、長い動画にも誘導しやすくなるということはあるかなと思います。
Vook:YouTubeだと動画を見ると同じクリエイターの動画がレコメンドで出てくるので、ショートで再生されることって重要かもしれませんね。TikTokも、最後まで見た動画でレコメンドが決まっていったり。
だいげん:面白いのが、逆に今度TikTokが長めの動画を出せるようになってきていますね。結局、長いのが良いのか短いのが良いのか、ちょっと分からなくなってきています。
Vook:入り口は短い方がいいけど、気に入ったら長いのも見たいというのがあるのかもしれないですね。吉川さんはお二人と違って、長い動画を作る方が多いと思うんですけど、今年何本作りたいとかありますか?
吉川:撮れるのであればいくらでも撮りたいけど、時間もお金もかかるので、1~2本になるかなと。短いものも合わせて3本くらい撮れたらいいなと思っています。
今はいろんな脚本を書きたくて、脚本のコンペにも応募したいと思っています。
まとめ
お話を伺った3人ともYouTubeやTikTokで活躍されていますが、動画制作の上で”何を最も重視するか”によって、制作フローや選択するソフトなどは実に様々でした。
つまり、それらには正解がないことを示しているようです。
まずは目指すべき目標を定め、自分に合った作り方・ツールを色々と試してみましょう。
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