2月22日(火)から27日(日)わたって開催された(※プレ・イベント含む)、カメラならびに関連機材の展示会「CP+2022」。コロナ禍への配慮から、今年もオンラインのみの単独開催となったが、カメラに関心のある新規ユーザーにも手を広げたプログラムが多数開催された。今回はその中から、2月23日(水)に開催された『カメラ女子が教える!写真の楽しみ方』のプログラム内容について紹介する。
TEXT_江連良介
EDIT_菅井泰樹(Vook編集部)
カメラ女子におすすめの低予算で楽しめる4つの撮影方法
本プログラムの登壇者は、東京を拠点に活動するフォトグラファーの鹿野真里菜氏、関西写真部SHAREに所属するライターのかんばらふうこ氏だ。今回は二人からカメラ女子が知っておくべき写真の楽しみ方についてプレゼンが行われた。
「私自身、色々な写真に関連するサービスに触れて、撮る以外にも写真の楽しみ方があるんだなと実感しました。 今回はそんなカメラ女子の目線で、写真の楽しみ方をご紹介したいと思います」(かんばら氏)
本プログラムでは、写真の楽しみ方を 「撮る、飾る、贈る、見る・見せる、繋がる」 の大まかに5つに分類している。
まず、「撮る」 楽しみとしては、デジタルカメラ、レンズ、撮影機材が重要な要素となる。これらの本格的な環境を整えずとも気軽にカメラを楽しみたいカメラ女子は多いだろう。そんなカメラ女子に向けて、かんばら氏は 気軽にカメラを楽しめる方法を4つ紹介している。
例えば、オールドレンズや使い捨てカメラ、レンタルサービス、スマホ用レンズなどは、気軽に低コストで撮影環境を整えることができるため、本格的な機材を揃えることに躊躇している人にもおすすめだ。
「私は今はフィルムカメラがメインですが、元々はデジタル一眼レフからスタートしました。オールドレンズの独特の雰囲気に面白味を感じ、デジタルのミラーレス一眼とフィルムのオールドレンズを組み合わせて、そこからカメラの面白さにハマっていきました」(鹿野氏)
鹿野氏が語るように、現在では高価な撮影機材を持たず、スマホ、デジタルカメラだけで工夫しながらカメラを楽しむ人が増えている。続いて、これらの撮影方法に関する具体的なヒントが語られた。
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手軽にボケ感を出せるオールドレンズ、日常使いにはスマホ用レンズも魅力
最初に紹介されたのは 「オールドレンズ」 だ。オールドレンズの最大の特徴は、手軽にボケ感のある柔らかい写真が撮れること。1万円以下で買えるため初心者にも優しく、レンズも小さく軽いのでカメラ女子でも楽に持ち運びができる。
「関西写真部SHAREのメディアサイトでも、フィルムカメラ屋さんとコラボさせていただいた際に、ミラーレスカメラとオールドレンズを組み合わせると優しい雰囲気の写真が撮れるとアドバイスをいただきました」(かんばら氏)
「私も今でもオールドレンズで撮影することがあります。自分の望む表現を手軽に実現できる点では、オールドレンズがとても手軽に始められる方法だと感じました」(鹿野氏)
続いて 「使い捨てカメラ」 が紹介された。定番商品としては「写ルンです」がある。関西写真部SHAREでは「みんなで楽しめる!写ルンです撮影会」が人気で、中学生や高校生など学生も多く参加する。大阪の撮影スポットを巡って撮影を行う中で、彼らは撮影方法や撮影機材の情報交換をしているそうだ。
続いて 「レンタルサービス」 が紹介された。レンタルサービスは最新・高額なカメラやレンズを使いたい時だけ借りることができるお得なサービスで、関西写真部SHAREでもこれまで多くのサービスが紹介されてきた。
レンタルサービスの魅力は、価格以外にも、気になっている機材やレンズをお試しで使うことができる点、旅行など一定の期間だけ集中して使うことができる点にある。必要なアクセサリーも付属しているため、詳しくない人でも手軽にカメラに触れるきっかけをつくってくれる。
4つ目の方法は 「スマホ用レンズ」 だ。カメラ女子であっても、いつでも一眼レフなどの撮影セットを持っているとは限らない。日常用の撮影によく使うスマホカメラに一工夫することで、日々の写真のクオリティをぐっと高められる。
USHADOWのスマホレンズ&ケースやスマホ用カメラグリップレンズ「PICTAR PRO」などがおすすめだ。
写真をインテリアとして飾るなら、お気に入りの場所に
次に、写真をインテリアとして 「飾る」 理由、飾ることを意識した撮影方法などについて解説がなされた。かんばら氏に額装のこだわりについて尋ねられた鹿野氏は、次のように語った。
「展示する際には大きなパネルなどで見せますが、家に飾る際には普段の日常から一歩引いた感覚で、懐かしさやその時の感覚を思い返せるようにしています。部屋で風景の写真を見たい場合、ソファに座ってぼーっと眺められるようにしたり、ポスター写真だったら小さな額に入れてあえてテーブルの上に置いたりしています。部屋の中でどの写真をどんな風に見たいか考えることは、コロナが始まって最初にはじめた試みです」(鹿野氏)
また、鹿野氏によると、撮影した写真を部屋に飾る際のポイントとしては、キャビネットの上、デスクの上など、自分が一番気に入っている場所に写真を飾ることが一番だと語る。
賃貸住みの場合、写真を部屋に飾る際には「富士フィルム Shacolla スターターキット」がおすすめだ。本商品は賃貸の壁を傷つけずに飾れるシールタイプのフォトパネルで、小さな写真を手軽に飾ることができる。
これから写真を好きになってもらうためのイベントづくりとは
写真を互いに 「贈り合う」 ことも、カメラ女子のコミュニケーション方法のひとつだ。
写真を贈る方法はSNSやメールだけではない。最近は贈る方法も多様化している。チェキやスマホケース、Tシャツへの印刷、フォトブック、カレンダー、マグカップなどに印刷して贈り合うと長い間相手と思い出を共有できる。
また、関西写真部SHAREでは、それぞれのメンバーが好きな作家の写真集を見せあったり、写真会に行くなど、写真家の思いをメンバー同士で見て、共有するイベントが開催されている。
「みんなで集まって、好きな写真家の作品を見ることで、こんな印刷の方法があるんだ、こんな見せ方があるんだと知ることで、自分が展示する際やフォトブックを作成する際の参考になります」(かんばら氏)
さらに、関西写真部SHAREでは、コロナ前、普段写真に触れる機会が少ない人にも写真の良さを知ってもらうイベントを開催していた。「写真と音楽と珈琲」では、コーヒーを片手に音楽を聞きながら展示されている写真を楽しめる。「これから多くの人が写真を好きになってくれるきっかけづくりになればいいなと思っています」とかんばら氏は語る。
写真は人と繋がる大きな手段になる
最後に、「写真で繋がる」 ことについて紹介がなされた。関西写真部SHAREでは、関西を拠点に、写真で人と人をつなげる様々なイベントを開催してきた。「枚方T-SITE 7mの巨大本棚貸切撮影会」では、普段撮影の難しい本屋を貸切っての開催。写真サークル同士の交流も盛んで、全国にある写真サークルとの交流を深め、おすすめの撮影スポットや活動内容などの情報交流を行っている。
プログラムの最後に、鹿野氏は写真を通じた人との繋がりについて、次のように語った。
「私がカメラをはじめた当初は、写真仲間もモデルさんも知り合いが全くいない状態でした。それでもSNSなどで徐々に繋がっていき、モデルさんやカメラマンさんと出会うことが多くなりました。そこから一緒に展示をすることになったり、撮影会をするようになったりと、思いがけない出会いがあったと思います。リアルに人と関わることができるきっかけになる、とても大きな手段だなと感じています」(鹿野氏)
Vook編集部@Vook_editor
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