はじめてのFusion(10)/グリーンバックやブルーバックを抜く(Ultra Keyer)

ファイルの取り込みと書き出しができたら、あとはFusionの200を超えるツールの中から、必要に応じて、いろいろなツールをその2つのツールの間に追加、接続して、実際の作業を進めていきましょう。キーを抜く、テキストをつける、モーションエフェクトを加える、パーティクルを生成する、3D空間で作業をする・・・・・・。Fusionにできることがたくさんあります。

しかし何といってもその中でまずご紹介しなくてはならないのは、キーイングではないでしょうか。Fusionはこれまで代表的なコンポジションソフトとして、3D合成を含む様々な種類の合成を得意としてきました。中でもグリーンバックやブルーバックはお手のもの、お家芸と言えます。今回はグリーンバックとブルーバックのキーイングに特化したツール、Ultra Keyerを取り上げます。

Ultra Keyer

Ultra Keyer ツールは Chroma Keyer ツールときわめて似ていますが、この Ultra Keyer ツールはグリーンバックやブルーバックに特化した合成ツールです。Pre Matte、Image、Matteという3つのタブを左から順番に辿っていくことで最適なキーイングができるように設計されています。一つずつパラメーターを見ていきましょう。

Pre Matte タブ

Background Color Pickボタンを押すと、ブルーバックやグリーンバックの色を抽出できます。Pickボタンの上でOption(Alt)を押し、そのままディスプレイビュードラックすると、画像から好きな色を抽出できます。

Background Correction キーイングされる前のイメージをブルースクリーン、またはグリーンスクリーンに反復的に重ね、その後でキーイングをします。結果として処理される対象のグリーンやブルーが濃くなり、より優れた、精妙なエッジが生まれることがあります。

Matte Separation すべての処理の前にフォアグラウンドをバックグラウンドから隔絶させます。一般的な使用方法としては、バックグラウンドがはっきり見えようになり、マットのディテールが失われる前の値に設定します。

PreMatte Range バックグラウンドの色を決定します。UltraKeyer が選択された状態でビューワーにおいてドラッグをして範囲選択すると、その部分がカラーピックされ、UltraKeyer のバックグラウンドの色として認識されます。そうすることでより精密なキーイングを実現することができます。範囲は複数選択可能です。

Lock Color Picking 追加の色範囲選択を無効にします。PreMatte Range で正しい範囲が選択されたらここのチェックボックスを有効にして範囲を選択不能にすることをお勧めします。

Pre Matte Size キーイングされる範囲の周囲の部分をソフトにします。マットに穴ができたときなどに有効です。ここの値を大きくしすぎるとキーヤーの境界線にハロができますが、それは後述のべつのツールで修正可能です。

Reset Pre Matte Ranges 色範囲選択をリセットします。ほかの設定項目には影響はありません。

Image タブ

Spill Suppression スピルは一般的にアルファチャンネルの半透明の箇所を通してバックグラウンドの色がもれることにより発生します。ブルースクリーンやグリーンスクリーンの合成では、バックグラウンドの色がフォアグラウンドの素材の淵に生じることがあります。この設定項目ではそのように発生した淵の色を取り除くことができます。前述の項目で選択されたブルーかグリーンがそのままここでのスピルの対象となります。値が 0 の場合には、スピルサプレションは無効となります。

Spill Method 上記のスピルサプレションの方法論を決めます。

  • None スピルサプレションは無効となります。
  • Rare スピルカラーをごくわずかに取り除きます。
  • Medium グリーンスクリーンではこれが最適な選択肢です。
  • Well Done ブルースクリーンではこれが最適な選択肢です。
  • Burnt とくにキーイングがしにくい素材に対する最後の手段です。

Fringe Gamma キーイングされたイメージのまわりの淵やハロの明るさを調整します。

Fringe Size キーイングされたイメージのまわりの淵やハロの大きさを調整します。

Fringe Shape イメージの外側へフリンジを押し出す、もしくはフリンジを内側に引っ張る操作ができます。値が大きくなると効果は明瞭です。

Cyan / Red, Magenta / Green, Yellow / Blue イメージのフリンジに対するカラーコレクションです。バックグラウンドの色がまだ半透明なピクセルとなって残っているとき、それを新たなバックグラウンドと一致させることができます。

Matte タブ

Matte Blur マットのエッジにブラーをかけます。数値が 0 だとシャープで明確な映像になり、数値が上がるほどマットにブラーがかかっていきます。

Matte Contract / Expand マットの半透明の箇所に影響を与えます。数値が上がるとマットを広げ、数値が下がるとマットが狭まります。Matte Blur と一緒に、マットのきついエッジやフリンジを軽減するために使用されます。半透明の部分にのみ影響を与え、きついエッジのマットには影響はありません。

Matte Gamma マットの半透明の箇所に影響を与えます。数値が上がるとマットを広げ、数値が下がるとマットが狭まります。Matte Blur と一緒に、マットのきついエッジやフリンジを軽減するために使用されます。半透明の部分にのみ影響を与え、きついエッジのマットには影響はありません。

Matte Threshold 下の閾値を下回る数値は、黒か透明になります。上の閾値を上回る値は、白か透明でなくなります。閾値の範囲内の値はすべてそのまま変わりません。この設定はマットの中で細かなノイズ(salt and pepper)が生じたときに便利です。

Invert Matte ここにチェックが入っていると、キーヤーによって作られるアルファチャンネルが反転されます。透明な部分はそうでなくなり、透明でない部分は透明になります。

Garbage Matte Mode ツールタイルのマスク入力に接続されたイメージを使用してマスクを作ります。アルファチャンネルに直接適用されます。一般的にガーベッジマットは、たとえばマイクなどのキーイングで取り除くことができない要素を取り除くために使用されます。ガーベッジマットは同じツールの中で 1 種類のモードしか使用できません。マットコントロールのために、Matte Control ツールを使用することもしばしばあります。

  • Make Transparent ガーベッジマットを透明にします。
  • Make Solid ガーベッジマットを透明でないものにします。

Post Multiply Image キーヤーにイメージのカラーチャンネルをアルファチャンネルに対してマルチプライさせるときに選択します。デフォルトではオンになっています。

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