2017.08.16 (最終更新日: 2020.08.16)

【あらためて勉強】ヒストグラム・ベクトルスコープ・ウェーブフォームの使い方

波形モニターを用いて行うカラーグレーディング

撮影やカラーグレーディングを行う際、なんとなく見た目で露出や色調をきめてしまう方が多いと思います。撮影時には、直射日光の当たるような中や、真っ暗な中など、バラバラな明るさの環境で露出を決めなければいけない場合がほとんどです。
編集時においても、モニターのキャリブレーションが正しく行われていなかったり、編集をする部屋の照明の関係などで意図しない色合いになったり、黒つぶれや白飛びが起きていたりする可能性があります。
さらに気を使わなければいけないのは、今後増えていく広色域/HDR表示に対応した方式の映像を編集する場合です。そういった場合、その色域、HDR最大値の中でグレーディングをしなければなりません。そこで重要になってくるのが、「映像を数値で見て露出や色を調整する」 やり方です。
ここでは、ヒストグラムやベクトルスコープ、ウェーブフォームなど、映像を数値で見て調整する方法をご紹介していきます。

ヒストグラムとは

Davinci Resolveのヒストグラム

多くのカメラに搭載されている機能で、横軸が照度、縦軸がピクセル数です。右端がホワイトポイントで左端がブラックポイントになります。波形が広がっているものほどコントラストが強く、幅が狭いほどコントラストが弱い映像です。
ウェーブフォームモニターは映像と位置関係がリンクしているのに対し、ヒストグラムは「分布図」です。どの明るさのピクセルが多いのかがグラフでわかります。

ベクトルスコープ

 Panasonic GH4で表示させたカラーバーを録画し、Davinci Resolveにて開いた状態

ベクトルスコープは、映像内の色相彩度を測定・表示したモニターです。「色相」とは色の種類で、「彩度」とは色の濃さのことです。円が色相を示し、中心からの距離が遠いほど彩度が高くなります。見慣れたものでいうと、Macで色を選択する時に用いるカラーホイールと位置が同じです。

 Macのカラーホイールとの対応

ベクトルスコープ内の四角のマークは、正しい色信号が来ているかを確認する時に用います。カラーバーのR(レッド)M(マゼンタ)B(ブルー)C(シアン)G(グリーン)Y(イエロー)がそれぞれ四角の中に収まっているのが正しい状態です。

 ベクトルスコープの見方。外側に行くほど彩度が上がる。

ベクトルスコープでカラーバランスをチェック

ベクトルスコープでは色かぶりを確認します。ベクトルスコープグラフの中心は、黒や白といった全く彩度のない値を示しています。ホワイトバランスは色のない部分(白や黒、グレー)を使って取るため、ベクトルスコープの中心を、映像の中の白であるべき部分(グレーチャートなど)に合わせることによってホワイトバランスが取れます。また、その白であるべき部分のパレードRGBの波形を合わせることでもホワイトバランスが取れます。また、円の外に光点が表示されている場合、色域の外に色が存在している可能性があります。

ベクトルスコープで彩度をチェック

スコープの中心に近いほど彩度が低く、遠く離れるほど彩度が高くなります。これは、何カットものフッテージの彩度を揃えるときに、見た目で判断する以外の判断基準として有効です。

ベクトルスコープの基礎(知らなくても大丈夫ですが!)

ベクトルスコープをX軸とY軸の方向に分解した図 ayato@web

ベクトルスコープは色差信号(R-Y・B-Y)の2つの信号をそれぞれ「X軸・Y軸」に配置した形になります。色信号が強いほどスコープの外側に、中央に近づくほど無彩色に近いということになります。また各頂点の位置を見ることで色相(HUE)の変化も確認できます。拡大表示(MAG)することで、撮影現場などではホワイトバランスの確認にも使用されています。

波形・パレード(ウェーブフォーム)

 Davinci Resolve 14の波形モニターとパレード

波形モニターとは、映像の水平ラインの輝度信号と色信号を波形で表示させ、合成させて表示させることができるスコープです。縦軸が輝度を表し、横軸は画面と対応しています。ハケモニ、ウェーブフォームモニターなどと呼ばれています。
上記写真の右の波形はパレードと呼ばれ、RGBのそれぞれの輝度成分の分布を表示し、左の波形はRGBそれぞれを合わせたものです。RGBの3成分が重なった部分は白く表示されます。
色をあらわす信号(色信号・クロミナンス)の方向量(ベクトル)を計測するのがベクトルスコープ
に対し、明るさをあらわす信号(輝度信号・ルミナンス)を計測するのが波形モニター
(ウェーブフォームモニター)
です。波形が縦に長いとコントラストが強く、短いほどコントラストが弱くなります。

映像の撮影・グレーディングには欠かせない波形

スチール機にはヒストグラムが搭載されていることが多いですが、映像撮影の場合、ウェーブフォームモニターを用いて確認することが多いです。もちろん、見慣れているものを使うのが一番ですが、ウェーブフォームモニターであればある程度の位置関係がわかるので判断基準が多くなります。例えば撮影時、窓ヌケの白とびなのか照明の白とびなのかは、ヒストグラムでは一緒になってしまいわかりにくいですが、ウェーブフォームモニターでは窓と照明の位置で輝度レベルがそれぞれわかるので便利です。

撮影時にはウェーブフォームを見ながら適正露出を得る!

log撮影時などの適正露出がわかりにくい時は、ウェーブフォームモニタを使用して適正露出を得ます。人物撮影などでは、それぞれのlogのガンマカーブから得られる適正露出値に肌の露出を合わせることで、ベストなスキントーンが得られます。

 参考:Sony S-Log2.3のガンマカーブ
S-Log2の場合18%グレーをビデオレベル(IRE)32%、S-Log3の場合18%グレーをビデオレベル(IRE)41%に合わせることで適正露出が得られる。

また、フォルスカラーと呼ばれる露出の見方もあり、こちらも撮影時に便利です。
詳細記事はこちら:フォルスカラーのOFXプラグインについて

RGBパレードを見ながら色かぶりを補正

パレードのそれぞれのグラフ(赤・緑・青)はそれぞれの色の輝度を表すので、相対的に等しい場合、そのシーンのホワイトバランスがほぼ正しいことがわかります。

適切な色温度の設定がされていない状態。ウェーブフォームモニターを見ると、全体的に青が強く、赤が弱い。

ホワイトバランスを適正値に調整。RGBパレードのそれぞれの高さと幅がおおよそ揃っている。

放送の基準に合わせた調整

放送に合わせたカラーグレーディングを行う場合、輝度レベルをビデオレンジ(8bitの場合16-235、10bitの場合64-940)に合わせなければなりません。Davinci Resolveの場合、波形モニター内に基準線を表示させることができるので、その範囲内に収めるようにグレーディングを行います。

参考資料

波形系

https://motionworks.jp/blog/10422 色温度の調整方法
http://jmplanning.net/SpeedGrade/dr-senior/872.html 基礎
http://logcamera.com/histogram/ ヒストグラム。右が照度、上がピクセル数
https://blogs.yahoo.co.jp/linear_pcm0153/22487786.html
http://www.ayatoweb.com/tv_design/tvd17.html

撮影時の話

https://www.hurlbutvisuals.com/blog/2015/02/cinematography-exposing-your-canon-cinema-eos-camera-platform/?tm=ic 適正IRE
http://vook.vc/n/407 フォルスカラーのOFXプラグインについて
https://ameblo.jp/fuji007/entry-12257107963.html 撮影時のWFMの見方

書籍

カラーコレクションハンドブック第2版

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    コメント

    • Rakutaro
      映像業界にいますが、ベクトルスコープの見方を知りませんでした。。。。。勉強できました。ありがとうございます。