2022.05.06 (最終更新日: 2022.08.22)

DaVinci Resolve 18 新機能まとめ 〜Fairlight編〜

DaVinci Resolve 18の新機能まとめシリーズは、Fairlight(例の音声編集のページです)からスタートします。今回の18のアップデート項目を見回してみたとき、ページ別に見れば、Fairlightページほど内容が充実しているページはないからです。この記事ではDaVinci Resolve 18のアップデートのうち、Fairlightページに関する情報だけをできるだけ詳しく、できるだけわかりやすくお伝えします。

Fairlightページの今回のアップデート内容は、単一のアップデートでは過去最大級の規模──過去最大ではないにせよ──ではないでしょうか。CEOはそのプレゼンにおいて、Fairlightページのアップデートのことを、「モンスターアップデート」と表現していました。それくらいたくさん機能が追加されていて、それくらい大きな変更が加わっているということです。ただマニアックな、秘儀的な内容のものも少なくないため、初心者の方は戸惑ってしまうかもしれません。だからこの記事では、そのものずばりのアップデート内容だけではなく、関連する用語や周辺の機能についても、なるべく丁寧に紹介するように努めてみました。


通常のバスをFlexBusに変換

通常、オーディオのバスはメインバス、サブバス、Auxバスという風に機能が最初から分けられています。役割が固定されています。DaVinci Resolveは17のバージョンで、そこに新たな概念を導入しました。FlexBusという概念です。これは自由な、柔軟な、融通のきく、つまりFlexibleなバスという意味で、メインバス、サブバス、Auxバスといったバスの役割が最初から定義されていないバスです。これによりユーザーは最初に決まった定義に縛られることなく、オーディオのミキシングができます。FlexBusについて詳しく勉強したい方は、この動画の57:52からご覧ください。

DaVinci Resolve 17では、通常のバスとFlexBusはプロジェクトの途中から変更がききませんでしたが、DaVinci Resolve 18からは、プロジェクトの途中からでも通常のバスをFlexBusにすることができます(逆方向の変換はできません)。プロジェクト設定のFairlightのタブでBussingのセクションからUse fixed bus mapping(固定バスマッピングを使う)のチェックを外してください。そうするとConvert to FlexBus?(FlexBusに変換しますか?)と聞かれます。ここでConvert(変換する)を押すと、変換が実行されます。

固定バスが

FlexBusになりました。

ちなみにこの変更はやり直しがききません。FlexBusのプロジェクトは永遠にFlexBusのプロジェクトであり続けます。泣いても笑っても、どの神に祈っても、過去には戻れません。ここは注意が必要かもしれません。

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ネスト化されたクリップの展開

Fairlightページでは、タイムラインの中にべつのタイムラインを持ち込み、そのタイムラインをひとつのトラックとして扱うことができます。いわゆるネスト化と呼ばれる機能です。これまでのバージョンでもネスト化自体はできました。今回追加された機能は、ネスト化されたタイムラインの展開です。

タイムラインクリップを右クリックすると、Decompose in Place(ここで展開)というコンテクストメニューが現れます。このDecompose in Placeはエディットページにもあります。FairlightページではPreserving Audio Data(音声データを維持)という選択肢がアクティブになっていて、Using Clips Only(中のクリップのみを使う)はグレーアウトしています。

展開の際には3つの選択肢が出てきます。

New Matching Buses → 元のタイムラインのバスをそのまま持ち込みます。既存のバスに、新たなバスが追加されます。
Preserve existing paths → 既存のバスは維持され、元のタイムラインのバスは既存のバスに組み込まれます。既存のバスの数が足りないときには、元のタイムラインのバスを追加します。
Leave unassigned → バス情報は参照されません。

トラックやバスの順番を変更

トラックインデックスで、トラックやバスの順番をドラッグ&ドロップで簡単に変えられるのは今までどおりです。今回からは、バスをトラックのセクションに移動したり、トラックをバスのセクションに移動したりできます。バスとトラックの垣根が低くなりました。

トラックのセクションとバスのセクションを隔てる境界線を移動することもできます。

この機能追加に付随して、ミキサーのセクションにも新たな項目が追加されています。ミキサーの右上の3つの丸ボタンを押すと、Single Mixer ViewとReset Track and Bus Orderという項目が現れます。これらは新しい機能です。

Single Mixer Viewを押すと、トラックセクションとバスセクションの垣根がなくなります。Reset Track and Bus Orderを押すと、その垣根が初期段階に戻ります。これはインデックスのトラックリストにも、ミキサーにも反映されます。

Single Mixer View

Reset Track and Bus Order

ミリ秒単位、もしくはサブフレーム単位でナッジ

1フレームよりも細かい単位、つまりミリ秒やサブフレームといった単位で、ナッジができるようになりました。ナッジというのは、編集点やクリップを右や左にちょっとずつ動かすことを指します。

設定は環境設定の「編集」(Fairlightではなく)のタブにあります。

コマンドは「トリム」のプルダウンメニューの「ナッジ」のところにあります。しかしこのコマンドは初期状態ではショートカットが割り当てられていません。だからこのサブフレームナッジを頻繁に使うつもりなら、あらかじめショートカットを割り振っておくことをお勧めします。

ショートカットはいつもどおり「ショートカットのカスタマイズ」から変更できます。

速度変更を適用されたオーディオの音質が向上

スピードチェンジの加わった音声の品質が良くなっています。いちばん顕著にわかるのは「エラスティックウェーブ」の機能を使ったときです。「エラスティックウェーブ」とは何か? ここで復習してみましょう。「エラスティックウェーブ」は DaVinci Resolve 16(遠い目)で加わった機能で、簡単に述べると、時間伸縮機能です。好きなポイントを打って、音声の尺を伸ばしたり縮めたりできます。DaVinci Neural Engineを使っているので、AIによって自然なできあがりになります。これが今回のアップデートによってさらに改善されました。

「エラスティックウェーブ」を使うには、クリップを右クリックして「エラスティックウェーブ」を選びます(そのまんまですね)。するとそのクリップの上にその名前が付与されます。

このモードでCommand(Ctrl)を押すと、このような矢印アイコンがプラスアイコンに変わります。その状態でクリップをすると、クリップの途中に線が引かれます。このようにして速度変更点を加えていくわけです。

その速度変更点を左右に動かすと、左右のセクションの速度が変わります。そしてCommand(Ctrl)を押しながら速度変更点を左右に動かすと、速度変更点自体の位置が変わり、その結果として違う形で左右のセクションの速度が変わります。

通常、音声の速度を変えるとピッチが変わってしまって違和感が生まれてしまいますが、この機能にはそのような弱点はありません。自動的にピッチが調整されるからです。今回からはさらにそれが自然になっていて、速度変更を加えたのに、まさか速度を変えたとは思えないできばえになります。

バイノーラルモニタリングに対応

Dolby Atmosでのミキシングの際、モニタリングの選択肢としてバイノーラルが選択できるようになりました。

DaVinci ResolveはDolby Atmosにフル対応しています。DaVinci ResolveにおけるDolby Atmosの読み込み、書き出し、ミキシングなどについて詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。

バイノーラルはモニタリングだけではありません。Dolby Atmosのクリップを読み込んで、クリップ属性を開くと、これまでにはなかったBinauralという選択肢が加わっています。この選択肢を選んでから、クリップをそのまま書き出したりバウンスしたりすれば、バイノーラルの音声を作成することができます。

Apple SiliconとLinux環境でのDolby Atmosのネイティブ対応

これまでMac環境でもDolby Atmosは利用できましたが、M1環境の場合にはRosettaモードを使用せざるを得ませんでした。というのもDaVinci Resolve 17のDolby AtmosはM1にネイティブ対応していなかったからです。DaVinci Resolve 18からはDolby AtomosがM1に──そしてついでにLinuxにも──ネイティブ対応を開始しました。

オートメーションのボタンが2つに分かれる

オートメーションはこれまでも対応していました。この記事に記載されているとおりです。

今回変わったのは、タイムライン上のオートメーションのボタンが2つになったことです。

DaVinci Resolve 17

DaVinci Resolve 18

この2つのボタンはどのような違いがあるのでしょうか? 左がToggle Automation、つまりオートメーションをオン/オフするボタンです。このボタンがオンになっているあいだは、オートメーションの効果が有効になります。たとえばオートメーションでフェーダーを下げている箇所は、音が小さくなります。その一方、このボタンがオフになっているあいだは、オートメーションの効果は無効になります。オートメーションでフェーダーを下げていたとしても、その変更は適用されず、音の変動がない状態になります。

右はAutomation Control、つまりオートメーションのパラメーターを表示するボタンです。これを押すと、上のセクションで「記録」「ラッチ」「リターン」などと選択できます。それぞれの選択肢の意味については、前述の記事をご覧ください。

VCAコントロールのオートメーションの改善

VCAはVoltage Controlled Amplifierの略語で、電圧(Voltage)によってゲインなどを制御(Control)するための増幅器(Amplifier)です・・・と書くと、むむむ、いっぺんに難しくなるのですが、簡単に言うと、ええと、まあ、トラックをグループ化して扱いやすくしましょう、というものですね。カラーページにもグループというのがありますでしょう。あれみたいなものです。VCA自体は大昔のDaVinci Resolveから存在していました。VCAのオートメーションも昔のDaVinci Resolveから出来ました。今回はそのVCAのオートメーション機能の挙動が向上しています。

オーディオメーターの詳細設定

オーディオメーターはFairlightのかなめです。これがないとやっていけません。これが狂っていたら仕事ができません。今回からはこのオーディオメーターを自分好みにチューニングできるようになりました。プロジェクト設定のFairlightのタブです。

初期設定ではオーディオメーターはIEC 60268-18という規格に則って動作するようになっています。1995年(ヤクルトがオリックスを破って日本一になった年)に発表された規格です。よほどの理由がないかぎりは、この設定を変える必要はないでしょう。しかしもし自分好みにカスタマイズしたいという方もいらっしゃると思います。その場合、Meter TypeをIEC 60268-18からCustomにすると、自由に設定を変更できるようになります。

たとえばピークの表示をどれくらい保持するかが変更できます。ピークというのはこの赤矢印の線のことです。音量が大きくなったとき、「ここまで音が大きくなりましたよ」というのを知らせるために、この線が一定時間残り続けます。

通常、残る時間は2、3秒といったところです。プロジェクト設定のPeak Indicatorでも、Medium hold(まあまあ保持する)という設定がデフォルトになっています。しかしこの項目をInfinite hold(永久に不滅)にすると、ピークはずっと表示され続けることになります。

その他、設定変更が可能な項目としては、Scale、Decayがあります。Decayはメーターが下に落ちる時間を指します。デフォルトでは20dBぶん落ちる時間は1.7秒ですが、これを0.3秒から3.0秒までカスタマイズできます。Scaleはメーターの目盛りです。これはあれこれと説明するよりも、比較画像を見てもらったら一目瞭然だと思います。

IEC 60268-18(デフォルト)

Quasi Linear

ゲインのキーフレームを削除するショートカット

Command (Ctrl) + Option (Alt) で、ゲインのキーフレームが削除できるようになりました。今まではゲインのキーフレーム(この点のことです)を削除するには、キーフレームをクリックして選んで、Backspaceキーを押さないといけませんでした。

今回からは、Command (Ctrl) + Option (Alt) で簡単にキーフレームを削除できるようになりました。しかもわかりやすくマイナスやプラスのアイコンが出るようになっています。これでさらにゲインの調整が使いやすくなりましたね。

Option (Alt) でキーフレームを追加

Command (Ctrl) + Option (Alt) でキーフレームを削除

ちなみにこの削除機能はエラスティックウェーブにも有効です。エラスティックウェーブの場合には、Command (Ctrl) で速度変更点を追加できます。速度変更点の削除は、ゲインと同じで、Command (Ctrl) + Option (Alt) です。

ダブルクリックでクリップ名を変更

クリップをダブルクリックすると、クリップ属性のクリップ名変更のセクションが現れるようになりました。これでタイムラインの編集中に即座にクリップ名を変更できます。

念のため付け加えておくと、このクリップ名の変更によってオリジナルの素材の名前が変わることはありません。DaVinci Resolveでは「クリップ名」と「ファイル名」は異なる概念です。ファイル名は、素材そのものの名前を指していますが、クリップ名は、DaVinci Resolveの中だけで使われる名前を意味しています。だからクリップ名をどう変えようが、元素材の名前が変わってしまう心配はありません。タイムライン上でクリップ名を表示するか、ファイル名を表示するかは、「表示」のプルダウンメニューの「ファイル名を表示」から変更できます。デフォルトではここはオフになっていて、クリップ名が表示されるようになっています。

録音時のファイル名をトラックごとに命名

これまでもFairlightページでは多彩な録音機能が備わっている点が大きな強みのひとつでした。この動画では、その機能を詳しく解説しています。

今回のアップデートでは、収録の際にトラックごとに命名規則を定められるようになりました。トラックを右クリックすると、Set Track Record Name(トラックの録音名を決める)という選択肢が出てきます。これが新しい機能です。

このダイアログで、好きな名前を決めます。

そうすると新たに録音するたびに、自分で決めた名前がクリップ名(ファイル名でもあります)として入ります。

今まではFL_captureなんたらかんたらという杓子定規の名前がついていましたが、今回からはトラック別に名前が決められるようになったわけですね。ちなみに自分で手動で変えない場合にも、録音されたファイルには自動的にトラックの名前がファイル名の最初につくようになっています。

リンクされたトラックの名前を同時に変更

Fairlightのプルダウンメニューには、「グループのリンク」というメニューがあります。これはモノラル2トラックをステレオ1トラックにしたり、モノラル6トラックを5.1ch 1トラックにしたりすることができる機能です。

そしてトラックヘッダーを右クリックすると、それとは逆の「リンクグループに変換」という機能があります。これはステレオトラックをモノラル2トラックにしたり、5.1chトラックをモノラル6トラックにしたりする機能です。

これらの機能はこれまでのバージョンでも存在しました。今回新しくなったのはトラック名の変更に関してです。リンクされたトラックのいちばん上のトラックの名前を変更すると、それがリンクされているほかのトラックにも反映されるようになりました。これでリンクされたグループトラックの管理がやりやすくなりました。

上のトラックの名前を変えると

リンクされている下のトラックの名前も変わりました。

EQプリセット

EQ(イコライザー)は、音の高低に応じて音量を調整するための機能で、音声編集においてはもっとも基礎的なツールのひとつです。今回はEQにプリセットが加わりました。これまで「EQはどうやって調整したらいいのかわからない」と思っていた方も、もう心配にはおよびません。初心者のユーザーでもプリセットを利用すれば簡単にEQを使って音を調整することができます。

選択肢は次のとおりです。

Dialog - Clean add hi end(低音をクリーンにして、高音を強調)

Dialog - Female lav mic fixer(ピンマイクで録音された女性の声を補正)

Dialog - Male lav finisher(ピンマイクで録音された男性の声を補正)

Dialog - Male(男性の声を補正)

General - Telephone effect(電話口の声を再現)

Music Master - Top end Boost(音楽のマスタリング用)

自分で新しくプリセットを作りたいときには、プリセット選択プルダウンメニューの左側のプラスボタンを押してください。そうすると自分の好きなEQをプリセットとして追加できます。

EQのQファクターをマウスで調整

EQにはQファクターと呼ばれるパラメーターがあります。これはEQのグラフ上のポイント(一般的にはバンドと呼びます)の傾斜を変えることができる機能です。今回からはこれがマウスのスクロールで調整できるようになりました。バンドにカーソルを置いて、マウスでスクロールしてみてください。そうするとQファクターが変わります。

Qファクター変更前

Qファクター変更後

ダイナミクスプリセット

ダイナミクスとは、音の大小にしたがって音を小さくしたり大きくしたりする機能です。さまざまなツールがありますが、いちばん一般的なのはコンプレッサーで、これは音が大きすぎる部分を抑える機能をもっています。前述のEQと同じく、今回はダイナミクスのセクションにもプリセットが加わりました。

選択肢は次のとおりです。

Dialog - Basic(普通の人の声を抑える)

Dialog - Compression(人の声をさらに抑える)

Dialog leveler - Expander(人の声を抑えて、無音の部分の音も抑える)

Dialog leveler - Full expander(人の声を抑えて、無音の部分の音をさらに抑える)

Dialog leveler - Soft knee(人の声をソフトに抑える)

Music pumper(音楽の音圧を上げる)

ダイナミクスグラフのグラフィックが進化

ダイナミクスにはグラフがあって、そこでコンプレッサーやエクスパンダーのかかり具合を確認することができますが、今回はさらにわかりやすく視覚化できるように、グラフィックが追加されました。タイムラインを再生すると、オレンジ色の玉のようなグラフィックがグラフ上を動き回るのがわかるはずです。これは現在再生している音声がグラフ上のどこに位置しているのかを視覚的に表示するためのものです。これによってエクスパンダーやコンプレッサーのかけ具合をより正確に微調整できます。

※ このグラフィックはFlexBusを使うプロジェクトにしか現れません。

ついでに述べておくと、ダイナミクスで使われるメーターの目盛りも今回のアップデートで変更を加えられています。ダイナミクス自体のオン/オフボタンも追加されています。ごくごく微妙な違いで、比較しないとわからないかもしれません。もしかしたら比較してもわからないかも。

DaVinci Resolve 17

DaVinci Resolve 18

コンプレッサーにニーとミックスのパラメーターを追加

コンプレッサーにKneeとMixという新しいパラメーターが追加されています。Knee(ソフトニーとも呼ばれます)は、コンプレッサーのかかっている箇所とかかっていない箇所の境目を緩やかにする機能です。

Knee 0

Knee 50

Knee 100

Mix(ドライミックスとも呼ばれます)は、コンプレッサーの箇所のグラフにカーブを加えます。

Mix 0

Mix 50

Mix 100

※ KneeとMixのパラメーターはFlexBusを使うプロジェクトにしか現れません。

プラグインの置き換え

ミキサーのエフェクトのセクションでプラグインのメニューを開くと、すでに適用されているプラグインをべつのプラグインに置き換えられるようになりました。

ちなみにこれは今回のアップデートではなく以前のアップデートで実現した機能ですが、プラグインをドラッグ&ドロップすると、そのプラグインをべつのトラックに移動させられます。Option (Alt) を押しながらドラッグ&ドロップすると、そのプラグインが複製されます。これは地味に便利ですね。

パン、EQ、ダイナミクスのオン/オフ

パン、EQ、ダイナミクスのオン/オフがかつてないほど簡単になりました。ミキサーでEQ、ダイナミクスのセクションをクリックするだけです。

EQオン

EQオフ

パン、EQ、ダイナミクスのコピー&ペースト

パンやEQやダイナミクスのセクションで右クリックをすると、CopyとPasteというコンテクストメニューが現れるようになりました。これで簡単にEQやダイナミクスの設定をほかのトラックにコピー&ペーストできます。これはこれまでもできないことはなかったのですが、「プリセットライブラリ」を使わないといけなかったのでわりと手間がかかっていました。今回からはあっという間にできちゃいます。

ミキサーのいちばん上のA1、A2などど書いてあるところで右クリックしてCopyとPasteを押すと、パン、EQ、ダイナミクスだけではなく、プラグインやバスセンドまで、なにからなにまでがコピー&ペーストされます。

EQなどのウィンドウの挙動の向上

これはちょっとわかりにくいですが、パン、EQ、ダイナミクス、エフェクトなどのウィンドウをミキサーから開いたときの挙動が変わっています。たとえばEQを開いて、次にダイナミクスを開いてから、またミキサーでEQをダブルクリックしたとします。このとき今まではEQウィンドウはダイナミクスウィンドウの背後に位置したままでしたが、今回からはこのダブルクリックと同時にEQウィンドウが正面に出てくるようになりました。ちょっとした違いですが日々の利便性にはこういったちょっとした違いが効いてくるみたいです。

編集選択モードでの範囲選択の挙動の変更

Fairlightページには、選択モード、範囲選択モード、編集選択モードの3種類のモードがあります。デフォルトでは矢印マークの選択モードが選ばれていますが、効率よく編集するには編集選択モードを使いこなすことをお勧めします。

この編集選択モードのポイントは、クリップの上をつかむか下を掴むかで挙動が変わることです。上をつかむと範囲選択モードになり、下をつかむと選択モードになります。つまりひとつのモードなのにふたつのモードのいいとこ取りができるわけです。

今回のアップデートでは、編集選択モードでクリップを選択した際の挙動が変わりました。シフトを押しながらクリップをダブルクリックすると、イン点・アウト点がそのクリップ全体を含むようになります。これも図解した方がわかりやすい・・・というか図解しないとわからない気がします。

Shiftを押しながらクリップの上側をクリック

Shiftを押しながらクリップの上側をダブルクリック

Shiftを押さずにクリップの下側をクリック

範囲選択した箇所のゲインを一括変更

タイムラインでイン点・アウト点を打った状態でクリップゲインのバーを上下させると、範囲選択された箇所すべてに同じ変更が加わります。複数クリップ、複数トラックのゲインを一括で調整したいときや、ひとつのクリップの一部の箇所だけゲインを調整したいときに便利です。この機能がさらに便利なのは、この操作をすると自動的にキーフレームが打たれることです。これにより一気に音量が変わって不自然になるという事態を避けることができます。

これは17.3の段階で追加されていた機能ですが、当時は編集選択モードでしか使用できませんでした。今回からは範囲選択モードでも使用できるようになっています。

ゲイン変更前(単一クリップのケース)

ゲイン変更後(単一クリップのケース)

ゲイン変更前(複数クリップにまたがるケース)

ゲイン変更後(複数クリップにまたがるケース)

ゲイン変更前(複数トラックにまたがるケース)

ゲイン変更後(複数トラックにまたがるケース)

クロスフェードの箇所の波形の正確性を向上

クロスフェードをかけた際、そこに表示される波形の表示がより正確になりました。

ミックスをトラックにバウンスした際にタイムコードメタデータを維持

バウンスとは、編集用語でいうと「レンダリングして置き換え」するための機能です。「ミックスをトラックにバウンス」というコマンドを使うと、バスでミキシングした結果を新たなトラックにレンダリングできます。

このバウンスの機能は大昔からありました。今回変わったのはタイムコードの扱い方です。これまでは「ミックスをトラックにバウンス」すると、タイムコードの情報は消えてなくなり、すべてのバウンスされたデータは00:00:00:00からタイムコードが始まっていました。これからは違います。バスをバウンスした場合に、そのタイムラインのタイムコードを維持して新しいデータが作られます。

ミュートを一気にオフにするコマンドを追加

「タイムライン」のプルダウンメニューに、Clear Mutesという新しいコマンドが加わっています。これはすべてのトラックのミュートをオフにする機能です。

そしてそのコマンドを押したあとにもう一度同じ「タイムライン」のプルダウンメニューを開くと、今度はRestore Mutesというコマンドが現れます。これはClear Mutesする前の状態にミュートを戻すための機能です。

自分はこのコマンドをよく使うだろうと考えている方は、「ショートカットのカスタマイズ」でショートカットを割りふるといいと思います。

「バスの割り当て」、「VCAの割り当て」で表示方法を維持

Fairlightのプルダウンメニューにある「バスの割り当て」、「VCAの割り当て」を使用したとき、アイコン表示(デフォルト)とリスト表示が選べます。今まではリスト表示を選んでも、一度ウィンドウを閉じると、次に同じメニューを開いたときにデフォルトのアイコン表示に戻ってしまっていましたが、今回からは表示方法を覚えていてくれるようになりました。

Fairlight Desktop Consoleの機能改善

Fairlight Desktop Console(↓これです)に新しい機能が加わりました。

* Linuxに対応
* オートメーションのトリムを0の値を基準に開始する機能を追加(User 2ボタン)
* VCAとバススピルに対応(ZoomボタンとSelectボタンの同時押し)
* ユーザービューに対応

コンソール全般に対するアップデートもあります。
* FlexBusでのスタジオモニタリングに対応
* タイムラインのロードの際にスピーカーをミュートする選択肢を追加
* Fairlight Audio Interfaceでタイムコードをチェイスする機能を追加
* Fairlight Audio Editorでエフェクトのマッピングに対応
* Fairlight Audio Editorでソロセーフに対応(AltボタンとSoloボタンの同時押し)

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