X-Particles って何?
CINEMA 4Dにはx-particlesという超強力なプラグインが存在し、2021年7月にx-particlesに加え、レンダラーであるCycles4Dを始め販売元のINSYDIUMから販売されていたツールが統合されINSYDIUM Fusedとして提供されるようになりました。
このプラグインを使用することで、粒子、流体(液体、気体)を物理エンジンを使用したシミュレーションによるリアルな挙動で動かすことができます。C4Dに含まれているエミッターで扱えないような大量のパーティクルを放出することや、様々な物理フォースを元にリアルな挙動でモーションさせることが出来ます。
どんな映像が作れるようになるのか
このように粒子(粒)を放出して、動かすことができます。使用できる粒子の大小、重い軽い、早い遅い、といったパラメータを設定していくことで、自在に粒子をコントロールして様々なエフェクトを作成することが出来ます。
そもそも標準のエミッタとどう違うのか
粒子を放出するという点では同じですが、下記が大きく違います
- 放出できる(扱える)粒子の数が圧倒的に多い
- 制御できるフォース(物理的な力)の種類が多い
- コントロールする方法が多くて繊細
- 粒子だけでなくメッシュも生成可能
使い込んでいけば、更に便利な機能がありますが、その便利さを体感する前に大きな問題があり、それはダイナミクスやモデファイやといった項目の種類の多さ、設定項目の多さ、流体系故のパラメータの難解さだと思います。しかしながら、標準機能では実現できなかった高度なモーショングラフィックスを実現するには、少しずつでも使えるようになっておきたいプラグインであることは間違いありません。そこで「よく使う機能」に特化してこれから順にご紹介していきたいと思います。
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よく使うパタメータの説明
xpEmitter
パーティクルの放出元です。これがないと始まりません。
ダイナミクス
液体をシミュレーションできるダイナミクスは2つあり、このいずれも流体をシミュレーションするためのもので、大雑把にいうと下記のような違いがあります。
xpFluidPBD
高速で演算する小規模シミュレーション、リアルというよりも流体の演出が手軽にできる
xpFluidFX
大規模・正確な演算によるシミュレーション用、比較的正確に演算するため時間がかかるが液体だけでなく粉体に近いものも設定でシミュレーションできる
モディファイヤ
Motion > xpGravity
重力を発生させます。C4Dのダイナミクスは初期の状態で重力が設定されていますが、X-Particlesの場合は初期では重力がありません。下向きに落下させたい場合は、必ずこれを追加します。
Motion > xpTurbulence
直訳すると「乱気流」になります。言葉通り乱れを生みます。流体は理想状態では何の乱れもありませんが、現実世界では大小様々な乱れが発生します。このモデファイヤでシミュレーションに乱れを生じさせることで見た目にリアルな結果に近づけることが出来ます。
Control > xpScale
パーティクルの大きさを変化させます。キラキラのパーティクルの要な場合、突然消えてしまうのではなく、段々小さくなって消える方がきれいなので、これを使用します。
簡単な使い方
ではこれら実際に使ってみましょう。
エミッタの追加・設定
まず、エミッタを追加します。オブジェクトの属性で、発生元の形状や、放出速度、等設定できます。
フォースの追加・設定
xpGravityを追加するとパーティクルが下に向いて流れていきます。
レンダリング・マテリアルの作成
マテリアルマネージャの「作成」から X-particles Materialを選択するとパーティクルをレンダリングするために必要になるマテリアルが作成できます。追加されたマテリアルをxpEmitterに適用するとレンダリングでパーティクルが表示されるようになります。
以上が、エミッタを放出させてレンダリングできるようになるまでの簡単な流れになります。
では、次回以降で簡単な流体シミュレーションをやってみましょう。
ヘルプの参照元
http://docs.x-particles.net/
いしみず@ishimizu
3DCG制作を行っております。 1969年生まれのおじさんです。45歳で独立し2017年株式会社フィジカルアイを愛媛県今治市で設立。3DCGを活用したコンテンツ制作を生業にしながら前職からの経験をいろいろと書き溜めておこうと思います。
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