簡単に自己紹介
筆者は映像プロダクションに勤務していて
業務ではSONYの一眼ミラーレスからシネマカメラまで、さまざまなカメラを使用しています。
プライベートで使用しているカメラもSONYのα7IVなので
SONY以外のメーカーで動画を撮ってみたい!と思っていたところに
このモニターキャンペーンを見かけたので応募しました!
正直、Nikonのカメラは「写真」のイメージが強く
動画性能はどうなんだろう? と思ったのでこのレビューでは
- 動画用途での使用感
- スペックシートに表れない部分の動画性能
に特化してお伝えしていこうと思います。
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Z6IIの動画性能ってどうなの?
Z6IIは販売開始からかなり時間が経っているので
仕様書に載っている主なスペックは省略します。
中〜上級者のビデオグラファーが気になるであろうポイントについて簡単にご紹介すると
- 内部収録は8bitまで
- N-logを撮影するには対応した外部収録機器が必要
- 4K60pでの収録が可能(APSCクロップ)
正直このスペックだけを見るととてもNikon公式が謳っている写真と動画のハイブリッド機とは言い難いスペックのように感じました。
しかし、使ってみないと分からない!!
ということで今回のレビューでは
1. 8bit内部収録での撮影
1. 10bit外部収録でのN-log撮影
の2パターンで作例を撮ってきたので
スペックシートだけでは分からない使用感などをお伝えできたらと思います。
内部収録と外部収録(N-log)
内部収録での作例
この動画は全て8bit内部収録・手持ち撮影で行いました。
使ったピクチャーコントロールは NL(ニュートラル) で彩度・コントラストなどに少し調整を加えています。
今回初めてNikonのカメラを使って特に驚いたのが手ぶれ補正!
思った以上にビタッと止まるんです。これは本体に搭載されている手ぶれ補正機構が優秀なことと人間工学に基づいて作られた握りやすいグリップのおかげで不快なブレが入ることは一切ありませんでした。
また色味に関してもピクチャーコントロールがとても優秀。
内部収録が8bitまでという一見弱点に思えるスペックも、撮って出しの時点でかなり質感良く仕上げてくれるので色編集の工数を省きたい時に有用なのではないでしょうか。
個人的にニュートラルで癖の強くない描写が好みなので今回は
NL(ニュートラル)を使用しましたが、ピクチャーコントロールに加えて
20種類のクリエイティブピクチャーコントロールなるものも存在します。
流行りのシネマティックな色味や上品な色合いまで揃っているので
作りたい映像に合うものが必ず一つはありそうです!
また適用度を10%刻みで設定できるのも自由度が高くていいですね〜
今回の作例は滝や川での撮影でしたが堅牢堅固が売りのNikon!
防塵防滴設計なので安心して撮影することができました。
外部収録(N-log)での作例
この作例はこんな感じのセットアップで撮影しました。
Atmos社のNINJA Vを使用しHDMIを接続、、、と思ったらなんとHDMI端子がまさかのタイプC、、、
写真と動画のハイブリッド機を謳うならせめてフルHDMIをつけて欲しかったところ、、、
しかし大きな不満はそんなところ。
撮影したN-log素材は自分が普段扱うS-logの素材と同等に扱うことができ、とても編集しやすかったです。
また撮って出しの時よりも色情報が豊富になっている分、モニターを通して確認する画の綺麗さが撮影時のテンションを上げてくれました。
log撮影の恩恵によってダイナミックレンジが大きく撮影できるので
あえて逆光のカットを撮ってみましたが大きなコントラストの低下も感じられず、違和感を感じるフレアやゴーストも出ませんでした。さすがのS-Lineレンズです。
ただ暗部にはちょっと弱いかな。薄暗くなるとノイズが目立ち始めましたがポストでノイズリダクションをすれば気にならない程度。スマホなんかでみたら分かりませんもんね。笑
良かった点・悪かった点
Nikon Z6IIを1ヶ月お貸しいただき、使用してみて良かった点についてザッと並べてみるとこんな感じ。
- グリップ感が素晴らしい
- S-Lineレンズの描写力が高い
- カスタムキーが便利
- アクティブD-ライティング有能
- 手ぶれ補正が優秀
- 撮って出しの色味が綺麗
作例のところで既にお伝えしたことは省いてアクティブD-ライティングについて!
そもそもなんで映像製作をする人はわざわざ色の薄いlog撮影をするのかというとダイナミックレンジ(白飛びも黒潰れもしない明るさの範囲)を広く保って撮影するためなんです。
最初に大丈夫かなと懸念していたのがここ。
内部収録では8bit収録しかできない上にlog撮影ができない!
やっぱり撮った色情報は多く残したいですもんね。
しかしそんな懸念も使ってみるとオサラバ。
色味に関してはピクチャーコントロールが最高。そして撮って出しでも機能するアクティブD-ライティングによってダイナミックレンジが広がったかのように見えてリッチに色情報を残すことができました。
今回はアクティブD-ライティングとFX/DXモードの切り替えをボディ前面のカスタムキーに割り振りいつでも呼び出せるようにしました。
あと少し寄りたい!明るすぎるからアクティブD-ライティングオン!
と思ったらすぐ押せる。この位置にカスタムキーがあるのはとても嬉しかったポイント。
続いてここは少し残念だったかもという点については
- HDMI端子がtypeC
- 30分制限
- 4K60pでのクロップ
くらいでしょうか?
自分はセミナーや説明会などの記録映像をあまりやらないので気にならなかったですが
- 長尺回したい
- スローモーション表現を多用したい
といった方にはZ6IIは向かないかもしれませんね。
結局どんな方におすすめ?
ズバリ言わせていただくと
写真メインで撮っていて動画も始めたい方
になるのかなと思います。
上記のように撮って出しでもいい感じの映像が撮れるため
log?色編集?ナニソレワカンナイ。 って方にはピッタリだと思います。
今回は動画メインのレビューだったので写真作例はありませんが、言わずもがなの写真性能です。
もしそのまま映像製作を本格的に始めたくなったとしても外部収録機器を買い足すことでlog撮影、さらには追加購入することでRAW動画の収録までできちゃいます。
また今回の作例のようにスタイルによって
気軽に撮影したい時は手持ちの内部収録で撮影するもよし。
腰を据えて三脚やジンバルなどの特機を使用してlog撮影・RAW撮影するもよし。
という感じで撮影環境や予算、オペレーション人数によって周辺機器や撮影設定を変更することができるため臨機応変にカスタムできるのが強みであると感じました。
散々書いてきたようにNikon Z6IIは撮って出しからハイクオリティの映像を撮影できるので映像制作をする方が選ぶカメラの選択肢としては打ってつけなのではないでしょうか!
このレビューがこれから動画を始めたい方や既にバンバン撮影している方に少しでも参考になれば幸いです。
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