著作権に関するルールや法律は数多くあり、全てを理解することは難しいですよね。「他に大勢の人が使っているから大丈夫だ」という安心感から、多くの人が利用している媒体で取得した楽曲を使用していませんか。人気の高い動画に欠かせないオリジナリティを出すには、使用楽曲にも工夫が必要です。しかし、著作権のある楽曲を使用して収益ありの動画を作成するのには、様々な制限や手間があるかと思います。では、著作権が消滅・元々存在しないパブリックドメイン音楽を使用してみてはいかがでしょうか?
パブリックドメインとは
「著作権により保護されていた著作物が、著作権の保護期間を経過して社会の公共財産になり、だれでも自由に利用できるようになったもの」
出典:日本大百科全書(ニッポニカ)「パブリック・ドメイン」の解説
動画に利用できるパブリックドメイン音楽について、主な2つのパターンをご紹介します!
著作者の死後一定の期間が経過している楽曲
2022年7月現在、日本における知的財産の著作権保護期間は70年です。50年と記憶されている方もいらっしゃるかもしれませんが、2018年12月30日をもって保護期間は70年へと変更されました。この新しい期間は、TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)で合意されたことであり、日本も加盟国であることから2018年に変更を行いました。TPP11協定が適用されるのは加盟国のみですが、これにより著作権保護期間について、ある程度世界基準が出来上がったとも言えます。TPP11に関する詳しい内容をご覧になりたい場合、下記の内閣官房ウェブサイトをご覧ください。
▶︎ TPP11について(内閣官房ウェブサイト)
楽曲の著作者は多くの場合一人ではない!
著作者が一人の場合、70年経過すれば著作権は消滅し、創作物はパブリックドメインとして自由に利用できます。しかし、曲の創作には複数人関わっている事が多くあります。それぞれが作詞や作曲などの項目に分けられる場合、個別に著作権が発生します。つまり、歌詞の著作権保護期間は終了していても、メロディはまだ著作権保護の対象であることもあるので注意しましょう。
また、作詞者欄に複数人の名が連ねられている場合など、それぞれの人物を綺麗に項目分けできないケースもあります。これは共同著作物と呼ばれ、著作権保護期間は最後に亡くなった著作者から70年です。複雑に見えますが、これをまず理解することが著作権の切れた創作物を安全に利用するカギとなります。
著作隣接権にも注意しよう!
では、楽曲の著作者全員の死後70年が経過している場合、どの楽曲音源も自由に使用できるのでしょうか? 残念なことに、そこまで単純ではないので、歌劇「フィガロの結婚」序曲を例に用いて一緒に見ていきましょう。
「フィガロの結婚」序曲はモーツァルトによって作曲された有名なクラシック音楽の一つです。モーツァルトは1791年に亡くなっていますので、著作権保護期間は終了しています(ちなみに、著作権保護期間が異なる他国の楽曲でも、基本的に使用地国の著作権法が適用されます)。
では、下記にある演奏動画の音源をダウンロードし、収益のある自分の動画に使用して良いでしょうか?
著作隣接権を考慮すると、これは著作権侵害に値します。では、文化庁による説明を見てみましょう。
著作隣接権とは
「著作物の公衆への伝達に重要な役割を果たしている者(実演家,レコード製作者,放送事業者及び有線放送事業者)に与えられる権利」
保護期間
「実演,レコード発行が行われたときから70年間,放送又は有線放送が行われたときから50年間」
出典: 著作隣接権(文化庁ウェブサイト)
つまり、「フィガロの結婚」序曲の演奏音源をダウンロードし、自身の動画にご利用される場合、実演やCDの発行日などから70年経過していることも確認しなくてはならないのです。この様なパブリックドメインは、使用までの確認事項が多くなっています。ご利用の前にはしっかりとご確認くださいね。
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誰が作ったか不明、または著作権が放棄されている
著作者が不明である作品の場合、死亡年を特定できないため著作権は適用されずパブリックドメインに分類されます。例えば、昔から歌い継がれてきた民謡などが挙げられます。しかし、これも上記で説明したように著作隣接権が適応されるため、他の方が歌っている音源を自身の動画に利用する際は気をつけて使いましょう。また、途中で楽曲の著作者が判明した場合は、従来の没後70年間の著作権保護法が適用されます。
本人の意思によって著作者が楽曲の著作権を放棄した場合も、著作権保護の対象から外れパブリックドメインになります。これには正式な手続きなどが必要ないため、著作権放棄を宣言した何かしらの証拠があれば成立します。しかし、日本では著作権フリーとロイヤリティーフリーが同義語として使用されているケースなどがあります。著作権フリーと書いてあっても、使用の際に条件を満たしていないと著作権侵害になったりもするのです。その他にも著作権フリーで注意するべきことはいくつかありますので、この機会に下記記事を読んでみてください!
▶︎ VOOK記事:著作権フリー楽曲について本当に理解していますか? -危険性と回避術-
安全性の高いロイヤリティフリー(著作権フリー)という選択
パブリックドメイン楽曲の使用は上記で述べたように複雑であり、様々なリスクが生じたりもします。著作権放棄に正式な手順が必要ないなどのグレーゾーンも多く、個人で調べて使用するにはわかりにくいことも多いかと思います。
ロイヤリティフリー楽曲であれば、提供者が明確に利用時のルールを提示するため、楽曲を安全に収益ありの動画などに利用できます。是非、ご検討ください。
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