はじめに
X-ParticlesはCINEMA 4Dのプラグインです。このプラグインはエミッタでパーティクルと呼ばれる粒子を発生させ、様々な力学的な力を加えることで粒子を動かすことで多種多様な動きを作り出すことが出来る便利なものです。水のような液体から煙炎、布まで再現することが出来、そのいずれにおいても物理演算でリアルな動きで描画できます。
このX-Particlesは大変便利なプラグインなのですが、様々なことが出来る反面、パラメータが多く、設定が難しい印象があり、なかなか利用するまでの敷居が高いものだと思っています(私は思っていました)。
そこで、X-Particlesを使うにあたり、基本的な部分を簡単に解説することで、一人でも多くの方が「触ってみよう」と思って頂いたり、またライセンスは持っているがなかなか使えていないという方が「また使ってみようかな」と思って頂けるようになればいいなと思い、記事をまとめていくことにしました。
X-Particlesの基本中の基本「Emitter (エミッター)」
エミッターは粒子を放出するオブジェクトです。CINEMA 4Dにある「エミッタ」と根本的な機能は同じように見えますが、はるかに多機能なものになります。
X-Particlesにおいてエミッターは基本中の基本と言っても良いと私は思っています。そこで今回はこのエミッターの設定について、見ていこうと思います。
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Emitter (エミッタ)
Emitterの追加
まずは、エミッタをシーンに追加しましょう。
INSYDIUM > X-Particles > xpEmitter
オブジェクト タブ
粒子を放出するオブジェクトの形や放出の角度等を設定します。予めいくつか形状が用意されていますが、独自のオブジェクトを選択することが出来、シーン中の任意のオブジェクトから放出する、といったことができます。
Emitter Shape :エミッターを放出する形を選びます。
Rectangle 長方形
Circle 円
Ellipse 楕円
Sphere 球
Box 立方体
Cylinder 円筒形
Torus トーラス
Object 指定のオブジェクト
続くプロパティで大きさ、放出の角度を設定できます。
形状が2Dの場合は、エッジのみからの放出か、面からの放出かを選択出来ます。
オブジェクトを選択すると、
Emit From から放出先を選択できます。
Polygon Centre
ポリゴンの中心から放出されます。大きなポリゴンの方が放出されやすくなります。
Polygons
全てのポリゴンからランダムで放出されます。ポリゴンの大きさに影響されません。
Polygons Area
ポリゴンの領域からランダムで放出されます。大きなポリゴンの方が放出されやすくなります。
Points
点から放出されます。
Edes
エッジから放出されます
N-gon Centre
N-gonの中心です。プリミティブのままでは放出されません
Texture、Objext Color
オブジェクトのテクスチャ、色にもとづいて放出されます。
Emitterタブの横に、Texture、Object Colorのタブが追加されますので、そちらに設定を行っていきます。
illumination
ライトが当たっている面から放出します。こちらも選択時にEmitterタブの横に表示されるilluminationタブにライトを指定して設定します。
Ocject Position
オブジェクトの位置から放出します
Object Volume
オブジェクト内のランダムな場所から放出されます。
Voxel Grid
オブジェクトを指定のグリッドに分割して放出します。設定値がいろいろありますので、触って試して見ると良いと思います。
ちなみに、私はこの方法は使ったことがありません(笑)
Emission タブ
Emissionでは、放出される粒子の量、速さ、寿命、期間など、粒子に関する設定が行なえます。
Emission
放出量の決める方式を選択します
Rate
フレーム単位で放出される粒子の数を設定します。毎フレームで連続して放出されます。
Pulse
フレーム毎に放出されます、インターバルが設定できますので断続的に放出することが出来ます。
Shot
一発で放出します(設定で延長することもできます)
Regular、Hexagonal
流体シミュレーションに使用します。先の放出方法との違いは粒子と粒子が重ならないようにつめられた状態で放出されます。
Trigger
任意のタイミングで放出するための設定です。
Controlled Only
他のオブジェクトからの指示があるまで放出しないようになります。
※つかったことありません(笑)
Birthrate
生成する粒子の数です。定数で設定できますが、右の[Variation]で数のブレを設定できます。
Basic Particle Data
Speed
放出の初期速度が設定できます。
Radius
粒子の半径です。3cmよりも小さいものをシミュレーションすることも出来ますが、あまり小さくしても結果的に好ましいものではないことの方が多かったので、特別な条件が必要でない限り、このまま使用するのが良いと思います(個人の感想です)
まとめ
今回は、Emitterの「オブジェクト」「Emission」の2つのタブについてまとめました。多くの場合はこの2つから触っていくこともなると思います。次回は粒子の動きに影響を与える「Extended Data」について見ていこうと思います。
いしみず@ishimizu
3DCG制作を行っております。 CINEMA 4DをメインツールとしてX-particles、Realflow等の流体シミュレーションを使った映像表現に注力しています。UnrealEngineなんかもぼちぼちやってます。
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