皆さん、こんにちは。
前回はC4Dを知ろうということでC4Dの画面構成についてご紹介しました。
はじめましてCinema 4D
Cinema 4Dとはどんなソフトなのか、何ができるのか、 3DCGを制作するソフトウェアです。モデリング、マテリアル制作、アニメーション制作、レンダリングといった一連の作業がこの一本で行えます...
C4Dの使い方を、わかりやすく・楽しく解説していくことを目的としているこの記事ではメニューや単語の説明よりも何かを作っていくことを主体にしていきたいと思います。
そこで、今回は物理演算を使ったシミュレーションをしみましょう。
物理演算って
物理演算と聞くと何やら難しそうなイメージばかりですが、簡単にいうと「重量」や「慣性の法則」による動きを計算によりアニメーションさせる方法になります。更に難しい印象になってしまったかもしれませんが、操作はいたって簡単です。
プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。
PR:Vook School
ボールが転がるアニメーション
では、ボールが落下して転がる動きを物理演算で再現してみましょう。
まず、ボールを作ります。
球で作ってもいいですが、回転している様子が分かりづらいので、今回は「正多面体」を使用します。
作成 > メッシュプリミティブ > 正多面体
表示されました。ちょっとゴツゴツしてますね。
ゴツゴツして転がらないといけないので、もう少し球に近い形にします。
正多面体を選択した状態で、属性マネージャ(画面右下部の「Attributesと書いているところ」)を確認します。
「分割タイプ」を正20面体からC60サッカーボールに変更します。
これでグッとボール感が出てきました。
ボールができましたので、これに物理演算で動かすために硬い物質だよってタグをつけます。
オブジェクトマネージャ(画面右上部)で正多面体を選択した状態で右クリックします。
表示されたメニューから
Bulletタグ > リジッドボディ
を選びます。
※R25の場合は、シミュレーションタグにあります
再生すると、ボールが落下します。
重力が働いています。
次に衝突する床を作りましょう。
作成 > 環境 > 床
床にボールが埋まってしまいますので、ボールの位置を上にする、あるいは床を下に下げるようにして重ならないように配置してください。
この際に、ボールが動かないように見えることがあるかもしれません。物理演算のタグがついているオブジェクトはタイムラインの0の位置でしかうまく動かせないので、タイムラインの位置も確認してみてください。
※実際は三方向の矢印(ギズモと呼んだりします)が動いていることでも確認できますが、オブジェクトが動かないので戸惑うかもしれません
床に衝突してほしいので、床を選択した状態で右クリック
Bulletタグ > 衝突
を選びます。
※R25の場合は、シミュレーションタブにあります
再生すると、落下したのち、床と衝突し、転がります。
この動きが、コンピュータの演算処理のみで行われているのが「物理演算」の素晴らしさです。
他のアニメーションのようにフレーム単位での位置管理をする必要がありません。
とはいえ、一つのボールを転がすのであれば、フレーム単位での作業も慣れている方であれば可能ではないかと思った方、貴方はなかなかの手練のアニメーターか、CGになかなか詳しい方のようですね。
では、次に複数のボールを一度の転がしてみましょう。
クローナを使うシミュレーション
複数のボールを処理するには、クローナーと呼ばれる複製を行うジェネレータを使用します。
MoGtaph > クローナー
このクローナーの下に正多面体を移動します。
複製がいっぱいできました。
少々大きいので、正多面体のサイズを変更しておきます。
先程、正多面体の形状を変更した属性マネージャから、半径を変更します。
次に、クローナーを選択し、属性マネージャの設定を変更します。
複製数
サイズ
を変更しました。
床とクローナーで複製されたボールが重なっていないことを確認して、再生してみてください。
見事、全てのボールが動きました。
これは手作業ではなかなか難しい作業が、実に簡単にできました。
まとめ
このように物理演算を用いたアニメーションが簡単にできあがります。
衝突するオブジェクトの形状や、物理演算に影響を与える「力」等を工夫する事で、更にリアルで細かい動きが再現されるアニメーションの制作も可能です。リアルな動きはモーショングラフィックスを自然に見せるための要因として重要になると思っています。
物理演算を用いることでこんな映像も作れるようになります。
ぜひ、皆さんもC4Dを使ってリアルなアニメーションにトライしてみてはいかがでしょうか?
いしみず@ishimizu
3DCG制作を行っております。 CINEMA 4DをメインツールとしてX-particles、Realflow等の流体シミュレーションを使った映像表現に注力しています。UnrealEngineなんかもぼちぼちやってます。
コメントする