【Blender】モデリングを高速化する!モディファイアの活用法

Sponsored by 株式会社マウスコンピューター
2022.09.20 (最終更新日: 2023.03.20)

こんにちは!
YouTubeを中心に活動をしているM designです。Blenderの初心者向け解説をしており、累計100本以上の様々なバリエーションのモデリング解説動画を公開しています。

今回は、基礎は習得済みという方向けのモデリングハウツーを解説していきます。

・ミラーモディファイア
・配列モディファイア&エンプティを活用したモデリングの効率化

これらをテーマに、一緒にドローンを作成してみましょう!

モデリングの基礎は下記の記事を見てみてくださいね。

Blender Debut! ステップ2:モデリング基礎編~オブジェクトと基本操作を理解しよう

こんにちは! Youtubeを中心に活動をしているM designです。Blenderの初心者向け解説をしており、累計100本以上のモデリング解説動画を公開しています! 星子さんのステップ1に続...

はじめに押さえておきたい、2つのポイント

①ミラーモディファイアを活用して、左右対称形状をモデリングしよう

左右対称形状を作成する際、XYZいずれかの軸を境に「片側にのみポリゴンがある状態」にし、ミラーモディファイアを追加してモデリングします。

このことにより、片側に加えたポリゴンの変更(モデリングした内容)が常に、軸を境にした向こう側(ミラーされた側)に反映され、左右対称の形状を簡単に作成することができます。

ミラーモディファイアでは、「オブジェクトの原点」、又は「軸として設定したミラーオブジェクト」を中心に、座標軸方向に反転して複製します。軸は複数選択できます。
今回は、ドローンの胴体と足を、ミラーモディファイアを活用しながらモデリングしていきます。

②配列モディファイア&エンプティを活用して、回転配列をしよう

配列モディファイアは、1つのオブジェクトを複数、規則的に配列するモディファイアです。例えば、階段は、直方体のオブジェクトを一定量の間隔を設定しながら配列して作成することができます。

エンプティとは、レンダリングに表示されないオブジェクトです。エンプティには、レンダリングされないからこそできる脇役としての働きがあります。

•親子関係を作って、ハンドルにする
•カメラの焦点として利用する
•配列方法を決めるハンドルとして利用する

今回は、配列モディファイアの配列をコントロールする役割としてエンプティを活用します。

それでは、実際に作っていきましょう!

ミラーモディファイアを活用してドローンの胴体と足をモデリング

ミラーモディファイアを追加

まず、ミラーモディファイアを追加して、モデリングの準備を行います。
立方体をY軸を中心に分割してミラーモディファイアを追加していきましょう。

編集モードに入り[Tab]、緑色のY軸に沿うように立方体に辺ループを挿入して[Ctrl+R]>[Enter](またはクリック)、ちょうど真ん中で確定させます[Esc]。

透過表示にして[Alt+Z]、片側の頂点群を4つ選択して削除[X]しましょう。

ミラーモディファイアを追加すると、Y軸を対象にしてミラーリングされます。上手くいかない場合は、モディファイアの座標軸がXになっていることを確認しましょう。

*Point*
線対称のオブジェクトを作成する時にはモディファイアプロパティの[クリッピング]をONにして、頂点を移動しても軸を超えないようにします。
クリッピングがOFFになっていると、対象軸を超えて頂点が移動してしまいます。

ドローンの胴体を作っていく

次に、立方体をドローンの胴体のベースとなる直方体に変形します。
全選択して[A]、Z軸方向に縮小[E]>[Z]、Y軸方向に拡大します[E]>[Y]。

立体を分割し、モデリングを進めていきましょう。辺ループを挿入し[Ctrl+R]>[Enter](またはクリック)、前方上部の辺を選択して移動[G]します。

更に分割していきましょう。
辺ループを挿入します[Ctrl+R]>[Enter](またはクリック)。

シルエットを調整していきます。フロントビューにして、挿入した辺の外側の頂点を外に移動します[G]。

ライトビューにして、前方の頂点群を選択し、回転させます[R]。

そのうち真ん中の点だけをさらに前方へ動かします[G]。

後ろ側の頂点群も選択して回転させましょう[R]。

さらに、トップビューで真ん中の頂点群を選択し、外側へ移動します[G]。

最後に、オブジェクトモードに戻って[Tab]、サブディビジョンサーフェスモディファイアを追加しましょう。

以上のように、3次元的な立体を作る際には、フロントビュー、サイドビュー、トップビューそれぞれにおいて頂点を動かしながらシルエットを作り込んでいくと、結果として3次元的に美しい形が仕上がります。

ドローンの足をモデリング

胴体のサブディビジョンサーフェスをいったん適用し、面を分割してから、面の1部を押し出して、足を形成していきます。

サブディビジョンサーフェスのビューポートのレベル数を1にして、分割数を低減させます。

サブディビジョンサーフェスを適用します。

編集モードに入ると[Tab]、このように面が分割されています。

真ん中の辺をループ選択し[Alt/Opt+左クリック]、ベベル[Ctrl+B]を適用します。

ベベルを適用した面の手前の面を1つ選択し、インセットしましょう[I]。この面を押し出し、ドローンの足にします。

足を押し出す際に、足の断面を円形にするため、アドオンを活用します。プリファレンスのアドオンの検索ボックスに「Loop」と入力し、「LoopTools」にチェックを入れておきます。

アドオンの準備ができたら、編集モードでインセットした面を選択したまま、「LoopTools(アドオン)」の「円」を選択しましょう。

インセットする前の面からはみ出てしまっているため、縮小します[S]。

ベベルを適用した面の後側も同様に行いましょう。

トップビューで面を押し出し[E]、移動[G]します。

後方の足も同様に作成しましょう。

配列モディファイア&エンプティを使ってプロペラを作る

次に、プロペラを作っていきます。
先ほど作成した足の先の位置をモデリングの中心として、そこにプロペラを形成し、モディファイアを活用して回転配列していきます。

プロペラを作る

ツールバーの「3Dカーソル」(上から2番目)を選択し、足の先をクリックして3Dカーソルを足の先に移動させて、この3Dカーソルを中心にプロペラと軸をモデリングします。

3Dカーソルを移動させたら、この先3Dカーソルが動かないよう、ツールバーを「ボックス選択」のコマンドに戻しておきましょう。尚、3Dカーソルを「XYZ=0」の地点に戻したい場合は[Shift+C]を押します。

立方体のオブジェクトを追加し[Shift+A]、編集モードに入り[Tab]、プロペラを1枚作りましょう。新規オブジェクトは3Dカーソルを中心に作成されます。
作成した立方体を拡大縮小・移動する際は編集モードで行いましょう。編集モードに入っていることで、原点=オレンジ色の点を3Dカーソルの位置に残すことができます。

辺ループを挿入し[Ctrl+R]、プロペラをモデリングしていきます。

この時も、胴体を作成した際と同様に、トップビュー、ライトビュー、フロントビューでそれぞれにシルエットを形成していきましょう。

羽にベベルモディファイア(セグメントを0から5に変更)、サブディビジョンサーフェスモディファイア(ビューポートのレベル数とレンダーの数をそれぞれ4に変更)を追加します。

辺ループや辺を選択しながら、ベベル[Ctrl+B]で角を丸めて、形状を調整しておきます。

配列モディファイア+エンプティを活用する

このプロペラに配列モディファイアを追加し、モディファイアプロパティの「数」を3に変更します。


十字エンプティを追加[Shit+A]します。

この時、3Dカーソル=原点(オレンジ色の点)=エンプティの中心になっていることを確認してください。

配列モディファイアのプロパティパネルで、オフセットを[オフセット(倍率)]から[オフセット(OBJ)]に変更し、先ほど追加したエンプティを選択します。

この状態でエンプティを選択し回転させると[R]>[Z]、エンプティが回転した量に応じて、プロペラが回転・配列されます。

数値で指定しましょう。エンプティを選択した状態で[R]>[Z]> 120と入力し、120°ずつ回転された状態にします。

この配列モディファイアの「数」を増やせばプロペラの数が増え、エンプティの回転度数によりその回転量を決めることができます
今回はプロペラは3枚としましたが、扇風機や車のホイールなど、要素が回転・コピーされている様々なオブジェクトに適用できる考え方です。

次に、プロペラの軸を作成しましょう。円柱を追加し[Shift+A]、左下に現れるオペレーターパネルを開いて「頂点」の数を12にしておきます。

縮小し[S]、押し出し[E]、拡大[S]、押し出し[E]しながらプロペラの軸を作成していきます。

後ろの足にもプロペラと軸が配置されるよう、プロペラ、軸、エンプティを選択し、後方へコピーします[Shift+D]。

プロペラの軸と胴体を繋いでいきます。
まず、プロペラの軸と胴体の2つのオブジェクトを選択し、統合します[Ctrl+J]。
この時、胴体の足とプロペラの軸が重なっている場合は、統合する前に、距離をとっておきましょう。

また、選択する順は必ず「プロペラの軸」→「胴体」にします。統合時に最後に選択されたオブジェクトの原点やモディファイアの設定が採用されるためです。

編集モードに入り[Tab]、胴体の足とプロペラの軸を繋げていきましょう。プロペラの軸の中で最も胴体の足に近い面をインセット[I]、削除します[X]。

胴体の足の方の面も削除しておきます[X]。

辺の選択モードで[2]、双方の辺ループを選択し、右クリックで[辺ループのブリッジ]を選択します。

接続の角度により面がねじれることがあるため、頂点選択モード[1]で頂点をひとつひとつ選択しながら、フロント・トップ・ライトビューでそれぞれ調整します。

後ろのプロペラも同様に胴体と統合[Ctrl+J]、接続できたら、オブジェクトモードに戻り[Tab]、プロペラを選択してミラーモディファイアを追加します。

ミラーモディファイアの「ミラーオブジェクト」は胴体(円柱)にしておきます。

後ろのプロペラにも同様にミラーモディファイアを追加するため、「後ろのプロペラ」→「前のプロペラ」の順に選択し、ミラーモディファイアのパネルから[選択にコピー]を選択すると、同様のミラーモディファイアが追加されます。

最後に、胴体+プロペラの胴体のオブジェクトにサブディビジョンサーフェスモディファイア(ビューポートのレベル数とレンダーの数をそれぞれ4に変更)を追加しましょう。

さらに形状を作り込む

サブディビジョンサーフェスを適用したオブジェクトの中にエッジ(角)を持たせたい場合は、平均クリースを活用します。
トランスフォームメニューを呼び出し[N]、平均クリースの値を調整します。または、[Shift+E]を押して、左クリックでドラッグしながら調整することも可能です。
例:立方体(右)の底面の4辺に平均クリース0.5を追加。

例:[Shift+E]で鋭角にする。

例:シワが寄ってしまう場合は、インセット[I]で面を分割する 。

所々、細かな造作を追加していくと、楽しくオリジナリティを高めることができます。

全体的にディテールを作り込んだら、マテリアル作成、レンダリングをして完成です!

今回は、ブラックのボディに3色のライトを映り込ませました。

背景が透過されたVookのロゴ(PNG画像)のマテリアルへの設定はこちらをご参照ください!

ミラーモディファイアと配列モディファイアを活用したドローンのつくり方、いかがだったでしょうか?
アレンジを加えて、オリジナルドローンをモデリングしてみてください!

YouTubeチャンネルでは、iPhoneや自動車のボディなど様々なモデリング解説も行なっています。


動画を見ながら、ぜひ一緒に作ってみてくださいね。

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