弱気な声のインタビュー音声をサクっと均一で聞き取りやすくする!コンプレッサーの使い方

2022.09.16 (最終更新日: 2022.11.02)

インタビューの動画では一定の声量でハキハキと話して頂いた方が良い作品に仕上がることは間違いないのですが、
採用動画の場合は企業の社員などに出演していただくケースが多く、そのような方々は当然ながらアナウンサーのような『話のプロ』ではないため、ところどころ弱気な発声になってしまっていたり、ワンセンテンスが長くなると後半にかけてどんどん小さくなってしまったりします。

そんな時に活躍するのがコンプレッサーです。

Premiere Proでは「ダイナミック」、DaVinci Resolveでは「ダイナミクス」というエフェクターの中に含まれています。

全体的に音を引き上げるノーマライズ

録音された音自体が小さい場合などはノーマライズで一括で音量を0dBに合わせて引き上げることが出来ます。

小さい音も大きくなるためノイズが目立つようになります。
コンプレッサーではさらにこの小さい音が大きく聴こえるように大きい音を大きくなりすぎないように調整していきます。

パラメーターの意味と併せてサクッと設定できるようになる

音量の上げ下げしかないEQ(イコライザー)とは違い、コンプレッサーは時間に関するものなどの音を調整するものと頭の中で結びつきにくいパラメーターが揃っています。

ここからは、それぞれのパラメーターについて操作する順番を追っていきます。
「明るさのしきい値」など、同じ名称のものがあるので混同してしまいがちですが、コンプレッサーでの名称として言葉に置き換えながら説明していきます。

1.しきい値(スレッショルド)= 持ち上げる音の音量

この値は、どの音量(dB)からコンプレッサーをかけるかです。
コンプレッサーは自然に音の強弱差をなくすことができるエフェクターなので、ここで設定した音量以上が全く出ないというわけではありません。
全く出ないようにもできますが、不自然な音になってしまいます。
音声全体で最も大きい音(ピーク)に合わせるのではなく、インタビューの場合は「聴き取ってほしい音声」の小さ目の音量(dB)をこの値に設定します。

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2.比率(レシオ)= 自然かつ、音量差に驚かせないように

この値は、どれくらいの比率(強さ)で音を押さえつけるかです。この値を大きくすると強めにしきい値で設定した音量で押さえつけようとします。小声で喋っても叫んでも、同じような音量になります。均一を目指しているとはいえ、特に強く伝えたい内容などは、声も大きくなりがちですが、それを自然にかつ、視聴者が音量差に驚かないようにバランスを取るための値です。

アタック = いつから音を押さえつけるか

エフェクトがかかりはじめる位置をこの値で調整します。コンプレッサーは声を均一にするためだけのエフェクターではないため、均一化には向かない値も存在します。それがこのアタックです。早い段階から音を押さえつけてほしいので発音の最初の部分だけなるべく小さい値で設定をします。

3-a.ホールド(DaVinci Resolveのみ)= 何ミリ秒間音を押さえつけるのか

この値がない場合はリリースに含まれ、リリースで設定された時間をかけて徐々にコンプレッサーが解除されていきます。この値は、いつまで音をしっかり押さえつけ続けるかの値です。不自然にならないようにするため、初期値のままで問題ありません。

3-b.リリース = 何ミリ秒かけて音を押さえつけるのを止めるか

先程のホールドがない場合(Premiere Proのダイナミックにはありません)この値で設定した時間で徐々にコンプレッサーを解除していきます。長めに取るとノイズまで大きくしてしまう可能性があるので、初期値のままで問題ありません。

4.補正(メイクアップ) = 音量を元に戻す

コンプレッサーは小さい音が大きく聴こえるように、大きい音を小さく押さえるエフェクターです。すなわち全体の音は小さくなっています。そこでこの値を上げて元の音量、バランスの良い音量に戻します。
インタビュー音声ではおおよそ-5dB〜-10dBあたりになるように「補正」で音量を上げていきます。
すると、小さかった音が大きくなり、それに伴って大きくなってしまっては困る音が押さえられた音声の完成です。

まとめ

微調整などもあまり考えず、この順番でまずは調整をすることである程度均一な音声が出来てしまいます。
一番気をつけなければならないのは、「いかに不自然にせず、音量差をなくしていくか」です。
そして、小さい音を大きくすると、これまで聴こえてこなかったノイズが聴こえてくるようになります。

さらに、『ワンランクアップする!インタビュー動画の音声にかけるEQ』では、声の温かさやヌケ感も加えられ、ワンランク上のインタビュー音声が作れます。

ワンランクアップする!インタビュー動画の音声にかけるEQ

インタビューの録音環境も、録音した機材の良し悪しやマイクの設置方法、予算の都合等でそのクオリティーは様々あると思います。 そんな音声に「まずはこの設定をしてみて!」というEQと、 操作する周波数...

次回は『「エアコンを切り忘れて音が入ってしまった!」は、とりあえずこれで対処!』にてノイズの消し方にも触れていますので、併せてお読みいただくとより、音声が聴き取りやすく調整できます。(9/23更新予定)

ぜひご一読いただければと思います。

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