誰でも無料でダウンロードできるライブ配信ソフトとして知られているOBS(Open Broadcaster Software) Studio。
ライブ配信と録画機能を有しており、画面上に様々なオブジェクトを配置することが可能なこのソフトだが、
MacOSでは初期設定のままだとデスクトップ音声が「無効」となってしまう欠点がある。
言い換えれば、Macbookユーザーは初期設定のままではOBS StudioにBGMやDiscord通話の音などを乗せることができないのだ。
本記事ではそんな悩みを解決すべく、MacOSのユーザーがデスクトップ音声を有効にするための手順を紹介する。
なお記事で紹介している内容は、以下の動画でも確認することができるので参考まで。
【2022年最新】完全版・Macbookでデスクトップ音声を出す方法【OBS初心者向け使い方講座】
MacOSでOBSのデスクトップ音声を出力するための手順
具体的な手順については以下の通りだ。
1.仮想音声チャンネルのインストール
2.Audio MIDI設定で複数出力装置を作成
3.サウンド設定から複数出力装置を選択
4.OBSでデスクトップ音声を選択
それぞれの手順について解説していこう。
1.仮想音声チャンネルのインストール
OBSの音声設定からデスクトップ音声を選択しようとしても、初期状態では「無効」としか表示されない。
MacOSにおけるOBSの仕様上、デスクトップ音声を認識させるためには「仮想音声チャンネル」をインストールし、そのチャンネルに流れている音声をデスクトップ音声で拾いなおすという必要がある。
インストールするソフトウェアはM1/M2チップ内蔵型かそうでないかによって異なる。
M1/M2チップ内蔵の場合
インストールするチャンネルは「BlackHole」だ。
<BlackHole>
https://existential.audio/blackhole/
非常にシンプルでどことなく怪しい雰囲気のページだが、「email address」「first name」「last name」の3つを入力し、
「Subscribe for Free Mac Download」をクリックするとメールアドレスにダウンロードリンクが記載されたメールが届く。
BlackHole 2ch/BlackHole 16ch/の2つがあるが、どちらか一方のダウンロードだけでも大丈夫。
M1/M2チップ非内蔵の場合
インストールするチャンネルは「Soundflower」だ。
<Soundflower>
https://soundflower.softonic.jp/mac
Soundflowerの場合はMacのセキュリティ設定で開けない場合があるので、以下の場合分けに沿ってインストール手順を確認しよう。
まずはダウンロードしたしたpkgファイルをダブルクリックで開こう。この時点で開ければインストーラーに従ってインストールすれば官僚だ。
ダブルクリックした後に「開発元が未確認のため開けません」と表示される場合は、右クリックから
「開く」を選択しよう。
それでも開けない場合は、Macbook左上のりんごマークから「アプリケーションシステム環境設定」を開き、「セキュリティとプライバシー」を選択しよう。
その後、セキュリティとプライバシーの項目からブロックされたアプリケーションを「許可」すればダウンロードできる。左下の鍵マークをクリックしてPCに設定済みのパスワードを入力するとブロックが解除できダウンロードできる。
以上で仮想音声チャンネルのインストールは完了だ。
2.複数出力装置の設定
続いての手順は、インストールした仮想音声チャンネルとMacbookの内蔵スピーカーを1つの出力装置に合成するというものだ。
実はこの段階でも、インストールした仮想音声チャンネルにBGMを流してOBSでデスクトップ音声に流すことは可能である。
しかし現段階では、デスクトップ音声に流れている音声はBlackHole/Soundflowerのみで確認できるため、PCへイヤフォンをつないだり内蔵スピーカーから音を確認することができない。
音声をモニタリングできないと困るので、「音声を複数個所から出力させる装置」を作成して、仮想音声チャンネル+内蔵スピーカーの両方から音が聞こえるようにしよう。
まずはMacbookのアプリケーションから「Audio MIDI設定」を開こう。
Audio MIDI設定を開き、左下の+マークから「複数出力装置を作成」をクリックしよう。
複数出力装置の右側から、インストールした仮想音声チャンネルとMacBookのスピーカー(イヤフォンから確認したい場合はイヤフォンも)を選択しよう。
これで複数出力装置の設定は完了だ。
3.サウンド設定から複数出力装置を選択
ここまで来ればもうあと少しだ。
Macbookの左上りんごマークから「システム環境設定」をクリックし、「サウンド」を選択しよう。
サウンドで先ほど作成した「複数出力装置」を選択すれば、スピーカーからも仮想音声チャンネルにも音声が流れる状態になっている。
注意点として、複数出力装置には「出力コントロール」と呼ばれる音量調節機能がない。
スピーカーから流れる音声を小さくしたい、などの場合は一度Macbookの内蔵スピーカーを選択して音量を調節してから複数出力装置を選択するようにしよう。
4.OBSでデスクトップ音声を選択
最後にOBSでの設定だ。
OBS Studioを起動し、右下の「設定」部分をクリックしよう。
設定の「音声」から、「グローバル音声デバイス」の「デスクトップ音声」を選択。
手順1でインストールした仮想音声チャンネルを設定すればデスクトップ音声に音声が流れるようになる。
以上でMacOSにおけるデスクトップ音声の出力設定は完了だ。
なお記事で紹介している内容は、以下の動画でも確認することができるので参考まで。
【2022年最新】完全版・Macbookでデスクトップ音声を出す方法【OBS初心者向け使い方講座】
このデスクトップ音声を出力する難易度の高さから、MacbookのユーザーはOBS Studioの普及率がまだまだ低い。
是非本記事がデスクトップ音声の出力に関する課題解決になることを願っている。
ひとみマン@OBSスクール学長@
無料のライブ配信ソフト「OBS」のプロ。日本初のOBS専門スクール「On Air」学長。OBSの使い方がわからない、質の高いライブ配信を行いたいという方はYouTubeチャンネルをご覧ください。ライブ配信代行やOBSに関する質問、セミナー登壇などのご相談はTw...
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