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Nikon Zシリーズでの動画撮影が劇的に楽になるリモートグリップ MC-N10最速レビュー!

Sponsored by Nikon

ニコンから動画ユーザーフレンドリーなアクセサリー「リモートグリップ MC-N10(以下MC-N10)」が発表になった。
MC-N10はホールド感に優れたカメラグリップにカメラ本体と同じような機能のボタンやダイヤル類がそのまま搭載された、約 205 g(本体のみ)のリモートグリップ型アクセサリーだ。手持ちの撮影装備に追加しても苦にならない大きさ・重さで、カメラ本体を触らず、少し離れたところで本体機能の操作切り替えができるので、ユーザーの撮影シーンに合わせて扱え、撮影がとっても楽になるアクセサリーと言えるだろう。
今回はMC-N10の魅力と実際の使い勝手などインプレッションを紹介したいと思う。

MC-N10は、現在(2022年11月時点)Z 9・Z 7II・Z 6IIとの組み合わせで使用できます。カメラのファームウェアは常に最新バージョンにアップデートしてお使い下さい。
その他のZシリーズ製品(※Micro USB対応モデル(Z 50)を除く )についても、順次対応予定だそうなので、決まり次第追記していきます。

外観デザイン

まずは、外観から見ていこう。外観はZ 6 IIやZ 7 IIのグリップに近い形状のグリップになっている。筆者の手には、かなりフィットし、ホールド感が非常によく操作しやすい印象。バッテリーは単三電池2本で駆動する。
ボタン配置に関してはZシリーズのボタン配置とほぼ同じで操作に迷うことはないだろう。

(1.2v Ni-MH充電池推奨。また1.5vアルカリ電池も使用可能。使用状況によるが約12時間が使用目安。)

背面側のボタンは、AF-ONボタン、DISPボタン、iメニューボタン、拡大ボタン&縮小ボタン、メニューボタン、再生ボタンがある。また、右手親指近くにメインコマンドダイヤルとサブセレクターの操作系も搭載している。


さらに、シャッターボタン周りには電源スイッチや露出補正ボタン、ISO感度ボタン、動画撮影RECボタンがあり、前面人差し指近くにはサブコマンドダイヤルがある。

グリップを握りこむ内側にはFnボタンを2つ配置しており、カメラ同様にFn1とFn2を使用できる。Fn1とFn2は右手でグリップを握りながらも中指でとても押しやすい場所にあり、撮影中にとても役立つ印象だ。MC-N10のFn1とFn2は、カメラ側で設定したFn1・Fn2ボタンと同じ機能になることも覚えておこう。

注目すべきは、メインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルの搭載で、どちらもクリック感のない無段階のシームレスなダイヤル操作が行えるようになっている点だ。
カメラ本体のメインコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルは写真撮影用にクリック感を出しているが、MC-N10は動画撮影に使い易いように無段階でダイヤル操作ができる。動画撮影中の設定を滑らかに変更できたり、 動画録画中にダイヤル操作をしても音が録音されないように配慮されているのでとても安心感がある。また、ダイヤルも適度なトルク感があり微調整も行いやすい印象だ。

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接続方法


MC-N10のカメラとの接続方法を紹介しよう。
MC-N10は両端子USB-TypeC、USB2.0以上のケーブル有線接続で使用する。(※市販のケーブルについては動作保証されていない)
今回は動作保証されている同梱の純正Nikon USB-CケーブルUC-E25を使用して、カメラのUSB-C端子部分と接続する。
無線より設定が早く、電波干渉や混線、ボタン操作のレスポンスなど安定した操作を実現する。
非常に簡単なので迷うことはないだろう。カメラに接続するとカメラの電源を入れて、MC-N10の電源を入れ、すぐにカメラの画面モニターに表示される接続確認から「OKボタン」を押すだけで接続が完了する
注意点としては、一旦電源がオフになると新たに接続する必要があることも覚えておこう。
電源を入れてOKボタンを押すだけの簡単操作なので問題はないはずだ。少しでも接続操作をしたくない方は、撮影が終わるまではパワーオフ設定をなしするなどカメラ本体の電源を入れておく設定にすると良いだろう。

MC-N10活用事例とメリット

ここからは筆者がどのようにMC-N10を活用したのか紹介していこう。筆者は今回MC-N10(β機) を使い、ドキュメンタリー撮影に挑戦した。筆者はワンマンオペレートでの撮影が多く、撮影毎に最適なリグなどの機材や撮影スタイルを変えている。
今回のドキュメンタリー撮影においては撮影場所も限られているので最低限のセットアップで撮影した。今回、MC-N10を現場投入してかなり便利だと感じた。

メリット1.コマンドダイヤルが無段階調整

撮影中の様々な調整が無音で行えるようになったことは実は非常にありがたい。基本カメラは撮影に集中している際にも、操作感が分かるようにメインコマンドダイヤルなどのダイヤル類はクリック音がする。操作感は分かりやすいが、実際に動画撮影では操作音が入ったりする場合があったので、操作する際は一度撮影を止める必要がある。
しかし、MC-N10を使うとカメラからグリップが離れているので、操作する際の振動が発生せず、メインコマンドダイヤルやサブコマンドダイヤルを操作してもクリック音が録音されないので非常に助かった

Fn1にマイク感度を割り当ててて、収録中にサブコマンドダイヤルで音量を変えても操作音やクリック音が録音されていないので便利だと感じた。

メリット2.ハンドリグ撮影での使用

ハンドリグで撮影する際はカメラ本体のグリップが垂直な為、低い位置での撮影ではグリップが握りにくいがMC-N10を使えばARRI互換のロゼットアダプターを採用しているので自由な角度にすることができ、無理のない姿勢でとても安定したハンドヘルド撮影が行える。

ちょっとした角度でも撮影時の疲労感が全然ちがうのでありがたい。MC-N10側の操作も、カメラ本体と同じ操作ができるので重宝した。特に低い位置での撮影ではとても楽だった。

メリット3.ショルダーリグ撮影での使用

ドキュメンタリー撮影などで少しライブ感を出す際にはショルダーリグを使うことが多い。適度な揺れ感がとてもリアルになり、狭い場所でも動きやすく、ハンドヘルドよりも安定感がある。
しかし、一般的なショルダーリグでは操作感がとても悪くなることが多い。というのも、ショルダーリグにすると撮影中はカメラが肩の位置付近にくるためメニューなどの操作する際はいちいちカメラを肩から下ろして設定する必要がある。

しかし、MC-N10を使えばショルダーリグの右手側ハンドルの1つをMC-N10に交換しておくと手元でメニュー操作やフォーカス位置の移動、ISO感度変更など楽にできるようになる。

筆者の場合、外部モニターを装着しているので、MC-N10と組み合わせて使用するだけでショルダーリグを背負ったままメニューやAFの設定を変えられた。

メリット4.ビデオ雲台に取り付けての使用

ビデオ雲台のパン棒に取り付けることで、手元で様々な操作が可能になる。

筆者はスライダーとビデオ雲台の組み合わせで使用した際、スライダー操作中にもMC-N10側で様々な操作ができたので便利だと感じた。


ここで見つけた使いこなしのオススメがあり、Fn1に[フォーカス位置の登録]をしてFn2に[フォーカス位置の呼び出し]を割り当てておくとFn1ボタンでピント位置を登録して、Fn2ボタンで登録したピント位置にピントを移動させ合わせることもできるので、カメラ本体を触らず少ないアクションで撮影しながら意図した箇所にピント位置を変えたい演出シーンに便利だと感じた。



MC-N10であればFn1、Fn2を搭載しているので無理のない操作で様々な操作ができるので助かった。

メリット5.ジンバルでの使用


ジンバルでの活用はMC-N10の魅力の1つと言えるだろう。
最近のジンバルにはNATOレールを備えていることが多いので、NATOレールからARRIロゼットアダプターに変換してMC-N10を装着することで装着可能だ。

ジンバル撮影時のデメリット(MC-N10を使用しない場合)は撮影中にカメラに触れないことだろう。普通なら露出が違う環境を行き来する時は、急に明るさが変わってもコントロールリングやISOボタンなどに触れることができないため、撮影を中断する必要がある。しかし、MC-N10を使えば、カメラを止めることなくほぼ全ての機能を手元で操作できるので、撮影がかなりスムーズになること間違いない。

今回の作例撮***影では屋内から屋外に人が出るシーンを撮影した。屋内と屋外では明るさ(露出)が大きく違うので露出コントロールする必要があるが、SモードやISO AUTOでは撮影者のタイミングで明るさのコントロールができない。そこで、MC-N10を使いISOボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回すことで撮影者のタイミングで明るさの変更をできた*。その時にZ 9での便利機能としてISO感度ステップ幅拡張(Mモード)をONにすることでISO感度をより細かく調整できるのでシームレスに明るさの調整を行えた。

まとめ

MC-N10を使って感じたことは、本当にユーザーのことを思って作られているなということ。撮影、特に動画撮影ではカメラ単体で撮影することもあれば、リグをカメラマンの使い易いように組むことも多く、MC-N10を使うことで手元での機能操作ができるようになることはとても大きい。MC-N10のような動画ユーザーに向けたアクセサリーを「ニコン純正」で発売する意味は大きく、安心して使用できる点に加え、ニコンがZシリーズでの動画撮影に対して本気であるということがとても伝わる。MC-N10の使い方は無限大で特にワンマンオペレートでの撮影や素早い撮影が必要になる方などに是非使っていただきたいアイテムと言えるだろう。

■リモートグリップMC-N10製品ページ
https://www.nikon-image.com/products/accessory/remote/mc-n10/

■Z 9 MOVIEスペシャルページ
https://www.nikon-image.com/sp/movie/z9/

■ニコンダイレクト アクセサリーページ
https://shop.nikon-image.com/front/ItemSummaryRefer?sort=&cateId=20148&pageCursor=2

以下、MC-N10との併用で使用するアクセサリーの参考です。
(ニコンの動作保証品ではありません)

■参考アクセサリー:ジンバル用 
※お使いのジンバルのアタッチメント形式をご確認ください。
ARRI用ロゼットがある際はそのままMC-N10が装着可能です。

①Smallrigアタッチメント
  1.ARRI用ロゼット&NATO互換マウント(M6ネジ穴)2046
  2.薄型NATO互換レール(50mm) 2468  ※必要な方のみ
②Wooden Camera製アタッチメント
  Tripod Head Pan Bar to ARRI Rosette

■参考アクセサリー:ショルダーリグ用 
SmallRigアタッチメント(各種組み合わせるため、全てを使う訳ではありません)
1.ショルダーリグキット2896
2.ショルダーリグハンドルキット2002
3.15mm径ブラックアルミ合金ロッド(M12-40cm/2本セット) 1054

■参考アクセサリー:三脚パン棒用・スライダー用
①Smallrigアタッチメント(3点組み合わせ使用の場合)
  1.ARRI用ロゼット&NATO互換マウント(M6ネジ穴)2046
  2.薄型NATO互換レール(50mm) 2468
  3.スーパークランプ 2220
②Wooden Camera製アタッチメント
  Tripod Head Pan Bar to ARRI Rosette

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KOJI_UEDA

KOJI_UEDA@KOJI_UEDA

米国サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強しながらテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フリーランスのフォトグラファーとして活動開始。ライフワークとして世界中の街や風景を撮影。ドローン撮影や特機での撮影も...

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