ATEM Miniで使われる略語をまとめてみました。まとめてみるとそんなに数はないですが、とりあえずアルファベット順に紹介してみます。ATEM Mini関連で「こりゃなんの略語だ?」と思ったらこの記事を参照してみてください。
ちなみにATEM(えーてむ)という単語は、なんの略語でもありません。ブラックマジックデザインが2010年に買収したEchoLabというアメリカの会社(創業1974年)が開発していた、当時最先端のビデオスイッチャシリーズの名称です。
AFV
Audio Follow Video。映像を切り替えたときに音声も切り替わる設定。これがオンになっていると、PGMで選択されているときのみその音声が使用されます。
AUTO
Automated Transition。オートトランジション。ATEM Miniの右下にはCUTボタンとAUTOボタンがあります。CUTボタンを押した場合には、映像と映像がエフェクトなしで切り替わります。AUTOボタンを押した場合には、映像と映像が切り替わるときにトランジションエフェクトがかかります。
DSK
Downstream Keyer。ダウンストリームキーヤー。ロゴやテロップのオーバーレイに使用されます。キーヤーは合成をするための機能です。
ATEM Miniにはアップストリームキーとダウンストリームキーという2種類のキーヤーがありますが、どうしてアップストリーム(上流)、ダウンストリーム(下流)という名前がついているかというと、これは処理の順番に関係しています。アップストリームキーは上流、つまり先に適用されるのでそういう名前がついています。ダウンストリームキーは下流で適用されます。たとえばアップストリームキーのPinPとダウンストリームキーのロゴ合成を同時に使ったとき、PinPの映像はロゴよりも映像として後ろに表示されます。これはアップストリームキーがダウンストリームキーより先に適用され、レイヤーで考えれば下になるからです。
違うのはレイヤーの順番だけではありません。合成のダウンストリームキーがロゴやテロップの合成のための簡単な合成しかできない一方で、アップストリームキーはクロマキーやPinP(DVE)などのより高度な合成に対応しています。
DVE
Digital Video Effect。アップストリームキーで使われるときにはPinPとして機能する一方、トランジションとしても機能します。4入力のATEM Miniシリーズにはこれが1系統、8入力のATEM Mini Extremeシリーズにはこれが2系統搭載されています。たとえばATEM Miniシリーズでは、トランジションでDVEが選択されているときには、PinPを使うことができません。これらの製品ではDVEを1系統しか搭載していないからです。
FTB
Fade to Black。暗転。有効になっているあいだは点滅。
ISO
Isolation Recording。アイソレーション収録。個別収録。ISO収録の美点についてはこの記事をご覧ください。
配信後のマルチカム編集が楽になる裏ワザ 〜ATEM Mini ISOのISO収録〜
世の中のテクノロジーには、一言説明すれば誰でも直感的にすぐに理解できるものと、どれだけ説明してもあまりピンとこなくて、自分で試してみてやっと理解できるもの、このふたつの種類があります。ATEM ...
MP1
Media Player 1。メディアプレーヤー1。ロゴやテロップなどを登録して、DSK(前述)で使える。ATEM Mini本体のSTILLボタンでもアクセス可能。
MP2
Media Player 2。メディアプレーヤー2。ATEM Mini Extremeシリーズにはメディアプレーヤーが2系統搭載されている。音声ファイル形式のMP3や動画ファイル形式のMP4などとは違う話。
M/V
MultiView。マルチビュー。入力されている映像やオーディオの状況などを分割画面で確認できる。
PGM
Program。プログラム。番組。オンエアされている映像のこと。
PinP
Picture in Picture。ピクチャー・イン・ピクチャー。映像の中に映像をはめ込む手法。
ATEM Mini & ATEM Mini Proでカメラ1以外の入力をPinPで使う方法 〜PinPに関する質問まとめ〜
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PREV TRANS
Preview Transition。プレビュートランジション。PGMで使う前に、PRVでトランジションの効果を試すことができます。通常、マルチビュー画面で試すことが多いです。
PRV
Preview。プレビュー。これからオンエアされる映像。
SDK
Software Development Kit。アプリを自作するためのキットです。サポートページから最新版が手に入りますが、これは開発者向けのものなので、一般の方は気にする必要はないでしょう。たとえばこういうアプリを作るための資料が揃っています。
SDI
Serial Digital Interface。HDMIが民生用の映像伝送規格だとするなら、SDIは業務用の映像伝送規格。ATEM SDIシリーズは、ATEM MiniシリーズのSDIバージョン。SDIはHDMIに比べて伝送距離が長い、抜けにくい、不具合が少ないなどのメリットがあります。
S/SRC
SuperSource。スーパーソース。最大4系統のPinPを作ることができる機能。ATEM Mini Extremeシリーズに搭載。
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