11月11日、DaVinci Resolve 18.1がリリースされました。DaVinci Resolveを長く使ってきた方はおわかりかと思いますが、DaVinci Resolveにとって0.1は大きな変化です。今回のDaVinci Resolve 18.1も100以上の機能追加や不具合修正が含まれています。この記事ではDaVinci Resolve 18.1の新機能をほぼすべてご紹介いたします。
こんな長い記事を読んでる時間がない、という方のために、今回のアップデートの目玉機能をまとめておきます。
- ボイスアイソレーション(AIを使って人の声から背景音を消してくれる有償版のみの機能)
- ダイアログレベラー(人の声のレベルを均一にしてくれる機能)
- Fusionページでマジックマスク
- Fusionページでショートカットをカスタマイズ可能に
- Fairlightページで小節・グリッド表示(音楽制作にも使えるようになりました)
- YouTubeに動画と一緒にサムネイルをアップ
- 縦型動画プリセット
- コラボレーションでタイムラインごとのロック
- 「表示」プルダウンメニューの刷新(パワービンなどの項目が移動しました)
- パフォーマンス向上(テキスト+やノイズリダクションなどが高速化しています)
メディアページ
スマートビンでマーカークリップを表示
ソースクリップにマーカーをつけたとき、スマートビンでそのマーカーがクリップとして表示されるようになりました。
矢印キーでマーカーを選択した際にマーカーが選択されるように
Shift + 上下の矢印キーで、タイムラインやソースクリップのマーカー間を移動できます。この際に自動的にマーカーが選択されるようになりました。
ソースクリップビューワーで前後のクリップに移動
ソースクリップビューワーでこの図のボタンを押すと、最後のフレームではなく次のクリップに移動するようになりました。
スマートビンにドラッグ&ドロップでキーワードなどを適用
キーワードやショット番号やシーン番号のスマートビンにクリップをドラッグ&ドロップで、一気にそのメタデータを複数クリップに適用できます。
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エディットページ
Speed Editorがエディットページにフル対応
これまでSpeed Editorはカットページ専用の印象が強かったですが、今回のバージョンからはエディットページでも多くの機能に対応し、使い勝手が良くなりました。
- トリム、ロール、スリップ編集とクロースアップ挿入(Close Upボタン)
- ディゾルブ削除(Cutボタン)、ディゾルブ適用(Disボタン)、スムースカット適用(Smth Cutボタン)
- デフォルトのトランジションの長さを設定(Trans Durボタンの2度押し)
- オーディオレベルの変更(Audio Levelボタン長押しでダイヤルを回す)
- フルスクリーン表示(Full Viewボタン)、タイムラインセクションのリサイズ(Snapボタン2度押しからの長押しでダイヤルを回す)、レビュー再生(Full Viewボタン2度押し、最後に編集した箇所の周辺を再生)
マルチカム画面表示(Sync Binボタン)、アングルを変更(1から9の数字キー)
Speed Editorの使い方についてはこちらをどうぞ。
字幕ツールの機能向上
字幕ツールがさらに使いやすくなりました。上書き機能を使うと、たとえばフォントサイズや背景を維持したまま、フォントスタイルのみを変更したりすることができます。
字幕のスタイルを項目別に上書き
太字とイタリックを使ったHTMLテキストへの対応を向上
3点メニューから字幕プリセットに対応
- 個別に字幕のルールを指定(1行の最大文字数、最短時間、1秒の最大文字数)
複合クリップを使用した際のアルファチャンネルの対応を向上
これまではアルファチャンネルつきのクリップにトランジションをかけて複合クリップにすると、アルファの情報が捨てられていましたが、今回からは維持されるようになりました。
配置先オーディオトラックをすべて選ぶ/外すというコマンドを追加
配置先トラック(Destination Track)というのは、この図にあるオレンジ色で囲まれた箇所です。ソースクリップをどのトラックに配置するかを指定します。
今回新たに「配置先オーディオトラックをすべて選ぶ/外す」というコマンドが追加されました。「タイムライン」のプルダウンメニューにあります。Option (Alt) + Command (Ctrl) + 9というのが、デフォルトのショートカットです。
トラックを追加した際、選ばれたトラックの上にトラックを追加
ビデオトラックやオーディオトラックを右クリックして「トラックを追加」を押すと、トラックが追加されます。これまではそのトラックはビデオトラックならいちばん上、オーディオトラックならいちばん下に追加されていました。今回からは、右クリックしたトラックのすぐ上やすぐ下にトラックが追加されます。
ギャップでもトリム編集
「末尾をトリム」(Shift + ]) や「末尾をリップルトリム」(Shift + Command + ] )を使うと、再生ヘッドの位置までトリムができますが、これは今まではクリップに対してしか使えませんでした。今回からはクリップが何もないギャップを対象にしてトリムができます。「先頭をトリム」(Shift + [) や「先頭をリップルトリム」(Shift + Command + [)も使えます。
エディットページでResolve FX ダストバスターに対応
エディットページでResolve FX ダストバスターが使えるようになりました。
エディットページでトラックリストとマーカーリストに対応
Fairlightページで使えていたトラックリストとマーカーリストがエディットページでも使えるようになりました。インデックス(Index)のタブから到達できます。トラックリストでは、Failrlightページと同じように、ドラッグ&ドロップでオーディオトラックを上下で入れ替えられます。
マーカーリストでは、Fairlightページと同じように、サムネイルでマーカーの位置情報を確認できます。
速度変更の長さの項目でタイムライン上の長さを表示
クリップを右クリックして「クリップの速度を変更」、もしくはインスペクタで速度変更のタブを開くと、長さという項目が存在しますが、これは今まではソースクリップの全尺、つまり素材クリップの全体の長さを表示していました。今回からはタイムライン上の素材の長さ──言いかえるなら、素材のイン点からアウト点までの使いどころの長さ──が表示されるようになっています。
ビンから再コンフォームでビン選択設定を維持
「ビンから再コンフォーム」を使用した際、「コンフォームビンを選択」しますが、その選択内容がDaVinci Resolveの再起動の段階まで維持されるようになりました。
Fusionエフェクトの入力をインスペクタでドラッグ&ドロップにより変更可能に
これは少し説明が必要です。こういうことです。
- Fusionページで合成をします。
- これをマクロとして登録するとき、メディア入力のクリップ名にチェックを入れて登録します。
- エディットページでそのマクロをクリップに適用します。インスペクタにはこのように表示されます。
- メディアプールから素材をインスペクタの「クリップ名」にドラッグ&ドロップします。そうすると素材が入れ替わります。
Fusionページ
Fusionページでのショートカットのカスタマイズに対応
Fusionページのキーボードショートカットをカスタマイズできるようになりました。これまでFusionページはショートカットのカスタマイズに対応していない唯一のページでしたが、今回ようやくその不名誉を払拭しました。
Fusionページでマジックマスクに対応
これまでカラーページでしか使えなかったマジックマスクが、Fusionページで使えるようになりました。もともと合成に向いている機能だったので、このツールがFusionページに追加されたのはすべてのFusionユーザーにとって非常によいニュースですね。
マジックマスクとはなんぞや、という方はこちらの動画をご覧ください。
FusionページでResolve FXのキーヤー、ダストバスター、レンズフレア、ストップモーションに対応
これまでどういうわけかFusionページではいくつかのResolve FXが使えない状態でした。とくに3Dキーヤーなどのキーヤーツールが使えなかったのは不思議な話でした。というのはFusionページこそキーイングに向いているセクションだからです。ようやく今回のアップデートで、いくつかのツール──正確にいえば、3Dキーヤー、ルマキーヤー、HSLキーヤー、ダストバスター、レンズフレア、ストップモーションの6種類──がFusionページで使用可能になりました
エディットページの下のトラックのクリップを表示
Fusionページの「メディア入力」にMedia Sourceという項目が追加されました。ここでBackgroundを選ぶと、エディットページの下のトラックにあるクリップの映像にFusionページでアクセスできるようになりました。たとえばエディットページでトラックを重ねてテキストの合成をしたとき、Fusionページでその合成を再現できます。
テキスト+のパフォーマンスが最大10倍に
テキスト+の再生・レンダリングパフォーマンスが向上しました。最大10倍というのはあまりピンとこないにせよ、たしかにテキスト+がよりサクサク動くようになっていますね。
可変ブラーとフィルムグレインのGPUアクセラレーション
可変ブラーとフィルムグレインというふたつのツールがGPUアクセラレーションに対応しました。Fusionページのツールは現段階では主要なものはほぼすべてGPUアクセラレーションに対応しています。
FusionページでARRI Wide Gamut 4、ARRI LogC4に対応
ARRIカメラの新しいカラースペースとガンマ、ARRI Wide Gamut 4、ARRI LogC4をFusionページでも選べるようになりました。
ちなみにカラーマネジメントではすでにこれらのカラースペースとガンマには対応しています。
Resolve FX
Resolve FX Sky Replacement
空を入れ替えるためのResolve FXが追加されました。今までもFusionページやカラーページでノードを駆使して空の入れ替えはできました。たとえばこのようなやり方です。
しかし今回、Sky Replacementという空の入れ替えに特化したResolve FXが追加されたことで、カラーページでさらにお手軽に空の入れ替えができるようになりました。ただお手軽とは言っても、やり方を学ぶ必要はやはりあります。ここで簡単にやり方を説明してみます。
- まずオリジナル素材の空をHSLキーやマジックマスクなどで抽出し、そのカラーノードにSky ReplacementのResolve FXを追加します。
- そのノードを右クリックして、「OFXの入力を追加」を選択。
- 入れ替えたい対象の空を含む、バックグラウンドのクリップをメディアプールからノードセクションにドラッグ&ドロップ。
- 外部マットとして追加されたそのノードの先にシリアルノードを追加。これはバックグラウンドのクリップの位置などを操作するため。
- Sky Replacementのノードの2番目の緑の入力に、そのノードを接続。
この手順を終えると、このようなノードツリーができているはずです。
Resolve FXサーフェストラッカーでモーションブラーに対応
Resolve FXサーフェストラッカーでモーションブラーに対応しました。サーフェストラッカーはFusionページでも使えます。
Resolve FXのアルファをグレーディングに使用
Resolve FXを適用したノードで右クリックすると、OFX Alphaという項目が現れます。ここでEnable、Use for Mixingと選ぶと、そのノードのResolve FXで抽出したところを対象にグレーディングが適用されます。
Resolve FXフィルムグレインでRGBコントロール
Resolve FXフィルムグレインでフィルムグレインの赤、緑、青を別々に制御できるようになりました。
Resolve FXのノードで「OFXの入力を追加」で自動的にアルファ入力も追加
カラーページのResolve FXの適用されたノードで「OFXの入力pを追加」を選ぶと、自動的にアルファ入力も追加されるようになりました。今までは緑色のビデオ入力が追加されただけでした。
Resolve FXフェイス修正の機能向上
Resolve FXフェイス修正での瞳をシャープにする機能が向上しました。
カラーページ
Dolby Visionのシネマトリムに対応
Dolby Visionセクションでシネマトリムに対応しました。今回のアップデートでDaVinci ResolveはDolby Vision XML 5.1.0フォーマットに対応していますが、このフォーマットにはDolby VisionシネマターゲットとL11メタデータが含まれています。適切なターゲットディスプレイを選ぶことで、ホームターゲットとシネマターゲットのトリムを使用できます。
Dolby Vision 4.0のプロジェクトから5.1.0のXMLを、「ファイル」メニューから書き出すときには、以下の図のようにホームかシネマかなど、細かく選択肢が出てきます。
トラッキングがトランジションの箇所でも動作
トランジションののりしろがあるクリップでトラッキングを実施したとき、これまではクリップの外のトランジションまではトラッキングされず、クリップの切れ目(編集点)で止まってしまっていました。手動で再生ヘッドを動かしてトラッキングしたり、「表示」のメニューから、「クリップをハンドル付きで表示」というコマンドを使用したりすることにより、この問題を回避することはできましたが、少々面倒なところはありました。今回からはクリップの外のトランジションの範囲も自動的にトラッキングしてくれます。
マルチカムクリップや複合クリップでのリサイズ品質の向上
マルチカムクリップや複合クリップを使用したときのリサイズ(スケーリング)の品質が向上しました。
人の顔のトラッキングの性能の向上
人の顔が横を向いたり、何かが顔をさえぎったりしたときのトラッキングの性能が向上しました。
DaVinci Wide GamutをRCMで使用した際のテキスト+の挙動の向上
Resolve Color ManagementでDaVinci Wide Gamutを使用したときのテキスト+の挙動が改善されました。
スコープの目盛りの改善
これまではスコープでパーセンテージ表示したときに、10%単位で区切られていませんでした。これが今回は改善されています。
加えて、HDR表示したときに、500nitsや1000nitsなどの区切り線も表示されるようになりました。
マジックマスクやクリップカラーでフィルタリングが可能に
クリップをフィルタリングするとき、マジックマスクやクリップカラーでもフィルタリングできるようになりました。
Resolve FXにゴミ箱マーク
Resolve FXのセクションにゴミ箱マークが追加されました。これまではノードを右クリックして「OFXプラグインを削除」しないといけませんでしたが、今回からはResolve FXのパラメーターセクションに、誰でも見間違えようがないゴミ箱マークが現れるようになったので、より直感的にResolve FXを削除できるようになりました。
DaVinci Resolve Advanced Panelの機能追加
今回のアップデートではDaVinci Resolve Advanced Panelに新しい機能が追加されています。
- グループ化されたクリップのクリップ間やタイムライン間の切り替えの機能向上
- Modeボタンでプライマリーコントロールの機能を選択可能に
- クオリファイアーメニューの機能向上
- パワーウィンドウメニューの機能向上
- シフトダウンでloopボタンを押すと、再生ヘッドモードを切り替え
- サイドパネルでレファレンスワイプモードをドック可能に
Fairlightページ
ボイスアイソレーション(有償版のみ)
これは今回のアップデートの最大の目玉機能といえるかもしれません。少なくとも最大の目玉機能のひとつであることは間違いありません。音声から背景音やノイズを排除して、人の声だけを抽出してくれる、DaVinci Neural Engine(AI)を使用したツールが、DaVinci Resolve Studio 18.1──つまり有償版のみということですが──に導入されたのです。使い方が簡単で、しかも効果は抜群という、使う側にとっては夢のような機能です。説明もほとんど必要ないので、新機能についての記事の執筆者にとっても夢のような機能です。インスペクタの中にある機能なので、ありがたいことに、カットページやエディットページでも使えます。
これはすでにいくつか動画が上がっているのでそれを掲載しておきます。
このボイスアイソレーションは、次の項目のダイアログレベラーと同じく、クリップ単位でかけられるだけではなく、ミキサーでトラック単位で適用することも可能です。
ダイアログレベラー
Dialogue Levelerという、人の声のレベルを平準化するためのツールが、これまたインスペクタに追加されました。インタビューや対談など、人の声を録音してあとで聞いてみると、場所によって大きすぎたり小さすぎたりすることがあります。これまではそれをノーマライズやコンプレッサーなどを使ってなんとか滑らかにしようとしていたわけですが、このツールだけで同じことが効率よく実現できます。
それぞれの設定の意味を記しておきます。
モード
Optimized for most sources → デフォルトの設定で、だいたいはこれでうまくいきます
More lift for low levels → 音が小さすぎて、もっと大きくしたいときに選びます
Lift soft whispery sources → 素材にささやき声と背景音が入っている場合に選びます
Allow wider dynamics → 大きい音から小さい音まで、音のダイナミックレンジが広い場合に選びます。
チェックボックス
Reduce loud dialogue → リミッターと同じように大きすぎる音を抑えます。
Lift soft dialogue → 人の小さすぎる声を上げてくれますが、背景音のみが聞こえているセクションではその音は大きくなりません。3つのチェックボックスのうち、これがいちばんオススメです。背景音を大きくすることなく、人の小さな声を自然な形で上げてくれるからです。
Background reduction → 背景音を小さくします。
ダイアログレベラーのダイアログを開いて、どのような効果がかかっているか波形で確認することもできます。
ちなみにFairlightエンジンには、遅延補正(Delay Compensation)が搭載されていて、これが自動で常に働いています。たとえばDialogue LevelerやFailright FXやVSTプラグインなど、さまざまなエフェクトを適用したとしても、タイムライン上で音がカクついたり、映像と音声がずれたりすることはありませんが、これは裏で遅延補正が働いていて、勝手にFairlightエンジンが先回りしてそういったエフェクトを前もって処理してくれているからです。
小節表示に対応
小節表示に対応しました。音楽関係の方からよくご要望をいただいていた機能です。
たとえば16分音符の設定で003 | 03 | 09と表示されているときには、それは再生ヘッドが3小節目、3拍目、9番目の16分音符の場所にあることを示しています。
グリッド表示
タイムコード表示の場合も、小節表示の場合も、グリッドをタイムラインに表示できるようになりました。たとえば1フレームずつのグリッド表示にして、グリッドに再生ヘッドがスナップするようにしておけば、フレーム単位で音声を編集できます。
現在の場所をグリッドの開始地点にしたいときには、タイムラインのいちばん上の箇所を右クリックして、Set Tempo Grid Startを押します。
テンポがわからないときには、自分でテンポを数えながらイン点とアウト点を打ってから、同じく右クリックでSet Tempo Grid BPMを押して、そのイン点からアウト点が何拍か入力します。そうすると自動的に正しいテンポが設定されます。
タイムラインの表示の中心をイン点、アウト点に移動
タイムラインのいちばん上を右クリックしてFocus Range Startと押すと、現在表示されているタイムラインの中心がイン点に移動します。Focus Range Endはアウト点です。すぐにイン点やアウト点の近くを編集したいときなどに便利です。
オートメーションの機能向上
今回のアップデートではオートメーションの面でさまざまな機能が追加されています。
ベクターキーフレーミングによるオートメーションカーブ編集
これまでよりも滑らかにペンシルでオートメーションが書けるようになりました。
Option(Alt)を押してオートメーションのキーフレームを追加
追加はOption(Alt)、削除はOption (Alt)+ Command(Ctrl)です。
再生ヘッドを動かした際のオートメーションの効果の反映がより迅速に
今までは再生ヘッドを動かしたとき、ちょっと遅れてオートメーションの効果がフェーダーなどに反映されていましたが、今回からは原則としてリアルタイムで反応するようになっています。
「編集選択モード」が「フォーカスモード」に
「編集選択モード」が「フォーカスモード」に置き換わりました。このフォーカスモードでは、オートメーションのキーフレームポイントの範囲選択ができます。
範囲選択してオートメーションのキーフレームを一括変更
簡単にオートメーションの編集ができるようになりました。前述のフォーカスモードが便利です。選択した範囲のキーフレームを一括削除したり、ナッジしたり、別のトラックへのコピペをしたりできます。Shift + Option(Alt)でペンシルを使うこともできます。
オートメーションアクティブレンジ
オートメーションを追加、編集できる範囲が指定できるようになりました。オートメーションアクティブレンジです。これはイン点、アウト点とは異なる機能です。この赤いバーが目印です。
Fairlightのプルダウンメニューの「オートメーション」から指定できるほか、イン点とアウト点を打ってから、タイムラインの上のルーラーを右クリックしてSet Automation Active Rangeから指定できます。
グライドタイム設定
オートメーションがデフォルトでクリップの編集点に沿うように
タイムラインのどこでもオートメーションを書けるように
パンチ、セーフ、ゾーン、新しいミックスのためのコントロール
セーフというのは、オートメーションを反映させないための機能です。
Fairlightのタイムラインでリップルカットとペースト挿入
Fairlightのタイムラインでも、エディットページと同じように、リップルカット(Shift + Command + X)とペースト挿入(Shift + Command + V)が使えるようになりました。
「チャンネルごとに1トラック」で書き出した際にオーディオチャンネル名を維持
「チャンネルごとに1トラック」で書き出した際にオーディオチャンネル名を維持するようになりました。オーディオチャンネル名はファイル名の最初に付与されます。
メーターやミキサーでトラックにカーソルを置くとトラック名を表示
メーターやミキサーでトラックにカーソルを置くとトラック名を表示されます。
バスを削除するときに再確認
「バスのフォーマット」でバスを削除するとき、そのバスにオートメーションやアサインメントがある場合には、確認のダイアログが表示されます。
複数バスの一括削除
「バスのフォーマット」で複数バスを選んで、一気にそれらのバスを削除できるようになりました。
メーターの表示方法を変更
メーターを右クリックすると、列の数やトラックの幅を指定できるようになりました。
ギャップがある場合にもクロスフェード可能に
ギャップが含まれていても、選択範囲に自由にクロスフェードがかけられるようになりました。
- 範囲を選択します
- 「トリム」のプルダウンメニューから「選択をクロスフェード」を選択します
- クロスフェードがかかります
ADRの機能向上
ADR(アフレコ)セクションがより使いやすくなりました。ショートカットも追加できるようになっています。
デリバーページ
YouTubeへアップロードの際にサムネイルを登録
YouTubeへ直接アップロードはこれまでもできましたが、今回からはサムネイルも一緒にアップロードできるようになりました。
YouTubeへアップロードの際にエンコードプロファイルを設定
これもYouTube関連です。エンコードプロファイルの設定が表示されるようになりました。
Auto → 自動で選択されます
Base → ビデオ会議やスマホの画質並みの高圧縮です
Main → H.264の場合には、SDレベルの画質です。H.265の場合には、8bit 4:2:0の圧縮です
Main10 → H.265の場合のみ選べます。10bit 4:2:0の圧縮です
Main 4:2:2 10 → H.265の場合のみ選べます。10bit 4:2:2の圧縮です
High → H.264の場合のみ選べます。ブルーレイのHDレベルの画質です
YouTubeなどへアップロードする前にチェックするオプション
レンダーキューのセクションで選択できるReview before uploadを有効にしておくと、YouTubeなどのSNSへアップロードする前にチェックができます。
この設定が有効のときには、書き出し後、レンダーキューに「アップロードを待機」(Waiting for upload)というメッセージが出てきます。このジョブを右クリックして、Finderで表示をして動画をチェックして、アップロード(Upload to YouTube)を押すとアップロードが開始されます。
カスタム書き出しでDropbox、Dropbox Replayへの直接書き出し
カスタム書き出し(Custom Export)で、これまでのYouTubeに加え、Dropbox、Dropbox Replayへのアップロードを選べるようになりました。
H.264/H.265エンコーダーを自動選択
H.264/H.265の書き出しのとき、そのマシンで最適なエンコーダー──NVIDIA、AMD、Intel QuickSyncなど──が自動選択されます。もちろん自分で別のものを選択してもかまいません。
NVIDIA環境でAV1ハードウェアアクセラレート書き出し
対応しているNVIDAの環境であれば、AVIファイルを書き出すときにハードウェアアクセラレーションが使えるようになりました。
ファイルフォーマットとコーデック
Dolby Vision H.265 Profile 5の読み込みに対応
Dolby Vision H.265 Profile 5という種類のクリップの読み込みに対応しました。
AAFの読み込み、書き出しでタイムラインマーカーに対応
タイムラインマーカーがAAFの読み込み、書き出しで維持されるようになりました。
IMFワークフローの機能向上
- タイムラインマーカーの読み込み、書き出しに対応
- マルチチャンネルのオーディオメタデータへの対応を向上
FCPXMLファイルを読み込む際に特定のタイムラインを選択
FCPXMLファイルを読み込む際に特定のタイムラインを選択できるようになりました。
プロジェクト設定や環境設定
縦型動画のプリセット
これまでも縦型動画には対応していましたがより使いやすいようにチェックボックスが現れました。いちいち数字を打ち込まなくても大丈夫です。
プロジェクト設定のプリセットが移動
これまでプロジェクト設定のプリセットはタブとして用意されていましたが、今回からはプロジェクト設定画面の右上の3点マークからアクセスできるようになりました。
出力スケーリングでUHD、DCIに対応
プロジェクト設定のイメージスケーリングのタブの出力スケーリングのセクションで、Ultra HD、DCIが選べるようになりました。
UIスケーリングを自由に変更
WindowsやLinuxの環境でDaVinci Resolveを使ったとき、文字が小さすぎたり、文字が大きすぎたりしたことはありませんか? 今回から(正確には18.1.1から)、表示スケーリングをDaVinci Resolve側で自由に決められるようになりました。環境設定のワークスペースオプションのUI Display Scaleから設定してください。
キーボードのカスタマイズ
新しい項目
「クリップを上に移動」、「クリップを下に移動」、「録音」などの項目が、キーボードのカスタマイズのセクションに加わり、自由にショートカットキーを割り当てられるようになりました。既出ですが、Fusionページのショートカットが割り当てられるようになったのも大きなポイントです。
サブメニューを検索可能に
キーボードのカスタマイズでコマンド自体ではなく、その上の階層のサブメニューも検索できるようになりました。
ホバリングによってコマンドの階層を表示
キーボードのカスタマイズのアクティブキーのセクションでコマンドを検索するとき、カーソルをそのコマンドにホバリングすると、そのコマンドがどの階層にあるか示されるようになりました。
ショートカットが重複したときに警告マークをクリックですぐに重複先を表示
ショートカットが重複すると、びっくりマークの黄色い警告がでます。これをクリックすると、左のアクティブキーのコマンドのセクションに、同じショートカットが使われているべつのコマンドが表示されます。これによってキーボードが重複するコマンドを見つけやすくなり、重複を引き起こしている別のコマンドからショートカットを取り除きやすくなります。
全般
コラボレーションでタイムラインごとのロックに
これまでBlackmagic Cloudを含むコラボレーション(共同編集)をしているとき、誰かがあるタイムラインを使うと、そのタイムラインが含まれるビンごとロックされていました。今回からはビンロックではなく、タイムライン単体のロックになります。
もちろん今までどおり手動でビンをロックすることは可能です。
複数プロジェクトの一括書き出し
プロジェクトマネージャーで、複数プロジェクトを選択して一括で書き出せるようになりました。
プロジェクトフォルダのコピーペースト
プロジェクトマネージャーで、プロジェクトフォルダをコピーペーストできるようになりました。
「表示」のプルダウンメニューのアップデート
「表示」のプルダウンメニューが再構築され、よりわかりやすくなりました。これまで40項目以上あったメニューが、25項目になりました。
これに伴い、これまで「表示」のメニューにあった項目で、すべてのページで使うわけではないメニューは、別の場所に移動しました。
パワービンやスマートビンの表示/非表示のメニューは、メディアプールのプルダウンメニューに移動しました。
再生ヘッドの影を表示するメニューや、タッチパッドなどでのタイムラインのスクロールを可能にするメニューは、環境設定に移動しました。
ハイライトモードなど、カラーページでしか使用しないものは、カラーページのビューワーの3点メニューに移動しました。
スチルのメニューやタイムラインワイプをステップするメニューも、カラーのプルダウンメニューに移動しました。
DRTファイルに素材の場所の情報を格納
DRTファイルとは、DaVinci Resolve Timelineの略で、タイムラインのみをやり取りしたいときに使います。そのDRTファイルを書き出したとき、素材の場所の情報も含まれるようになりました。
ATEM ISO収録のプロジェクトを開くと、音声にも編集点
ATEM MiniのISOモデルでISO収録をすると、DaVinci Resolveのプロジェクトファイルが生成されます。これはこの記事でも詳しく書いたとおりです。
配信後のマルチカム編集が楽になる裏ワザ 〜ATEM Mini ISOのISO収録〜
世の中のテクノロジーには、一言説明すれば誰でも直感的にすぐに理解できるものと、どれだけ説明してもあまりピンとこなくて、自分で試してみてやっと理解できるもの、このふたつの種類があります。ATEM ...
今回からは、そのプロジェクトを開いたときに音声クリップに編集点が刻まれるようになりました。些細なことかもしれませんが、タイムラインの編集をするときにさらに便利になりました。

中ボタンでクリップサムネイルをスクロール
カラーページとFusionページのサムネイルセクションで中ボタンを押しながらドラッグすると、そのセクションの中を横に移動できるようになりました。
新しいスクリプトAPI
再生ヘッドがある場所の現在選ばれているトラックの音声を見つけるAPIコマンドが追加されました。
パフォーマンス向上
今回のアップデートでは、普段のアップデートよりもさらにパフォーマンスの面での改善項目が多く含まれています。
- オプティカルフローの高品質モードで最大2倍速
- テキスト+の再生とレンダリングで最大10倍速
- Apple SiliconでRCMのパフォーマンス向上
- フェイス修正のトラッキングと分析が最大5倍速
- Resolve FXのオブジェクト除去が最大5倍速
- Apple Siliconでリサイズが最大2倍速
- 空間的ノイズ除去が最大4倍速
- 時間的ノイズ除去が最大30%高速化
- スタビライズが最大5倍速
- ノードグラフが複雑になった場合の再生パフォーマンスの向上
- Apple SiliconでのPIZ EXRファイルの読み込みが最大2倍速
- Apple SiliconでRAWのデコードパフォーマンスが向上
- 8K H.265ファイルのNVIDIAハードウェアデコーダーを使用した再生が最大30%高速化
- デュアルNVIDIAエンコーダーを使用した場合のAV1とH.265の書き出しが最大50%高速化
- プロジェクトライブラリがたくさんある場合のMacでの起動時間の向上
- WindowsのIntel環境で、AI対応の機能に対してOpenVINOのアクセラレーションが使えるように
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