【Blender】VFXアーティストが選ぶ!DAIV PC!ポイント解説つき

Sponsored by 株式会社マウスコンピューター
2022.12.08 (最終更新日: 2023.03.20)

BTOパソコンで知られるマウスコンピューターの動画・映像編集向けシリーズPC「DAIV」。本稿では、映像ディレクター・VFXアーティストの涌井 嶺氏に、スペックの異なる3モデルを試用して検証してもらった。

  • 映像ディレクター・VFXアーティスト涌井 嶺

    1993年生まれ。東京大学、同大学院卒業。2021年春、人物以外をすべて3DCGで制作した実写合成MV「Everything Lost」を公開。「VFX-JAPANアワード2022 CM・プロモーションビデオ部門」優秀賞受賞をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられる話題作となる。2022年には「映像作家100人2022」に選出された。
    Web:https://www.raywakui.com/

ノート型とデスクトップ型の両方を検証!

涌井氏は以前から制作環境の一部にDAIVを導入しており、現在は外出先でのBlenderによる作業に16型ノートのDAIV 6Hを活用しているとのこと。

そこで今回のレビューでは、DAIVの製品の中から、自身が使用している6Hよりもリーズナブルに導入できる15.6型ノートのDAIV 5Nと、デスクトップ型のメインストリームモデルDAIV Z9(プレミアムモデル)、そしてハイエンドワークステーションのDAIV Z9-A6の3モデルを選定してもらい、3DCG制作の観点で比較・検証を実施。

※Z9-A6のみ、CPUをCore™ i7-12700 プロセッサーからCore™ i9-12900 プロセッサーにカスタマイズして使用 / 追加料金28,600円(税込)

まず、エントリーモデルとしてノート型のDAIV 5Nを選んだ理由は、自身が使用しているDAIV 6Hと比較をしてみたいという思いから。

涌井 嶺氏(以下、涌井):今使っているDAIV 6Hは、自分の中の「今年買って良かったランキング」で上位に入る製品です。軽いし、ノートなのにテンキーやSDカードスロットも付いていて、出先で3DCGの作業をするのにすごく使いやすいです。

製品としてのクオリティに惚れ込み、知り合いなどにも勧めているほど愛用中だ。

涌井:ただ、DAIV 6HはノートPCとしては少し値段が高いんですよね。なので、これから3DCGや映像を始める人向けに、必要なスペックは備えつつ手の届きやすい価格帯のものを使ってみようと思い、DAIV 5Nをチョイスしました。

涌井氏の私物DAIV 6Hと、試用したDAIV 5Nの詳細スペックはこちら

DAIV 6HDAIV 5N
CPUCore™ i9-12900H プロセッサー Core™ i7-12700H プロセッサー
メモリ64GB (32GB×2 / デュアルチャネル) ※カスタマイズ構成32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
GPUGeForce RTX™ 3070 Ti Laptop GPUGeForce RTX™ 3060 Laptop GPU
価格369,800円~(税込) ※メモリ標準容量32GB / 414,900円(税込)※メモリを64GBにカスタマイズ 269,800円~(税込)

涌井:Blenderに限らず、3DCGをやるならやはりGPUグラフィックスの性能が重要になってくるのですが、DAIVシリーズは動画や映像向けのラインナップが揃っているのでその点は安心です。DAIV 5NにもしっかりとメインストリームのGPUが乗っています。

また、Blenderに限らず細かなノードを操作する必要があるツールを使う場合、視認性の高さを確保するため解像度はフルHDではなく4Kがオススメとのことだ。

ちなみに、涌井氏の制作環境はデスクトップ型PCが1台、コンポジット用のMacが1台、そしてBlenderの制作作業用のノート型DAIV 6Hの計3台。自身のバンドでのツアー中など、出先でクライアントワークの修正を行う際にDAIV 6Hを頻繁に活用しているそう。

そしてミドルレンジモデルとして選んだのは、デスクトップ型のメインストリームモデルDAIV Z9(プレミアムモデル)。自身のDAIV 6Hとスペック面で同等のデスクトップ型という点が選定した理由の1つだ。

涌井:普段自分が仕事に使っているのと同様のスペックで、ノートではなくてデスクトップならどの程度違いがあるかを確かめたくて選びました。

最後に、ハイエンドモデルとしてDAIV Z9-A6を選択。価格はさておき、スペック盛々のPCで作業をしてみたいという気持ちでチョイス。

涌井:自分が体験したことがないくらい、とにかく“良い”マシンにしてみようというモチベーションで選びました。また、CPUをカスタマイズ可能なモデルなため、デフォルトのCore™ i7-12700 プロセッサーからCore™ i9-12900 プロセッサーにアップグレードして使用しました

さらに、ほかの2モデルと大きく違うのは、やはりグラフィックスですね。ワークステーション用のハイエンドGPUであるRTX A6000が乗っているのが強みです。

CPUに関しては、共同制作時の作業でパワーの良し悪しを実感する機会が多いと感じている。

涌井:別のクリエイターが作ったシーンファイルを受け取ってコンポジットする場合、まずはそのファイルを軽量化することが多いです。映像用にポリゴンをリダクションする作業などでCPUのパワーが大事になってくるので、今なら少なくともCore i7以上、できればCore i9を選びたいですね。シーンファイルを開いて保存する作業だけですごく時間がかかってしまうこともあるので。

検証する3モデルの詳細スペック

DAIV 5NDAIV Z9(プレミアムモデル)DAIV Z9-A6
CPUCore™ i7-12700H プロセッサーCore™ i9-12900 プロセッサーインテル® Core™ i7-12700 プロセッサー
メモリ32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)64GB (16GB×4 / デュアルチャネル)64GB (16GB×4 / デュアルチャネル)
GPUGeForce RTX™ 3060 Laptop GPUGeForce RTX™ 3070RTX™ A6000
価格269,800円~(税込)399,800円~(税込)1,099,800円~(税込)
詳細はこちら詳細はこちら詳細はこちら

Cyclesでのレンダリングベンチマークの差は?

各モデルの性能検証は、涌井氏のメインツールであるBlenderを用いて実施。用意したのは24フレーム120秒のシーンで、レンダリングは110フレーム目から行なってもらった。

レンダーエンジンには緻密でフォトリアルな描画を得意とする「Cycles」と、素早くある程度のクオリティを出せる「Eevee」の両方を使用。Cyclesでは1フレームだけをレンダリングし、Eeveeでは110フレームからリアルタイムレンダリングして、フレームレートのレスポンスにかかる時間を計測した。

なお、Cyclesでは雲やフォグなどのボリュームオブジェクトを多めに用意したシーンとボリュームを使わないシーンの2パターンを検証。

涌井Blenderは単にオブジェクトが増えたらレンダリングが重くなるという感じではなくて、特にボリュームオブジェクトが多くなると、一気に時間がかかるようになります。普段の仕事で困ったことも多いので、そこを試せるように重めのボリュームも用意しました。

では、早速レンダリングの結果を見てみよう。

<検証に使用した通常ボリュームの映像>

検証結果

<同じ映像に、ボリュームオブジェクトを乗せて検証>

検証結果

通常ボリューム・ボリュームあり共に、性能差が顕著に出る結果に。特に、DAIV 5NとDAIV Z9-A6では2倍以上の開きが出ている。「DAIV Z9-A6は、さすがにスピード感が目に見えて違いました」と驚きを露わにする涌井氏。

涌井:とはいえ、1フレームに10分以上かけるのは制作上現実的ではないので、あえて重くなるようにしていない軽めのシーンのレンダリングであれば、DAIV 5Nでもストレスなく作業できると感じました。

DAIVシリーズは全般的に、処理能力の平均値が高いと言えそうだ。

Eeveeでのフレームレートのレスポンス検証

続いて、Eeveeでのリアルタイムレンダリング時のフレームレートのレスポンスを確認。すると、DAIV 5Nでは再生直後に読み込みが起こるためか、体感的にレスポンスが良いとは言えない結果に。対してデスクトップ製品2モデル(DAIV Z9とDAIV Z9-A6)では再生直後のレスポンスも非常に良く、すぐに24コマで再生された。

<24コマに安定するまでにかかった時間を、DAIV 5NとDAIV Z9-A6で比較>

DAIV 5N

DAIV Z9-A6

この応答性は非常に大切だと話す涌井氏。

涌井:Cycles用のシーンを制作しているときも、アニメーションのスピード感を見るために、一度Eeveeに切り替えて再生することがよくあります。なので、再生直後からフルフレームレートでキビキビ再生してくれるのはありがたいです。

デスクトップ製品2モデルはものすごく速かったので、わりと重いシーンをガンガン使って何か作るのであれば、ストレスフリーにかなり効率良く作業できると思います。

<ビューポートでの読み込み速度を、涌井氏私物のデスクトップPCとDAIV Z9-A6で比較>

涌井氏私物のデスクトップPC

CPU メモリ GPU
Sense Infinity by iiyama Core™ i9-10900X 64GB GeForce RTX 3080

DAIV Z9-A6

ビューポートの応答性を大切にしているのは、画作りをコンポジットではなく、3Dシーンのビューポートで行うためだ。

涌井:ビューポートでしっかり見て調整できるのが第一。すごく時間がかかるレンダリングという工程を行う前に、何度も完成形を確かめながら進めるからです。

最近はクラウドレンダリングサービスのガレージファームを活用する機会も増えており、その観点からもビューポートでの作業性が重要になっていると涌井氏は考えている。

涌井:クラウドレンダリングを使い始めてからは、ビューポートでちゃんと絵が見れればそれだけで十分と感じるところは少しありますね。

ノートパソコンで外で作業をしている時にレンダリングもやろうとするとどうしても時間がかかってしまうのですが、ある程度そこで絵さえ見られていれば、あとはクラウドレンダリングを活用することで自宅のパソコンとの差は感じずに作業できます。プロジェクトファイルをいじる上で問題がなければ、ノートパソコンでも十分パワーがあるなとは思いました。

Bluetoothと前面インターフェイスも重要

その他、DAIVの仕様面では、ノート型・デスクトップ型の両方にBluetooth 5モジュールを内蔵している点を評価。

涌井:マウス、キーボード、ヘッドホンはもうBluetoothが当たり前になっているので、内蔵してくれているのがありがたいです。USBのアダプターを挿す形だと、それだけで1個埋まってしまうので......。

また、DAIV 5Nはノート型ながらもUSB 2.0×1、USB 3.0(5Gbps、Type-A 、常時給電対応)×1、USB 3.1(10Gbps、Type-C)×1と必要十分なインターフェイスを備えている点もポイントだ。

さらにデスクトップ型のDAIV Z9では筐体前面にUSB 3.0(5Gbps、Type-A)×2を備え、背面には7つのUSB端子を備えている。涌井氏は、特に前面にインターフェイスがある点を評価した。

涌井:背面のインターフェースもフルで埋まってしまいがちなので、割とよく抜き差しをするSSDなどを前面で繋げるのは便利ですね。あと、DAIVのデスクトップ製品はコンパクトでスタイリッシュな見た目なところも気に入っています。

左がDAIV 9Z、右が私物のメイン機(Sense Infinity by iiyama)

総評

DAIVシリーズのパフォーマンスの高さが際立つ結果となった今回のレビュー。涌井氏のように3DCGのプレビュー性能を重視し、出先でも軽快な作業環境を確保したい場合はノート型が選択肢に挙がる。一方で、複雑なシーンのレンダリングや4Kのレイヤーが大量にあるコンポジットを仕上げるならばデスクトップ型がフィットするだろう。

DAIV 5N 特徴まとめ

高性能GPUを搭載した薄型・コンパクトなクリエイター向けノートPC

こんな方におすすめ

  • 3DCGにしっかり取り組みたいが、デスクトップPCを買うほどの勇気はない方
  • 出先でもPCを持ち歩いて3DCGの作業をしたい方

ノートなのに重いシーンで固まることもなく、あまりボリュームを使わないシーンのレンダリングであれば難なく作業できる。

レンダリングスピードに物足りなさがあれば、クラウドレンダーファームなどと組み合わせるのがオススメ。

公式サイトはこちら

DAIV Z9(プレミアムモデル)特徴まとめ

第12世代CPU搭載でタスクの同時進行も快適なクリエイター向けデスクトップパソコン

こんな方におすすめ

  • 趣味 < 仕事 として、本格的に3DCGをやりたい方
  • 制作において、重いシーンを扱うことがある方

3DCG制作を仕事で行う場合に、個人的に全くストレスなく作業できるスペック。購入後にスペックが物足りなくなるということはほぼないだろう。

ビデオテクスチャなどの読み込みもスムーズで、よほど重いシーンでない限り、問題なく業務に使えると感じた。

公式サイトはこちら

DAIV Z9-A6 特徴まとめ

次世代の革新的なクリエイティブを最高のパフォーマンスで提供するワークステーション

こんな方におすすめ

  • ヘビーなシーンの制作でも、とにかくクオリティを追求したいクリエイターの方

3DCGクリエイターなら誰もが憧れるであろう、最高スペックのモデル。

強力なGPUスピードによって短縮される作業時間により、最終的なレンダリングの計算負荷を上げたり、シーンを作り込む時間を増やしたりと、作品自体のクオリティを上げるポテンシャルを持っている。

公式サイトはこちら

個々のクリエイターの制作事情に合わせた豊富なラインナップから、自分だけの1台を見つけてみてほしい。

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