「好き」を仕事にしない! 〜映像を生業にする「職業病」って "つらい" ものですか?〜【映像クリエイター ララッシュアワーの非・効率化計画 Vol.10】

こんにちは。
rrrushhourrr(ララッシュアワー) です。

ここ最近は嬉しいことに、お休みの日に外出する予定がたくさんありました。

博物館、展示会、映画館、テーマパーク、コンサート、カフェ…などなど

それぞれの予定は仕事とは全く関係ないのですが、その先々で色んな映像が目に入ります。

移動中の電車にはビジョン広告が、ランチを食べるお店にはサイネージ看板が、コンサート会場にはVJ映像が、美術館には作品の解説動画が...。

こんな具合で、平日ず〜っと映像につきっきりなのに、休日でも「映像」から完全に離れることは不可能なくらい、都会の生活は映像に溢れています。

写真引用:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/aTD1exk7Uh8

「職業病」ってつらいもの?

そんな環境に慣れ親しんでいる私は、目に入った映像を無意識に観察する癖がついてしまっています。私だけではなく、映像を生業にしている方であれば、この癖が付いている人がほとんどじゃないのかなとも思っています。

ここの文字モーション、書き順でワイプされてて丁寧だなぁ
色収差もグリッジも激しすぎるけど、これはこれで派手でいいな
ここは予算的にCGでやらざるを得なかったのかな?

とか。

たまにそういうことをポロッと口にすると、同行者からは必ず「職業病だね(笑)」と言われます。

職業病……確かに。

端から見ると、技術に囚われて純粋に楽しんでいないように見えるかもしれません。

でも私自身は、この見方を楽しんでいます!

「せっかく目に入れる情報なんだから、情報の密度が濃い状態で摂取したい」という感覚があるんですよね。「せっかく外食するんだから、直前までお腹空かせて美味しく食べたい」みたいな…。

う〜ん、ちょっと違うかもしれませんが…(笑)

とにかく、「ただ漫然と映像を見るよりもよっぽどお得じゃないか!」と思っています。なので、「うわ〜また仕事脳になっちゃって純粋に楽しめてないよ〜嫌だな〜」という気持ちはあまり浮かんできません。

画像引用:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/T69h1_YfR-w?utm_source=unsplash&utm_medium=referral&utm_content=creditShareLink

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脊髄反射で感動できるのは…

とはいえ、映像を目にしたときは「情報収集」としてのスイッチが入ってしまうので、感情よりは理性が優位になってしまうのもまた事実です。

そんな私が、理性を差し置いて脊髄反射的に感動することがあります。

それは、「ライブ」です。

画像引用:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/Qnlp3FCO2vc

「いやいや、さっきVJ映像に注目しちゃうって言ってたじゃん!」と言われそうですが、その前です! その前! 客電が落ちて、まさにこれからはじまるぞ…というその瞬間!!

この瞬間だけは、「待ちに待った公演が無事に開催されるという奇跡の瞬間を、この目で見られる」という圧倒的な感動によって思考が停止し、スーッと泣けます。

「幕開け」という日常から非日常へ入る瞬間の感動を味わうことこそ、ライブの醍醐味なんじゃないかと思うくらいです。

でもこれって、ライブに密接に関わるお仕事をしていないからピュアに楽しめるのでは…?

もし私が舞台スタッフとして働いていたら、照明の落ちるタイミングやBGMの音量など細かな部分が気になるでしょうし、演者を生業としていたら、感動を差し置いてアーティストの一挙手一投足を「パフォーマンスの勉強」として凝視してしまうかもしれません。

そうだとしたら…「職業病」って辛そうですね。

「好きを仕事にするとつらい」のか?

よく、「好きなことを仕事にするとつらい」という言説を聞きますよね。

私は好きなこと(映像)を仕事にしていますが、体力的にキツい納期が迫っている時以外は「つらい」と感じません。むしろ仕事をすればするほど、新しいことを覚えられて楽しいなぁと感じます。

だから、この言説は私には当てはまらないと思っていました。

しかし、このコラムを書いていて気付きました。

私が「感情的に好き」と言えるものは、歌・バンド・ダンス・演劇といった舞台芸術。

映像のお仕事は、手を動かして完成まで近付けていく工程が好きなので、どちらかというと「理性的な好き」と言えます。

つまり、「好き」の形が違うのです。

「心から好きなモノに対して間接的に関わる仕事だからこそ、本物を見た時の感動を享受しつつ、考察する視点も持てる」のでは?と。

大好きなモノに対してこれくらいの距離感の方が、情報量が適度にプラスされて一番楽しめるんじゃないかという私なりの仮説に至りました。

どうでしょうか、主役になれなかった負け惜しみのようにも見えるでしょうか?

ある意味そうかもしれないですが、私は今のお仕事が楽しいので結果オーライです!

画像引用:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/KgLtFCgfC28

それはそうと、純粋に楽しんでいる人の隣で、技術的なことを呟くのは夢を壊すからやめた方がいいですね…反省。

それではまた次回〜!


  • rrrushhourrr(ララッシュアワー)

    フリーランス・映像クリエイター。普段は「SAMPRAS DESIGN」で、モーショングラフィックスやVR映像を中心とした映像制作をしている。また、女性クリエイター応援プロジェクト「Story by Story SHIBUYA」の一員としても活動。好きなことに片っ端から足を突っ込んでいる”チカチカ系”クリエイター。

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映像クリエイター ララッシュアワーの非・効率化計画@rrrushhourrr_column

アラサーで脱サラしてフリーランスになったララッシュアワーが、何かと効率化を求める現代人に対して、あえて回り道する楽しさを伝えていく、”非効率的なコラム”を連載していきます!

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