こんにちは、kentaxと申します。
40歳の男性でフリーランスのデザイナーをしています。
自分自身も幼女の姿のバーチャル体を使用し「VTuberさん向け素材配布デザイナー幼女おじさん」として、TwitterでVTuberさん向けのフリー素材等を配布しつつ、VTuber界隈の考察や関連する技術、デザイン関連、ツール制作等多くの役立つ情報発信をしています。
今回から「VTuberノート」と題し、全20回に分けさまざまな側面からVTuberの活動をする際にどのようなことを学んでいけば行けばよいかを詳しくお伝えしていきたいと思います。
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"VTuber"を楽しくはじめる・のばす! 連載『VTuberノート』開始、全20回の連載記事でVTuberの活動をサポートします!
VTuberとして活動し、はや数ヶ月...チャンネル登録者数・フォロワー数が増えない! そんなお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか? そんなお悩みに答えるかのように、Twitterでは...
第1回目は「VTuberとして活動する前に確認しておきたい市場調査」です。
これからVTuber活動を始めようと思っている方はもちろん、すでに活動されている方もあらためてどの立ち位置にいるのか確認しながら、どう進んで行きたいのか考えてみましょう。
- VTuberkentax(ケンタックス)
クリエイティブユニットLUVCO主幹。同人レーベルhpt**にも所属。作詞・作曲・編曲やリミックス、グラフィックデザインからWebデザイン、UI/UX関連、WPやMTなどのCMS、Webサーバ関連、テクニカルを含むディレクションとマーケティング、写真撮影と動画撮影や動画制作とか、企画・プロデュース、インフラ整備やPCカスタマイズとか会計や経営補佐など多岐にわたって活動している。
- Web:https://kentax.net/
VTuberの定義って?
「VTuber」という言葉は「ユーチューバー(YouTuber)」と「バーチャル(Virtual)」が合わさってできたものです。バーチャルの体を使ってVRなどバーチャル世界で活動する人(人以外もたくさんいます)のことです。
この後詳しくお話ししますが、活動目的は多岐にわたり単に「有名になりたい」「一緒にあそぶ友人が欲しい」といったものから「バーチャルでしかできない表現をしたい」「今挑戦していることを見た目に振り回されず成し遂げたい、作り上げたい」「バーチャルで自分好みの好きな見た目になって新しいことを始めたい」「専門知識を発信したい」「ビジネスにしたい」など活動する人によってさまざまです。
VTuberが流行してからはスマートフォン、PC、VRなど多くの機材をはじめ、Live2Dや3Dモデルなど専用に制作するアプリケーションも増え、ツールや手段も当初では考えられないほど増えました。TwitterなどのSNSでは数日おきに新しいツールの情報やVRでのイベント情報も流れてきます。
このようにわずか数年で爆発的な広がりを見せており、今後もさまざまな業界に広がっていくことが予想されます。企業にもVTuberはあたらしい表現方法の一つとして注目されています。
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あらためてVTuber界隈について考えてみる「市場調査」
あらためて現在のVTuber界隈について市場調査をしてみましょう。まずは大手プロダクション(企業事務所)から見ていきます。
大手企業事務所
ホロライブプロダクション
株式会社カバーが運営するVTuber事務所。2019年12月2日に設立。現在では50名を超えるタレントが所属し、世界中に多くのファンを獲得している。
にじさんじ
ANYCOLOR株式会社が運営するVTuber/バーチャルライバーグループ。120名以上のライバーが所属し、バラエティ豊かなタレントが人気。
ぶいすぽっ!
株式会社バーチャルエンターテイメントが運営する、キャラクターIP事業。複数の女性VTuberが所属し、e-Sportsを中心としたプロジェクト。
VTuber事務所は他にも.LIVE、774 inc、のりプロ、VShojo、AVATAR2.0、GEMS COMPANY、Re:AcTなど、書き切れないほどの多くのプロダクションが存在しており、すべてを把握するのは難しい程になってきています。
上記の大手事務所は、主にエンターテインメントとして展開を行い、オンラインライブに限らず、リアルライブやグッズの展開、有名企業とのCMやコラボ等、リアルのタレントとほぼ変わらないことを行なっていることが特徴です。
VTuber界隈の大きなニュースとして取り上げられ、VTuberの代表のように伝えられたりしていることも多いです。スーパーチャットが億単位になったニュースなど、過去にない衝撃で情報がネットに限らず世界を駆け巡ったこともありました。
企業VTuber
このように企業に所属するVTuberを「企業VTuber」 「企業勢」と呼びます。
基本的にはタレントと同じでオーディション応募で企業に所属することがほとんどで、いまとなっては人気事務所はかなりの狭き門となっています。
そしてVTuber界隈の最近の流行は、こういった大手事務所が作り出していることが多いです。現在ではアイドル系、バラエティ系、e-Sports系と3つの流れがあります。先にあげた大手企業事務所3社がまさにその主流となっており、最近ではとくにe-Sportsに力を入れる企業が増えてきています。
個人VTuber
そして企業VTuberと対照的にあるものが「個人VTuber」 「個人勢」です。
こちらは文字通り一般の個人がVTuberとして活動しているものです。人によって目的は異なり、たとえば「とにかく有名になりたい」「友人を作りたい」「交流目的」といったものから、「クリエイターが自分自身の技術や表現を発信するため」「専門家として情報発信する」学術系とよばれるVTuber。
中には「性に関する問題をバーチャルで解決したい」、また大きな収益を得られる可能性も秘めているので「一発あてたい」と夢を見て参入する人も多いでしょう。
このように個人VTuberはそれぞれの目的を持ち多種多様な活動をしています。以前よりも目的や手段が増え、一言で「VTuber」の定義が難しくなるような広がりを見せています。ほとんどは個人VTuberの多様化によるものです。
2022年現在、VTuberは約2~5万人存在していると言われ、その中でも個人VTuberは90%以上を占めています。
ここまで増えた要因は、参入の敷居が下がってきたことにあります。
バーチャルYouTuberという言葉が出始めた2017年頃は、多くのVTuberはフルトラッキングの3Dで活動している方が多かったのですが、2018年以降にじさんじによるLive2Dを利用した配信スタイルが普及し、費用面などから2DによるVTuberが増えていきました。
また2020年頃にVRoidやVirtualCast、スマートフォン専用のREALITYやIRIAMなどが普及し始め、バーチャルライバーが爆発的に増えました。
企業VTuberと個人VTuberの違い
ここでひとつ、企業VTuberと個人VTuber、大きく違うことを覚えておきましょう。それは、ビジネスとして行なっているかどうかという点になります。
個人でもビジネスとして運用している方も多くいますが、比率でいうとかなり少ないのが現状です。また多くの個人VTuberが収益化ができていないことがほとんどです。
実際に収益化に必要な具体的な数字として、YouTubeでは登録者数が1,000人以上、再生時間が直近12ヶ月で4,000時間以上必須という条件があります。再生時間に関しては表面上は見えないですが、登録者数に関しては全YouTube中1,000人を超えているチャンネルは約10%となっています。
この割合は、VTuber界隈でも同等な数字になっているのではないかと思います。そう考えると実際に収益化できる最低限の条件をクリアした人の人数は、全VTuber人口を5万人と仮定した場合5,000人程度となります。さらにその中から専業、つまりVTuber活動だけで生活ができる金額を稼ぐ(仮に20万円程度)となると、更に少ないことになります。
こうしてみるとビジネスとして成り立たせるには大きな課題が多くあるのですが、直接収益を得るよりも、自分を表現する手段として活動している方がとても多くいます。
歌手活動、映像制作やイラストなどのアートの表現などクリエイターがバーチャルの身体を持ち、VTuberとして活動し自分の創作活動を発表する場としてVTuberを始めることも多くなってきました。
個人VTuberのメリットとしては、多くの場合、プラットフォームや使用素材等の制限以外に内容の制限はないため、自分が思い描いた活動を行うことができます。
基礎的な情報をどこで覚えるか
VTuberは、VirtualYouTuberの略ですが、その名前の通りそもそもはYouTuberをベースに発生したものです。
現在では「VTuber=ライブ配信」というイメージが強いですが、初期から現在でも動画をメインにして活動している方も多くいます。動画と配信については細かな違いはありますが、基本的な動画を主体とした発信の仕方に関する要素は、どちらもそれほど変わりません。
YouTubeについての基本的な点を学ぶ為に、わかりやすく説明をしてくれている動画やチャンネルを見ると良いかもしれません。
個人的におすすめのチャンネルは以下の2つです。
YouTubeマスターD
YouTubeで活動する人のためにどうしたら伸びやすいか、YouTubeの使い方などを詳しく説明してくれるチャンネルです。年によって少しずつ変わるところと、ジャンルによって当てはまらない箇所もありますが、基本的な要素や考え方などYouTubeに関することは、こちらを見てもらえれば多く学べると思います。
Vtuberクエスト
VTuberに特化したアニメーションによる動画解説のチャンネルです。VTuber界隈でよくある活動に関する悩みなどを面白おかしく動画にしています。リスナーとしての心得などもあり、VTuberという文化を含めて、どのように考えていったら良いか、ということがわかりやすく解説されています。掲載本数も多くあり、ライブ配信にて、リスナーからのマシュマロ(匿名の質問)の回答など、さまざまなケースについて見ることができます。
ライバル(競合)もチェック
実際にVTuber活動を始める前に、自分が発信していきたいジャンル、もしくは類似したジャンルですでに活動している人の調査は必ず行うようにしましょう。
そしてどういった内容の動画や配信などを行なっているか、どういったことをとりあげているかなどテーマの調査に加え「登録者数」「再生数」「コメント数」「同時接続数」などの数値も確認しておきましょう。
そのジャンルのトップクラスはどれくらいの数字や勢いがあり、実際にジャンル自体がどれくらい人気があるのか、というのがとても大事な指針になります。
また一つのチャンネルではなくいくつかピックアップして調べてみるのが良いでしょう。
実際にどういったことをチェックすれば良いか見てみましょう。
容姿、見た目
どういった見た目が人気があるのか。どんな服装が人気があるのか。髪や瞳の色、髪型もたくさんありますし、服装も季節によって替わったりします。またプラットフォーム上の制限などもありますので、使用する配信媒体に合わせてVTuberの体を準備する必要があります。
声、話し方など
音声は特に重要な要素です。人気があるVTuberがどんな声でどのような印象に聞こえるかを確認しましょう。また話し方でリスナーに与える印象は大きく変わりますので声のトーンや話し方も参考になる人を見つけておきましょう。
ライブや動画の内容(テーマなど)
どの動画が再生数が多いのか、またその内容などを詳しくチェックしましょう。そのジャンルでの需要を把握する近道です。
登録者数
登録者数はそのチャンネルの人気を表す一番の指標となります。正確には数字が人気とイコールではありませんが、表側で見える部分として一番目立つ数字なので、おおよそ人気があるのだろう、というイメージで良いと思います。
再生数
動画の再生数からは多くのことがわかります。動画によって再生数がバラバラな場合や、どの動画もおよそ同じような再生数、また群を抜いて文字通り桁違いに再生されている動画等、そのチャンネルで何が人気があるのかがわかります。
コメント数
コメント数は、動画についたコメント数とライブ配信でのコメント数のどちらにも言えることですが、多くの再生数がありコメントも多くあると、それだけアクティブかつ能動的なリスナーが多いチャンネルだと把握できます。また接続数との比率からリスナーの傾向も把握できたりします。
同時接続数
この同時接続は、ライブ配信の際に表示される同時にライブ配信を見ているユーザー数の数になります。近年ではこの数が多いほど人気が高いと言われることも多くなってきましたが、実際にはそのチャンネルでのリスナー全体の一部でしかないので、どちらかというと勢いがあるかどうかを表していると捉えた方がいいかもしれません。
終わりに
調査という名目の第1回目でしたが、いかがでしたか。
知っているつもりで、実際に行なってみると理想と大きくかけ離れていることが多いのがVTuber活動です。活動前に調査をしっかりと行い、自分のポジションや目指しているジャンルなどをしっかりと調べて、把握していきましょう。
Vol.0 イントロダクション
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【流行を見極める!】イマ熱いコンテンツを見つけよう『VTuberノート』Vol.2
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