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一眼動画撮影時のカメラ設定入門( F値, シャッタースピード, ISO感度)

2017.09.28 (最終更新日: 2021.01.07)

一眼動画撮影時のカメラ設定入門( F値, シャッタースピード, ISO感度)


今では割とコンパクトでも綺麗な写真や動画の撮影できるカメラが増えてきて、街でも女性がミラーレスのカメラを持ち歩いているのを見かけたりすることが多くなりました。

ここではデジタル一眼レフカメラ(ミラーレスは厳密には違いますが便宜上)=DSLR(Digital Single Lens Reflex)で動画を撮影する時に気をつけるべき基本的な設定について触れてみたいと思います。
少しでも動画を撮り始めたばかりの方の参考になれば幸いです。

写真をマニュアルで撮っていらっしゃるような方はご存知かと思いますが、カメラの露出を決めている要素は3つあります。

【シャッタースピード(SS)】、【絞り(F値 / Iris)】そして【ISO感度】です。

この3つを組み合わせることによって好みの画にするのですが、動画の場合は少し勝手が変わってきます。とは言え、一度覚えてしまえば写真ほど複雑ではありません。

しかし、一点だけ先に触れておくべき違いがあります。

動画というのは連続した静止画です。
パラパラ漫画を想像していただけると分かりやすいかと思いますが、1秒間に何枚の静止画をめくっていくかによって動画の滑らかさが変わっていきます。

枚数が多いほど滑らかになり、逆に枚数が少ないほどカクカクした動きになります。

この、【1秒間に何枚の静止画を表示するか】を表す数値が、【コマ数(fps = frames per second)】となり、1枚で完結する写真とは違う部分となります。

このfpsについては大まかに種類が決まっているので、まずは下記の3つくらいを覚えておけば十分かと思います。

① 24fps:主に映画で使用される。残像感のある、味わいのある雰囲気に。
② 30fps:テレビではこのfpsが使用されているため、一番しっくりと違和感なく見れるのではないでしょうか。
③ 60fps:30fpsの倍の滑らかさになるため、スポーツなどの動きの早いものや、スローモーションを使用する場合などに使用。

特に何もこだわりがなければここでは30fpsに設定しておけば良いと思います。

そして、ここからがSS/F/ISOの設定のお話。

家庭用のビデオカメラでは撮れないような、ふんわりとした綺麗な映像が撮れるのがDSLRの最大の魅力だと思いますので、そういった映像を撮る際の基本的な設定のコツをお伝えします。
DSLRに限らず、マニュアル設定ができるカメラであれば同様です。

まず、
① カメラのモード設定を【M(マニュアル)】モードに設定します。Autoでも撮れますが、屋外から屋内に入った場合や、被写体が動いた際などに設定が都度変わってしまったりします。
② F値は開放に設定する。(数字を可能な限り小さく)
③ SSはfpsの倍の値にする。(30fpsなら1/60秒に。24fpsなら48はないのでそれに近い1/50秒に。60fpsなら1/120に)
関東より東にお住まいの方は蛍光灯のチラツキ(フリッカー)がでてしまう場合があると思いますので、もしそのような場合はSSを1/100秒もしくは1/50に合わせてみて下さい。日本は50Hzのエリアと60Hzのエリアに別れていますので、50の倍数もしくは60の倍数であればチラツキと同じ速さでSSを設定すれば同じ周期で同期するというわけです。関西以西のエリアでは逆に60の倍数に設定してみて下さい)

まずはここまではスムーズだと思います。
そして、明るさを設定するのがISOになります。
ISOは数字が小さいほど高画質になるので、できるだけ小さく設定。暗い時は数字を少しづつ大きくしていきます。数字が上がれば上がるほどノイズが増え画質は悪くなっていきます。カメラの種類にもよりますが、例えば1600や3200以上とかでもまだ暗いと感じる様であればSSを半分の値にしてみたり、F値に余裕があれば数値を小さく設定してみる、もしくは照明を使用することも検討してみて下さい。

ISOの設定でどうしてもカバーできない場合に初めてF値やSSを調整します。
SSの設定で残像感を調整したりもできるのですが、これについてはまた別の機会にお話したいと思います。ご興味があれば例えば水道の水やシャワーなどをSSを変えながら撮ってみると違いがわかると思います。

思ったほど背景がボケてくれない場合には、例えば
① 被写体に近づいて、かつ被写体と背景の距離が遠くなるようにしてみて下さい。
② ズームレンズでは望遠側よりも広角側の方がF値が小さく設定できますので、ズームしている場合は広角側で。
③ より明るいレンズ(F値の小さいもの。単焦点レンズなど)を使用する。
などの方法がありますので是非試してみて下さい。

そして、日中などで明るい倍にこれ以上暗く出来ない!などという場合には【NDフィルター】という秘密兵器が登場するのですが、これもまたの機会に掘り下げてみようと思います。

これらはあくまで基本の設定なので、これが絶対!という訳ではありません。
ただ、全て手探りで設定するよりも近道かとは思いますので、この基本設定を基に、色々と試しながらご自身の好みの設定を見つけてみて下さい!
脱オート設定!(笑)

それではまた!

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