こんにちは、初老幼女おじさんのkentaxです。
今回はVTuberとして自分自身とどう向き合っていくか、どのようなことを考えていくけば良いのかというような活動を長く続けていくためや、楽しく続けていくために必要なベースの部分を深掘りしていきましょう。
- VTuberkentax(ケンタックス)
クリエイティブユニットLUVCO主幹。同人レーベルhpt**にも所属。作詞・作曲・編曲やリミックス、グラフィックデザインからWebデザイン、UI/UX関連、WPやMTなどのCMS、Webサーバ関連、テクニカルを含むディレクションとマーケティング、写真撮影と動画撮影や動画制作とか、企画・プロデュース、インフラ整備やPCカスタマイズとか会計や経営補佐など多岐にわたって活動している。
- Web:https://kentax.net/
アイデンティティとは
アイデンティティという言葉は聞いたことがあると思いますが、具体的にどんなことを差すのか把握していないひとが多いかと思います。アイデンティティとは、自分が自分であると自覚を持つこと、自分自身が何者なのか、また社会や他者から認められているという感覚もアイデンティティと言えます。
自分が自分であるという自覚と書きましたが、自分でなんとなく思っているだけで、実際にはしっかりと理解していないことが多いです。そのため、自分自身がどういうアイデンティティの元で行動しているのかわかっていないことが多いです。
しっかりと自分は何者なのか、それに伴った自分自身の強みや弱みなどをしっかり把握していきましょう。
視覚化と可視化
アイデンティティをしっかりと認識するためには、まず自分自身が考えていることや思想などを含め、視覚化や可視化、見える化していくことが大事です。
物事の内容を文章でまとめている人はいるのですが、それぞれを視覚化、可視化、見える化している人は少ないです。なぜそうしないかというと、その物事自体が頭の中にあり、どうしていきたいかがぼんやりとあることが多く、それを補助する文章だけがあれば、解決できてしまったり、そのものを思い出したりすることができるからです。
しかし、その文章はあくまで自分自身の中でしか解決しないことであり、時間経過や別のことを行った際、更に多くのことを考えなければいけなかったり、関連することが増えてくると、とたんにわからなくなってしまったり内容に対して正確な判断ができなくなったりします。また、事柄を他人に伝える場合に、会話と文章だけで、伝える為に多くの時間を使うことになります。このようなことを防ぐために、視覚化・可視化・見える化はとても大切な事柄になります。
視覚化、可視化、見える化と言っても、様々なものがあります。次に挙げる例や様々なツール等は、全てそのどれかに当てはまります。
実際に視覚化の例を見ていきましょう。
可視化
可視化とは、自分の状況などを文章で書いているものを、わかりやすく図などにすることを言います。
実際に文章で説明されてもわかりにくいことはかなり多くあります。
下記の文章を読んで想像してみてください。
○×駅の南口を出て、バス通りを道なりに約100m進みます。信号で言うと2つ目ですが、その交差点を左に曲がり、さらに50m進むと右手にガソリンスタンドがあるので、そこを右折します。30mほど進むとコンビニエンスストアがありますが、そのマンションの3Fに私の家があります。
上記の文章だけでは、目的地がわかりにくい、もしくは混乱をしてしまうと思います。しかし次のような地図にしてみるとどうでしょうか。
文章や文言の場合、理解する為に頭の中で視覚化をするはずです。その視覚化された内容は人によって異なる可能性が多いにあるので、イメージのズレや認識の違いを少しでも減らすために必要になっていくものです。
もうひとつ例を出します
あなたは大きなVTuber事務所に所属しています。社長以下に、3つの部署、管理部、営業本部、企画室があります。さらに管理部には総務課、経理課があり、総務課には業務課とIT課があります。営業本部には東日本営業部と西日本営業部があります。東日本営業部、西日本営業部ともに営業一課と営業二課という二課制をとっていて、あなたは営業本部、東日本営業部の営業二課に所属しています。
ここまでくると頭の中でイメージすることが追いつかなくなり、終わりまで読んだ頃には企画室のことなど忘れてしまっているかもしれません。
しかし、ここでこれを視覚化するとどうでしょうか。
そうです、これは組織図を文章で説明したものでした。
このように文章だけでは理解することが難しいことも視覚化することでわかりやすくなります。
可視化
可視化ですが、ここでは、自分の思いや思想、強みや弱み、そういったものをグラフや相関図などに落とし込むことです。
- ゲームが好き
- ゲーム自体は上手ではない
- 攻略や効率を考えるのは得意
こういった可視化は自分の立ち位置を確認する場合にも、競合するVTuberさんとの差別化の際にも役立ちます。
- 自分:ゲーム下手・効率は軽く考るエンジョイ派
- A:ゲーム上手・だいぶエンジョイ派
- B:ゲーム上手・かるく効率派
- C:ゲーム下手・攻略好き
- D:ゲーム上手・ガチ攻略派
- E:ゲーム上手・会話メインのエンジョイ派
- F:ゲーム上手・攻略解説
- G:ゲーム下手・エンジョイ会話派
自分と周りの人を可視化すると、自分の立ち位置がどこにいるのかということが文字通り目で見てわかるようになります。そうすることにより、もし自分が人とは違う所にいて、それを元に何を差別化の項目にしようか、というヒントなどが出てくるようになります。
こういった可視化ができない状態で強み弱みなどを考えたりすると、間違えた判断をすることが増え、最終的に自分自身が何をしてよいのか迷ってしまうことがおおくなったりしてしまうので、頭の中にあることを可視化していくことはとても大事です。
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アイデンティティを見つけよう
先に書いた通り、可視化と視覚化はとても大事な要素で、そこから自分はどういった立ち位置にいてどのようなことをしていきたいのか、その発想を多く出し、それを更に文章化し可視化・視覚化していきましょう。
しかし、アイデンティティを見つけようといっても、実はそんなに簡単にできなかったりします。それは何故かというと、どうやって自分自身を見つめていったらいいかということに疑問を持つからです。なかなか方法をまとめて書いているWebサイトもなく、実際にやってみると挫けることが多いです。
そこで、ここではいくつかに分けて項目を出していきましょう。
自分のやりたいことを知る・見つける
この自分のやりたいことを見つけることは、一番大事な項目です。そして一番悩んでしまう項目でもあります。実際VTuber活動ではないものの、筆者も若い頃に悩むことが多く苦しめられた経験があります。
そうです。やりたいことが多すぎるのです。
VTuberさんの多くは個人勢の方が多いことは第1回目で伝えましたが、個人勢の多くの方はコンテンツ特化型ではなく、エンジョイタイプやタレントタイプなどに当てはまる人が多いです。そのため周囲の環境に合わせて沢山のことをやりたい・やってみたいという誘惑が多いです。
この誘惑が多い為に、あれもこれもしたいという気持ちが増えていってしまっている人が多く、筆者に相談がくる人にも「何をしたら良いかわからなくなってしまった」と言う方が多いです。
そんな時どうしたらよいか、実際にやりたいことを見つけるにはどうしたら良いでしょうか。順を追って解説していきたいと思います。
自分自身の適正を知る
多くの場合、自分自身がどういったことに向いているのかを考え、どういったことが好きな傾向にあるのかということを知ることが大切です。その為には、自分自身の好きなことを動詞で捉え考えていくことが大事です。この動詞の中に自分自身の適正・強みや特徴などが隠れています。
探し方
- 自分ができること、やりたいこと、やってみたいこと、それぞれをできる限り書き出してみましょう。
- 次に自分自身が実際に行動して楽しかったことを50~100個ほど動詞で付箋などに書き出しましょう
- 行動して楽しかったことを書き出したものを以下の3つに分類します。 『Thinking:問題を解く、計算する、戦略を立てる』『Communication:人と会う、話をする、交流する』 『Leadership:物事を自分で決める、世話をする』
- 分類をした中で一番多い部分があなたの適正のタイプになります。
- 適正タイプと同じでやりたいこと、できること、やってみたいことを選んでください。
自分自身が感じる楽しさなどは、物事を続ける為の大きな要素になります。この適正に当てはまるやりたいことをベースに自分自身を見ていくことが大切です。
VTuberとしての自分
自分自身のアイデンティティを理解した後にあるのが、VTuberとしての活動理念に近い、設定等です。この部分に関してはとてもメタ要素ではありますが、活動をする上で大切な部分ですので、しっかりと決めておくことをオススメします。
ロールプレイングとリアル
VTuberさんのタイプは大きく2つに別れています。ひとつはロールプレイングタイプ。そしてもうひとつはリアルタイプです。この2つはVTuber界隈で議論になることもありますが、ここではどちらも表現ということで、決めておくと良い項目をお伝えしておきます。
ロールプレイタイプ
ロールプレイする場合、どこまで細かい設定をしておくかということが大事です。設定は細かい部分まで行っておけば良いと思われがちですが、運営を進めリアルタイム配信を行う場合、相当な演技力と設定に基づいた演技が必要になります。完全なるキャラクターとして活動をすることで、新たな価値を作り出すことができるので、新しい表現を新しいキャラクターが行えているというのがメリットです。ロールプレイング運用のデメリットは、設定が多ければ多いほどアドリブや設定を忘れてしまう、間違えてしまうといった、ヒューマンエラーに対して弱いことです。
あまりにも細かく設定をしてしまうと、間違えや矛盾がおきる可能性があるので、演じる際の負担を少しでも楽にするために設定するのがよいでしょう。
リアルタイプ
リアルの行動をベースにして、肉体だけがバーチャルになっているというタイプです。このタイプの場合、配信を行う際に設定を気にすることが無いため、覚えることが少ない分、雑談などの会話がはずみやすい傾向があります。ただし、リアルでの会話と同様に会話がされることが多いので、リアルの住所などを言ってしまったり、本名をふっと言ってしまったりと、普段の自分と同じようにしてしまい、リアルバレが起きる可能性があります。気をつけましょう。
新しい自分の名前
VTuber活動を行うにあたって活動名を決める必要があります。名前は違う自分になるための大きな要素ですので、自分の活動内容やアイデンティティからの意味のあるワードが入っている、または本名から一部を持ってくる等、どうしてその名前にしたのかを意識するとよいと思います。
現在のVTuber界隈では苗字と名前がある人が多いイメージがあります。リアルで慣れている形式なので、受け入れやすいのかもしれません。
名前に関してはひとつだけ注意点があります。それは、こだわりが多く読み方が難しい方が多くなってきているという点です。名前にもオリジナル感や差別化をしようとしている方も多いですが、リスナーが気軽に読めない場合、検索してもらえないというデメリットが増えています。可能な限りではありますが、一意性があり読みやすく、また検索しやすい名前を意識して設定しましょう。
ビジュアライズ
ビジュアルに関する部分はVTuberとしてとても大切な要素です。キャラクターの見た目やロゴマーク、配信画面もアイデンティティの1つとして確立する部分なので、しっかりと好みや方向性、なりたい自分の姿を決めていきましょう。
差別化
数多くのVTuberがいる現代ですので、可能な限り差別化をするという考え方が大事です。自分と同じスタイルや同一ジャンルなどで、どのような見た目の人が多く、そして人気があるかということは調査しておくと差別化する際に参考になります。完全なる差別化はかなり難しくなっていますが、何故その見た目になったのか、何故その装備や衣装になっているのか、自分自身のアイデンティティや設定をしっかりと盛り込んで行きましょう。
見た目
見た目に関しては自分の好きを詰め込めることができるのがVTuberの特権です。どういった形や種族、乗り物等にもなれるので、自分がなりたい好きを集めましょう。その際に各項目毎にどうしたいのかをまとめていくと良いと思います。
各項目で考える
- 性別(男性/女性/中性/なし)
- メインカラー/サブカラー
- モチーフ
- 髪色(グラデーション等)
- 髪型(前/横/後/アホ毛)
- 肌色
- 顔パーツ(目/口/眉毛)
- 種別(人間/動物/妖怪/機械/その他)
- 服装(夏服/冬服/イベント服/)
- 装飾品(メガネ/杖/帽子/ベルト/銃/剣/髪飾り)
- その他設定上必要なもの
制限はないけれど範囲は決めよう
見た目は特権と言いましたが、一定の範囲はあります。それは公序良俗に反しないということです。アイデンティティの1つとして表現したという場合であっても、VTuberの元となっているYouTubeでは公序良俗に反する事柄に触れそうな項目は避けるべきです。わかりやすい項目としては肌の露出などはアカウントBANをされることもありますので、気をつけてください。
キャッチコピー
自分自身を表現する為に必要になる項目です。キャッチコピーとはあなた自身を周りの人に期待させることができる一言だと思ってください。自分自身のブランドとしてのイメージにもなるので、あまりマイナスなイメージのある言葉やスラングなどは避けることをオススメします。
例:VTuberさん向け素材配布デザイナー幼女おじさん
ロゴ
キャラクターロゴは、キャラクターとしてのブランディング要素の1つとして大切です。基本的にはキャラクターと共に表示されることが多いですが、掲載内容によってはキャラクターは掲載されず、名前のみが表示されることもあります。そんな時にキャラクターロゴがあると雰囲気を伝えることができたり、意識の高さをを伝えることができます。
三面図
三面図は、キャラクターやオブジェクトなどを3方向の視点から描いた資料のことを言います。キャラクターの場合は「正面」「横」「後ろ」の三面から見た物になります。衣装が左右非対称の場合は左右、それぞれ必要になります。三面図があることのメリットとして、活動に関わるキャラクターデザイン新衣装の展開や、リスナーによるファンアートなどの参考資料、三面図があるだけでリスナーの理解度がかなりあがりますので、用意しておいた方がよいものです。
配信画面
配信画面もキャラクターに合わせるアイデンティティのひとつの要素になります。配信の中で一番多く見る機会があるので、とても大事なところです。配信の種類によってイメージを大きく変えることをしたり、逆にどんな内容であっても基本的には同じフォーマットを活用し、イメージを定着させるという方法もあります。配信画面が静的なものと動的なものなど、見せ方も多種多様になってきています。リスナーに何を伝えたいかで変わってくることもありますので、そういった部分も含めて考えてみるとよいでしょう。
キービジュアル
キービジュアルは文章で伝えることが難しいことを、わかりやすく伝えることができる大事なものです。視覚化させることはとても大事で、文章で理解が30秒かかるものが、視覚化すると1秒で理解させることができたりします。
・白いロングの髪の毛
・目が赤く十字の模様が入っている
・まつげが大きい
・前髪が斜めにカットされている
・赤いアンダーリムのメガネをしている
・メイド服を着ている
・両手の指を親指、人差し指、小指をたてている
実際に箇条書きではわかりにくいですが、実際に表示するとどうでしょうか。
このようにキービジュアルは、そのイメージを大きく左右するものになるので、可能な限り準備しておいたほうが良い項目です。キャッチコピー等で伝えても、多くの人はそのイメージを思い浮かべることができません。その部分を補足する為に、キービジュアルは必要です。また、細やかな雰囲気なども伝わることで更なる期待などをリスナーに持ってもらうことができます。
終わりに
今回はアイデンティティという、少し深いものでしたが、新しい自分自身としてとても大事な部分ですので、考え方や設定など、少しでも新しい自分自身を好きになれるように、自分の好みや傾向、特徴をわかった上で楽しんで活動できる自分を作ってください。
Vol.2【流行を見極める!】イマ熱いコンテンツを見つけよう『VTuberノート』
【流行を見極める!】イマ熱いコンテンツを見つけよう『VTuberノート』Vol.2
こんにちは、kentaxです。 前回の市場調査に引き続き調査を行なっていきましょう。 全20回の連載スケジュールを載せたイントロダクションはこちらから! https://vook.vc/n/52...
Vol.4【自分探し2】クリエイティブは細部に宿る、細かい設定でキャラを作り込む『VTuberノート』
2022年12月28日公開予定
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