【dBとLUFS】音量を揃える音量とラウドネスの基礎知識

2022.12.09 (最終更新日: 2022.12.12)

音量の調整と聞いて、みなさんはこんな体験をしたことはありませんか?

・dBは同じなのに音の大きさが違う
・他の動画に合わせた音量にしようとしたら0dBを超えてしまった

実はdBは音量の単位であることは間違いないのですが、聴こえ方を表す単位ではないため、このようなことが起こってしまいます。
そこで「聴感を基準にした音量の単位」ラウドネス(LUFS)を調整することで、音声ファイルの聴こえる音量を揃えることができます。
このラウドネスは「音圧」と言われることもあるので、「音圧を揃える」という表現の方が目にすることが多いかもしれません。

dBとLUFSの違いは?

dBについて

音の大きさの単位として「dB(デシベル)」は馴染みがあるものだと思います。
オーディオのメーターも単位が「dB」になっていますので、よく目にする単位です。
編集ソフトで操作しているメーターに書いてあるdBは、dBFS(デシベルフルスケール)の省略です。
dBFSとは、デジタルで表現可能な最大値を0dBとした数値です。
試しにメーターが振り切れるところまで上げてみると、メーターが赤くなり、音が割れてしまうといったことになると思います。
このように、最大値が0dBであり、それを超えると正しく表現できなくなり、音が割れるといったものがdBです。

LUFSとは

LUFSとは「ラウドネスフルスケール」といい、ラウドネスの値を指します。
先程も記述しましたが、「人間の耳で聴いたときの音量感」を数値にしたものとなります。

YouTube等の音を扱うサービスでは「ラウドネスノーマライゼーション」という、大きすぎる音を強制的に小さくする仕組みが入っており、具体的な数値としては「-14LUFS」と言われています。
そのため、この「強制的に小さくする」=「音が圧縮されてしまう」ことを避けるために、この数値に合わせます。

基本はdBとうまく付き合う

基本的に編集作業をする上で操作するのはdBという値が基準になります。
BGMの音量、収録したインタビューの音声などは、いつも全く同じ音量(dB)ではありません。
メーターを見ながら、基準になるdB(操作するつまみがどこにあるかではなく、音量ゲージが何dBを指しているのか)を決め、そこに合わせるように上下させます。
声とBGMのバランスの基準例としては

音声・・・-10dB前後
BGM・・・-30dB前後

これぐらいのバランスが推奨されていることが多いのではないでしょうか。
そして、なにより大事なのが、「0dB」を超えてはいけないということです。
先にも述べましたが、「0dB」を超えるということは、音が割れるということです。人の声も、音楽も聴き取りづらくなり、視聴者に不快感を与えてしまいます。

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LUFSもチェックする

ここまでで音声もBGMも効果音も良いバランスに整えることができたら、次にLUFSのチェックをすることでYouTubeにアップしたときの音量をどこまで上げられるか(またはどこまで下げなければいけないのか)がわかります。

Premiere Pro:ラウドネスメーターの「設定」で「ターゲットラウドネス」を「-14LUFS」に設定。確認する値は「統合」
DaVinci Resolve:プロジェクト設定→Fairlightのオーディオメーターで「ターゲットラウドネス」を「-14LUFS」に設定。確認する値は「ロング」

そして、目標である「-14LUFS」を目指し、音量を調整します。

Premiere Pro:オーディオエフェクターの「Mastering」の出力ゲインを操作。
DaVinci Resolve:ダイナミクスのコンプレッサーで「メイクアップ」を操作。

書き出し時にまとめてやる方法も

Premiere Proでは書き出す際に「ラウドネスの正規化」にチェック→ラウドネス基準は「ITU BS.1770-3」を選択。目標ラウドネスを-14LUFSに設定。
DaVinci Resolveではクリップを選択して「オーディオレベルをノーマライズする」→ターゲットラウドネスを-14LUFS設定するだけで簡単にYouTbe基準のラウドネス値に調整することも可能です。

まとめ

複数の動画で音量を揃える場合、YouTubeにアップロードしたときにも音質を劣化させずにしっかりした音量で再生されるようにする場合などは、dBのメーターと自分の耳を頼りにするのではなく、ラウドネス(LUFS)を見て調整することで、数値でも確認できるため安心して作業をすることが出来ます。

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