筆者は長年OBSを触っておりますが、OBS Studioで発生する問題のほとんどは「音声」に関することです。
「音声を制する者は、OBSを制する」と言っても過言ではないほど「音声」は重要です。
本記事では、OBSで音声が出ない時、どのような手順で問題を解決したらしたら良いか、その考え方をまとめておりますので参考にしてみてください。
OBSで音が出ない時、まずは入出力の問題の切り分けをしよう
一口に「音が出ない」と言っても、その原因や症状は様々です。
まずは自分のPCで音が出ない時の問題の切り分けを行いましょう。
問題は「入力デバイス」と「出力デバイス」のどちらで起きているのでしょうか。
入力デバイスで問題が起きている場合は「音声がPCに正常に取り込めていないのではないか」という状態が想定されます。
一方で出力デバイスで問題が起きている場合は「PCに取り込んだ音声を、スピーカーで出力するまでの間にトラブルが起きているのではないか」という状態が想定されます。
少し難しいかもしれませんが、もう少し紐解いていきましょう。
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入力デバイスの音が出ない場合
入力デバイスの音が出ないとは、「音声ミキサーの音が全く振れていない」 「PCがマイクなどの音声入力デバイスをそもそも認識していない」と言うことです。
言い換えれば、入力デバイスでトラブルが起きているということは、「OBSに到達する以前に音がどこかで迷子になってしまっている」ということです。
まずは、音声ミキサーの音量がミュートやゼロ(-infdB)になっていないか確認しましょう。ここの音量がゼロだと、いつまでたっても音声を出すことができないので注意です。
音声ミキサーを確認したら、続いてはOBS右下の【設定】から【音声】を開き、「グローバル音声デバイス」の欄を確認します。
声が出ない場合はマイク項目が既定のものになっているか確認しましょう。
一方、映像キャプチャデバイスなどの音声デバイスから入力ができていない場合は、ソースのプロパティ(ダブルクリック)から「音声デバイス」部分を確認しましょう。
「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れ、音声デバイスのプルダウンから該当デバイスを選択するようにします。
一方で、「入力デバイスそのものがOBSの選択肢にない」という場合には、PCの設定を確認します。PCのシステム設定から【サウンド】を開きましょう。
なお、入力デバイスが認識されている場合は設定下部にある「トラブルシューティング」から【入力デバイス】を選択すると治るケースがありますので、まずはこちらでトラブルシューティングを試しましょう。
入力デバイスが認識されていない(選択肢に登場していない)場合は、「新しい入力デバイスをペアリングする」項目から、デバイスの検知を試しましょう。
デバイスそのものを検知できていれば、あとは入力音声を調節すれば完了です。
続いては、出力デバイスから音声が出ない場合の対処法を確認していきましょう。
出力デバイスから音が出ない場合
OBSの音声ミキサーのメーターは触れている(=入力まではできている)のに出力デバイスから音が出ない場合は、音を出力する部分で音声が迷子になってしまっています。
同じくPCのシステム設定から【サウンド】を選択しましょう。
入力デバイスと同様に、「サウンドの問題の一般的なトラブルシューティング」の項目から【出力デバイス】を選択すると、出力音声が直るケースがあります。
まずはトラブルシューティングを試しましょう。
例えばデスクトップで流れている音楽を出したい、という場合には「デスクトップ音声」が「規定」になっているかを確認します。
「規定」ではなく、指定のスピーカーやモニターから音声を出力したいという場合には、出力したいデバイス名を選択します。
入力デバイスと同様、デバイスそのものが見つからないという場合にはPCのサウンド設定からデバイスを検出しましょう。
また、「音量ミキサー」のボリュームが小さすぎないか、ミュートになっていないかも確認しましょう。
音は聞こえるけど小さい場合
入力音量をもう少し上げたい、という場合には「音声フィルタ」を使用して対応します。
OBS下部の音声ミキサー【・・・】から【フィルタ】をクリックします。
フィルタから【ゲイン】を選択し、dB数を上げていきます。
ただし、dB数を上げると同時にノイズも大きくなってしまうため、ゲインを使用する場合は「ノイズ抑制」という音声フィルタも同時に使うようにしましょう。
MacOSで音声が出ない場合
MacOSでVer.27以前のOBSを使用している場合、デスクトップ音声を出力するためには4つの「初期設定」が必要になります。
1.仮想音声チャンネルのインストール
2.複数出力装置の設定
3.サウンド設定から複数出力装置を選択
4.OBSでデスクトップ音声を選択
Ver.28以降でこれらの設定は不要になっているものの、MacOSで音声が出ない場合の解決方法はについては、こちらの記事がまとまっているので参考として引用させていただきます。
【完全解説】OBS StudioでMacbookのデスクトップ音声を出力する4つの手順
【完全解説】OBS StudioでMacbookのデスクトップ音声を出力する4つの手順
誰でも無料でダウンロードできるライブ配信ソフトとして知られているOBS(Open Broadcaster Software) Studio。 ライブ配信と録画機能を有しており、画面上に様々なオブ...
まとめ
以上、OBSで音が出ない場合の対応方法について紹介させていただきました。
音声が出ない場合には問題を切り分けて、「どこで音が止まっているのか?どこまで音が聞こえているのか?」という「音声の道」を意識することが大切です。
問題はソフトだけでなく、ケーブルが断線しているなどのハード面でも起こります。広い視野を持って、問題解決に取り組んでみてください。
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今回のwriter
- ひとみマン
無料の配信デザインソフト「OBS(Open Broadcaster Software)」の解説を行うYouTubeチャンネルを運営。さらに、OBS専門スクール「On Air」を運営している。OBSの使い方がわからない、質の高いライブ配信を行いたい方向けに日々情報発信を行なっている。
- YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/@Hitomiman/featured
Vook編集部@Vook_editor
「映像クリエイターを無敵にする。」をビジョンとするVookの公式アカウント。映像制作のナレッジやTips、さまざまなクリエイターへのインタビューなどを発信しています。
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