OBS Studioで音ズレを起こしている時に、確認すべきポイントと対処方法

2023.01.16 (最終更新日: 2023.02.14)

OBSでライブ配信をしていると、「映像が先に配信されて、音が遅れて聞こえる」あるいは「音が聞こえるけど、映像が全然追い付いていない」といった「音ズレ」を起こすことがあります。

音ズレが起きていると「一度配信を切った方が良いのだろうか・・・」「明日の配信もずズレてしまったら困るなあ・・・」といった悩みが常に頭によぎり、配信を継続することが難しくなってしまいますよね。

本記事では、OBS配信で音ズレが起きている際に確認すべきポイントを紹介させていただきます。

音ズレが発生する3つの原因

音ズレが発生する主な原因は、大きく分けて3つです。

1.サンプリングレートがずれている
2.デバイスやミキサー、音声フィルタが遅延している
3.フレームがドロップしている

それぞれの事象と解決策を見ていきましょう。

プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。

PR:Vook School

サンプリングレートがずれている

サンプリングレートとは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に行われる「標本化」の回数のこと。

サンプリングレートが大きくなればなるほど、音を細かく正確に表現することができます。

厳密には異なりますが、イメージとして「ビットレート」のような値だと考えておいてください。

このサンプリングレートにおいては、OBS側で設定できるサンプリングレートと、PCのサウンドデバイス設定のサンプリングレートがずれている場合があります。

設定がずれていると、音がズレる原因となります。

サンプリングレートがズレている場合の対処法

直し方はまず、OBSの右下から【設定】を開きます。

設定から【音声】を開き、「サンプリング周波数」「48KHz」に統一します。

48kHzと44.1kHzの違いはほとんどないですが、48kHzは映像業界で一般的に使用されるビット深度で、若干音質の表現幅が広いです。

PC側のサンプリングレート設定も確認していきます。
サウンドの設定から「入力デバイス」を選択してプロパティを開きます。

プロパティ中段の「入力設定」から「形式」部分でサンプリングレートを変更することができます。ここを【48000Hz】へと変更します。

デバイスやミキサー、音声フィルタの遅延

昔に購入したマイクやキャプチャーボードなど、音声入力デバイスの性能劣化によって、音声が遅延している場合があります。

この場合は【オーディオの詳細プロパティ】から【同期オフセット】を選択し、値を調節します。

オーディオの詳細プロパティから、「同期オフセット」部分に値を入力していきます。

「同期オフセット」とは、指定した音声ソースを指定した単位時間を「遅らせる」機能であり、値をプラスにすれば音を遅らせることができ、値をマイナスにすれば音を早めることができます。

例えば、同期オフセットが「50ms」で設定されている場合は、50ms(=50/1000秒)音を遅らせることができます。

このようにして、個別の音声ソースを調整することも可能です。

また、「デバイスのタイムスタンプ設定を外す」という方法も有効です。

音ズレを起こしているソースのプロパティから【デバイスのタイムスタンプを使用】のチェックボックスを外してみましょう。デフォルトでは「デバイスのタイムスタンプを使用する」にチェックが入っておりますので、ここのチェックボックスを外します。

これで音ズレが治るケースもあります。

フレームのドロップによる音ズレ

単純に「処理が追い付いていないためにズレが発生している」ということも考えられます。

ツールバーの【ドック】もしくは【表示】から【統計】を選択し、ドロップしたフレームが発生していないかを確認しましょう。

画像右上のように、ドロップしたフレームが発生している場合は、ビットレートを下げるなどしてフレームをドロップさせないようにする必要があります。

数値が赤くなっている時は負荷が非常に高く配信がカクついている状態なので、一刻も早く対処が必要です。

また、配信プラットフォームごとに定められている推奨音声ビットレートを確認しましょう。

【YouTube公式ヘルプ】ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する
https://support.google.com/youtube/answer/2853702#zippy=

音声ビットレートは映像ビットレートに比べると小さな値ではありますが、プラットフォームによって推奨ビットレートの値が定められています。

この値を超えた状態で配信してしまうと、時間の経過とともに少しずつ音がずれてくる傾向にあります。

例えば、YouTubeの推奨音声ビットレートは128であるため、OBSの初期設定である音声ビットレート160で配信を続けていると徐々に音ズレが発生するケースがあります。

まとめ

以上、OBSで音ズレを起こしている場合の原因や対処法について紹介させていただきました。

音声に関するトラブルはすぐに原因を特定することが難しく、複数の設定が絡み合って問題が起きているケースが多いです。

問題が発生したときに、「どこの部分をいじれば問題が解決する可能性があるのか」という引き出しを常日頃から勉強して増やしておくことが、非常に大切だと考えています。

引き続き、ライブ配信を楽しんでいきましょう。


▼3月9日(木)に「OBS Studio」を活用した配信ウェビナーを開催!

セミナー配信の要! OBS Studio を活用したライブ配信のすゝめ!

セミナーのライブ配信は、カメラ1台とPC1台で配信できます! 近年、ライブ配信の需要が増え、自社でセミナー配信を行う企業が増えてきました。制作会社に配信を依頼する企業もあれば、自社で完結している...

全ての「OBS Studio」の記事はこちらで見ることができます

今回のwriter

  • ひとみマン

    無料の配信デザインソフト「OBS(Open Broadcaster Software)」の解説を行うYouTubeチャンネルを運営。さらに、OBS専門スクール「On Air」を運営している。OBSの使い方がわからない、質の高いライブ配信を行いたい方向けに日々情報発信を行なっている。

コメントする

  • まだコメントはありません
Vook_editor

Vook編集部@Vook_editor

「映像クリエイターを無敵にする。」をビジョンとするVookの公式アカウント。映像制作のナレッジやTips、さまざまなクリエイターへのインタビューなどを発信しています。

Vook編集部さんの
他の記事をみる
記事特集一覧をみる