OBS Studioで画質を調整する様々な方法をご紹介

2023.01.16 (最終更新日: 2023.02.14)

OBSで配信を行う場合、避けては通れないのが「画質の調整」。

できるだけ高画質で配信を行いながら、かつ配信の負荷は減らしたいというのが配信者の本音でしょう。

当記事では、「設定」 「フィルタ」の両軸に分けて、配信画質の調整を行う方法について紹介させていただきたいと思います。

設定による画質の調整方法

エンコーダを用いて行われるライブ配信では、配信のデータ量や解像度を調整することで画質が大きく変わります。

OBS右下から【設定】を選択します。

設定から【出力】を選択します。
それぞれの項目については以下で説明します。

エンコーダ:配信に流す映像を生成するPCの脳みそです。標準では「x264」というエンコーダが設定されていますが、「NVIDIA NVENC」「AMD Ryzen」などが選択可能な場合はそちらの方が性能が優れているため選択しましょう。

ビットレート:1秒間あたりに伝送されるデータ量を指しています。値が大きくなればなるほど、配信は重くなりますが、表現できる画質などのデータ量が広がるので一般的に高画質で滑らかな映像が実現できます。
ビットレートを4500Kbps以上にすると、フルHDクラスの「高画質」が実現できるとされています。

キーフレーム:映像をリフレッシュする間隔を指しています。「2秒~4秒」がおすすめです。

プリセット:【P5】もしくは【P6】を選択しましょう。数字が上がれば上がるほど高画質になります。

チューニング:初期設定の【高画質】を選択しましょう。

マルチパスモード:初期設定の【2パス(1/4解像度)】を選択しましょう。

プロファイル:初期設定の【high】を選択しましょう。

続いてはOBSの設定から【映像】を選択します。

出力解像度:映像を縦いくつx横いくつのピクセル数で表示するかを指定する部分です。

例えば、【1920×1080】という解像度は、横1920ピクセル、縦1080ピクセルで映像を表現するという意味合いになり、数字が大きくなればなるほど色合いや細かな表現が可能になります。

FPS:1秒間あたりに伝送される画像のコマ数を指しています。FPSが30であれば、1秒間あたりにパラパラ漫画のように30枚の画像データが伝送されます。値が大きくなればなるほど映像は滑らかになり、小さくなるとカク付いた映像のように表現されます。

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フィルタによる画質の調整方法

これまでは「設定」による画質の調整方法でしたが、映像の「色合い」や「鮮明さ」を調節するためには、OBSの「フィルタ」という機能を使用します。

「フィルタ」は、ソースごとに個別に設定を行う必要があるため、フィルタをかけたいソースを右クリックして【フィルタ】を選択します。

色補正フィルタ

エフェクトフィルタから【色補正】を選択します。

それぞれの項目について説明します。

ガンマ:明るさの中間地を表す値です。値を大きくすればするほど、全体がぼんやりと均一に明るくなります。

コントラスト:明るさの差分を際立たせる項目です。値を大きくすればするほど、明るいところと暗いところの差が明確になります。

輝度:明るさの値です。値を大きくすればするほど、全体が白みがかって明るくなります。

彩度:色味の強さを表す値です。値を大きくすればするほど、赤色、緑色、青色が強くなり鮮やかな色合いになります。

色座標:色相環の角度をずらす値です。値を変化させると、全体の色合いが変化していきます。

不透明度:映像の透明さを表す値です。値を小さくすればするほど、映像が透明になります。

シャープフィルタ

エフェクトフィルタから【シャープ】を選択します。
シャープとは「映像のくっきりさ」を表し、「ぼかし」の逆の概念となります。

初期設定ではシャープは「0.08」に設定されていますが、「0.3~0.5」くらいに調節すると差がわかりやすいでしょう。

インターレース解除

フィルタ以外にも、ソースの右クリックから【インターレース解除】という項目を選択すると映像が滑らかになります。

インターレースの解除とは「動きの激しい映像のコマとコマのつなぎ目を滑らかにする」という意味合いを指しています。

インターレースを解除したいソースを右クリックし、「インターレース解除」を選択し、「無効化」以外の部分を選択すれば完了です。

RetroやLinearなどの「性能差」はそこまでないので、目視でどれが良いかを判断し、映像に合ったものを選択してみましょう。

まとめ

以上、OBSの画質調整方法について紹介させていただきました。

映像は「配信先のプラットフォーム」や「明るさ」、そして「使用しているカメラデバイス」にも依存し、最適な設定は都度異なります。

最強の映像設定を作り出すためにも、各項目の意味を理解し、様々な組み合わせを試してみましょう。


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今回のwriter

  • ひとみマン

    無料の配信デザインソフト「OBS(Open Broadcaster Software)」の解説を行うYouTubeチャンネルを運営。さらに、OBS専門スクール「On Air」を運営している。OBSの使い方がわからない、質の高いライブ配信を行いたい方向けに日々情報発信を行なっている。

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