【配信の準備】設定は適切? 配信は適切に行おう『VTuberノート』Vol.5

2023.01.11 (最終更新日: 2023.01.23)

こんにちは、スケジュールを決めないとなかなか動けないおじさんのkentaxです。

今回は、実際に配信を行っていく上での基本的な配信時間の考え方や、必要となる設定などを具体的にお話していきたいと思います。

スケジュールをどう組んでいけばいいかわからないという声をよく聞くので、今回の解説を読みながら考えていきましょう。配信の設定については、すでに配信経験がある人はあらためてしっかりと設定ができているか確認していきましょう。

  • VTuberkentax(ケンタックス)

    クリエイティブユニットLUVCO主幹。同人レーベルhpt**にも所属。作詞・作曲・編曲やリミックス、グラフィックデザインからWebデザイン、UI/UX関連、WPやMTなどのCMS、Webサーバ関連、テクニカルを含むディレクションとマーケティング、写真撮影と動画撮影や動画制作とか、企画・プロデュース、インフラ整備やPCカスタマイズとか会計や経営補佐など多岐にわたって活動している。

  • Web:https://kentax.net/

配信スケジュール

配信を行っていく上で大切なことのひとつにスケジュールがあります。スケジュールを組むためには、考えないとならないことがいくつかあります。

やりたいことをスケジュールに落とし込む

最初にお話したように、配信のスケジュールを作るといっても、どう計画していけばいいか、迷うことが多くあると思います。スケジュールを作る時にいきなり何日に何をやって、何曜日に何をやって、と思いつくまま決めて行きがちですが、この方法でスケジュールを立てていくと次に何をしたらいいのか、というのに迷うことになります。

ではどのような形でスケジュールを作っていくのがよいでしょうか?

配信タイミングを探す

配信を行う上で一番大切な部分は、タイミングと継続です。タイミングは言葉通り、ゲームなどの発売日やその時のトレンド商品などSNS等で流行っているものを配信したりすると良いということです。また、あまりにも配信する人が多いコンテンツなど(ポケットモンスターやAPEX、モンスターハンターなどの大人気コンテンツ)は、最速攻略や最速クリア等のコンテンツでない場合は発売日を避けて、配信者が若干少なくなったところで開始してもよいと思います。

ただ、あまり遅く始めると、旬が去ってしまっていることも多々あるので、どんなに遅くても忘却曲線の中間にある1週間~1ヶ月以内には配信を行った方がよいと思います。

発売日などの日程を調べる

ゲーム配信を多く行っている場合は、ゲームの発売(リリース)日やスマートフォンゲームやオンラインゲームの場合更新日などを確認しておく必要があります。特に新作ゲームの場合、発売当日に配信ができるようにしておくと、多くの情報からスケジュールを組むことが容易になります。特に最新のソシャゲなどはベータやアルファなど事前に触れられる機会があります。

ゲームのベータやアルファは応募して当選する必要はありますしガイドラインを確認する必要もありますが、早いタイミングでコンテンツに触れることで、先人としての立ち位置を確保できるので、その点も踏まえて早めにスケジュールに入れておくと良いでしょう。

検索ボリュームを調べる

キーワードの検索ボリュームの調査はスケジュールを立てる上で重要な要素の1つです。自分が配信をしたいと思っているタイトルが最新作等でない、例えばレトロゲームなどニッチな場合もそうですが、流行ではないキーワード、ゲームでなく一般的なキーワードでも同じです。

わかりやすい例として、真夏に真冬のファッションについて発信しても、季節の時期がずれているため、需要が少ないのはわかると思います。需要が少なければ検索も少なくなります。つまり、そもそも検索されていなければそのキーワードで検索してライブ配信を見に来る人の絶対数が少ない状態になります。

そのような事態を避けるために事前にそのキーワードがどれくらい検索されているかを把握しておく必要があります。この検索ボリュームが多いからと言って必ず見られるという訳ではないですが、コンテンツに人気があるかどうかの判断ができる要素のひとつになるので調べておくとよいでしょう。

検索ボリュームを調べるには「ahrefs YouTubeキーワードツール」が簡単に調べられるので使ってみてください。

固定(定例)化する必要性

配信の固定(定例)化の話は、この記事を見ている人であれば一度は聞いたことがある言葉だと思います。実際、固定化するメリットは多くありお勧めしている配信者が多いと思います。ただ何故そうしたほうが良いのか、また違う方法などはないのかなどは書かれていることが少なく説明もあまりありません。そこで、何故固定化が必要なのかという部分を掘り下げていきたいと思います。

人の習慣性を活用する

人は一定の事柄を習慣化する能力があります。そしてその能力は無意識で行っていることがたくさんあります。例えば朝起きてベッドから出てトイレにいってから顔を洗って着替えをして、というように、完全に同じではないにしろ、朝の一連の行動は習慣化され、毎日ほぼ同じことをしています。

更に無意識で行っていることはかなり多く、人間の行動の90%以上が無意識に習慣化されたことを行っています。先ほどの朝の一連の行動ですが振り返って見ましょう。まず起きる時にベッドから出る時、「布団をどかそう」立ち上がり「スリッパを履こう」そしてトイレのドアを「利き手でノブを掴んで開けよう」という行動を、考えて思い描いた上で行動していますか?

きっと考えることなく無意識でできているはずです。無意識の習慣性は極端な例ですが、人は必要なことや好きなことに関して無意識で習慣化する傾向があります。

その習慣化を上手く活用し自分の配信をリスナーの行動に組み込んでいくことができればリスナー獲得に貢献できる方法のひとつになると思います。ここではその方法を具体的に上げてみます。

配信の固定化

配信を固定化することは、人の習慣性の中に組み込んでいくための方法になります。同じ時間や同じ曜日などに配信や投稿があることを理解し、それを見ることを習慣化させることができれば、固定のリスナーとして多くの配信やコンテンツを見てくれるようになります。この固定化は2つの軸があり、どちらも合わせたほうが良いですが、難しい場合はどちらかを行うだけでも効果があると思います。

配信日の固定

配信日の固定は、主に曜日を固定する形です。時間との組み合わせを行うと更によいですが、まずは曜日を固定しておくことから始めましょう。

例えば毎週日曜日には何かしらの配信を行うということを固定します。毎週何かしらの配信があり、その日は開けておこうという習慣がリスナー側にできます。固定化すると、自分自身も配信をする日程を先まで設定することができるので、リスナーだけでなく、配信を行う側も予定が立てやすくなるメリットがあります。

例:土曜日の夜更かし雑談 / 真ん中水曜日ラジオ / 金曜まったり晩酌配信

また、コンテンツを特化し、特定のリスナーを対象にする場合はコンテンツ内容に合わせた曜日を選ぶことも大切な要素になるので、自分がターゲットとしている界隈の休日スケジュールも把握しておくとよいでしょう。

例:不動産業の方は水曜日が休みが多い / 美容師さんは週明けの月曜日か火曜日が休みが多い

配信時間の固定

配信日を固定できない場合には、配信時間の固定をしましょう。私生活が忙しく決まった曜日に配信ができない場合があります。その場合は曜日でなく、時間を固定してしまうのがおすすめです。21時~24時頃の人気の時間帯に配信が重なってしまうこともありますが、差し引いても時間を固定することは大事です。

人によって変わることもありますが、リスナーさんの行動は基本的に曜日に関係なく時間の流れで構成されていることが多いです。大体、毎日20時にお風呂に入り21時に夕食、25時には睡眠に入り、8時に起床といった一定の流れを構成しています。この時間の習慣化されている部分に配信を見るというタスクを追加するようなイメージです。

例:早朝おはよう配信 / お昼休みラジオ配信 / 深夜の眠れない雑談

また、ターゲットによって時間を変更する必要があります。例えば子どものいる家庭の主婦へ情報提供するコンテンツであれば、リアルタイム配信の場合は日中がベストな時間になるでしょう。ベストなタイミングがわからないようであれば現在のリスナーへアンケートを行い、配信タイミングの最適化を行うことを意識しておくとよいでしょう。

例:家事が一段落した15時頃 / 子どもが寝た23時頃

実際にスケジュールを組む

スケジュールを作る時、上手に組めない人の多くは、各項目を書き出しをしていないことが多いです。あれもしたい、これもしたい、と思ってしまって、あれをいれたらここが詰まってしまうのでココをを削って……と右往左往してしまう人を多く見てきました。

ここではゲーム配信を例にして解説していきたいと思います。

①まずは自分が今やりたい配信のゲームタイトルなどを書き出しましょう。
 
②書き出したゲームタイトルのジャンルや概要を書き出します。
(例:RPG / シュミュレーションゲーム / MMORPG / スマートフォンゲーム)
 
③概要を書き出した後に、そのタイトルがどれくらいの時間をかけて完了するものなのかを書きます。
 
④ソーシャルゲームのように終わりがないものは終わりがないという認識で問題ありません。代わりに特定のイベントやガチャの配信日、大型アップデートなどの情報におおよその時間を書き出すようにしてください。
 
⑤ひとつのタイトルやイベントが完了する時間はおおよそ類似タイトルから推測できると思うので、その時間を書き出し、配信の場合は2時間~4時間程度で区切っていきます。
 
⑥実際の時間は見込み違いやトラブル等も含めるので大きく上下すると思いますが、おおよそのタイミングが掴めれば問題ありません。
 
⑦その項目をGoogleカレンダーのようなドラッグアンドドロップで動かすことができるタイプのツールに当て込んでいきます。
 
⑧配信をしていきた項目は複数あると思うので、それぞれの時間を書き出し組み合わせていきます。
 
⑨組み合わせはリスナーの属性やゲーム自体のリリースや更新日などのタイミングに合わせて調整してください。
 
⑩そうすると固定になるスケジュールや大きな流れが見えてくると思いますので、新しいタイトルを始めたい時も同様に時間予想を行い、分割スケジュールを当て込んでいきます。

時期によってはプレイしたいタイトルがいくつか被る場合もありますが、無理をしない密度でスケジュールに組み込みましょう。人によって限度が変わりますが、1日最大5時間程度で考えるのがベターです。

いざ頭の中で組み立てると、忘れてしまうことが多々あるので、自分の記憶を信用せずツールやデータとして書き出しておく癖をつけておきましょう。

また情報の発表が遅く突発で配信が決定するゲームなどもありますので、その場合は、自分のキャパシティを越えないように配信時間を増やすなど検討してみましょう。

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配信設定

配信設定は配信を行う上で必須で覚えておかないといけない項目です。この設定を間違えて配信をしてしまうと、遅延設定を最短にしていても20~30秒、多い場合は1分ほど遅延することや、配信マシンへの余計な負荷の増加や不要なトラブルなどが発生するので、様々な方面から考えても適切な設定にしておく必要があります。

配信の設定は「OBS Studio」を想定しています。

「OBS Studio」正規DLサイト
https://obsproject.com/ja

※注意:現在「OBS Studio」の偽サイトが多く存在しております。Google検索の広告表示で偽サイトが表示されることもあるので、URLをしっかり確認してからアクセスしましょう。
正規のサイトのURLは上記の「obsproject」になります。

配信ビットレート

配信のビットレートは、配信するパソコンの能力によって異なりますが、一般的には、下記のサイズで行うことが多いです。

  • 720p (解像度:1280x720)
  • 1080p (解像度:1920x1080)
  • 1440p (解像度:2560×1440)

それぞれのサイズに合わせて適切なビットレートがあり、指定されたビットレートで送信しないと、YouTube側で変換されてから配信になるためラグが大きくなります。超低遅延にしても30~60秒遅れなどが起こる場合があるので気をつけていきたいところです。

実際の設定は以下のようにしてください。

画面サイズ ビットレート
720p / 30fps 解像度:1280x720 / 動画ビットレート範囲: 1,500~4,000 Kbps
720p / 60fps 解像度:1280x720 / 動画ビットレート範囲: 2,250~6,000 Kbps
1080p / 30fps 解像度: 1920x1080 / 動画ビットレート範囲: 3,000~6,000 Kbps
1080p / 60fps 解像度: 1920x1080 / 動画ビットレート範囲: 4,500~9,000 Kbps
1440p / 30fps 解像度: 2560×1440 / 動画ビットレート範囲: 6,000~13,000 Kbps
1440p / 60fps 解像度: 2560×1440 / 動画ビットレート範囲: 9,000~18,000 Kbps

ビットレートの固定

YouTubeでライブ配信を行う場合はCBRが推奨されていますので、CBRで送信するようにしましょう。

  • CBR:固定ビットレート。常に一定のビットレートで通信を行う方式。
  • VBR:可変ビットレート。映像に応じたビットレートを使用し通信を行う方式。

音声サンプルレートとビットレート

音声の設定も推奨されている値がありますので、設定を正しくしておきましょう。

  • 音声サンプルレート:44.1 KHz
  • 音声ビットレート: 128Kbps ステレオ

OBSの初期設定は160kbpsに設定されているので、変更した記憶がない人はチェックを行ってみるとよいと思います。

公式のヘルプサイトも合わせて確認しよう

この記事が出ている1月4日現在、上記の設定で問題ありませんが、YouTubeの変更はかなり多くありますので、設定した後に遅延などが起きる場合は、YouTubeのヘルプ「ライブ エンコーダの設定、ビットレート、解像度を選択する」を参照してください。

設定が適切か確認しよう

設定をしたものが正しく配信される状態になっているか、正しく配信がされたかどうか。面倒ではありますが、常に確認をすることで、設定が変更になっていないかいち早く気がつくことができます。より良い配信ができるために癖付けをしておきましょう。

テスト配信をしよう

設定が同じ状態になっていても、Windowsのアップデートなどで設定がリセットされていることがたまにあります。特にアップデートされた後に起きやすく、音声まわりのデフォルトの設定が変更されて音声が入らないということがよくあります。そのため可能であれば配信開始時刻の1~2時間前に限定配信でテストを行っておきましょう。特に記念配信など、重要な配信の前のテストは念入りに行いましょう。

配信後に確認を行う

適切に設定がしっかりと配信されたかどうか、配信終了後に確認もしましょう。設定が正しくなっていると思い込んで配信をしたのに見て見ると音が小さかったり途切れていたり、音割れが酷かったり、気がつくことが多くあるので面倒ですが、想定通りにできているか確認はしていきましょう。

終わりに

スケジュールの作り方と事前設定などをお話してきましたが、いかがだったでしょうか。実際にスケジュールを作ったり、設定を見直したりしてみると、意識して気がつかないことも多くあったと思います。リリース日など、一つひとつを調べていくのは大変だと思いますが、何度かやってみるとコツが掴めると思うので、頑張ってみてください。

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