【井上卓郎 with Z 9】どんな依頼にも対応でき 『仕事を取って来てくれるカメラ』

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2023.01.24 (最終更新日: 2023.01.24)

今や4Kや8Kでの撮影が当たり前のように行えるミラーレスカメラ。Nikonが展開する「Z シリーズ」も例外ではありません。「Z シリーズ」はビギナーからプロまで幅広い層の映像クリエイターに支持され、多くの作品を生み出しています。実際にプロの現場でZ シリーズを手にするクリエイターたちは、なぜ数あるカメラの中からNikon Zシリーズを選んだのでしょうか。

本連載「クリエイターとカメラ」では、映像の最前線で活躍するクリエイターが選ぶZ シリーズの魅力に迫ります。

第3回目の今回は「Z 9」を手に取り、絶景の山岳風景を8.3K RAWの高解像で映し出す、映像家の井上卓郎さんにお話を伺いました。

はじめに

私がNikon Zシリーズを初めて手にしてからもうすぐ1年半が経ちます。出会いは、発売前のZ 9の先行レビューでした。箱から取り出したときは、ずっしりと重く感じ、山を歩く時の機材を軽くしたい私は少し不安でしたが、今ではその重さも忘れ手にしっくりとくる握り心地は安心感となっています。

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私のカメラ選びの基準

VIDEOGRAPHERS TOKYO 2022でトーク出演させていただいた際に、今まで自分が使ってきたカメラを振り返ってみるとある傾向に気がつきました。

・RAW動画内部収録
・高解像度
・その時一番旬なカメラ

この3つの条件が揃ったカメラを使っている。併せて写真も撮れるとなお良い。そんな条件を満たすカメラがZ 9でした。今までフラフラといろんなカメラに乗り換えていた私がこのカメラと出会うのは必然だったのかもしれません。

RAW動画内部収録

最近は外部機器でRAW収録に対応しているカメラも増えましたが、内部収録にこだわる理由は、山に持っていく荷物をなるべく増やしたくないのと、機材トラブルの可能性を減らしたいのが主な理由です。
外部収録機器はバッテリーの持ちがあまりよくないので何本も持っていく必要があります。また接続するHDMIケーブルは何度かケーブル断線のトラブルを経験しているので交換の効かない山の中ではあまり使いたくないと思っています。

あと個人的な感覚ですが、内部でRAW動画が収録できるカメラは動画機能にとても力を入れて開発されていると感じます。

高解像度

他のクリエイターさんより比較的早くHDや4K、そして8Kへの移行を進めました。これは打算的な面もあり、私は数年に渡り長く使用できる風景の素材をアーカイブできるように撮り集めているので、その時手に入れられるなるべく高解像度で撮影できるカメラを選んでいます。しかしZ 9の8.3K RAWで撮影した映像はそんな打算的なことも吹き飛ばすほどの映像表現ができ、素直に自分が楽しむ映像を作れるようにもなりました。

その時一番旬なカメラ

後から振り返って気が付いたことですが、その時一番旬なゲームチェンジャーとなるカメラを使っていることが多いです。
また、私の場合、仕事を基準にカメラをはじめとした機材を選ぶと大抵愛着が湧かずに長くは使わないことが多いです。自分が何を表現したいのか?これを知ることが大切です。「便利だから」「みんなが良いと言っているから」もカメラを選ぶ選択肢の一つではあるかと思いますが、最終的には自分の表現したいものとマッチし、愛着を持って長く使い続けられるカメラやレンズと出会うことが理想だと思っています。なかなか難しく失敗も多くして来ましたが、紆余曲折を経てZ 9という相棒に出会うことができました。

一番刺さった部分

やはり8.3K RAW映像が内部収録できるという点ですね。高解像度になればなるほど圧縮によるディティールの差が出ますが、N-RAWで撮影した映像は他の圧縮コーデックで撮影した映像と比べ高いディティールを保っています。編集後にProResで出力した8Kの映像作品には圧倒的な力があり自分の作った映像を何回も再生しながらニンマリしています。

Z 9のRAWは選択範囲が広い。
用途によって解像度とフレームレートを使い分けています。

私の場合、速い動き物の撮影の時は60Pを使いますが基本的に30P。シャッター速度は屋外の場合、多少速めで1/200〜1/400を使うことが多いです。解像感を活かすためにはブレていない方が、解像感が高く感じます。ただし人の動きなど気になる時は編集時にモーションブラーをかけてパラパラ感を減らしています。4K120PをRAWで撮れるのもいいですね。しかも音付きで。

また1/4のシャッター速度もアクセントとして使います。滝などの水の流れや風で揺れる草を長時間露光のような表現で使っています。

N-RAW撮影時の画質設定は高画質と標準から選ぶことができ、高画質と比べファイルサイズが約半分になる「標準」で撮影しています。もちろん高画質と比較した上で、標準で問題ないと判断し選択しました。500% くらいに拡大するとディティールの差が出ますが、まず気がつくことはないでしょう。色情報の差は全くわかりませんでした。


この映像はh.265で撮影しましたが十分に印象的に仕上げることができます。

ストレスがあると感覚が制限される

Z 9の全ての部分に細やかな配慮を感じます。
手にフィットするグリップやデザイン、Zレンズを装着した際の重量バランス、連続撮影時間、メニューの順番まで、長時間撮影する人や毎日のように使う人などプロ向けにストレスを極力減らす設計になっています。
ちょっとしたストレスがあるだけで感覚が制限されてしまい、いい画を撮るチャンスを逃したりするが、Z 9は今まで使って来たカメラの中で一番ストレスが少ないです。

使い始めた頃に開発者の方に気になる所ありますか?と質問を受けたことがあります。初めてのニコンのカメラだったので何点か答えた気がしますが、今は気になる点がパッと出てこないくらいにストレスがありません。今考えるときちんと熟慮された上でそうなっていたのかもしれません。

昨年の春からはメインカメラとして使用していますが、1年間ノートラブルな点も信頼に値する頼れるカメラです

オーバー8K RAWなのに編集しやすい

私がN-RAWを積極的に使う理由のひとつに編集時の軽さがあります。もちろんある程度の環境を作ってあげることが前提ですが。
私の現在の編集環境はMacBook Pro M1 MaxでDaVinci Resolve Studio 18を使って編集していて、ノートPCの中では比較的ハイスペックなものです。問題になるのは、RAWはファイルサイズが大きいため、ディスクからの転送速度がネックになるので、Thunderbolt接続の外部SSDにプロジェクト単位で素材をまとめて編集しています。

いくつかのRAWを使って編集してきた中で、Blackmagic RAWが圧倒的に軽いですが、N-RAWも動作が軽い部類に入ると思います。
また、Z 9はRAW撮影時に同時にHDサイズのプロキシデータも生成してくれるので、非力なPCでも編集は可能です(出力はつらい)。DaVinci Resolveでもプロキシを生成してくれる機能はあるのですが、Blackmagic Cloudを使用したネットワーク上での共有作業を念頭においている為、とても高圧縮で画質があまり良く無く、テンションが上がらないので使用していません。

ProRes RAWはDaVinci Resolveで読み込めないのと、4.1K60pまでしか撮影できず、またファイルサイズが8.3K N-RAWより大きくなるので使用していませんが、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proで編集する人には良いのかもしれません。

カラーグレーディング

N-RAWで撮影したデータはカラーグレーディングの際の耐性も高いです。使い始めた当初はN-Logに少し戸惑いはあり、Logはなるべく使用しない時期もありましたが、最近は狙ったグレーディングができるようになりました。

また夏頃からHDRでの作品作りも積極的に行っており、ほぼN-Logで撮影しています(少し前まではLogとSDRを使い分けていた。)。N-Logで撮影する際は最低ISOが800まで上がるので多少ノイズが増えますがDaVinci Resolveのノイズリダクションを軽くかけてあげるだけで綺麗に消えるので全く問題ありません。

グレーディング作業はとても楽しく、高解像度なのと相まって映像の力強さ、やさしさが浮き上がってきます。Z 9のN-RAWを使うようになってますます楽しくなりました。

昨年の晩秋に九州の山々に撮影旅行に行き、阿蘇山の映像作品を作ったのですが、HDR対応の高解像度ディスプレイを購入した映像審美眼がある友人に「新作を、買ったばかりのディスプレイで見てます!最高です。次の次元に昇華されたように思います。凄い。」と言われてとても嬉しかったです。

解像度を8Kにして視聴してみてください。
(HDR対応ディスプレイでない場合は解像度の選択が4Kまでとなります。)

仕事を取って来てくれるカメラ

REDやBMPCCといったカメラは仕事を取って来てくれることがあります。Z 9もそんなカメラです。私の仕事はいわゆるベタな観光映像(はじめた当初はかなり目新しかったんだけどな)がメインだったのですが、最近は博物館やビジターセンターといった「展示映像」に軸足を移しつつあります。最近の展示映像は単に解説映像を流すだけでなく、お客さんの動きに合わせて変化するインタラクティブコンテンツやLEDディスプレイを使った16:9以外の極端に横長など変形コンテンツが多いです(単なる映像だとコンペに通らない)。

そういったコンテンツを作る際はやはり合成や変形の自由度の高い高解像度の素材やRAWの素材を求められます。こういったプロジェクトは短くても2〜3年単位で動くのが基本でまだ公開されていないので、Z 9を使った実例を紹介できないのが残念です。もちろん長年映像制作を続けてきたおかげで依頼があるのは間違いないのですが、昨年はZ 9指定での素材撮影の依頼もあり、Z 9は仕事を取って来てくれるカメラだと実感しました。下世話な話ですが、こういった仕事はとても頭を使うクリエイティブな仕事で楽しい上に、制作単価も高く、どんな依頼にも対応ができるZ 9にはとても感謝しています。

かといってお堅い仕事だけでなくモデルさんと一緒の楽しいお仕事にも対応できます。この撮影は2.5日で春夏物・秋冬物を撮影するという楽しくもハードなお仕事でした(撮影よりも場所探しが大変でしたが)。いつも使っているスライダーは使わず、ジンバルか手持ちで撮影。とてもいい雰囲気だと思いませんか?山に掛かる動きのある雲って圧縮の場合結構苦手なんですが、N-RAWだときれいに撮れます。

世の中の映像制作のお仕事はやっと4Kに移り変わってきたと言っている方もいるくらいで、「まだまだ8Kなんか必要ないよね。」とみなさんおっしゃるのですが、他の方がやっていないのでノウハウがあまり無いらしく「8Kでお願いします」、「RAWでお願いします」、「カラーグレーディングもお願いします」というお仕事が舞い込んできます。主流でないお仕事の方が経験をもつライバルも少なく、ギャランティーも良いので効率が良く仕事の数を減らし自分の作品を作る時間が増えました。また流行りのシネマティックやVlogといったお仕事は大体くる人が決まってしまいましたが、人ができないこと・やらないことを先だってすることは、クリエイターとして生き抜く方法の一つだと思っています。

NIKKOR Z レンズ

購入した当初、Zマウントはフランジバックが短くマウントアダプターを使って他の規格のレンズも使用できるので、当面はそれでしのごうと思っていました。しかしNIKKOR Z S-Lineのレンズを使ってみて考えが改まりました。8.3KのRAWで解像感をフルに活かした映像を撮ろうとしても他のレンズだと解像感が足りませんでした。NIKKOR Z レンズの解像感・描写力はいいぞとみんな言っている理由が使ってみてわかりました。S-Lineのレンズを選んでおけば間違いない、とレンズ選びに悩みがなくなりました。

何やらたくさんレンズが生えてきた

私のおすすめレンズ

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

便利ズームと呼ばれる域のレンズは1ランク下の場合が多いですが、このレンズは便利ズームの域なのにしっかりS-Lineで8Kの解像度にも耐えます。お値段もSシリーズのズームレンズの中ではかなりお手頃価格。1本持っていてもいいんじゃないでしょうか?次に紹介する24-70mmを購入するまでメインに使っていました。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

大三元レンズと呼ばれる開放F2.8通しの「広角」「標準」「望遠」というお金はかかるけどこれを揃えればいい画が撮れるというレンズがあります。NIKKORには何と大三元の「広角」と「標準」ズームレンズが2ラインナップあります。先ほどお金がかかると言いましたがニコンの場合は高い大三元(Z 14-24mm f/2.8 S、Z 24-70mm f/2.8 S、Z 70-200mm f/2.8 VR S)と安い大三元(Z 17-28mm f/2.8、Z 28-75mm f/2.8)があるので正常な金銭感覚を持った方にもドン引きされないラインアップがあるのがとても親切ですね。

私も大三元を揃えられているわけではありませんが、このレンズはとても使いやすい上に表現力がとても高く、印象的な画を撮影することができます。
8KやRAWで撮影しない場合は、DXクロップやハイレゾズームを組み合わせると最長140mmのF2.8望遠レンズになるのでとても便利です。機動力を活かしたい仕事の現場ではもちろん自分の作品作りにもとても役立っており、私の最近のメインレンズになっています。

AI Nikkor 50mm f/1.4SAI Nikkor 28mm f/2.8S

私は加えてオールドレンズも必ず持っていっています。全部が綺麗な描写だと、見ていてすんなり終わってしまうので、古いマニュアルレンズの「AI Nikkor 50mm f/1.4S」と「AI Nikkor 28mm f/2.8S」を使い逆光でゴーストとフレアを入れて撮影し、動きと柔らかさを表現しています。ちなみにオールドレンズと言いましたが販売店によっては、今でも新品で購入することも可能です。

オールドレンズの味わいもマウントアダプター FTZ IIを使うことで楽しむことができる

フレアとゴーストで映像の動きと立体感を表現できる

リモートグリップ MC-N10


ジンバルやリグ、三脚のパン棒などにつけることでグリップから手をはなすことなくカメラを操作できます。RECや、絞り、シャッター速度はもちろんのこと、メニュー設定などほとんどの機能にアクセスができます。

ドキュメンタリーなど手持ちで撮影する際、私はチェストパッドをつけたリグを組んでいますがこのグリップを使うことで安定した撮影ができます。またコマンドダイヤルはカメラ本体のグリップと違いクリック感がありません。その代わりに適度な粘りがあります。撮影中に細かい振動や、マイクでクリック音を拾わず動画向きです。

MC-N10の詳細については、下記記事をご参考下さい

Nikon Zシリーズでの動画撮影が劇的に楽になるリモートグリップ MC-N10最速レビュー!

ニコンから動画ユーザーフレンドリーなアクセサリー「リモートグリップ MC-N10(以下MC-N10)」が発表になった。 MC-N10はホールド感に優れたカメラグリップにカメラ本体と同じような機能...

これから撮りたいもの

単に綺麗・美しいからの脱却をしたいです。何年も失敗しているので今年こそと思っています。Z 9はだいぶ馴染み、身体の一部になって来ましたが、性能の高さをまだフルに発揮できていないので己を試されていると感じています。新しい表現を実現する相棒としてこれからも長く付き合って行きたいと思っています。

  • 井上卓郎

    映像家。北アルプスの麓、長野県松本市を拠点に、自然やそこに暮らす人を題材とした映像作品を自然の中にゆっくり溶け込んで撮影しています。山と猫をこよなく愛す。代表作 ゴキゲン山映像「WONDER MOUNTAINS」シリーズ

■Z 9 MOVIEスペシャルサイト
https://www.nikon-image.com/sp/movie/z9/
 
■Z 9 ニコンダイレクト限定キャンペーン中
https://shop.nikon-image.com/campaign/z9/index.html?cid=JDCNS2018657
 
■Z 9 動画専用カタログPDF
https://www.nikon-image.com/products/mirrorless/lineup/z_9/pdf/z_9_movie.pdf

■NIKKOR Z 24-120mm f/4 S  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA714DA?cid=JDLNS301848

■NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA708DA

■NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA711DA

■NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA709DA

■NIKKOR Z 28-75mm f/2.8  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA717DA

■NIKKOR Z 17-28mm f/2.8  ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA718DA

■マウントアダプター FTZ II -ニコンダイレクトページ
https://shop.nikon-image.com/front/ProductJMA905DA

■リモートグリップMC-N10
https://www.nikon-image.com/products/accessory/remote/mc-n10/

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