カラーコレクションとカラーグレーディング

補正してからルックの手順

グレーディングについてはいつもトライアル&エラーを繰り返しながら練習していますが、グレーディングをしていく中で大事だと分かったことがあります。そのうち1つは「いかに効率的に早くグレーディングを進めるか」ということです。その視点から考えた時に、カラーコレクションとカラーグレーディングは色編集の工程で重要な2つのワークフローだと感じます。

下の図はレイヤー式になっていますが、DaVinci Resolveの色編集はノードを使います。(ノードについては「ノードの違いについて」より)上にあるものが下のレイヤーに影響を受けているように、素材を補正してルックを加えるという順序で作業を進めることで、結果的にグレーディング全体の作業効率化を図ることが出来ます。

カラーコレクション。色補正とショットマッチ

カラーコレクションの”コレクション”という言葉は英語のCorrectionで、補正という意味です。色補正というものがカラーコレクションにあたります。各ショットの露出とホワイトバランスを補正し出来る限りバイアスのかかっていない状態に戻し、シーン全体(ショット to ショット)の彩度・輝度をある程度までマッチさせていきます。 こうすることでルックをコピペした時にルックが全ての素材に同じように適応されるようにします。

またバイアスの無い状態というのは、照明または太陽光のカラーバランス(ホワイトバランス、ティント)を適正にし、露出のコントラストをスコープを見ながら適正露出にするということです。補正をしておくことで、セカンダリーのグレーディングをする際にクオリファイヤーの精度を高めることが出来、結果的にコントロールしたい色だけを抽出しやすくなります。

補正後にルックだけをコピペしていく

色の補正は各ショットに依存するため、色補正ノードを含んだノード全体を別ショットにコピペしても、有効な結果は得られることが余りありません。そのため色補正はショット単位で行い、グレーディングした作ったルックだけをショットごとにコピペするのが結果的に作業量を減らすことに繋がります。その方法を以下にまとめました。

グレーディングをする時の流れ

具体的な例を書いてみました。ルックは練習として「Hunger Game」の以下のルックに近づけるように試行錯誤してみました。


参照:favim

今から使う素材はResolve Color Management(RCM)を使ったRec709 2.4ガンマのタイムラインで作業しています。(RCMについてはこちらの制作ノートから)今回はどちらもC300で撮影されたLOG素材で色空間が同じなので、このような場合はRCMは使わなくても良いです。ちょっと極端ですが以下のようなルックに最終的になったとします。


こちらをショット1と呼ぶことにします。素材は去年に制作した「I Hate Your Laugh!」という短編より。

このショット1のルックを以下のショット2にコピペしたいとします。


こちらはショット2です。

まずショット1のスチルを保存します。これは色補正も含む全てのノードを保存しておいて、あとで使います。

色補正に使ったノードを削除します。



色補正ノードを削除したあとに残った部分がグレーディングノードです。これがルックを構成している部分、ということになります。この残っている部分のスチルを保存します。ここで保存されるスチルがルックになります。


色補正に使ったノードを削除したグレーディングノードのみの状態なので、これだけで見ると最終的なルックとは違うことがわかります。

そしてショット2に移り、先ほど保存したルックをコピペします。コピペする際にショット2の色補正ノードを削除しないように気をつけないといけません。


色補正に使ったノードのみの状態。

先ほどのルックのスチルを右クリックして、「ノードグラフを末尾に追加」を選択します。こうすることで現在使われているノードの後にルックに使ったノードを追加することが出来ます。


補足:スチルのネーミングは正しくした方が良いと思います。デモ用に色々と試していたので雑になってました。すみません。

これでグレーディング作業で構築したルックをショット2にコピペすることが出来ました。改めてショット1に色補正ノードを削除する前のグレードを適応してお終いです。


色補正ノードのあとにルックをコピペすることが出来ました。

最後にショットを比較したり、スコープを見たりしながら気になるところを微調整します。それが終わると次のショットも同じように作業していきます。



ショット1のルックをショット2にコピペすることが出来ました。

色補正をしておくことでルックを正しくコピペ出来る

こうしてみると色補正の段階でショットをある程度までマッチングさせておくことが大切なことが分かると思います。もしも補正をしていない状態でルックをコピペしようとすると修正がとても大変になります。そのためシーン全体で補正してショットをある程度マッチさせておくと効率的に作業出来る気がします。これが色補正(カラーコレクション)とカラーグレーディングの名前の由来の違いなんだと僕は思います。

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