Color TempとTint

ホワイトバランスを修正するのに使うツール

DaVinci Resolveでカラコレをする際に、Color Temp(Temp)とTintをよく使います。それぞれ最初の設定値は0になっていて、プラスとマイナスの数値にふることが出来ます。数値の変動に合わせた色の変動のイメージは下の図のようになっています。

Color Tempは青ーオレンジのホワイトバランスを修正したい時にちょうど良い感じです。TintはLEDや蛍光灯の照明を使った時に出る緑ー紫の色味を修正してホワイトバランスを合わせていきます。ざっくり言うと以上です。

色温度の調整

今回も自分で調べた内容を出来るだけ実用的にまとめてみようと思っただけなので、どれくらい役にたつか分かりませんがColor TempとTintについて別の表現で説明することにチャレンジします。間違っていたらご指摘ください。

一般的に呼ばれる色温度というのは英語ではCCT(Correlated Color Temperature)と呼ばれるものです。 これは黒体放射と呼ばれる理論上の物理現象をもとにして算出される温度と色の関係性が重要になります。「黒体放射」について分かり易く書いてくれているリンクは制作ノート末尾にあります。

CCT(色温度)はK(ケルビン)と呼ばれる絶対温度を使って表されます。カメラでマニュアルのホワイトバランスを使っていたらある程度は感覚で覚えていると思います。


参照:赤外線、黒体、放射率について

色度座標でCCTは表示可能

黒体の特定の温度における熱放射の視覚的な色味を色度座標に軌跡のように記したものがプランキアン軌跡と呼びますが、ポイントはこの軌跡上のCCTがホワイトポイントの基準になるということです。

また、CCTにはCCTライン(または等温線)と呼ばれるプランキアン軌跡と垂直に近い形で交わるラインがあり、このCCTライン上の全ての色座標が同じCCTになります。つまり同じ色温度を持つ複数のホワイトポイント(白色点)座標が存在するということです。

以下はCIE 1960 色空間(均等色空間)という色温度を計算するのに使われるらしい色空間でCCTラインを表示した図です。


「D」で表示されている赤い点は太陽光のホワイトポイント(プランキアン軌跡とほぼ重なる)
参照:CIE 1960 色空間(均等色空間)

LEDや蛍光灯のCCT、タングステン照明のCCT

CCTラインという色温度が持つ色幅は照明機材などでCCT 5400Kと書かれている場合に、プランキアン軌跡上に存在しない色温度のホワイトポイント(白色点)も同じ色温度の白色点としてある程度許容するということです。モニターのホワイトポイントの座標はプランキアン軌跡を参考にしているはずなので、照明のCCTの持つズレをポストで補正することで正しくモニターに表示されるようになります。

太陽光やタングステンの白熱光はプランキアン軌跡にかなり近い座標のカラーバランスを持ちますが、LEDや蛍光灯は熱放射では無い方法で発光するためにプランキアン軌跡から大きく外れたCCTのホワイトポイント座標を持ちます。DaVinci Resolveなどのポストプロダクションツールで修正するためのツールが冒頭で説明したティント(TINT)になるということです。

またタングステンの白熱光などは経年劣化によって色味がオレンジがかってくるらしく、本来のホワイトバランスからプランキアン軌跡のオレンジ方向へとズレていきます。これはColor Tempツールを使ってマイナス値を足すことで色補正することもあるようです。

撮影現場に降り注ぐ太陽光のCCTも季節や撮影時刻によって刻々変化するので、どのような撮影環境下においても色補正でColor TempやTintはある程度使ってみて正しいカラーバランスを確かめることが重要の様です。



参照:CIE 1931 Wikipedia & CIE 1960 Wikipedia

作業中のイメージ

あくまでイメージですが、作業している時はこんな感じで考えています。ザックリですが、理論を深く考えながら作業が僕は出来ないので、これくらい簡略化して作業しています。

照明の演色性の高さを測るCRI

CCTというのはあくまで色温度を表しているものなので、演色性(光源を特定の色にあてた場合の再現性)はCCTからは分かりません。それを計測するのがCRIという数値です。マックスは100で、太陽光のCRIを100とします。演色性の高いLEDのCRIが97というLEDも最近は出ています。この数値が低ければ演色性が低いことになります。

撮影の照明機材の光源の正確さという面ではCRIの方が注目を集めています。

参考文献

黒体放射とは一体何か? 1 溶鉱炉内の鉄の発光と温度 「熱放射」

赤外線、黒体、放射率について

光の基礎知識

物体からの熱輻射スペクトルの大幅な狭帯域化に成功 ―高効率太陽電池応用など、エネルギーの有効利用に向けた重要な一歩を達成―

小話(空はなぜ青くて、夕焼けはなぜ赤いのかな)

色温度を簡単に

色彩検定ガイド

Color Temperature & Color Rendering Index DeMystified

What is correlated color temperature?

光の放射

第33回 照明光の色味

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