「動画のサイズが合わない」
「配信先で思った通りに表示されない」
こんな経験はありませんか?
配信先によって「動画のサイズ」が異なることもあるため、どう設定したらよいのか悩んでしまうことも少なくないでしょう。
そこで、本記事では「Premiere Pro」を使った動画サイズの変更方法について解説します。
「シーケンス設定」で「横」と「縦」の大きさを指定することで、簡単に動画サイズを変更できます。
また、動画編集において「縦横比」も重要なポイントのひとつです。
配信先の「縦横比」を知っておくと効率良く動画を作れるので、よく使われる縦横比も紹介します。
この記事を読んで動画編集の基礎を身につけ、配信先にあった見やすい動画を作りましょう。
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シーケンス設定とは
Premiere Proの「シーケンス設定」は、動画のサイズ(フレームサイズ)や動画の滑らかさ(フレームレート)を設定する時に使います。
シーケンスとは、動画や音声などが並んだ編集データのことで、よくまな板に例えられます。
まな板は野菜や肉などの素材を切ったり混ぜたりするために使いますが、シーケンスも動画や音楽などの素材を切ったりまとめたりするために使うことができます。
料理をする人によってまな板を選べるように、「シーケンス設定」では配信先によって動画のサイズを変更することができます。
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動画サイズの設定と変更方法
動画のサイズを設定する方法には、以下の2通りがあります。
①「新規シーケンス」で設定
②「シーケンス設定」で変更
初めてシーケンス設定を開いたときは、設定項目が多くて戸惑うこともあるかもしれませんが、慣れると簡単に動画サイズを変更できます。
まず、①「新規シーケンス」で設定する方法を説明します。
①「新規シーケンス」で設定する方法
読み込んだ動画のサイズを確認します
まずは、読み込んだ動画のサイズを確認してみましょう。
動画のサイズは、プロジェクトパネルの[プロパティ]に表示され、ファイルサイズやフレームレートなどの情報もわかります。
プロパティを見ると以下の通りになっています。
ファイルサイズ:183.48MB
動画のサイズ:1920×1080
フレームレート:59.94
「新規シーケンス」を作成する
次に新しくシーケンスを作成し、動画のサイズを設定しましょう。
新規シーケンスを開くには、[ファイル→新規→シーケンス]を選択します。
新規シーケンスが開いたら、[設定]を選択します。
読み込んだ動画の情報(動画のサイズ:1920x1080、 フレームレート:59.94)を設定します。
以下の通り設定しました。
a. 編集モード:カスタム
b. タイムベース:59.94 フレーム/秒
c. フレームサイズ: 1920 横 1080 横 16:9
続いて、シーケンス名を「シーケンス 01」と設定し、[OK]をクリックします。
タイムラインパネルに「シーケンス 01」が追加されたはずです。
初期設定の場合、タイムラインパネルは右下に配置されています。
設定後の動画サイズを確認する
新規シーケンスで設定した内容が反映されているか確認してみましょう。
「シーケンス01」に、動画を[ドラッグ&ドロップ]でタイムラインパネルに追加します。
タイムラインパネルに動画を追加すると、プログラムパネルで確認できるようになります。
初期設定の場合、プログラムパネルは右上にあります。
動画のサイズを確認するには、[書き出し→出力]で確認できます。動画のサイズが1920×1080になっていることが確認できます。
前段で設定した内容と同じになりました。
「書き出し」の「出力」を確認すると、動画のサイズは1920×1080になっています。
「新規シーケンスを作成する」で設定した内容と同じになりましたね。
②「シーケンス設定」で変更する方法
シーケンス設定で「動画のサイズ」を変更する手順は以下の通りです。
①「シーケンス設定」で「縦型動画」へ変更する
②「フレームサイズ」に動画の大きさを合わせる
③ 変更した動画のサイズを確認する
今回はスマホで見やすい「縦型動画(1080×1920)」に変更してみます。
「シーケンス設定」で「縦型動画」へ変更する
動画のサイズを変更するは、シーケンス設定から行います。
まずは、タイムラインパネルが選択されていることを確認します。
タイムラインパネルが選択されていない場合、シーケンス設定を開くことはできません。
シーケンス設定を開くには、[シーケンス→シーケンス設定]を選択します。
動画のサイズを「縦型動画(1080×1920)」へ変更します。
シーケンス設定で、フレームサイズを[横:1080、縦:1920]に変更し[OK]を選択します。
「このシーケンスのすべてのプレビューを削除」とメッセージが表示されますが、[OK]を選択します。もし不安であれば、事前にバックアップを取っておくことをオススメします。
プログラムパネル上で、縦型動画になっていることがわかります。
「フレームサイズ」に動画の大きさを合わせる
続いて、動画の大きさをフレームサイズに合わせましょう。サイズの調節は、エフェクトコントロールパネルで行います。
まずは、エフェクトコントロールをクリックします。
初期設定の場合、エフェクトコントロールパネルは左上にあります。
エフェクトコントロールパネルに「クリップが選択されていません」と表示される場合は、タイムラインパネルにある動画(クリップ)を選択してください。
動画をフレームサイズに合わせるため拡大します。動画の拡大は[エフェクトコントロール→スケール]で調整します。
スケールを180に変更します。
動画が画面いっぱいに表示されるようになりました。
変更した動画サイズを確認する
シーケンス設定で変更した内容が反映しているか確認してみましょう。[書き出し→出力]で確認します。
[出力]を確認すると、動画のサイズは「1080×1920」になっています。これで、シーケンス設定で動画のサイズが変更できました。
縦横比の種類
「縦横比」は、動画の「縦」と「横」の比率のことです。
プロジェクトを作成する時に、配信先の縦横比を知っておくことが重要です。
例えば、デジタルテレビやPC視聴ではワイドスクリーン、スマホ視聴では縦型動画が使用される傾向にあります。
以下、よく使用される縦横比の種類をまとめました。
ワイドスクリーン(16:9)
一般的な横長の縦横比で、YouTubeなどの動画共有サイトでよく使用されています。
解像度としては、1920×1080(フルHD)や1280×720(HD)が代表的です。
YouTubeが推奨する動画のサイズは以下の通りです。
1440p(2k): 2560×1440
1080p(HD): 1920×1080
720p(HD): 1280×720
480p(SD): 854×480
360p(SD): 640×360
240p(SD): 426×240
動画のサイズを「解像度」と呼ぶことがあります。
また、縦横比を「アスペクト比」と呼ぶこともあります。
縦型動画(9:16)
スマホ向けの縦長の縦横比で、InstagramのストーリーやTikTokなどの動画共有アプリでよく使用されています。解像度としては、1080×1920が代表的です。
フルスクリーン(4:3)
アナログテレビなどで使用されていた縦横比です。解像度は、640×480や800×600などが代表的です。
正方形(1:1)
Instagramの投稿などで使用される正方形の縦横比です。解像度としては、1080×1080が代表的です。
アナモルフィック(2.40:1)
ムービーでよく使用されるワイドスクリーンです。映画のような印象を与える効果があります。
まとめ
「Premiere Pro」で動画サイズを変更する方法や縦横比の種類について紹介しました。
動画制作において、動画のサイズと縦横比は重要な要素のひとつになります。
例えば、配信先によって適切なサイズや縦横比が異なるため、これらを理解することで視聴者にとって見やすい動画を作成することができます。
以上のポイントを踏まえ、動画制作に取り組む際には、動画のサイズや縦横比について理解を深め、適切な設定を行なっていきましょう。
TEXT_千葉ヒデジ
EDIT_山北麻衣 / Mai Yamakita(Vook編集部)
解説シリーズ|Premiere Pro@
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