【EOS R6 Mark IIレビュー】21歳は若くはない、だから今から世界を目指す。(映像クリエイター Tariq)|with R

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2023.03.28 (最終更新日: 2023.05.23)

2022年12月15日(木)に発売された、キヤノンのフルサイズミラーレス一眼カメラ「EOS R6 Mark II」

2020年に発売されたEOS R6の魅力はそのままに、新開発による有効画素数最大約2,420万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーやボディー内に搭載された5軸手ブレ補正機構、「EOS iTR(※1) AF X」による優れた被写体検出性能とトラッキング性能を実現。さらには、R6では30分に制限されていた映像収録が最大6時間にまで強化された。

※1: intelligent tracking and recognition

今回は、キヤノンが展開中の「Canon Creator Society」とのコラボレーションをきっかけに、映像クリエイターとしての活動をブーストさせたTariq(タリク)氏が「EOS R6 Mark II」をレビュー。

全編「EOS R6 Mark II」で撮ったという、ユニークなプロモーション映像『Bape Dash®』を制作した。

『Bape Dash®︎』
Shot on Canon EOS R6 Mark II
Production:BELISH CLUB/Directed by:Tariq/Styling by:Shota Ishikawa/Dressed by:A BATHING APE®/Special Thanks to:BONDS DINER/機材提供:Canon Creator Society
視聴リンク

今後のさらなる活躍が期待されるTariq氏に、自身のキャリアと「EOS R6 Mark II」の使用感を率直に語ってもらった。

トリッキングの躍動感をカメラに収めたかった

現在、映像クリエイターとしての存在感を急速に高めている、Tariq氏。

日本の生まれだが、パキスタンにもルーツを持つ21歳、現役の大学生クリエイターである。

タリク/Tariq
2002年生まれ、日本で生まれてすぐにパキスタンへ移住。小学4年生時に帰国した後、高校生でエクストリームスポーツ「トリッキング」と出会い、撮り始める。大学への進学を機に、映像制作を開始。プロダンサーとして活躍する聖那ウメアグクの誘いを受け、クリエイティブクルー「BELISH CLUB」に映像クリエイターとして参加。それと並行して、プロダクション「TFT」所属の映像クリエイターとしても活動中。
https://www.instagram.com/banaotasweeeer/

生後すぐから10年間をパキスタンで暮らし、小学4年生で帰国。その後は日本を拠点に活動している。

父親がフォト・ビデオジャーナリストだったため、カメラはTariq氏の幼少期からあって当たり前のアイテムだったという。

ただ、子供の頃は特には興味を抱かず、父からも教わったことはないそうだ。

そんなTariq氏がカメラを手にするようになるのは高校1年生のとき。

クラスメイトがアクロバティックな動きに武術の動きを組み合わせたエクストリームスポーツ「トリッキング」をやっていて、その動きの格好良さに突き動かされ、カメラに収めたいと考えた。

Tariq:
高校時代のクラスメイトに、三代目J SOUL BROTHERSのバックダンサーをやっている子がいて、彼がトリッキングチームでも活動していたのです。

そこで、トリッキングを撮り始めました。

せっかく格好良いダンスをしているのにケータイで撮った写真しか持ってないことを知り、これはもったいないぞと。

高校生時代は、全てスチールで撮っていました。

トリッキングを勝手に撮っていたのですが、「あの技は、この瞬間のシルエットがカッコいい」などと、トリッキングの動きがわかるようになってきました。

どの画角で撮ればいいのかわからない人が多いので、「このアングルで撮れば絶対にカッコいいと思う」とか提案して、実際に撮ってみせると、みんな喜んでくれて次々と撮影を頼まれるようになりました。

スチール撮影から始まったカメラとの付き合いだが、日本でも2018年頃からシネマティックVlogなどのYouTubeへの投稿が増えてくる。

Tariq氏も映像への関心が高まっていたそうだが、本格的な撮影が可能なカメラを持っていなかったため、大学へ進学したら絶対に映像を始めようと決意。

そして2020年、大学入学と前後するようにコロナ禍が訪れた。

同じ頃、父親から安価だが動画撮影もできるコンデジを譲り受けたTariq氏は、「これで映像作品が作れる!」と即座に映像編集用のPCを購入し、これまた独学で映像制作を始めたという。

題材は、カメラを手にするきっかけとなったトリッキングである。

Tariq:
トリッキングは基本的にインドアのスポーツですが、アウトドアでその動きを撮って編集したら格好良い作品になりそうだと思って、やってみました。

すると、それがトリッキング界隈で話題になって、影響力のあるプレイヤーたちがコンタクトを取ってくれるようになりました。

▲ スクランブル交差点前で撮影した、トリッキング動画(2020年10月13日投稿)

そんな活動がまた別の動きを呼ぶといったかたちで、フリースタイルのバスケットボールやフットボール界隈の関係者にまで波及。

各シーンで活躍するプロのフォトグラファーとの交流もできはじめ、「一緒にやってみようよ」、「今度MVを撮るから現場に来てよ」などと、次々と声がかかるようになった。

「高校3年間、ひたすらトリッキングのプレイヤーをフレームに収めていたことが役に立った」と話すTariq氏だが、単にトリッキングの動きがわかるようになったからではない。

格好良いシルエットや画角を見つけて撮る、そのセンスが多方面から順当に評価されたからこそ、クリエイターとしての認知が広がったのだろう。

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チーム専属の映像クリエイターであることの重要性

現在は、「BELISH CLUB」(ビーリッシュ・クラブ)を中心に活動するTariq氏。

BELISH CLUBは、プロダンサー、有名ブランドモデル、プロカメラマンとして活躍するメンバーが結成したクリエイティブクルーであり、メンバー7名のうちTariq氏が唯一の映像クリエイターである(※取材時点)。

Tariq:
BELISH CLUBリーダーの聖那(ウメアグク氏)とは、先ほど話した高校のクラスメイトでダンスをやっていた子が一緒にダンスをやっていたんです。

当時は、一度だけ聖那のダンスを撮っただけで、あとは何度か一緒に遊んだくらいで、1年ほど空きました。

ただ、僕が撮った写真を気に入ってくれていて、聖那から僕を誘ってくれました。

彼としては、専属の映像クリエイターをメンバーに入れたいとずっと思っていたそうです。

Tariq:
聖那に連絡をもらった当時、自分としてもどの分野に力を注いでいくべきか悩んでいました。

そうしたところ、(BELISH CLUBには)実力があるメンバーが集まっていること、聖那も本気でチームを売っていきたいと考えていることがわかり、参加を決めました。

BELISH CLUBでは、ダンスシーンのTOPを目指すのではなく、ダンスを通じたクリエイティブを世の中に広げていきたいと考えています。

そうした意味でも世間一般の方々にアプローチすることに力を入れています

▲ Canon Creator SocietyとBELISH CLUBが初めてコラボレーションした作品。Tariq氏が企画演出、撮影、編集など映像制作を一手に引き受けた。BELISH CLUBには、ダンスのプロリーグであるD.LEAGUEに所属するメンバーや、NIKEなどの国際的なブランドのCMに出演しているダンサーも在籍しており、さらなる活躍が期待される

BELISH CLUBの最終的な目標は「世界平和」。

突拍子に聞こえたかもしれないが、自分たちのクリエイティブによって全員(観た人、活動に携わった人など)がハッピーになることを目指しているのだ。

Tariq:
僕は今21歳ですが、もう若くはないと思っています。毎日を大切に、ひとつひとつ真剣に積み重ねていかないと、すぐに時間が経ってしまう。

一方、聖那は「世界はいつ変わってもおかしくないし、いつ死んでもおかしくないから、毎日を本気で挑みたい」という考え。ふたりで毎日色んなことを話し合うことが良い刺激になっています。

ところで、ダンスチームやスポーツチームに映像制作者が関わる場合、プロモーション映像の制作といった具体的な案件が発生したタイミングで、その都度、外部のクリエイターがアサインされるのが一般的だったと思う。

一方、BELISH CLUBでは、Tariq氏がチーム専属の映像クリエイターとして活動している。

先述の通り、聖那氏がTariq氏のトリッキングやダンスなどの素早い動きを的確に捉え、魅力的な映像に仕上げるセンスを見込んでの誘いであった。

こうした姿勢からは、今後よりいっそう映像へのこだわりが様々な分野で求められてくることが伝わってくる。

Canon EOS R6 Mark IIの機動力がフルに活かされた『Bape Dash®』

ここからは、全編をEOS R6 Mark IIで撮った『Bape Dash®』の制作をふり返る。

本作は、1993年のブランド設立以来、ストリートファッションのシンボルであり続ける「A BATHING APE®(BAPE®)」のプロモーションという建て付けで制作された。

ヒップホップのビートに合わせてBELISH CLUBのダンサー陣が繰り出す演技とダンスを軽妙なカットでつないだ、1分29秒の映像である。

作品を観ると、ドキュメンタリー映像のように演者との距離が近く、アングルワークやカメラワークが細やかなカットが多い。

こうしたカットの撮影には、「EOS R6 Mark II」の優位性が光る。

具体的には、ディープラーニング技術を活用したトラッキング(追尾)性能を搭載した新たなAFシステム、常用で最高ISO102400(※2)の高感度、最大8.0段(※3)の手ブレ補正効果、6Kオーバーサンプリングによる高画質な4K動画が撮影できる(※4)ことなどが挙げられる

※2:推奨露光指数。動画撮影時の常用ISO感度は、ISO100~25600(最高ISO204800相当の感度拡張が可能)。Canon Log 3設定時は常用ISO感度、拡張ISO感度が異なる。
 
※3:静止画撮影時。RF24-105mm F4 L IS USM装着時、f=105㎜ Yaw/Pitch方向、CIPA規格準拠。購入した時期によっては、レンズのファームウエアの更新が必要。
 
※4:4Kクロップなし撮影時のみ6Kオーバーサンプリングによる記録が可能

Tariq:
この作品は、キヤノンさんから「EOS R6 Mark II」のレビューを兼ねて、何か撮ってほしいとお声がけいただき実現しました。

BAPE®を選んだのは、みんなが格好良いって思えるブランドだから。聖那がBAPE®さんと仕事をしたことがあったので、すぐに連絡をとることができたことにも助けられました。

自由に撮ってOKとのことでしたが、しっかりとした作品に仕上げたかったので、予算と演出プランを作成して、キヤノンさんと、BAPE®さんからOKをいただいた上で制作を進めました。

作品のテーマは「鬼ごっこ」。

BAPE®の持つストリートファッションのアイコン的なイメージを、様々な東京の街並みを舞台に国際色を感じさせるビジュアルで描いている。

Tariq:
キーアイテムのスニーカーも、BELISH CLUBのメンバーたちの衣装も、カラーリングはかなり攻めた感じにしようということで、スタイリストさんにも参加していただきました。

撮影に先立ち、ビート(楽曲)が制作された。

Tariq氏が、友人のビートメーカー ineedmorebux氏にジャージービート(Jersey beat)とドリル(Drill)というヒップホップのビート制作を依頼。

Tariq:
頭の中で刻みやすいBPMを指定して、作ってもらいました。

こうした音楽と映像が密接に関わり合う作品では、いつも音から作ることにもこだわっています。

現在、Tariq氏のメインカメラは「EOS C70」である。今回試用してもらった「EOS R6 Mark II」の使用感を聞いてみた。

Tariq:
めっちゃ使いやすかったです。

今回は全部手持ちで撮影したのですが、AFと手ブレ補正がすごかった。

EOS C70よりも先にEOS R6 Mark IIに出会っていたら、こっちを選んでいたかもしれません。

Canon Log 3(10bit)形式で4K動画が撮れるし、撮影モードを切り替えることなくスチールも動画も撮れるので、動画を撮っているときにスチールで撮りたくなった場合もシャッターチャンスを逃さない。

これ1台で完結できるのが、EOS R6 Mark IIの魅力ですね。

また、『Bape Dash®』の撮影では、魚眼レンズ「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」も活用。

Tariq:
フィッシュアイは、そのルック自体がユニークなのが魅力ですが、それ以上に複数のダンサーを1つのフレームに収められることがポイントでした。

クライマックスでは、BELISH CLUBのメンバーが即興的にダンスバトルをくり広げます。

ひとりひとりの全身の動きを捉えたい、特に全メンバー(6名)を遠目から入れたいときにフィッシュアイを使いました。

食らって刺激を受けたいし、自分も食らわせたい

『Bape Dash®』の制作過程からも窺えるとおり、Tariq氏は音楽にも精通している。

例えば、ラッパー「JP THE WAVY」が昨年11月18日(金)にKT Zepp Yokohamaで開催した『BANKROLL WAVY TOUR』ファイナル公演のライブ映像のディレクションと撮影を手がけた。

こうした案件を手がけるようになった背景には、高校時代からの交友関係があるという。

Tariq:
JP THE WAVYの音楽プロデューサーが高校時代からの友人なんです。

彼とは家が近所なこともあり、学生時代は毎日のようにビートを聞かされていたので、自然とヒップホップを覚えていきました。

音楽と映像という異なる業界でお互いにクリエイティブを仕事にしていたら、一緒に仕事ができるようになって嬉しかったですね。

音楽が好きなTariq氏、MVから刺激を受けることも多い。

先日は、GENER8ION & 070 Shake070 Shake『Neo Surf』MVに、“食らった”(心を動かされた)そうだ。

Tariq:
カメラワークとかそういう次元じゃない映像というか。

ただただ映像全部が目に入ってきて、カッコいいと思う瞬間が体験できたMVでした。そういうのが、超良い映像だと思っています。

自分でもそんな映像を作れるようになるためには、どれだけ“食らう”経験をするかも大切だなと。

Tariq氏の映像表現へのこだわりは「格好良いか、格好良くないか」と、非常にシンプルだ。

いつも「そのときの自分しか作れない(同じものは再現できない)」と思えるぐらいまで詰めて詰めて作品と向き合いながら、制作しているという。

また、直感的な「ああ、これは格好良いな」という印象、子ども心のような純粋な感受性も大切にしており、作品づくりのベースにしていることも忘れない。

Tariq:
いつかドキュメンタリーも撮ってみたいんです。

僕は10歳までパキスタンで暮らしていたのですが、当時、街で貧しい子にたくさん出会いました。

クルマの窓を拭いてお金を稼ぐ子とか、足がない子とか。そんな彼らの姿がずっと心に残っているんです。

そうした日本にいるとわからない経験をもっていることも自分の強みだと思っています。

自分のバックグラウンドを活かしながら、とにかく観た人が、“食らった”と思う作品を創りたい。

後進を助けられるクリエイターになりたい

作品づくりに貪欲な一方で、人と人とのつながりがやはり大切だと、Tariq氏。

Tariq:
先ほども言いましたが、僕は“もう”21歳だと思っているので、今必死に取り組んでいます。

でも、後ろからは次の世代が来るじゃないですか。

だから、彼らに負けないようにするのではなく、次の世代を僕が引っ張り上げられるようにならなくちゃダメだと考えています。

そう考えるのは、Tariq氏自身が先輩にそうしてもらったから。

映像はもちろん、写真撮影についても知識が浅い頃に、フリーランスの映像監督、カラリスト、フォトグラファーとして活躍する渡邊一海(わたなべ かずみ)氏からビデオ通話で、色の原理やLightroomを使った写真の現像方法のレクチャーを受け、LUTのプリセットファイルまでもらったのだ。

渡邊氏との交流は今でも続いており、現在ではTariq氏から商業案件への参加をお願いすることもあるという。

Tariq:
一海くんに教えてもらったことがきっかけで、自分の映像の色味が一気に変わりました。

実は、最初はなんでも教えてくれることに驚いたんですよ。「正直、(自分のことが)邪魔じゃないですか?」と、聞いたこともありましたが、「教えてもらったところで、その人と同じものは創れないんだ」と気づかされました。

誰かを助けたら、やっぱり返ってくるんですよね。だから自分も人を助けられる人になりたい。

Tariqは当面の目標として、昨年から「世界の映像(表現)を全て理解する」ことに取り組んでいる。

Tariq:
一番わからないのは撮り方。

どうやって撮って、どういうライティングで、どういう人(スタッフ)が必要かといったことが意外とわからない。

僕は学校などで映像制作を体系的に学んだわけではないので、基本的な資料づくりみたいな部分も知らないことがまだ色々とあります。

「このクオリティで作るためには、これが必要」といった知識をあと2年を目安に身につけたいと思っています。

すでに海外からも仕事のオファーが来ているTariq氏には、映像表現手法の解明はもちろん、予算設計やギャラ交渉まで、経験しておきたいことが山のようにあるわけだ。

また、今後どのような立場で仕事を進めていくべきかについても、まだ悩んでいる最中だという。

Tariq:
プロダクションを設立するならディレクターでありたいとは思います。

ただその一方では、例えばステディカムを入れるなら専門の方にお願いすると思うのですが、僕自身でもステディカムのひと通りの操作ができるようになっていたい。

特定の機材や技術を扱う上では、自分でも原理を理解していることが映像を作る上では大切だと思うので。

全部を知りたい。いろんなことをやりたい上に、それぞれをクオリティ高くやり遂げたいのだと語る、Tariq氏。

貪欲に、しかし丁寧に映像制作に向き合う。

全てを吸収した先にどのような風景が広がるのか、今後の活躍から目が離せない。

TEXT_kagaya(ハリんち)
PHOTO_山﨑悠次 / Yuji Yamazaki

特設サイト「with R」では、キヤノン製カメラを使う注目の若手クリエイターたちへのインタビューを公開中!

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