今回は、「Premiere Pro」の調整レイヤーについて説明していきます。
調整レイヤーを使えば、複数のクリップへ簡単にエフェクトやカラーをかけることができるようになります。
わかりやすく、基本的な使い方からオススメの活用法まで解説します。
📚合わせて読みたい、Premiere Proの使い方がまとめてわかる解説記事一覧はこちら!
【Premiere Proの使い方】これ1本ですべてがわかる! 完全ガイド
Vook編集部がお届けする「解説シリーズ」。 「Premiere Pro」の基本的な使い方から、かゆいところに手が届くTIPSまで、これからPremiere Proを使い始める人や作業の途中でつ...
調整レイヤーとは
調整レイヤーとは、複数のクリップに一括でエフェクトをかけたり、色や明るさ、コントラストなどを調整したりするために使われます。
イメージとしては、動画素材の上に透明なフィルターをかけるようなものです。共通のフィルターを通すことで、それぞれのクリップにエフェクトをかけるよりも効率良く作業することが可能になります。
プロのビデオグラファーを目指す学校、はじまる。入学生募集中。
PR:Vook School
調整レイヤーを作成する方法
まず、作業に入る前に練習用の動画素材を2点用意しておいてください。
編集画面が開いたら、動画素材をドラック&ドロップでタイムラインパネルに配置しましょう。
この状態でクリップにひとつずつエフェクトをかけても問題ないですが、同じエフェクトであれば調整レイヤーを通した方が簡単に適用できます。
まずはプロジェクトパネル(動画やシーケンスがリストになっているパネル)をクリックし、青い枠がかかっている状態にします。
メニューバーから[ファイル→新規→調整レイヤー]の順にクリックして調整レイヤーを呼び出しましょう。
調整レイヤーの設定ウィンドウが出てくるので、縦横比やフレームレートを動画素材に合わせて設定します。基本的には動画に合わせた設定が開くので、そのまま[OK]を押しても大丈夫です。
または、プロジェクトパネル上を右クリックして、[新規項目→調整レイヤー]の順に選択しても調整レイヤーを開くことができます。
これでプロジェクトパネルに「調整レイヤー」を作成することができました。
作成した調整レイヤーを適用させる
プロジェクトパネルの調整レイヤーを選択し、タイムラインパネルにドラッグ&ドロップします。
タイムラインに調整レイヤーが表示されたら、実際に適用させたいクリップの上に配置します。
エフェクトパネルから適用させたいエフェクトをドラッグ&ドロップして、調整レイヤーにエフェクトをかけます。
エフェクトパネルが見当たらない人は、[メニューバー→ウィンドウ→エフェクト]でチェックマークが付いているか確認してください。
今回は[Noise Alpha]を適用します。
適用したら調整レイヤーのエフェクトコントロールパネルを確認して、ノイズが確認できる値まで[Noise Alpha]の「適用量」を調整します。分かりやすく「50%」にしてみます。
タイムラインで調整レイヤーがある部分だけ、ノイズ(エフェクト)がかかるようになりました。
調整レイヤーの活用方法
次に、この調整レイヤーを複数クリップに一括でかけていきます。
タイムライン上で調整レイヤーの右端にカーソルを合わせて、「←]」のようなアイコンに切り替わったところでドラックすると調整レイヤーの長さを変更できます。2つのクリップにまたがるように調整レイヤーを配置してみましょう。
2つのクリップ上でノイズのエフェクトをかけることができました。
調整レイヤーを使ってオリジナルのトランジションを作る
少し応用して、調整レイヤーに適用したエフェクトにアニメーションをつけてみましょう。
クリップの切り替わるところに再生ヘッドを移動させて、エフェクトコントロールから「適用量」にキーフレームを打ちます。適用量は「100%」にします。
次に左キーを5回押して10フレーム前に戻します。
適用量を「0%」にして、「ランダムシード」にもキーフレームを打ちます。
右キーを押して20フレーム後に進めます。
適用量は「0%」、ランダムシードは「10.0」に設定してください。
これで画面の切り替わりに合わせてノイズが濃くなるトランジション(画面の切り替わり)ができました。さらにエフェクトを足すなどアレンジしていけば、自分だけのオリジナルトランジションを作ることもできます。
動画の明るさを一括で変更する「Lumetriカラー」
調整レイヤーは明るさや色調を全体で統一するときに特に便利です。
プロジェクトパネルの調整レイヤーをドラック&ドロップして、新たに調整レイヤーをタイムラインの頭に読み込みます。
調整レイヤーの端をドラッグして、全体にかかるようにします。
エフェクトから[Lumetriカラー]を選択して、調整レイヤーに適用します。
エフェクトコントロールから「基本補正」でコントラストや露光量などを調整すれば、動画全体の色合いを変更できます。
動画の上下に黒帯を挿入する「シネマスコープ」
映画のようなシネマスコープも、調整レイヤーを使って入れることができます。
エフェクトパネルから[クロップ]を選択し、先ほどの調整レイヤーに適用してください。
エフェクトコントロールの「クロップ」の項目で、上を「10%」、下も「10%」に設定します。
調整レイヤーを使って簡単に映画のような画づくりができました。
動画内で色調やシネマスコープが変わるときも、調整レイヤーの長さを変えたり複製することで簡単に全体の調整ができます。
まとめ
今回は調整レイヤーの使い方や活用術について説明しました。
調整レイヤーを上手に活用することで、効率的かつクオリティの高い作品制作が可能となります。
ぜひ、今後の編集作業に取り入れてみてください。
解説シリーズ|Premiere Pro@
Vook編集部がお届けする「解説シリーズ」のPremiere Proアカウントです。Premiere Proの基本的な使い方から、かゆいところに手が届くTIPSまで、様々なナレッジ記事を発信していきます!(リクエストもぜひ)
コメントする