【Premiere Pro】基本的なマスクの使い方! 調整・活用方法も解説

2023.03.09 (最終更新日: 2023.03.28)


今回は、「Premiere Pro」における基本的なマスクの使い方から、マスクの調整・活用方法まで解説します。

マスクを使えるようになると、表現の幅が広がりクリエイティブな映像が制作できるようになります。

画像を交えてわかりやすく解説していくので、一緒にやってみましょう。

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動画編集における「マスク」とは

「マスク」とは、動画編集ソフトで利用される機能のひとつで、特定の範囲を選択して、その範囲内の映像を編集するために使用されます。

マスクを使うことで、選択した範囲にモザイク処理をしたり、特定のオブジェクトを非表示にしたり、色調補正を加えたりすることができます。

【動画編集でよく使われるマスクの使用例】
・映像内で特定のオブジェクトを非表示にする
・プライバシー保護のために人物の顔にモザイク処理する
・選択した範囲にエフェクトをかけたり、独自の演出を加える

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基本的なマスクの使い方

Premiere Proでの基本的なマスクの使い方を紹介します。

例えば、動画編集で切り抜きやモザイクをかけたい場合

特定の人物を切り抜きたい時は、エフェクトコントロールパネルにある「不透明度」を設定する方法があります。
不透明度を使うと、マスクされてない範囲の下にある映像が透過して見えるようになり、マスクされた範囲を切り抜いたように見せることができます。

では、具体的な手順を説明します。

マスクしたいクリップの選択

マスクしたいクリップを選択し、再生ヘッド(タイムライン上の青いマーク)を編集したい場面に移動させ、クリップをクリックします。

「不透明度」のマスクを作成

次に、不透明度のマスクを作成していきます。

エフェクトコントロールパネル内の「不透明度」の下にある楕円、長方形、ペンツールのアイコンから、使用したいマスクの形状を選択します。選択したアイコンの形状と同じマスクが作成されます。

例えば、楕円のアイコンを選択すると楕円のマスク、長方形のアイコンを選択すると長方形のマスクが作成されます。ペンツールは自由な形状のマスクを作成する時に使います。

今回は、楕円形のマスクを作成してみます。

楕円をクリックすると、プログラムパネルに楕円系のマスクが作成できます。

同時に、不透明度に「マスク(1)」が追加されたことが確認できます。

マスク範囲の調整

まずは、エフェクトコントロールパネル内で不透明度の「マウス(1)」を選択していることを確認します。

切り抜きたい範囲になるよう、プログラムパネル上でマスクの位置や大きさを調整します。マスクをかけたい場所にドラッグすることで、マスクの位置を変更できます。

次に、マスクされた範囲にあるポイントをドラッグすることで、マスクの形状を変えることができます。

これで、クリップから必要な範囲だけを切り抜くことができました。

マスクの調整

フレームごとにマスクの位置や大きさなどを調整することもできます。

「マスクの調整」でできる項目は以下の通りです。

・マスクパス:フレームごとのマスクの位置を調整
・マスクの境界のぼかし:マスク境界のぼかす範囲を調整
・マスクの不透明度:マスク範囲内を透過を調整
・マスクの拡張:マスクの大きさを調整
・反転:マスクされた範囲とマスクされていない範囲を入れ替える

では、もう一度エフェクトコントロールパネルにある「不透明度」を使い、それぞれのマスクの調整方法を解説していきます。

マスクパス

マスクパスを使うと、時間と共にマスクの形状や位置を変更することができます。映像の一部分を自由に切り抜いたり、移動させたりするアニメーションを作れる機能です。

簡単なアニメーションを追加してみましょう。
マスクパスは、不透明度の「マスク(1)」で設定できます。

[アニメーションの切り替え]ボタンをクリックします。その時の再生ヘッドの位置がアニメーションの始点になります。

次に、アニメーションの終点まで再生ヘッドを移動し、[キーフレームの追加]ボタンをクリックします。最後にマスクの位置や形状を調整して完成です。

この手順で簡単にマスクの位置や形状を変えるアニメーションを作成することができます。

マスクの境界のぼかし

マスクの境界のぼかしでは、その名の通りマスクの境界をぼかすことで映像の印象を調整したり、特定の領域を際立たせる効果を出したりすることができます。

例えば、被写体の周りをぼかすことで、その部分をより目立たせることも可能です。

実際に境界をぼかしてみましょう。
マスクの境界のぼかしは、不透明度の「マスク(1)」で設定できます。

まずは、マスクの境界のぼかしが10の場合。これが標準の値になります。

続いて、マスクの境界のぼかしを0にしてみましょう。境界がはっきりしているのがわかるはずです。

こちらは、マスクの境界のぼかしを300にした場合です。値を大きくするほど、境界がぼかされていることがわかります。

マスクの不透明度

マスクの不透明度では、マスクされた範囲を透過させることができます。また、マスクされた範囲内を透明にすることで、下にある映像を表示させることもできます。

では、マスクの不透明度を50%にしてみましょう。
マスクの不透明度は、不透明度の「マスク(1)」で設定できます。

下の映像が黒のため、グレーアウトされたように見えます。この値を小さくするほど、マスクされた範囲がより透明になります。

マスクの拡張

マスクの拡張では、マスク範囲の大きさを調整できます。

では実際に、マスクの範囲を拡大や縮小してみましょう。
マスクの拡張は、不透明度の「マスク(1)」で設定できます。

マスクの拡張の値が0より小さければ小さいほどマスクされた範囲が縮小され、0より大きければ大きいほどマスクされた範囲が拡大されます。

まずは、マスクの境界のぼかしを−100とした場合。
マスクされた範囲が縮小されました。

次は、マスクの境界のぼかしを100とした場合です。
マスクされた範囲が拡大されたのがわかります。

反転

反転では、マスクされた範囲とマスクされていない範囲を入れ替えることができます。

反転にチェックを入れることで簡単に実行できます。

マスクの活用方法

マスクの主な活用方法のひとつとして、「モザイク」が挙げられます。動画の一部にモザイクをかけることで、その範囲をぼかすことができます。

モザイクをかけるには、エフェクトパネル内のエフェクト[モザイク]を使います。
では、具体的な手順について解説していきます。

エフェクトパネルから、[モザイク]を選択

まず、エフェクトパネルから[モザイク]を選択します。

エフェクトパネルには多数のエフェクトがあるため、検索窓に「モザイク」と入力して検索しましょう。

モザイクをクリップに適用

[モザイク]を、適用したいクリップにドラッグ&ドロップします。エフェクトコントロールパネルでもモザイクが適用されたことを確認できます。

モザイクの範囲を調整

楕円形のマスクを作成し、モザイクの範囲を調節してみましょう。
楕円ツールをクリックすると、プログラムパネルに楕円系のマスクが作成されます。

プログラムパネル上でモザイクをかけたい箇所にドラッグし、モザイクの境界線にあるポイントをドラッグして大きさを調整します。

さらに、[モザイク]内の「水平ブロック」と「垂直ブロック」で、モザイクの粗さを調整することができます。

数値を大きくするとモザイクが細かくなり、数値を小さくするとモザイクが荒くなります。粗さを調整して、自分の好みに合わせてみましょう。

モザイクのトラッキング

ターゲットの位置が移動する時は、モザイクをターゲットに追従させるためにトラッキングを行います。

ターゲットをトラッキングするには、マスクパス内にある[選択したマスクを順方向にトラック]をクリックします。

実行後、しばらく待ちます。

すると、自動的にキーフレームが追加され、トラッキングが可能になります。これにより、ターゲットが動いてもモザイクが自動的に追従するようになります。

ただし、ターゲットからモザイクが外れることもありますので、正確に追従できているか確認する必要はあります。

もしターゲットから外れた時は、それ以降のキーフレームを外して再度トラッキングを行う必要がありますが、フレームごとに手動でキーフレームを設定していくより効率が良いため、ぜひ活用してみてください。

一部に入れたエフェクトを自動追従させる方法については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

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まとめ

Premiere Proにおける基本的なマスクの使い方、マスクの調整・活用方法を紹介しました。

マスクを使うことで、よりクリエイティブな動画編集が可能になります。ぜひ今回紹介した方法をマスターして、いろいろ応用してみてください。

TEXT_千葉ヒデジ
EDIT_山北麻衣 / Mai Yamakita(Vook編集部)

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