本日は、「Blender」のアニメーションについて、説明していきます。
わかりやすく、画像付きで説明していきます。
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アニメーションの準備
モデルの用意
まずは、オブジェクトを用意します。
どんなオブジェクトでもできますが、今回はサンプルとして、新規ファイルで最初においてある立方体を使用します。
カメラの設定と制御
次に、カメラの設定をしておきましょう。
カメラも、通常のオブジェクトと同じように動かすことができるので、撮りたい構図にあわせてセッティングします。
サイドバーにあるカメラマークをクリックすると、カメラ視点のビューに切り替わり、カメラにどう映っているかをチェックできます。
最終的に動画としてレンダリングする際には、この点線枠内の画像が出力されます。編集時に見ているプレビュー画面がそのまま出力されるわけではないので、アニメーションの際にはカメラ設定が必須です。
出力画面はカメラ視点でチェックする必要がありますが、この画面だと、カメラを矢印キーで操作することができません。
出力画面を確認しながらカメラを操作したい場合には、オブジェクトプロパティの数値で操作できます。(ほかにもやり方は何通りかあります)
また、プレビュー画面上でカメラをクリックすると、右側に「カメラプロパティ」が表示され、ここでカメラの設定ができます。
「焦点距離」は、画面の遠近感を調整することができます。
また、カメラの範囲設定もできます。この範囲外にあるものは、画像として出力されません。編集していて、「存在するはずのものが画面に映っていない」という問題が起きたら、カメラの範囲外に出てしまっている可能性が高いです。その場合、ここを調整すれば解決できます。
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アニメーションを制作する
キーフレームを使ってアニメーションを作成する
ここから、アニメーションを作っていきましょう。
Blender を使ったアニメーションの基本は、各パラメーターの右側についている白い丸です。
ここを左クリックすると、丸い点がひし形に変わり、ウインドウが黄色くなります。
これで、「キーフレーム」が作成されます。
このフレームでの数値が設定されるということです。
モデルを移動させる方法
キーフレームを一つ作っただけではイメージがわかないと思うので、ここで、簡単なアニメーションを作ってみましょう。
この立方体に「5秒間かけてX軸方向に1mずらす」動きをつけてみます。
Blender のアニメーションは、いわゆるパラパラ漫画と同じ仕組みです。
あるフレームでの数値を設定すると、それにあわせてアニメーションが作られます。
「5秒かけて1ⅿずらす」という動きであれば、「最初の位置」と「5秒後の位置」を指定するだけでいいです。
1. まず、最初の位置を指定します。
これが、先ほどの操作です。新規ファイルを開いた時点では1フレーム目になっているので、先ほどの操作で1フレーム目の設定はできています。
2. 次に、5秒後のフレームに移動します。
フレームは、画面下部にあるタイムラインに表示されています。
先述したとおり、Blender を起動した状態では、1フレーム目になっています。
5秒後の立方体の位置を指定すればいいということなので、5秒後のフレームに飛びましょう。24フレームで1秒なので、5秒後は120フレームです。
タイムラインの「120」のところをクリックすれば、120フレームにジャンプできます。多少ずれるかもしれませんが、「現在のフレーム」で微調整できます。
キーフレームを作ったパラメーターは緑色で表示され、白丸が空白のひし形になっています。
ここで、ウィンドウの数値を「1m」に変更し、空白のひし形を左クリック。
これで新たにキーフレームが作成され、120フレームでの位置がX軸方向に1ⅿであることを設定できました。
再生すると、5秒間かけて立方体が動いていきます。
モデルを回転させる方法
回転させる場合も、手順は同じです。
「5秒かけて90度回転させる」アニメーションにしたければ、オブジェクトプロパティの「回転」のパラメーターを先ほどと同じように操作します。
モデルを拡大縮小する方法
拡大縮小ももちろんできます。
「5秒かけて2倍の大きさになる」アニメーションを作ろうと思ったら、オブジェクトプロパティの「スケール」の数値を操作します。
再生してアニメーションを確認する方法
再生する際は、画面下部にあるタイムラインの再生ボタンを押します。
左側のボタンを押すと、逆再生もできます。
以上が、アニメーションの基本です。
ウィンドウの横に白丸がついているパラメーターは、すべて同じ手順でアニメーションさせられます。
カメラ自体を移動させたり、照明の明るさを変えたり、オブジェクトの色を変えたりといったことも可能です。
ここでは単純にオブジェクトを移動させるだけでしたが、アーマチュアを使用したアニメーションでも、基本操作は同じです。
Poserなどを使ったことがある人は、①の手順はいらないのでは? と思うかもしれませんが、これは必要です。
アニメーションを制作するほかのソフトでは②の手順だけでよいものもありますが、Blender の場合は①の手順もいります。これをやっておかないと、1フレーム目ですでに移動した状態になってしまいます。
グラフエディタでアニメーションを調整する
ここまでの基本操作は、新規ファイルを作ると最初に出てくるLayout画面でもできますが、Blenderにはアニメーション編集用の画面も用意されています。画面上部にある Animation をクリックすると、切り替わります。
このモードでは、左側にカメラの出力画面が表示されています。
このため、カメラ視点を常に確認しながら編集ができます。
グラフエディタの概要
アニメーション編集画面では、「グラフエディター」が用意されています。
タイムライン上部にある「ビュー」から、「グラフエディターに切り替え」を選択すると、切り替わります。
このモードでは、パラメーターの変化がグラフで表示されます。視覚的に把握できるので、編集しやすくなるでしょう。
キーフレームを編集する方法
グラフエディタ上でもキーフレームを編集が可能です。
その場合は、キーフレームをドラッグして移動させるだけです。左右に動かせばアニメーションのタイミングが変化し、上下に動かせば動きの度合いが変化します。(タイミングの変更はドープシートでも可)
アニメーション編集画面でも、最初にやったように画面右のプロパティからキーフレームを作成できるので、この画面のままでキーフレームを作成・編集していくことができます。
先ほどのLayout画面上でやるよりは、こちらのほうが操作しやすいでしょう。ただし、いくつかのパラメーターはグラフエディタ上で編集することができないようなので、高度な演出を目指すならLayout画面での操作も知っておいた方がいいと思います。
イージング
イージングとは、動きをスムーズに見せることです。
現実に存在する物体が動くときには、最初はゆっくりと動きはじめ、だんだん加速していき、止まるときには少しずつ減速して止まるでしょう。
そのような自然な動きを再現するのが、イージングです。
Blender のアニメーションでは初期設定でイージングがかかっているので、その設定をどうするかという話になります。
グラフエディタ上でキーフレームを選択すると、グラフ右側の「Fカーブ」→「アクティブキーフレーム」→「補完」で設定できるようになります。
補完とは、キーフレームとキーフレームの間をどのようなカーブにするかということです。
初期設定では、「ベジエ」になっています。キーフレームを選択するとベジエハンドルが表示されるので、このハンドルを使って手動でカーブを調整できます。
あえてイージングをかけたくない場合は、「リニア」を選ぶと単純な直線になります。また、「一定」にすると、アニメーションではなく瞬間移動のようになります。
「イージング」のなかのいずれかを選ぶと、さらにイージングの種類を選択するウィンドウが出てきます。
いろいろ試してみて、好みのものを選んでください。
モーションブラーを入れる方法
モーションブラーの概要
「モーションブラー」とは、アニメーションに残像のような効果をつけて滑らかな動きに見せることです。
モーションブラーをかけた動画は、1フレームだけとりだすとこのようになっています。
ブレてしまっているように見えますが、実際に動いているものをカメラで撮影するとこのようになるので、こうしたほうが動画としては自然な仕上がりになります。
モーションブラーを入れる方法
Blender の動画でモーションブラーをかける場合は、レンダープロパティの「モーションブラー」にチェックを入れます。各種パラメーターを細かく調整することもできます。
アニメーションの出力方法
レンダリングの設定方法
レンダリングの設定も、レンダープロパティでできます。
レンダリングに使用するレンダーエンジンは、何種類か用意されていますが、初期設定のEeveeエンジンで特に問題はないでしょう。
Cyclesエンジンは高機能ですが、そのぶんPCに高スペックが要求されます。PCのスペックが十分でないと、動作が重くなったり、レンダリングの処理が追い付かずにノイズが出てしまったりするようです。
レンダーエンジン以外にも、レンダリングにはさまざまな設定があります。
たとえば、「プルーム」を使うと、かすみがかったような表現にできます。
また、「スクリーンスペース反射」をオンにしておくと、光の反射などを表現でき、よりフォトリアルな画質になります。
出力の設定方法
次に、出力プロパティで出力設定をしておきましょう。
ここで、出力先のフォルダなどを設定できます。
注意点は、「出力フォーマット」。
アニメーションをレンダリングする際には、この部分の設定変更が必須です。
初期設定ではPNGになっていますが、この状態でレンダリングすると、1フレームごとにPNGの画像データとして出力されてしまいます。動画としてレンダリングしたい場合には、右側にある動画形式のいずれかに設定を変更しておく必要があります。
アニメーションの出力方法
設定を終えたら、いよいよレンダリングです。
画面上部の「レンダー」から「アニメーションをレンダリング」を左クリックすると、レンダリングが開始されます。
下のようなレンダリング画面が、別ウィンドウとして開きます。
PCのスペックにもよりますが、各フレームを1枚ずつレンダリングしていくので、それなりの時間がかかるでしょう。
レンダリング画面の左上部に、いま何フレーム目をレンダリングしているかが表示されているので、進捗状況はそこで確認できます。また、レンダリング中はタスクバーのアイコンが緑色になっています。レンダリングが終了したという通知はしてくれないので、これらの表示で終了を確認してください。終了したら、レンダリング画面は閉じて大丈夫です。
まとめ
以上が、アニメーションの作り方です。
今回は基本的な操作しか扱いませんでしたが、アーマチュアを使用すれば、もっと本格的なアニメーションも作れます。
また、Blenderは、1つの表現にたいてい何通りかのやり方が用意されています。今回紹介したのは、あくまでもそのなかの一つです。そして、何かこういう表現をしてみたいと思ったら、だいたいその方法がちゃんと用意されています。いろいろ試してみて、自分なりの表現を探してみてください。
TEXT_Mur
EDIT_河内誠/Makoto Kawauchi(Vook編集部)
基礎解説シリーズ|Blender@
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