ASUSが2023春夏のノートPC新モデルを発表。SDGsやコロナの時代に対応し、よりクリエイターのライフスタイルに沿った仕様に

2023.04.21 (最終更新日: 2023.05.05)

台湾の大手PCメーカーの一翼を担うASUS。同社は常に時代に対応した新製品を開発・販売を続けている。特にノートPCが強く、Zenbookシリーズは同社を代表する製品である。

そんなASUSが、日本のメディア向けに台湾の本社にて「ASUS JAPANノートPC 2023春夏モデル新製品発表会」を企画。主要なメディアが招待を受け、ASUSの新本社ビルに集結した。

本イベントでは、ASUS春夏モデルノートパソコン31製品74モデルを発表。新製品はこれまでのASUS製品の強みをより生かすだけではなく、ここ数年で問われている新型コロナウィルスの問題や、SDGsという課題にも対応しているという。

本稿では、4月18日(火)に催された発表会の様子と、映像クリエイターにオススメする新モデルを紹介していく。

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様々な課題に立ち向かうための、企業のスタンス

発表会の冒頭ではASUSの重役たちが、集まったメディアに向けてスピーチを行なった。

まず同社の会長であるJonney Shih/ジョニー・シー氏が、改めてASUSの企業理念について語る。

「全ては人から始まります」と説明し、多くの人々にシームレスなデジタル体験を提供するという同社の理念を語った。

Jonney Shih/ジョニー・シー会長(ASUS)

Jonney氏のスピーチでは同社を代表するZenbookについても触れられた。これは日本の枯山水から発想し、「生活に “禅”を入れる」ことを掲げたものだ。

こうしたコンセプトのもと「美しさと強さ」があるウルトラブックを目標に、インテルと協力して2011年に初のシリーズが誕生したことがふり返られた。日本のメディアということで、どこか精神的な繋がりがあることを示唆したエピソードだった。

Jonney氏に続き、ASUS上席副社長 兼 ASUSシステムビジネスグループ ワールドワイドセールス ジェネラルマネージャー Eric Chen/エリック・チェン氏、ASUS JAPAN代表取締役社長を務めるAlvin Chen/アルヴィン・チェン氏が登壇。

今回のスピーチで繰り返し語られたのは現代の社会課題に対し企業責任を果たすスタンスである。

Eric Chen/エリック・チェン上席副社長 兼ASUSシステムビジネスグループ ワールドワイドセールス ジェネラルマネージャー(ASUS)

Alvin Chen/アルヴィン・チェン代表取締役社長(ASUS JAPAN)

3人が共通して言及したのは環境問題や、まだまだ継続する新型コロナといった課題だ。

まず新型コロナ以降ならではの製品デザインについて言及された。

コロナ禍ではPCを利用したリモートワークが主になる。そこで同社の強みのひとつである、有機ELディスプレイでは目が疲れないよう、長時間使える仕様に調整されているという。

また環境問題に対応するために、ASUS製品では環境に配慮した製品開発をしていくことも語られた。

使用する材質は再生可能な素材を利用していくと説明し、これからの未来のためにサスティナビリティを重視し、SDGsをサポートするという目標も説明された。

ASUSのこうしたスタンスは、すでに企業の活動にて数多くの賞を得ていることもあり、社会的な責任もあるからだという。

もちろん今回発表された新製品も先述した状況が大きく反映された仕様となった。

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クリエイターPCの需要が高まっている

新製品はプレゼン会場入り口にて触れることが可能だった

さて新製品発表パートでは、ASUS JAPANのDavid Chen/デビッド・チェン氏(システムビジネスグループ コンシューマービジネス事業部統括部長)が説明。

おなじみのZenbookシリーズはもちろん、Vivobookシリーズ、そしてProArt Studiobookシリーズなど、よりクリエイター向けの新製品も用意された。

Chen氏は昨今のクリエイター向け製品のマーケットが成熟していると指摘する。例えば、Tik TokやInstagramなど動画や静止画を投稿するSNSが世界的に活発である。

それらのSNSでより多くの注目が必要になれば、品質の高い動画などを制作する必要が出てくる。そこでクリエイターPCの需要も上がってきており、マーケットの成熟につながるわけだ。

続いて、ASUS JAPANの熊谷歩美氏(マーケティング部 コンシューマーPCマーケティングマネージャー)が2023年春夏モデルの特長を詳しく解説。まず鮮やかな表示を可能とする有機ELディスプレイは、有害なブルーライトを70%も削減したものだと説明する。

さらに、様々な使用環境に耐えうるモデルであることも紹介。これは、アメリカ国防総省が調達する物資に対して、過酷な環境でも問題なく利用できるように定めている品質基準のMIL規格による耐用テストを行なっているとのこと。

そのため特に過酷な環境でも使える製品であることがアピールされた。

主にキーボードやタッチパネル周りにアンチマイクロバイアルガードプラス機能が適用されている

加えて、新型コロナ以降と環境問題への対策も細やかな部分に反映されている。

ひとつは「ASUSアンチマイクロバイアルガードプラス」だ。これは新型コロナを含む細菌の繁殖を24時間抑える機能のことである。本機能が搭載されたモデルも複数用意されている。

さらにSDGsに対応するため、製品は基本的にサステナブルな素材で構成されていると説明。

それどころか製品パッケージもいっさいプラスチックを使用しないという徹底ぶりだ。

これまでパッケージの取っ手部分にプラスチックが使われたものだが、現在はこちらも紙で構成されたものになっている。

また、パッケージに収まっているダンボールは後でノートPCのスタンドにも利用できるなど、細やかなサービスも入れているという。

パッケージ(画面右)は全て紙製に。一部は(画面中央)ノートPCのスタンドにもできるように

クリエイターのニーズに対応する多彩な新モデル

各シリーズの個々の新製品については、ASUS JAPANマーケティング部シニアPRの藤原拓馬氏が担当した。本稿ではクリエイター向けのモデルにフォーカスして紹介する。

Zenbookシリーズのクリエイター向け新製品

ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ

ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ

「Zenbook Pro 16X OLED UX7602BZ(以下Zenbook Pro 16X OLED)」は、独自開発された「ASUS Supernova SoM」というデザイン基盤を採用したモデルだ。本モデルはスペックや様々な機能からクリエィティブに適したものになっている。

前モデルのマザーボードから面積を約38%削減することで、より速い伝達のプロセスとアクセスを可能にした。このデザインによってクリエイティブ作業における各種読込スピードが圧倒的に上昇すると見込まれる。

CPUは第13世代インテル® Core™ i9-13905H プロセッサーを起用。メモリには高速かつ低電圧なLPDDR5X-7467 32GB メモリを搭載。ストレージにはPCI Express 4.0 x4接続のSSD 1TBを搭載しており、負荷のかかるクリエィティブを進めやすいスペックを持つ。

キーボードはチルト式キーボードを採用。ディスプレイを開けるとキーボードの奥側が本体からせり上がるようになっており、キーボード面が約7度手前に傾くため、長時間の使用でも疲れにくくしている。

テンキーパッド機能を持つNumberPadも搭載

タッチバッドの左上にはASUS製品で初搭載となる触覚タッチバッドを採用している。これはタッチの感触が得られることで操作がしやすくなり、過去のモデルとは違った使いやすさを実現するものだ。

また動画制作などのクリエイティブ作業では概ね負荷がかかるため、本体の排熱の問題もあるかもしれない。

そこでZenbook Pro 16X OLEDは熱源部には熱移動の効率が良い3Dベイパーチャンバーを使用し、2ヶ所に分散させた放熱部にはブレード数が多い97ブレードファンを2つ搭載。また2つのファンには12Vで動作する強力な高電圧ファンを使用している。

さらに「ASUS Active AeroDynamic System Ultra」を導入することで、優れた冷却を実現している。

これは約7度ほどリフトアップするキーボードの裏側を、巨大な吸気口として利用する機能だ。通常のノートパソコンでは実現できない優れたエアフローを実現しており、排熱を十分に行えるようにしている。

発売日は2023年6月中旬以降を予定。希望小売価格は「599,800円(税込)」。

詳しい製品情報は、公式サイトを参照

ASUS Zenbook Pro 14 OLED UX6404VI / VV

Zenbook Pro 14 OLED UX6404の特長は高いスペックに加え、なにより薄型で軽量という持ち運びやすさが魅力だ。クリエィティブ作業を様々な場所で実現しやすくしている。

本体はわずか18.54mmの薄さであり、重量も約1.6kgと非常に軽い。従来の14.5型クリエイターノートパソコンよりもはるかに薄型軽量を誇り、利便性の高さが魅力だ。

もちろん各パーツのスペックも高い。CPUは、UX6404VIに第13世代インテル® Core™ i9-13900Hプロセッサー、UX6404VVに第13世代インテル® Core™ i7-13700Hを搭載。

グラフィックスは、UX6404VIにNVIDIA GeForce RTX™ 4070 Laptop GPU、UX6404VVにNVIDIA GeForce RTX™ 4060 Laptop GPUを搭載している。

さらにクリエィティブを円滑にする「MUXスイッチ」を搭載しているのも特長だ。

これはGPUから出力されたフレームを、CPUを経由せずに直接ディスプレイに信号を送ることができる機能である。この機能により、ゲームコンテンツ制作やクリエイティブ作業時の画面のカクつきやチラつきをなくし、快適な作業を行えるようにしている。

こうしたハイスペックなモデルでのクリエィティブ作業も負荷が予想されるだろう。

そこで「ASUS IceCoolPro」という機能を搭載。これは5本のヒートパイプとデュアルファンによって、底面の2つの吸気口から4つの通気孔へと効率良く排熱させる機能だ。

これはゲーミングPC並みの排熱設備でもり、薄型モデルでそれを実現するところにASUSの技術力が垣間見える。

さらに「ASUS DialPad」というダイヤルコントローラーも搭載。

これはダイヤルを回し、主にフォトレタッチソフトのブラシサイズやフォントサイズを変更したり、動画編集ソフトのタイムラインをダイヤル操作で進めたり戻したりするために使う。

ASUS DialPadは、クリエイティブアプリのパラメータを指先で正確にコントロールできる直感的な物理コントローラ

クリエィティブ向けのダイヤル用コントローラーは別売りの外付けのものを使うことは少なくないため、薄型の本モデルに搭載されていることは作業効率化の面で大きいだろう。

本モデルは2023年4月28日㈮に発売を予定。希望小売価格はUX6404VIが「299,800円(税込)」。UX6404VVが「249,800円(税込)」で販売を予定している。

詳しい製品情報は、公式サイトを参照

ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED UX8402VV / UX8402VU

「ASUS Zenbook Pro 14 Duo OLED UX8402VV /UX8402VU」は、デュアルディスプレイを採用することで作業効率を圧倒的に増加させることを特長としている。

メインディスプレイのすぐ下にセカンドディスプレイを搭載。2つのディスプレイを大きな1つの画面として使ったり、異なるアプリをそれぞれ表示させて並行作業を行えるようにもなっている。

本モデルではCPUに第13世代インテル®Core™ i9-13900Hプロセッサーを採用している。

グラフィックス機能は、UX8402VVがNVIDIA GeForceRTX™ 4060 Laptop GPUを採用。UX8402VUがNVIDIA GeForceRTX™ 4050 Laptop GPUを搭載している。動画編集も快適にこなし、あらゆるクリエイティブ作業に最適なモデルだ。

また、本体の排熱に感じてもセカンドディスプレイを12度リフトアップする機能によって効率化している。

ディスプレイの裏側を巨大な吸気口として利用することで、通常のノートパソコンでは実現できない優れたエアフローも実現し、高負荷状態で使用しても安定した性能を発揮できる。

本モデルは「UX8402VV」が2023年4月21日(金)に発売され、希望小売価格は「449,800円(税込)」。「UX8402VU」は、2023年5月12日(金)に発売を予定。希望小売価格は「399,800円(税込)」。

詳しい製品情報は、公式サイトを参照

Vivobookシリーズのクリエイター向け新製品

ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JI

ASUS Vivobook Pro 16X K6604JI

「ASUS Vivobook Pro 16X OLED K6604JI」、そして「ASUS Vivobook Pro 16X K6604JI」の大きな特長は、デスクトップPC並みのクリエイティブ性能を持つことだ。

Vivobook Pro 16X OLED K6604JIはCPUには第13世代インテル® Core™ i9-13980HXプロセッサーとDDR5-4800 32GBメモリ、PCI Express 4.0 x4接続の1TB SSDを搭載。圧倒的なスペックを誇る。

一方のVivobook Pro 16X K6604JIは第13世代インテル® Core™ i7-13650HXプロセッサーとDDR5-4800 16GBメモリ、PCI Express 4.0 x4接続の512GB SSDを搭載している。

またグラフィックス機能には両製品共にNVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Laptop GPUを搭載し、あらゆるクリエイティブ作業を円滑にこなせるようにしている。

さらにVivobook Pro 16X OLED K6604JIには、3.2K有機ELディスプレイが搭載されている。アスペクト比16:10ので構成されており、通常の液晶ディスプレイより鮮やかで美しい画面表示が可能。

明るい色は現実と同じくらい鮮やかに表現できるほか、暗い色も細やかに映すことができる。

さらにHDR規格の Dolby Visionにも対応。対応するコンテンツにおいてHDR品質のより美しい映像を映し出せるのも魅力である。

また両製品共に「MUXスイッチ」「ASUS DialPad」を搭載。クリエィティブ作業の効率を飛躍的に上げる機能が搭載されていることも大きなポイントだ。

キーボードやタッチパッドには先述した「ASUSアンチマイクロバイアルガードプラス」が実装されている。

特殊な銀イオンコーティングを施し、国際規格ISO 22196とISO 21702で定められた抗菌試験をクリアした仕様で、新型コロナをはじめとしたウイルスや細菌から身を守れるようにしている。

発売日は両製品共に2023年6月中旬以降を予定。希望小売価格はVivobook Pro 16X OLED K6604JIが「329,800円(税込)」。ASUS Vivobook Pro 16X K6604JIが「245,999円(税込)」を予定している。

詳しい製品情報は公式サイトを参照

ASUS Vivobook Pro 16 K6602VV

「ASUS Vivobook Pro 16 K6602VV」製品情報

ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV

「ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV」製品情報

Vivobookシリーズで持ち運びやすい薄型軽量モデルでは、「ASUS Vivobook Pro 16 K6602VV」と「ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV」の2モデルが新製品として用意された。

両製品とも第13世代インテル® Core™ i9-13900HプロセッサーとNVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Laptop GPUが搭載。

これはクリエイター向けPCやゲーミングPCにも使用されるスペックのパーツであり、クリエイティブ作業を大きく助けてくれるものだ。

こちらは排熱機能として「ASUS IceCool Plus」を用意。8mmと6mmの2本のヒートパイプと86枚のブレードが着いたデュアルファン、3つの通気孔を使って効率的に放熱を行う。パフォーマンスモードでは最大90WというTDPで快適な動作を実現する 。

またディスプレイも高い品質を誇る。Vivobook Pro 16 K6602VVでは、16:10のアスペクト比で120Hzのリフレッシュレートに対応した液晶ディスプレイが搭載。狭額縁ベゼルにより画面占有率が約87%ととなっているため、コンパクトサイズにもかかわらず大画面で没入感を高めた作業を可能としている。

一方のVivobook Pro 15 OLED K6502VVでは2.8K有機ELディスプレイが搭載。現実とほぼ同じの鮮やかな明暗を表現できる。

その他、両製品とも「ASUSアンチバクテリアガード」が実装されている。外で持ち運んで使用したりしたときも、ウィルスに感染する可能性を大きく下げてくれる。

両製品の発売日は2023年4月21日(金)。希望小売価格は「219,800円(税込)」を予定している。

ASUS Vivobook Pro 15 OLED M6500

「ASUS Vivobook Pro 15 OLED M6500XV-MA034W」ならびに「ASUS Vivobook Pro 15 OLED M6500XU-MA040W」の特長は、薄型軽量でハイパフォーマンスのスペックを持つことだ。

最薄部18.9mm、軽さ約1.8kgゆえに持ち運びにも最適であり、AMD Ryzen™ 7 7840HSモバイル・プロセッサーを搭載することでクリエイティブ作業をやりやすくしている。

主なパーツとしてCPUのTDPは最大54Wとあらゆる作業をより早く、よりスタイリッシュに行うことが可能とのこと。

またVivobook Pro 15 OLED M6500XVにはNVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Laptop GPUを搭載しており、Vivobook Pro 15 OLED M6500XUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPUが搭載されている。

こうしたグラフィック機能を鮮やかに映すのが2.8K有機ELディスプレイだ。16:9のアスペクト比でで120Hzのリフレッシュレートに対応しており、2.8K有機ELディスプレイが搭載されている。こちらも現実と同じくらい鮮やかな映像を提供している。

排熱機能には「ASUS IceCool Plus」が実装され、ウィルス対策には「ASUSアンチバクテリアガード」が搭載されている。

発売日は2023年6月中旬以降を予定。希望小売価格は、 Vivobook Pro 15 OLED M6500XVが「192,999円(税込)」。 Vivobook Pro 15 OLED M6500XUが「172,999円(税込)」を予定している。

プロフェッショナルを意識した、ProArt Studiobookシリーズの新製品

ASUS ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7604J3D
ASUS ProArt Studiobook 16 OLED H7604JI

最後に紹介されたのが「ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7604J3D」「ProArt Studiobook 16 OLED H7604JI」である。

ここまでにZenbookやVivobookシリーズのクリエイター向け新製品を紹介した中で、特に ProArt Studiobookの最新機種はプロのクリエイター向けとして高いスペックを誇る。

両製品とも第13世代インテル® Core™ i9-13980HX プロセッサーを搭載。グラフィックス機能においては、「ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7604J3D」はNVIDIA RTX™ 3000 Ada Generation Laptop GPUを搭載している。

ワークステーション級のグラフィックス性能を持つことで、AI やメタバースなどのクリエイティブコンテンツ制作にも対応。

複雑なCADモデルや3Dプロダクトデザインのほか、8Kビデオ編集など負荷がかかるあらゆる制作作業を快適にこなせるようにしている。

さらに64GB の大容量メモリを搭載し、あらゆる高負荷な作業にも耐えうる製品となっている。

一方、「ASUS ProArt Studiobook 16 OLED H7604JI」はNVIDIA®GeForce RTX™ 4070 Laptop GPUを搭載し、動画や静止画の編集作業にも最適なモデルである。

ディスプレイも3.2K有機ELディスプレイを搭載。鮮やかで、美しい画面表示が可能な、アスペクト比16:10の画面であり、さらにタッチスクリーンにも対応している。

特に両製品ではプロクリエイター向けのディスプレイ調整が行われており、色データに忠実で正確な色表示が可能。DCI-P3 100%の広色域に対応しており、出荷時にカラーキャリブレーション済みでDelta-E<1を実現している。

加えて、動画編集にも最適な0.2msの応答速度を実現。動きの早い動画でも残像感のないスムーズな表示を可能としている。さらに明るい輝度を実現しており、明るい場所でもハッキリとした画面表示を実現している。

また冷却機能として、シリーズ初の液体金属グリスをCPUに採用。

グリスには圧倒的な冷却性能を持つサーマルグリズリー社製の製品を採用しており、「ASUS IceCool Pro」による効率の良い排熱機能と組み合わされることで高いパフォーマンスを誇る。

プロクリエイター向けのノートパソコンとして、最大40Gbpsの高速なデータ転送を可能とする最新のThunderbolt™ 4(Type-C)ポートを2ポート搭載。PD給電にも対応している。

写真や動画データのやり取りを効率良くするために、最大985MB/sの高速転送が可能なSD Express 7.0対応SDメモリーカードスロットも搭載している。

さらに、解像度が8Kまでの映像出力に対応したHDMIポート(HDMI2.1)とThunderbolt™ 4(Type-C)ポートを使用することで、マルチディスプレイ環境を簡単に実現でき、コンテンツ制作環境をすぐに構築できるようにしている。

また、ネットワークラグを最小限に抑えられる有線LANポートを搭載。2.5GBASE-Tに対応した高速なLANポートを搭載しているので、ラグの少ない有線LANでコンテンツ制作を行うための大容量データのダウンロードやアップロードを快適に行うことが可能。また、無線LANにはWi-Fi 6Eにも対応している。

そして世界初(※ASUS調べ)の触覚タッチパッドも搭載。

これはどこで押しても正確に反応するタッチパッドである。クリエイティブ作業中のドラッグ&ドロップなどをスムーズに行うことができ、快適な作業を可能だという。

触覚タッチパッドでありながら、付属のASUS Pen 2.0などのスタイラスペン入力にも対応。まるでペンタブレットのような入力を実現しているとのこと。

さらに両製品とも「MUXスイッチ」「ASUS Dial」を搭載しており、さらなる作業効率化を促している。

「ASUSアンチバクテリアガード」も実装しており、抗菌対策も万全である。また筐体には指紋防止コーティングも施すことで、上質な質感を保っている。

発売日は両製品とも2023年5月12日。希望小売価格は「499,800円(税込)」を予定。

「ASUS ProArt Studiobook Pro 16 OLED W7604J3D」製品情報
「ASUS ProArt Studiobook 16 OLED H7604JI」製品情報

Intel、AMD、NVIDIAの担当者も参加

今回の発表会では、CPUやグラフィックスボードといった主要パーツを供給しているIntel、AMD、NVIDIAがスペシャルゲストとして参加。各社の参加者がコメントをするシーンが印象的だった。

左から、David Chu氏(ASUS JAPAN コンシューマービジネス事業部 統括部長)、Shane Yu氏(Intel)、Alvin Chen氏(ASUS JAPAN 代表取締役社長 )、Jessie Teng氏(AMD)、Jeffrey Yen氏(NVIDIA)

Intelからは、Shane Yu/シェーン・ユー氏(SMG Category Sales Manager, APJ)が登壇。

続いて、AMDからはJessie Tenng/ジェシー・テン氏(Sales Acct Manager ASUS GloblalSales)が登壇。

テン氏は、AMDのブランド価値が2018年から大きく成長したことを挙げた。日本も主要なマーケットのひとつだと説明しており、最近でも藤井聡太竜王(※当時)を起用したCMを制作したことも説明していた。

これは藤井氏が将棋を鍛えるため、自作PCでAI側の思考速度を高めるためにAMD Ryzen(Ryzen 7 1800X)をCPUに選んだエピソードが縁だという。

そして、NVIDIAからはJeffrey Yen/ジェフリー・イェン氏(Director of Technical Marketing, APAC)が登壇。現在、AIが画像制作やテキスト制作でトピックであることに触れ、今後自社の製品でもAIなど様々な機能を搭載していくことで、クリエィティブの一助になることを期待していると語った。

クリエイターのこれからのライフスタイルに向けたものに

今回発表されたASUS2023春夏モデルにおけるクリエイター向けの新製品はいずれも持ち運びやすく、様々な場所でクリエイティブ作業を可能としたものだ。

各シリーズの新製品は、クリエイターのライフスタイルに合わせた選択肢として豊かだと言えるだろう。

ただASUSは、新製品に現代の様々な課題に対応した仕様も含めることで、よりユーザーの生活に即した製品開発を行なっているようにも感じた。

常に時代とその状況に対応した開発を続けていることが、今日のASUSをトップ企業のひとつに押し上げていることが実感できる発表会となった。

今回紹介した新モデルは、ASUS直販サイトからチェックが可能だ。


TEXT&PHOTO_葛西 祝 / Hajime Kasai

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