昨今、LEDライトの台頭がすさまじいです。ひと昔前は、暗い、色が悪い、使えない、などの印象もありましたが、ここにきて、高輝度、高演色のLEDも多くなってきました。自分は数年前からLEDでのライティングに力を入れてきました。理由はただ一つ「消費電力」です。
従来のタングステンやHMIでは最低でも500W/1灯程度の出力が必要で、スタジオ以外での現場では、電源に頭を悩ますことも少なくありませんでした。そこでLEDです。現在ウチの会社にあるLEDで一番出力があるものでも200W程度。しかしながら、LEDの200WはHMIの575Wにも匹敵する明るさです。(ちゃんと計測したわけではなく、あくまで自分の印象)。LEDライティングを行うようになってからは、正直、現場が変わりました。
 他にもLEDは、「軽い」「コンパクト」「気軽」というキーワードが出て来ます。特にビデオグラファー等ワンマン主体でフットワークを重視するスタイルでは、LEDライトは画力をアップさせるアイテムの一つとして、かなり有効と思います。
 そこで、自分がこれまで使ってきたLEDライトの中で、現時点でかなりオススメなものを3選、実例と共にご紹介したいと思います。

1.Skier Sunray200

 点光源スポットタイプの単板COB高輝度LEDライトです。デイライト固定タイプで出力は200W。オススメポイントは「色が綺麗」「明るい」「高出力の割にコンパクト」「FANが静か」「ボーエンズマウントでいろんなアイテムが付く」です。自分の現場で言えば、これまでHMIでライティングしていた場面に置き換わるライトになっています。自分がよく使う場面は「太陽光を作る」時です。朝日の差し込み、夕日の照り返し、そんな場面を演出する際に威力を発揮するライトです。ポイントとしては、付属品ではありませんが、Amazon等で激安で買えるフレネルレンズ(ボーエンズマウント)を使っています。付属のリフレクターでも良いのですが、フレネルレンズで光を差し込ませると、太陽光の差し込みにより近い印象になります。筒を回転させる事で照射角度が変えられるので(スポット側からフラッド側へ)好みの光の当て方に調整できます。アンビエントありき、自然光や地明かりに追加する形でピンポイントで使うのが吉です。

 ストアポリゴンズで購入した激安フレネルレンズ。(当時価格:5,000円程度)樹脂製で、あまりのチープさに拍子抜けするかもしれないが、しっかり役割を果たしてくれる。最近Amazonでもよく見るようになった。尚、Aputureからも同じようなボーエンズマウント対応のフレネルレンズが出ているが、筒の隙間から光が漏れる報告があり、あまりオススメはできない。

夕日の差し込みを表現。Sunray200CUBEはデイライト固定のため、A4〜A5程度の色変換フィルターをフレネルレンズ前面に装着。一方でカメラのレンズ側にはプロミストフィルター(Tiffen Black Pro-Mist 1/4)を装着している。プロミストは時に光源を印象的に演出してくれる。

朝日の差し込みを表現。1灯だけでも、表現力は増す。光は当てるだけでなく「切る」ことも重要。ドアの影でスリットが入る事がリアリティを増している。

窓からの流し込みの例。庭やバルコニーがある現場の場合、窓の外からスポットを流し込む事でリアリティーが増す。半逆光はプロミスト装着時の常套手段。ただしゴースト(映り込み)や変なフレアが出ていないか常に監視する必要がある。(プレイバックが小さいモニターだと結構痛い目に会う。フィルターワークは特に注意すべし)

電源BOXは結構デカいですが、電源専用の巾着袋が付属しており、スタンドのノブにひっかけられるので、ある意味ウエイトにもなります。そして、FANが静かなので、高出力でも同録も問題なし(高出力のLEDは、FANの騒音は要注意です)
尚、余談ですが、LEDライトではブランディングを確立したといっても良いAputureから300Wの高出力LEDが最近発売されました。電源BOXのFANの音が酷い、など海外での噂もありますが、こういった高輝度、高演色の単板COBライトの展開は今後楽しみですね。

2.LuxPAD 43

 最近この手のライトは増えてきましたが、その元祖とも言える、反射板を使った特殊なフラッドライトです。四角いフラッドパネルの周りにはLEDがぎっしり詰め込まれており、そこから一旦内部の反射板に反射させて光を放つため、柔らかい光を、とても広い照射角度(ほぼ180度くらい)で当てることができます。簡単に言えばノートパソコンのバックライトのような感じです。用途は様々ですが、ソフトボックス等を使わなくても、ある程度影がキツくない柔らかい光を対象物に当てられる、結果荷物が減らせるというのが最大の利点です。さらに薄いので、ソフトボックス分のスペースを省けます。(直射というよりバウンス光に近い形になる)

 一般的な取材時のキーライトや、クロマキー撮影、ちょっとした補助ライト、特殊な例ではバック紙のホリゾントライト変わりにも使っています。さらにバイカラー(デイライト5600Kからタングステン3200Kまで光の色を可変できる)なので、現場のあかりに合わせて即座に色を調整でき、1つ持っていてまったく損のないライトと思います。高演色なので色も悪くありませんが、個人的に若干クセはあるかなと思っています。(他のライトとまぜるとマゼンタがかる時がある気がする。なので、そんな時は色温度を若干下げてます。)また光量は、100%-10%くらいの範囲で調光が出来ます。
 付属のACアダプターは気が利いていて、専用カプラーでライトスタンドに取り付ける事ができ、無駄にACアダプターが転がることなくスタンド周りがすっきりまとまります。さらにSONY NP-Fタイプのバッテリー2個でも駆動できる、現場の強い味方です。ちなみに自分の会社には、このライトがすでに3灯もあります。最近は丸型も出て来ており、場面によっては丸型も欲しいなと思う今日このごろです(人の瞳に映るキャッチは四角より丸のほうが絶対良いですから)

人物に対してサイド光を当てた例。LuxPadの光はほどよく柔らかく、アンビエント光にプラスして陰影を作る時に適している。プロミストフィルターを装着して光源ギリギリを狙っているため、画面右上にフレアが入り少し印象的になった。

こちらは電源が取れないフィールドでの使用例。近くの建物窓から漏れてくる光をシミュレートしている。汎用性あるNP-Fバッテリー運用可もさることながら、LuxPAD 43は色をその場ですぐに変更できるので、現場で重宝する。

3.Aputure Amaran AL-M9


 名刺サイズの小型LEDライトです。それでいて結構明るく色も悪くありません。色はデイライト固定ですが、タングステン色への色変換のフィルターは付属します。ライト全面にはマグネットが仕込まれており、付属の乳白色のデフューザーがワンタッチで脱着できます。ここにトレベやコンバージョンフィルター等を切ってを挟むこともできます。付属で三脚へのアタッチメントも付いて来ます。ゴリラポッド等と併用すると便利です。
 バッテリー内蔵型でUSBから充電、フル充電すれば、連続1時間以上は光ります。それ以上点灯する用途があれば、モバイルバッテリー等を持参しましょう。この大きさで調光もちゃんと出来ます。(ただしバリアブルではなくステップでボタンを押すたびに段階的に)一つ残念な点を挙げるとすれば、電源を切って、再度電源を入れた際、光量がデフォルト値に戻ってしまう事です。ですので、あまりメインのライトと考えず、「いざ時ライト」と考えたほうが良いかと。しかしながら、実際に使う場面が来た時、その潜在能力を実感する事でしょう。1つ持っておいて損ないライトという事で、今回の3選にあえて入れました。
コンパクトなので自分はカメラバッグに常備しているライトです。取材先でのちょっとした食品のシズル出しや、人物にちょとしたタッチを入れる時など「いざという時ライト」となっています。以下、作例をいくつか。

比較的短時間で撮影しなければならず、また部屋も狭かったため、部屋の地明かりを活かしつつAL-M9 2個のみのポイントライティングを行なった例。パーマセルテープで壁でも鏡でも貼れる気軽さは大きい。時に最小で最大を手に入れられるライト。

画像ではわかりにくいが、AL-M9の角度をときおり変えながら人物の表情に光を当てることでテレビ画面の照り返しをシュミレート。本家AputureではAL-M9を使ったスマホの照り返しのTIPS動画もアップされている。(実際の映像をみていただいたほうが、効果は分かりやすいと思います。こちらの4分13秒あたりからを参考ください。)

尚、作例であげた作品は、こちらのチャンネルから実際ご覧いただけます。(自分のポートフォリオにもアップしております。)よかったら、実際の映像で、その効果を見てみてください。全4作品ありますが、ほぼ、この3種類のライトで現場をまわしています。

以上、作例とともにお送りしました。みなさんも、どうぞ良きLEDライトライフを。

今回、紹介したLEDライト、その他アクセサリー リスト

※「CUBE」と「FOCUS」の違いは、ライト前面が単にボーエンズマウント仕様か、最初からコンデンサーフレネルレンズとバーンドアが付いているか、の違い。スペックはどちらも一緒。プロ機材ドットコムでは唯一Skierの「FOCUS」を国内販売している。オプションのボーエンズマウントキットを装着すればソフトボックス等のオプションが装着可能。国内販売のメリットは、何かの際のサポートが確実で楽なため、長い目でみれば、国内で購入するほうが賢明かもしれない。

ライトのTIPSなど、参考動画

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