2023年4月中旬にASUS台湾本社で「ノートPC 2023春夏モデル新製品発表会」が開催された。
日本のメディア向けにASUS JAPANが主催した本イベントでは、新製品発表会に加えてASUS本社や台北市内のオフィシャルストアのツアーも行われた。本稿では、その様子をお届けする。
ASUSが2023春夏のノートPC新モデルを発表。SDGsやコロナの時代に対応し、よりクリエイターのライフスタイルに沿った仕様に
台湾の大手PCメーカーの一翼を担うASUS。同社は常に時代に対応した新製品を開発・販売を続けている。特にノートPCが強く、Zenbookシリーズは同社を代表する製品である。 そんなASUSが、日...
三創生活のオフィシャルショップでは、ユーザーに合わせた製品を提案
まずツアーの初日に訪れたのは、台北市の複合商業施設「三創生活パーク」である。
各フロアごとのコンセプトが明確であり、例えば6階は「アニメーション基地」と銘打ち、日系とアメリカ系のアニメ作品をテーマにした店舗が並んでいた。
ツアーのガイドによると「秋葉原の商業施設みたいな場所ですね」とのこと。
そんな三創生活パークにてASUSは公式ストアを出店している。そこでは主力製品であるZenbookをはじめ、クリエイター向けのモデルなどユーザーに合わせた様々な製品が取り揃えられている。また、別のフロアではやゲーミング製品に特化したストアも展開していた。
店内のデザインが洗練されているのはもちろんだが、店舗を訪れた人が自分に合ったPCモデルがどこにあるのかを探しやすくしているわけだ。
ASUSの理念と歴史が織り込まれた新社屋
ツアー2日目は、ASUS本社にて新製品発表会と社内見学が催された。ASUSは2019年に新社屋を竣工している。
新社屋入口の受付前には、ASUSの象徴的なアイコン「ペガサス」がかたどられていることが紹介された。ご存知の読者もいると思うが、ASUSの社名はペガサス(Pegasus)のスペルから最後の4文字を取ったものだ。
そんなペガサスのアイコンは、入口から吹き抜けにある丸い窓にあしらわれていた。床もよく見ると、そんなペガサスのシルエットになるようにデザインされている。
ASUS公式サイトでは「全ての製品に高い品質と独創性を吹き込むことにより、機知に富むペガサスが象徴する強さ、創造性、純粋さを具体的に実現する」という意味が込められています」と、ブランドネームの由来が紹介されている。
エントランスの天井にペガサスがあしらわれていることには、天から光が指すようにそうした「強さ、創造性、純粋さ」を有する製品を開発し、提供していこうという同社の意思が伝わってきた。
壁や踊り場にはショーウィンドウが設置され、数々の製品が展示されている。
これらはASUSが過去30年以上にわたってリリースしてきた製品である。実際のモデルを発表した順番に並べることで、ASUSの歴史を表現しているようだ。
ショーウィンドウには同社を代表するノートPC「Zenbook」シリーズや、スマートフォンシリーズである「Zenfone」なども陳列されており、同社の多様な製品ラインナップを改めて実感した。
近年はノートPC事業の印象が強いASUSであるが、マザーボードやグラフィックスボード(ビデオカード)など、多岐の製品分野を有するメーカーであることを改めて実感できた。
また、細やかなデザインの工程もディスプレイ上にまとめられている。
ASUSはプロダクトデザインにも強いこだわりを持つ企業である。例えばZenbookシリーズはその名前の通り、日本の禅をコンセプトにデザインされてたものだ。
ショーウィンドウには、ノートPCなど各製品に使われた素材をまとめた区画も見られた。数々のボディ素材が展示されていた。中には竹をボディにあしらった製品まである。こうした面からも和や自然を巧みに取り入れたASUS独自のこだわりが伝わってきた。
さらにはAI研究やAIロボットに関わる取り組みも展示。
昨秋にリリースされた「ChatGPT」が爆発的な広がりを見せるなど、生成AIが注目を集めている。ASUSもロボティクスとAIセンターを設立し、研究に勤しんでいる最中である。廊下の展示では、そうした取り組みも紹介されていた。
品質管理へのこだわり
続いて「品質管理センター」が紹介された。
センター内では、製品が店舗やユーザーへ配送されるまでに遭遇するだろう負荷を想定したテストが用意されていた。テストは4つあり、テストごとに部屋が分かれていた。
まず案内されたのは「気温と湿度のテストルーム」である。こちらは製品を低温から高温・高湿度の環境に起き、平常通り作動するかどうかを試す場所だ。
続いて「衝撃テストルーム」を紹介。こちらは製品が衝撃を受けることを想定し、専用のマシンによって衝撃を与えてテストする場所だ。ここでは衝撃によって、製品の外観や内部の部品の耐久性がテストされる。
「落下テストルーム」は、文字通り製品が運悪く落ちてしまったときの衝撃を想定したテストを行う。こちらも専用のマシンを使い、様々な角度や高さから落としながら綿密に試される。製品が使われる状況を想定し、そこで落としてしまっても大丈夫かどうかを測るものだ。
最後に「振動テストルーム」が紹介された。こちらは製品が出荷されたとき、トラックの中で長いあいだ揺さぶられた後でも作動するかどうかを試験する場所である。
専用の機器で強く揺さぶるテストが行われている様子からは、製品を安全に届けるために万全の体制を敷かれていることが伝わってきた。
従業員のエンゲージメントを高めるために
品質管理センターを出て再びエントランスに戻った後、従業員たちが利用できる様々な施設が紹介された。
まずは、3階の社員食堂。ここはフードコート式で、多種多様な料理のコーナーが設けられていた。
ビュッフェ形式で好きな食べ物を取っていくお店から、台湾ならではの食べ物を売るお店のほか、日本でもおなじみのモスバーガーやスターバックスの店舗まである。さらにコンビニもあった。
従業員たちをよく見ると、マイカップやマイボトルを手にする人が多い。できるだけゴミを出さないようにする施策なのだろう。こうしたところからもSDGsに積極的なASUSの企業姿勢が伝わってきた。
健康を保つための設備も充実している。ジムも用意されており、一面にはエアロバイクなどが弧を描くように並んでいるのが様子を見ることができた。
ジムのすぐ隣には遊戯スペースもある。ビリヤード台やサッカーゲームなどが用意されており、従業員がリフレッシュしながら業務に取り組める工夫が施されていた。
——今回のツアーを通して、ASUS新社屋やオフィシャルストアには、同社の企業理念やコンセプトがしっかりと反映されていることが窺えた。
TEXT & PHOTO_葛西 祝 / Hajime Kasai
Vook編集部@Vook_editor
「映像クリエイターを無敵にする。」をビジョンとするVookの公式アカウント。映像制作のナレッジやTips、さまざまなクリエイターへのインタビューなどを発信しています。
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