この記事ではDaVinci Resolve 18.5の新機能のうち、エディットページに関するものを紹介します。エディットページはDaVinci Resolve全体のベースとなる場所なので、メディアページやデリバーページの更新点や、エディットページだけにとどまらない全般的な機能追加も、この記事で触れておきます。
この記事で紹介するアップデートは50項目くらいあり、DaVinci Neural Engine(ダビンチニューラルエンジン)というAIをベースにした新機能も増えていますが、なんといってもすごいのは文字起こしベースの編集ですね。これは編集のやり方自体を変えてしまう可能性をもった画期的な──大げさに言えば革命的な──機能だと思います。日本語対応はまだですが、そう遠くない将来に対応できると期待されていますのでもう少々お待ちください。
DaVinci Neural Engineについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
DaVinci Resolve 18.5のAIテクノロジー 〜DaVinci Neural Engineでできる18のこと〜
DaVinci Neural Engine(ダビンチニューラルエンジン)というテクノロジーをご存知でしょうか? DaVinci Resolve 16から搭載された技術で、AIを使って高度なエフェ...
自動字幕作成(有償版のみ)
DaVinci Neural Engineを使って字幕を自動でつけられるようになりました。「タイムライン」のプルダウンメニューの Create Subtitles from Audio を押せば一発でタイムラインに字幕を載せてくれます。
ダイアログでは、解析する言語と、キャプションプリセットのスタイルと、最大の文字数を指定します。最大の文字数が大きいと、ひとつの字幕クリップに表示される文字が長くなります。
作成された字幕は字幕クリップとして扱われるので簡単に一括管理ができます。
この自動字幕機能は、タイムライン全体を対象としますが、もしタイムラインにイン点、アウト点が打たれている場合には、その範囲が対象となります。ミックスされた音声が対象となるため、解析の邪魔をする可能性のあるトラックは一時的にミュートしておいてもいいかもしれません。
この自動字幕機能がすごいのは、ただ単に音声から言葉を取り出しているだけではないということです。字幕クリップの文字数制限いっぱいになったら次の字幕クリップにいくというのではなく、文法的、文脈的に適切な箇所で区切りを入れてくれます。ピリオド、カンマも適切な場所に入り、人や場所の名前は単語の先頭が大文字になります。喋り方が断定系ではなく疑問系だったら、ちゃんと文末にクエッションマークを入れてくれます。途中で話者が変わったら、罫線を引いてくれます。引用をしている箇所なら、鉤括弧をつけてくれます。音楽を検出したら、[Music] と表示します。
人名、地名、固有名詞は単語の先頭が大文字になります。
文脈から判断して正しい場所でカンマ、ピリオドが入ります。
話者が変わると罫線が入ります。
音楽は自動的に検出されて音楽であることが明記されます。
自動文字起こしとテキストベースの編集(有償版のみ)
自動で字幕がつけられるだけでもすごいんですが、DaVinci Neural Engineはさらにその先をいきます。テキストベースの編集です。まだタイムラインに置く前のファイルを文字起こしして、その文字を使って編集ができるのです。
まずはメディアプールでクリップを選択します。
右クリックして、Transcribe Audio を選択します。
分析が始まります。
終わるとこのようなダイアログが開きます。それぞれのクリップが文字起こしされているのがわかります。
文字起こしだけでもありがたいのですが、このツールはそこで終わりではありません。文字起こしした内容を見ながら、使いたい文章をドラッグしてハイライトしてみてください。
そうすると、なんと、ソースビューワーでその箇所にイン点とアウト点が打たれます。これが「テキストベースの編集」の意味です。このテキストとソースビューワーが完全に連動しているわけですね。ソースビューワーで再生ヘッドが置かれている箇所で話している単語は、トランスクリプトの中では赤く表示されます。
あとはそのイン点とアウト点が打たれた箇所をタイムラインに入れるだけです。右下に2つボタンがあり、左が「挿入」、右が「末尾に追加」です。
トランスクリプトの右上のボタンを使えば、文字が見えにくいときに、文字を大きくしたり、背景と文字の色を反転させたりすることができます。
文字起こしダイアログの右上の検索ボタンから、文字を検索することもできます。これまでは目的の言葉を探すためにはソースビューワーで実際に音声を聞きながらその箇所を探さないといけませんでしたが、この文字起こし機能を使えば、実際の音声を聞かずに文字ベースで必要な単語を検索して探せます。最初から最後まで一度も素材の音声を聞かずに、正確に欲しいところだけを抜き出してタイムラインを作ることだってできます。
検索ボタンの左のボタンは書き出しボタンです。テキストファイルで文字起こしを書き出せます。
音声の自動分類(有償版のみ)
これもDaVinci Resolve Studioを使った機能です。音声の種類を自動で分析して、クリップにメタデータを付与できます。メディアプールでクリップを右クリックしてアクセスできます。
クリップを複数選択して一発でかけられます。
分類された属性は、メタデータのオーディオのセクションのカテゴリーに現れます。
カテゴリーは「無分類」、「ダイアログ」、「エフェクト」、「音楽」、「無音」の5種類です。
驚くべきは、この5種類のカテゴリーだけではなく、DaVinci Neural Engineが自動的にサブカテゴリーも分析してくれるということです。音声だけで、「散歩」とか「足音」とか「人間」とかのキーワードを見つけられるってすごいですね。
自動スマートビンに新たな項目
スマートビンに自動で新たな項目を追加できるようになりました。環境設定から、Automatic smart bins collection にチェックを入れてみてください。
映像のみ、音声のみのクリップの分類から、前述の音声から自動分析したカテゴリーやサブカテゴリーまで、さまざまなタブが現れて、メディアプールでの素材の整理を助けてくれます。
分類をリセットしたいときには「分類をクリア」を押します。
スーパースケールの新アルゴリズム
DaVinci Neural Engineを使った超解像技術、スーパースケールのアルゴリズムが新しくなりました。「2x 強化」という項目が新しいアルゴリズムを使用したモードです。シャープネスやノイズリダクションが細かく調整できるようになったのが特徴です。今までよりもディテールの豊かな形で素材の解像度をアップすることができます。
たとえばクリップの一部をズームしたとき、解像感が甘くなることがありますが、このスーパースケールを使えばDaVinci Neural Engineを使って解像度を上げることができます。
ズーム前
ズーム後、スーパースケール「2x 強化」適用前
ズーム後、スーパースケール「2x 強化」適用後
スーパースケールにインスペクタからアクセス
これまでクリップ属性から設定していたスーパースケールですが、より手軽にインスペクタからアクセスできるようになりました。オンオフがやりやすくなったのもいいですね。
画像の書き出し
これはエディットページだけではなくほかのページでも有効ですが、タイムラインで再生ヘッドの置かれているフレームを1枚の画像として書き出せるようになりました。これまではカラーページに行って、ギャラリースチルを保存して、そこから書き出して、といった感じで地味に手間がかかっていたのですが、今回からは「ファイル」メニューから一発でいけます。YouTubeのサムネを書き出したいときなどに便利ですね。
画像のフォーマットも多くの選択肢から好きに選択できます。
複数のクリップに対して一気にスタビライゼーションを適用
これはありそうでなかったやつですね。DaVinci Resolveのスタビライズは強力ですが、一つひとつのクリップに対して適用しないといけませんでした。複数のクリップに一気に、ということはできなかったのです。今回からはそれができるようになっています。些細なことですが、日々の編集にはこういう些細なことが大事なんですよね。
タイムラインごとのバックアップ
これまでプロジェクトベースでバックアップを取る機能がありましたが、今回からはタイムラインベースでバックアップを取れるようになりました。タイムラインがたくさんあるプロジェクトではバックアップに時間がかかってしまうことがあったのでこれは便利ですね。環境設定の中にあります。
タイムラインバックアップは、メディアプールのタイムラインを右クリックすることにより表示できます。タイムラインバックアップをロードしても、今のタイムラインが上書きされてしまう心配はありません。タイムラインバックアップをロードすると、それはべつのタイムラインクリップとしてメディアプールに現れます。
タイムラインに何も変更が加わっていないときには、タイムラインバックアップは作成されません。
キーフレームを追加、削除するショートカット
「マーク」のプルダウンメニューには、「キーフレームを追加」、「キーフレームを削除」というコマンドがあります。これらはこれまでも存在しましたが、カラーページでのみ使用できる機能でした。今回からはエディットページで使えるようになっています。ショートカットもデフォルトで割り当てられています。Command (Ctrl) + [ とOption (Alt) + ] です。
再生中にキーフレームの編集
タイムラインを移動しながら簡単にキーフレームの編集が可能になりました。タイムラインを再生しているあいだだってキーフレームが打ててしまいます。たとえばタイムラインにイン点とアウト点を打って、Alt (Option) + / でループ再生しながら、任意のキーフレームを操作したりすることができます。
タイムラインを再生中、上記のCommand (Ctrl) + [ を使ってキーフレームを打とうとしたとき、DaVinci Resolveはコンテクストを判断して適切なパラメーターにキーフレームを打ってくれます。どのパラメーターにキーフレームを打つかは、次の優先順位で判断されます。
(もしアクティブな場合)リタイムコントロール
→ (もし開いている場合)キーフレームエディターのアクティブなエフェクトカーブ
→ 最後に操作したインスペクタのパラメーター
→ オーディオゲイン
たとえばもしインスペクタでズームを変更したあとで、タイムライン上でCommand (Ctrl) + [ のショートカットを押すと、現在再生ヘッドがある位置にキーフレームが打たれます。もしべつのクリップに移動したとしても、最近ズームを変更したことは覚えているので、Command (Ctrl) + [ のショートカットを押すと、そこにズームのキーフレームが打たれます。
この機能はさまざまな局面で使えますが、最も使いやすいのはやはりオーディオゲインじゃないでしょうか。キーフレームの追加と削除がショートカットで簡単にできるので、オーディオの細かいキーフレーム調整がスムーズにできるようになります。
リタイムカーブのデフォルトがリタイム速度に
今まではリタイムカーブを開くと「リタイムフレーム」というモードが開きました。これは速度を傾きで表したモードですが、ちょっとわかりにくいのが難点でした。今回からはよりわかりやすい「リタイム速度」というモードが、リタイムカーブのデフォルトになります。このモードでは速度は高さで表されるため、より直感的に速度を変更することができます。
レンダーキャッシュをプロジェクト間で管理
レンダーキャッシュの機能に新たなツールが加わりました。キャッシュマネージャーです。「再生」の「レンダーキャッシュを削除」のメニューからアクセスできます。
これまでいつの間にか増えてしまいがちだったレンダーキャッシュが、このダイアログで管理できます。現在開いているプロジェクトだけではなく、マシンからアクセスできるあらゆるプロジェクトが対象となるので、レンダーキャッシュの一括管理に便利です。
それぞれの項目の内容を簡単に解説しておきます。
保存場所 → プロジェクトライブラリの場所を示します。すべて、ローカル、ネットワーク、クラウドの4種類から選べます。
プロジェクトライブラリ → どのプロジェクトライブラリのキャッシュを表示するかを選択できます。
プロジェクト → プロジェクト名が表示されます。
レンダーキャッシュ → レンダーキャッシュの大きさが表示されます。削除したいプロジェクトのレンダーキャッシュにチェックを入れます。
キャッシュを消去 → ウィンドウの左下のボタンを押すと、チェックが入ったプロジェクトのキャッシュが削除されます。インデックスでのトラックの入れ替え
インデックスのトラックタブで、ドラッグ&ドロップで簡単にビデオトラックを入れ替えられるようになりました。今までこれはオーディオトラックに対してはできたのですが、ビデオトラックにはできませんでした。これからはビデオトラックもオーディオトラックも自由にインデックスで入れ替えられます。
ちなみにトラックリストで表示される各項目の意味は次のとおりです。
カラー → トラックの色です。右クリックから変更できます。
番号 → V2やA4などのトラック番号が示されます。トラックを入れ替えても、上からの番号の並びは変わりません。
名前 → トラックの名前です。クリックして変更できます。
トラックコントロール → ロック/アンロック、自動トラック選択、有効/無効、ソロ、ミュートが選択できます。
フォーマット(音声トラックのみ)→ 音声トラックの属性が変えられます。1.0がモノラル、2.0がステレオを意味しています。右クリックから変更できます。
モニター(音声トラックのみ)→ ここにチェックを入れると、モニタリングする音声の選択肢としてエディットページやFairlightの右上に出てきます。
ADC(音声トラックのみ)→ ここにチェックを入れると、音声遅延補正(Automatic Delay Compensation)が有効になります。
マーカーサブクリップにもメタデータを表示
素材にマーカーを打つと、メディアプールでサブクリップとして表示されるのは今まで通りです。今回からはそのサブクリップでもメタデータを表示できるようになりました。
複数クリップのイン点、アウト点の一括削除
メディアプールの中の複数クリップのイン点、アウト点を一括削除できるようになりました。クリップを複数選択して、「イン点とアウト点を削除」を選びます。ショートカットはOption (Alt) + X です。
複数タイムラインの開始タイムコードを設定
複数タイムラインの開始タイムコードを一気に設定できるようになりました。メディアプールでタイムラインクリップを複数選択して、「開始タイムコードを設定」を選んでください。
メディアストレージのお気に入りを入れ替え
メディアページのメディアストレージのセクションにはお気に入りという項目がありますが、ここの並び順をドラッグ&ドロップで変えられるようになりました。
ソースビューワーの履歴を消去
ソースビューワーの上のプルダウンメニューでは、最近使った10個のクリップが表示されます。これは今までどおりです。
ソースビューワー右上の3点メニューから、この履歴を消去できるようになりました。
素材のピクセルアスペクト比を自由に指定
クリップ属性のピクセルアスペクト比で、自分で好きなピクセルアスペクト比を指定できるようになりました。選択肢にない画角の素材が来たときに便利です。
たとえば1.6と入力すると、1:1.6のアスペクト比を使えます。
スタビライゼーションなどの解析速度を表示
スタビライゼーションやシーンカット検出などのツールで、どのくらいの速度で分析が進んでいるか表示されるようになりました。スタビライゼーションってこんなに早かったんだ、とかがわかります。
マルチカムクリップをシングルクリップに変換した際にグレーディングを維持
マルチカムクリップをシングルクリップに変換した際にグレーディングを維持できるようになりました。
オフラインのVFXコネクトクリップを手動で再リンク
VFXコネクトクリップをメディアプールの中で再リンクできるようになりました。
再生ヘッドの下のクリップをすべて選択
カットページ、エディットページ、Fairlightページで、再生ヘッドの位置のクリップをすべて選択できるようになりました。
このボタンを押すと、再生ヘッドの位置の映像クリップ、音声クリップがすべて選択されます。もちろん「キーボードのカスタマイズ」のセクションで、ショートカットも割り当てられます。
タイムライン表示オプションと音量コントロールにショートカット
タイムライン表示オプションと音量コントロールにショートカットを割り当てられるようになりました。
マシンスペックが弱いときに映像をスムーズに再生
エディットページのタイムラインの再生が大きく改善され、処理の重いクリップやスペックが落ちるシステムという状況下でも、スムーズにタイムラインを再生されるようになりました。これまではそういった環境では再生がかくついて、フレームの表示が飛び飛びになり、数フレーム再生しては数フレーム飛んで、という状況だったのに対して、今回のアップデートでは、同じくかくつきは見られるにせよ、できるだけ等間隔に途中のフレームを飛ばしてタイムラインを再生するようになっているので、見た目には前よりもスムーズに見えます。
字幕のプレビューを改善
字幕が長すぎて2行になるときにも、インスペクタの表示で自動的にちゃんと改行して字幕を表示できるようになりました。
タイムコードを入力する際にタイムコードウィンドウに内容を反映
=、+、- を押すと、タイムラインビューワーの右上のタイムコードがアクティブになり、タイムコードを打ち込んで再生ヘッドやクリップを移動させることができます。「ワークスペース」のメニューからタイムコードウィンドウを表示する設定にしているとき、そのタイムコード入力が反映されるようになりました。
編集インデックスの書き出し
編集インデックスが書き出せるようになりました。書き出し方式は、.csv、.txt の2種類から選べます。
OpenTimelineIOに対応
XML、AAFなどに代わると期待されている次世代のタイムライン共通規格、OpenTimelineIOに対応を開始しました。OTIOはAcademy Software Foundationという組織が発案した、オープンソースのメディアとタイムラインの汎用フォーマットです。DaVinci ResolveはこのOTIOの書き出しと読み込みができます。
.otioと.otiozという2種類の拡張子があります。.otioは、タイムラインのメタデータのみを内包しています。DaVinci Resolveでいうところの.drpです。.otiozは、タイムラインだけではなく使用素材も含まれており、それらがすべてzipファイルとしてまとめられています。DaVinci Resolveでいうところの.draです。.otiozは素材を含むため書き出しに時間がかかります。
.otiozは通常のWindowsのエクスプローラやMacのFinderなどでは開けないタイプのファイルです。ファイルを読み込むには、DaVinci ResolveなどのOpenTimelineIOに対応した編集ソフトで開く必要があります。
TikTokへの直接アップロード
TikTokへの直接アップロードに対応しました。デスクトップマシンで動作する編集ソフトでTikTokへの直接アップロードに対応したのはおそらくDaVinci Resolveが初めてです。
縦型で自動的にクロップモードに
TikTokといえば縦型動画です。DaVinci Resolveはこれまでも縦型動画には対応していましたが、一点不便だったのが、縦型にしたときに上下に黒が入ってしまうのを防ぐため、プロジェクト設定のイメージスケーリングのタブで設定を変更しないといけませんでした。今回からは自動的に入力スケーリングで「最短辺をマッチ:他をクロップ」が選ばれるようになっています。
縦型にしたときに、人の顔などの見せたいものがずれてしまったときには、DaVinci Neural Engineベースのスマートリフレームを使いましょう。
デフォルトでスピードワープを選択
これもまたDaVinci Neural Engineを使った機能ですが、スピードワープというフレーム補完機能があります。これまではクリップごとに適用するしか方法がありませんでした。プロジェクト設定でデフォルトにしようとしても、「動き推定モード」から選択ができなかったからです。今回からはその項目にスピードワープが現れるようになっています。
スピードワープについてはこの記事をどうぞ。
DaVinci Resolve 16のAIスローモーションがすごい! 〜スピードワープ〜
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Dropbox Replayに新しいバージョンをアップロード
Dropbox Replayへアップロードする際、2回目以降の書き出して、そのクリップを新しいバージョンとしてDropbox Replayに挙げられるようになりました。
DRAにVFXコネクトクリップも内包
DRA(DaVinci Resolve Archive)は、DRP(DaVinci Resolve Project)と違い、素材やレンダーキャッシュもまとめてパッケージ化されたものですが、ここにVFXコネクトクリップも含まれるようになりました。
クイックエクスポートのアイコンを表示
エディットページとカラーページでクイックエクスポートのアイコンが表示されるようになりました。これまでカットページにしかなかったアイコンです。
クラウドプロジェクトの最適化
Blackmagic Cloudのクラウドプロジェクトを使用している際のパフォーマンスの最適化が進みました。環境設定でOptimize project library cloud data trafficを選択すると、クラウドプロジェクトライブラリを使用しているときのデータトラフィックが最適化されます。
スクリプトAPI関連
以下のスクリプトAPIに対応しました。
- .drtと.drbファイルの読み込み、書き出し
- データ焼き付けのプリセットのロード
- ノードラベルの取得
- ARRI CDLとLUTのクリップへの適用
- クリップの有効状態をクエリし設定
- エンコードAPIで対応している拡張子やコーデックを一覧で表示
- エンコードAPIでデータレンジ、ビデオレンジを指定
- タイムラインの音声から字幕を作成
- 素材のクリップの文字起こし
コーデック関連
- Blackmagic RAW SDK 3.0に対応(縦型動画とURSA Mini Pro 12K OLPF)
- GIF、JPEG、PNGの連番ファイルの書き出しに対応
- アニメーションつきのGIFの書き出しに対応
- LinuxでのAC3音声のデコードに対応
- ARRIのLogC3クリップをLogC4でデコード可能に
- Sony XAVCのRAWコントロールに対応
- MKVファイルのチャプターをマーカーとしてインポート可能に
- タイムラインマーカーをMKVのチャプターとして書き出し可能に
- MKV、WEBMクリップのAV1のデコードに対応
- FFV1フォーマットのエンコードとデコードに対応
- MKV拡張子でのProRes、AV1、H.264、MP3、AACのエンコードに対応
- ZIPフォーマットのEXRを書き出す際に圧縮レベルを変更可能に
パフォーマンス向上
- 一部のNVIDIA GPUでVP9ファイルのデコードがハードウェア・アクセラレーションに対応
- Sony XAVC 420 8bitのクリップの書き出し速度が最大50%向上
- AMDシステムでのAV1のエンコードがハードウェア・アクセラレーションに対応
- AMDシステムで複数のハードウェアエンコーダーを使用可能に
- Apple ProResのハードウェアエンコードの速度が最大30%向上
- Apple siliconのマシンでProResクリップを書き出す際にディスク領域予測の精度が向上
- クイックエクスポートでファイルを書き出す際にデータ焼き付けと字幕をデフォルトで載せる仕様に
- タイムコードのないクリップのプロキシリンクの性能を向上
- Rock Linux 8.6ベースの環境へのインストールに対応
- Windows 11でAACエンコードをする際のビットレートと品質が向上
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