なぜ今、Vlog向けカメラを発売するのか? さらなる需要の拡大が見込めるVlog撮影と動画配信に適した「PowerShot V10」を発表|キヤノン

2023.05.15 (最終更新日: 2023.05.15)

スマホライクな縦型デザインのVlog カメラ「PowerShot V10」

自分の趣味や生活を動画で楽しく表現する「Vlog」が、近年急速に日本でも広がっている。

「Vlog」とはVideo Blogの略称であり、文章で投稿するブログの映像版と言える。

今は誰でも手軽に動画を撮影して投稿できる時代だが、Vlogの中でも映画的な情感のある映像で構成された「Cinematic Vlog」は、撮影、編集、録音、カラーコレクションなど、技術的なこだわりも表現するクリエイティビティが特徴だ。

そのような「Vlog市場」の拡大に伴い、キヤノンが2023年5月11日(木)にVlog撮影に特化したコンパクトカメラ「PowerShot V10」の製品発表会を開催した。

シルバーとブラックの2色をラインナップ

「PowerShot V10」
発売開始時期:2023年6月下旬予定
参考価格:オープン ※キヤノンオンラインショップ販売予定価格「59,950円」(税込)
同梱品:本体、リストストラップWS-800、インターフェースケーブルIFC-100U2.0
https://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/v10/

「PowerShot V10」はスマホライクな縦型のコンパクトボディに、4K/30pの高画質、大口径マイクによるクリアな高音質、気軽に扱えながら本格的な撮影が行うことが出来るという、Vlog撮影のためにデザインされた製品となっている。

「365日、Vlogしよう。」というキャッチコピーが表すように、高クオリティな映像を手軽に撮影できることをコンセプトにした「PowerShot V10」が目指す未来とは? 本製品が誕生した背景に迫る。

新たなコミュニケーションツールとしてのカメラを

本イベントの冒頭に登壇したキヤノン ICB事業推進部 部長 小林嗣尚氏は「デバイスや通信環境など、様々なテクノロジーの進化によって、映像を活用したコミュニケーションがより活発になっている」と語った。

本製品のプレゼンテーションを行う、小林嗣尚氏(キヤノン ICB事業推進部 部長)

動画制作やLIVE配信市場において、全世界のクリエイター数が推定2億人とされる昨今、多様な表現活動がコミュニケーションの一つとして人々をつないでいる。

小林氏は継続的に拡大する動画市場においてカメラを今後、「想い出を記録する映像記録デバイス」から、「自己表現によって人と繋がるためのコミュニケーションツール」として新たに解釈していきたいと思考の転換を語った。

「PowerShot Vシリーズ」は、新時代のコミュケーションツールとして、ユニークな特徴を持つカメラを顧客に提供していきたいのだという。

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簡単・気軽なのに本格的 ゼロベースデザインの特徴あるコンパクトカメラ

今回発表された「PowerShot V10」の最大の特徴は、片手で扱えるサイズかつ、わずか211g(内蔵バッテリー・メモリーカード含む)の軽量ボディだ。

図のように片手でも扱うことができる。レンズの下という特徴的な位置にRECボタンが設置されており、親指で簡単に操作することが可能

・片手で持つことを基本とした縦型のスマホライクなデザイン
・気軽に置いて撮れるスタンドを内蔵し、角度調節も自由自在
・親指でディスプレイをタッチすれば、カメラの基本機能を操作可能

ユーザーへのヒアリングを徹底し、誰もが手軽に操作できるデザインにしたそうだ。

本イベントに登壇したキヤノンマーケティングジャパン カメラマーケティング部チーフの島田正太氏は、本製品について「ゼロベースで検討して製造されたデザイン」と語った。

島田正太氏(キヤノンマーケティングジャパン カメラマーケティング部チーフ)

その言葉の通り、「PowerShot V10」は既存のカメラとはまた違ったコンパクトな設計が成されている。

簡単に持ち運びができ、撮影・投稿・配信など動画表現に必要なワークフローのすべてを気軽に行える。確かに、日常を切り取って発信するVlogという表現方法に適したカメラと言えるだろう。

自撮りに適した広角19mm相当のレンズ(※1)を搭載(写真提供:キヤノン)
撮影サンプル(写真提供:キヤノン)

※1:動画時(35mm判換算)。静止画時(35mm判換算)は、18mm相当

また充実した撮影機能も兼ね備えている。

高画質な1.0型CMOSセンサーを搭載していることで、有効画素数約1,310万画素/4K画質のノイズの少ないクリアな動画を撮影することができる。大口径のマイクも搭載しており、全方位集音の内蔵マイクだけでもクリアな録音が可能だ。

人物の顔を自動検出して追尾する顔追尾AFに加え、5段階の美肌動画モード、14種類の動画カラーフィルターなどのキヤノン初となる機能も搭載しており、専用アプリ「Canon Connect」と連動することで、YouTube LIVEやFacebook LIVEによる配信を、有線と無線のどちらでもダイレクトに行うことができるという。

ライブ配信のイメージ(写真提供:キヤノン)

コンパクトで誰もが気軽に扱えるが、本格的な撮影機能を搭載している。
——というコンセプトからは外れていない充実した性能が伺えた。

スマホに近い感覚で、Vlogをもっと本格的に撮影する

本イベントでは、キヤノンが本製品を開発する上で実施したVlog市場へのリサーチ結果も紹介された。

キヤノンの調べによると、現在「Vlog」の撮影者である「Vlogger」は20代後半~30代がメイン層であることがわかったそうだ。

「Vlogger」は、全体の動画投稿者の47%を占め、そのうち23%がカメラを使用し、うち24%がスマホを使用してVlogを撮影しているのだという。

そして、カメラを使用する「Vlogger」のうち約3割がスマホも併用しているとされている。

つまりVlog市場において、現在スマホでの撮影者が半分以上の割合を占めているというのだ。

Vlogの撮影ジャンルとしては、人気1位が「旅行」で、2位に「街歩き」、3位「料理」と続いている。

特に「旅行」と「街歩き」では、ふとした瞬間での撮影や、常に持ち続けている必要があるためコンパクトな撮影機器が求められている。

そうしたデータから、手軽に持ち運べるスマホが重用されている背景が見えてきた。

しかし、スマホVloggerの7割が何らかの不満を抱えているというデータもある(※キヤノンマーケティングジャパン調べ)。

その中には「スマホのバッテリーを消費したくない」「画質が良くない」「明るさ/色合いの調整がよくない」「ピントがすぐに合わない」などの意見があった。

「スマホのような手軽さがありつつ、カメラのような本格的な撮影機能を兼ね備えた製品が欲しい」といった、Vloggerの需要に応えたのが「PowerShot V10」というカメラなのだろう。

本イベントでは、「PowerShot V10」を持ったモデルの撮影会も行われた

「PowerShot V10」の発売にあたり、様々なパートナーとのコラボレーションが予定されている。

旅行では「JR東日本」、教育では「CURIO SCHOOL」、料理では「ABC Cooking Studio」とコラボレーションし、我々Vookも「PowerShot V10」と絡めたVlogの講座を開催する予定だという(詳しくは公式サイトを参照)。

クリエイターにはサブ機として、スマホユーザーにも気軽に動画撮影で使ってもらうために

本イベントの後半では、スペシャルゲストを招いたトークセッションが開催された。登壇したのは、動画クリエイター 大川優介氏、キヤノンの大辻 聡史氏、キヤノンマーケティングの島田正太氏の3氏である。

左から、島田正太氏、大辻聡史氏、大川優介氏

トークセッションは、島田氏の司会で進められた。

冒頭、Vlogを含めたハイクオリティなコンテンツを投稿し、支持を集めている動画クリエイターである大川氏が、撮影から録音を100%「PowerShot V10」で収録したVlogを披露した。

▲ 大川氏が全編本製品で撮影した「PowerShot V10が映し出すVlogの世界」

上映後、大川氏は「PowerShot V10」によるVlog撮影について「撮れる映像も綺麗ですが、音が思っている以上に良く、加工をしなくても鮮明かつ繊細に聞こえてくれる」と、語った。

また、「体験を残すというVlogの性質上、食事シーンでも三脚がなくても自立させることができて、ふとした瞬間にカバンから取り出して撮影できるなど、全てのVlog体験に適したデザインをされています」と、デザイン面での手応えも示した。

内蔵されたスタンドは自在に動かすことが可能で、様々な撮影場面に対応している

その点について大辻氏は、「映像を自己発信している方々にリサーチしたことで、『街中に溶け込みたい』、『ブレずに持ちたい』、『身軽に居たい』、『すぐに撮影ポジションに入りたい』などの要望が見えてきた。それをデザイン部門にインプットして30案以上出してもらった」と、デザイン面での熱意をふり返り、機能面でも「暗い所がハッキリと見える(写せる)カメラにしたかった」と語った。

「PowerShot V10」の企画段階からのこだわりについて語る大辻氏

大川氏は、「(PowerShot V10について)動画クリエイターとして、自分の思い入れを残すということを大切にしている。そういったところで、クリエイターのサブ機として利用しつつ、スマホユーザーとして動画を撮っている方にも気軽に使用してほしい」と、率直な意見を述べた。

そして大辻氏は、「今までカメラを使ってもらえなかった人に使ってもらえるようになりたい。コミュニケーションのツールとして豊かな人生に貢献できたらと思っている」と、本製品の展望について語った。

トークセッションの後半、大川氏は次のような素敵な言葉を残した。
「18歳の頃の動画を今見返すと、またちがった感情が湧いてくる。動画の価値というものは時間が経つほど増幅する」

手軽に取り出し、その一瞬を切り取ることができるカメラは、時間と共に価値が生まれる動画というものをコミュニケーションツールとして多くの人に共有してくれるのだろう。

自撮りのイメージ(写真提供:キヤノン)

簡単・気軽なのに本格派——。
Vlog撮影に特化した「PowerShot V10」は、カメラをコミュニケーションツールとして発展させていく……というキヤノンの思い描く新たな未来への展望が込められた製品だった。

誰もが動画を撮影して発信できる世界で、カメラという機器がどのような意味を持つのか。それを見つめ直す時代の転換点が来ているのかもしれない。

▲ トライポットグリップ「HG-100TBR」を同梱したキットも6月下旬から発売予定だ。オープン価格で、キヤノンオンラインショップ 販売予定価格は「65,450円(税込)」

TEXT & PHOTO_桝本力丸 / Rikimaru Masumoto
EDIT_沼倉有人 / Arihito Numkaura(Vook編集部)

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